雑誌ナナメ読み:乗れば癒される?

Legacy  テリー伊藤氏はクルマ好きで知られているけれど、業界外からの率直な意見が面白いということで、誌面での活躍も多い。

 その中で、新しいレガシィを扱っている記事がいまあるんだけど、今回はちょっと「あれ?」って感じなんである。

 話としては”見た目は悪い”けど”乗るといい”という内容。キャバクラで隣に来た娘が”即チェンジ”な容姿だったけど、色々話をしてみたら性格美人だった、と。まあ、そのこと自体が理解できないわけじゃないけど、この考え方はあまりに古過ぎるでしょう。

 ホラ、かつて「技術の日産」が凋落し始めた頃、その商品企画の酷さにこの表現がよく使われたのを覚えてないかなあ? カクカクになっちゃった3代目のオースターとか、走る棺桶と揶揄されたローレルとか。ハードはいいんだけど、デザインに代表される商品企画がまったく追いついてないという状況ね。

 ザックリ、あれからもう20年以上だもん。もはやあらゆる情報が瞬時に入手できて、評価の方法も山ほどある。そんないま現在、多くの人が「変なカタチ」と思う商品を世に出しちゃうって、やっぱりダメなんじゃないか。それは「乗ればいい」ということじゃ埋め合わせられないんじゃないのかな、もはや。

 テリー氏も書いてるとおり、いまやレガシィは北米がメインマーケットであって、そのための大型化、そのためのアイコン放棄だったと。僕もその点は仕方がないと思うけど、それと「カッコ悪くなる」ことはまったく関係ないもん。大きくなろうが、Dピラーをボディ色にしようが、要は結果的に優れたデザインか否かでしょう。

 新しいレガシィについては、評論家諸氏の意見もほとんどこの「乗るといい」「乗ると癒される」になっているんだけど、”街の自動車評論家”の異名をとるテリー氏までもそこに同調しちゃうのは寂しいなあと思ったんである。デザイナーはキャバ嬢の容姿には手が出せないけど、クルマのカタチはどうにでもできるんだから。

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雑誌記事:今月の取材

 今月の取材をしました。

 と言っても、今回は初めての「文書による」取材ってやつです。取材先が多忙という理由で、どうしても直接会うことができなかったということですね。

 対面取材は何と言っても顔を見て話をしてますから、その場の進行で色々なことを聞くことができます。つまり臨機応変に。でも、文書取材は基本的に一方通行ですから、そういうことはできません。

 だからと言ってそのままではツマラナイ取材になってしまうので、今回はどうすれば対面に近い結果を得られるかについて様々な工夫をしてみました。ま、聞き方をどうするかってことですね。

 結果は今月発売の雑誌記事で是非ご確認いただければと思います。んー、でもやっぱり取材は対面がいいなあ。

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雑誌ナナメ読み:東京モーターショー再び

Mortor_show2009  いま売りの雑誌「NAVI」に東京モーターショーの記事が載っている。

 外国勢ほぼ撤退の状況をどうするか、についてふたつの見方を示した内容。他誌の「東京をバカにすんな!」という、それこそおバカ記事じゃなくて、より建設的なのは、さすが老舗CGの姉妹誌だなあと。

 ここでは、街作りとクルマの関係を示した新しいアプローチとか、外国ショーではあり得ない「規制」だらけの開催運営への指摘が書かれている。これは見方を変えると、片やもう日本メーカーだけで腹をくくって、片や外国勢よ帰って来い、という提案なんである。

 で、先日報道されていたけど、実際のショーの目玉は、何と今年のCOTYの授賞式を会場で行う、そんでもって歴代の受賞車を一同に並べる、っていう予定があるらしい。

 COTYのよくないウワサは読者の方もよくご存知だろうけど、一応”第3者的立場”で選出することになっている賞を、自工会主催の会でやっちゃうってスゴイよねー。これはCOTY側からの提案だそうだけど、もはや「建前」を言ってる場合じゃないと。

 でも、どうせ「建前」をかなぐり捨てるなら、前にも書いたけど、いっそ外国車ブース出展料を免除して「ご招待」すればいいのにって思うな。あ、これはもちろん、今後も国際ショーとしての立場を死守したいならの話ね。

 いや、もう日本メーカーだけでいいじゃん、ということなら、出展車のあり方を再検討したらどうだろう。従来のようにラブホテルやUFOみたいな現実味のないコンセプトカーばっかり出すんじゃなくて、実際の販売予定車を出し惜しみしないでたくさん並べたらいいのに。

 ま、2年も先に出すクルマなら多少デコレーションしてもいいだろうけど、基本的には「ほぼそのマンマ」で。そんなことしたら新車効果が・・・なんていうのはもう古い考え方でしょう。そのクルマが本当に魅力的なら先に見せたって売れる筈だもん。逆に言えば、そういうクルマを作るべきってことでね。実際欧州勢はとっくにやってるワケだし。

 前回でGT-Rがひとり勝ちだったのは、それがGT-Rっていう特殊なクルマだったこともあるだろうけど、”市販車”としてお披露目だったことも大きいんじゃないかな。べつに次期のマーチやヴィッツ、ステップワゴン、コペン、スイフトなんか見せたっていいじゃん。あ、ウワサのホンダやスバル+トヨタのスポーティカーなんかもね。

 マツダやスバルみたいに車種が少ないメーカーは限界があるだろうけど、それ以外のメーカーなら結構出せるんじゃない? もちろん出展車は最新技術を搭載して、ニッポンの”技術見本市”な要素もしっかり盛り込むのがいいんじゃないかな。つまり、技術見本のためのコンセプトカーを作るんじゃなくて、現実的なクルマで技術見本を展開するっていうこと。

 ま、歴代のCOTY受賞車は一部の来場者にウケるかもしれないけど、それはショーとしてあまりに後ろ向きだと思う。そりゃ、緊急避難的要素が大きいのは理解できるけど。

 ブースが余ってるんだったら市販車は全部並べて、かつ先述のような現実的コンセプトカーを一杯持ってきて欲しい。それが日本車限定ショーの場合の提案かなあ。

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雑誌ナナメ読み:もうすぐ1000円ポッキリ

Etc   もう、今週末から高速道路の1000円ポッキリが始まる。

  もともと高すぎる料金が下がること自体はともかくとして、この施策に伴う諸問題について、ついにここまでほとんど自動車雑誌の誌面に出て来なかったのがとても残念なんである。

 たとえば天下り。ETC助成制度の財源が天下り財団の保有資産、つまり税金であること、制度自体も相変わらず別の天下り財団に丸投げなこと。その財団の役員にはETC機器開発の電機メーカーと、カード会社の役員が名を連ねており、この特需の恩恵を自身でしっかり受けていることなどなど。

 あと、意外に報道されないけれど、これはあくまで景気対策であって、2年間限定であること。ETC買わせておいて、じゃあ2年後には元の料金なの? という素朴な疑問。いや、そもそもなんでETC限定なのかとか。

 与党は道路特定財源維持は環境対策だなんて言ってたけど、そことの整合性。民主党はさらに別の話で無料化案を出しているけど、景気対策とかじゃなくて、そもそも現行料金体系はどうなんだという言及。

 はたまた高速に慣れていないドライバーの追い越し車線占有など、大幅に増えることが確実の利用者啓蒙。SAのトイレ増設などインフラ整備。従来の週末でも渋滞する路線での”自然渋滞解消策”の提言。

 天下りについては先日週刊誌で取り上げられたけど、なんで一般誌なのかと思う。この間、自動車雑誌での提言や言及はほとんどなかったし、取り上げても「1000円になったらどこに出掛けたい?」みたいなお気楽企画ばかり。インフラなどはそれぞれの立場の人たちが準備しているだろうけど、メディアで広く提言することも大きな意味があるでしょ。

 もちろん、これから時間をかけて考えることもあると思うけど、いまこそ書くべきということも少なくない筈。臨時措置とはいえ、これまでに語る時間は十分あったわけだし。当然評論家諸氏だって色々考えているんだろうけど、なんでそれが表に出て来ないのか?

 先日、あるラジオ番組のインタビューに答えていた評論家氏がいたけど、もっと能動的な活動としてということで。それは誌面に出すことができないのか、あるいは出す必要がないと考えているのか。どっちにしてもいかがなものかと思うんだけど。 

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雑誌ナナメ読み:もう批評の時代じゃない?

Navi03  雑誌NAVIが創刊300号記念をやっている。

 今月号の特集は「NAVIっぽいってどういうコト?」。歴代編集長へのインタビューを目玉にした企画それ自体、まあ普通の自動車雑誌はやらないよなあ、とも思ったりする。じゃあいまのNAVIが文字とおりNAVIっぽいのかっていうと、個人的にはそう言い切れないんである。

 創刊以来の読者である僕にとって、NAVIをひとことで表現すればやっぱり「NAVI TALK」なんだと思う。いや、それはオリジナルの大川、徳大寺、館内3氏がいないとダメっていうことじゃなくて、あくまでも内容的な話で。

 たとえば、この特集号ではNAVIっぽいクルマとしてラテンなコンパクトカーなんかが”推薦”されていて、まあたしかにそれは間違いではないんだけど、実は別の意味で日本車もまた主役だったんじゃないか、と僕は思っている。それがNAVI TALKであり、イッキ乗りであったと。

 要するに、ちゃんと正面から国産車の批評をやっていたのが実はこの雑誌の”らしさ”のひとつだったんじゃないか。日本車はどうもイカンということを、単に欧米崇拝じゃなく、具体的に筋道立ててやっていたのがNAVI TALKで、それをコラム的に変化させたの下野氏だった。サイドインパクトビームに代表される安全装備の告発なんかは正にその延長上にあったわけで。

 もともとハード的な見方はしないという編集方針だったらしいけど、だからこそ俯瞰した見方ができたのが特徴だったと。もちろん、社会学者や作家などの執筆陣がそれを脇から支えていたのはあると思うけど。

 で、ここからは直接NAVIの話ではないんだけど、僕には最近雑誌に感じているひとつの違和感があって、それは「とにかくクルマは楽しもうよ」という妙な肯定思考というか、業界暗黙の了解みたいなヤツなんである。日本車はツマラナイとか言ってないで、そんな暇があるなら大好きなクルマに乗って楽しもうゼ、みたいな流れ。

 いやいや、もちろん僕だってクルマを楽しむことに異議はない。って言うか、十分楽しんでいるし。ただ、個人ではなくメディアがそっちのみを向いてしまうことに違和感があるということ。もう批評なんかやめようみたいな。もちろん、始めっから批評なんて関係ない雑誌もあったけれど、それがすべての雑誌メディアに拡大しているところがどうもね。

 それが国産車不況?対策としての配慮なのか、それとも批評に飽きちゃっただけなのかは分からない。けれども、ああ、この雑誌は日本車を変える力、メッセージ性を持っているなと思わせたところまでが、いま面白ければいいじゃんって感じになっているのはどうなんだろう? メディアが批評をやめちゃっていいほど、日本車はまだ大人になってないと僕は思うんだけれど。

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雑誌ナナメ読み:プロと一般人

Wagonr  評論家の表現としては結構見かけるし、細かい話なんだけど、やっぱり気になるんである。

 たとえばいま売りのベストカーのワゴンR記事。乗り心地がソフトになった新型に対して有名評論家K氏曰く「個人的には先代のシャープさを好むけど、一般ユーザーなら新型を評価するだろう」

 まあ「一般」って言葉がどうなのかという問題はさておき、自分の好みは○○だけどフツーの人は××でしょうだなんて、プロの評論家としてはてんでダメでしょ。

 だって、自動車評論家というのは自分の価値観や感覚を総動員してクルマを客観的に評価するのが仕事なワケでしょ。明快な意見としてまとめて、それをユーザーに提供するのが。それが自分はこうだけど他の人は違うでしょ、なんていうのなら、この人が公共の媒体でモノを書く意味はないよね? そんなんだったら誰でも書けるし。

 評論家である自分が先代の走りを支持するのだったら、それはつまりプロが先代を評価しているということ。そうであるなら、説得力を持つ内容でその理由を示すのが仕事なんじゃないのかな? それができないのなら書くべきではないし、単純に好き嫌いだとしてもやっぱり書くべきじゃないでしょ。

 「慣れ」なんだろうなあと思う。個人的に、とか書いておけばべつに問題じゃないでしょっていう。自分と一般人の感覚は違うんだからこれでいいと。

 本当はその「差」こそがプロの証なんであって、どうユーザーを納得させるのかが腕の見せ所だと思う。小さい話のようで、結構重要なことだと思うんだけれどね。

 さて、明日から久々にちょっとしたロングツーリングに出かけてきます。

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雑誌ナナメ読み:クルマ好きは時計好き

Tag   クルマ好きは時計好き。

 いま売りのNAVIや、あるいはエンジンなんかは毎号のように時計特集を載せるけれど、どうも毎回ピンと来ない。そもそも、タグホイヤーやブルガリ、ブライトリングなど、メーカーが偏っているのがまずどうにも。

 でも、もっと腑に落ちないのは、どれもこれも”黒と銀”の世界なことで、デザインの細部は色々特徴はあってもほとんど同じ風景なんである。僕も実は時計が好きだけど、だからこういう特集で掲載されるほとんどの商品に興味がわかない。

 つまり、クルマ好きなら「こういうのが好きなんだろ」と決めつけられている感じがいけないんである。これって、クルマ好きなら当然ゴールはポルシェだろ、っていう強迫的な共同意識にも似ているでしょう。不文律っていうか。

 僕は流行のクロノグラフにしても、もっとカラフルで楽しい時計が好きだ。少ないコレクションも赤やオレンジ、グリーンにベージュなど、ほんとんど全部色が違う。でも、そういう商品はほとんど登場しないんである。

 これは少し前にも書いたけど、僕はクルマ好きのそういう妙な連帯思考が好きじゃない。アルファの159はけなしてもいいけど、8Cコンペティツィオーネは絶対肯定みたいな。あー、最新のMiToもきっとそうだよなあ。

 クルマも時計も趣味の対象。だったらもっと幅広い感じでお願いしたいなあ。あ、もちろん、時計好きじゃない人がいることは忘れてませんよ、念のため。

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雑誌ナナメ読み:評論家比較記事

Best_car  ベストカー続きですが、増刊号のベストカープラス。

 カテゴリー別のランキングを5名の評論家が座談会方式でやっているのだけど、こうやって何人もの評論家の意見をまとめて読めるのは結構面白かった。もちろん、よくも悪くもだけど、とくに印象的なヤツを。

 竹平素信氏。デミオよりヴィッツがよくないのは、後者が発売3年経っているからだそう。この人、新しいものの方がいいと言い切るつわもので、アテンザの高評価の理由も「今年デビューだから新鮮さピカイチ」だって。それじゃあ、評論家要らないじゃない。

 ちなみに竹平氏、10点満点で他の人が1~10点と散らしている中で、ひとり8、9、10点の連発。これ、間違いなくメーカーに仕事くださいってアピールでしょう。もう浅ましさを超えているかも。

 渡辺陽一郎氏はユーザーが欲しがるのもが正義という姿勢らしい。軽のスライドドアに意味がないと言いつつパレットが高評価なのは、それが自分個人の考えであって、ユーザーは欲しがるだろうから、だって。売れるのがいいと言うなら、やっぱり評論家要らないじゃん。

 GT-Rの評価が低いのも、整備費用が高く、月販目標が200台なのがマイナスだそうで、「俺たちのGT-Rが遠くなった」なんて言ってる。俺達っていうのもまたユーザーの代弁なのかもしれないけど、そういう人たちがスカイラインを追い込んだのにね。

 鈴木直也氏。スバルのRシリーズについて、「ああいうのがいいと言われて全滅した。2車種も出したのは軽をナメている」とのこと。けど、売れないのが悪いクルマっていう言い方はどうなんだろう。自分がどう評価しているかが肝心な筈で、いいと思うならしっかりユーザーに訴えなくちゃ。

 竹平氏が例によってbBに高得点を与えて「こういうけったいなものもいい」なんて言ったことに、「賛成、やっぱり多様性が重要なんだ」と鈴木氏。あのねえ、「何でもあり」と「多様性」は違うでしょ。「なんでもあり」なら、くどいようだけど評論家要らないって。

 国沢光宏氏。コペンの評価が低いのは、2ドアスポーツの「文法」を守っておらず失敗してるからだそうで、ビートやカプチーノみたいにしなさいと。いや、失敗してないでしょ、コペン。相変わらず思い込みの激しい方です。

 ただ、実はいいことも言っている。現行の軽のうち、一部は衝突安全に関して世代の古いものがあると。それを分かって買うならいいけど、知らないで買うのはマズイじゃないかと。これはまったくその通り。

 一方、これについて「そう遠くないうちに時間が解決するよ」とコメントした松下宏氏は、このひと言で十分評論家失格の烙印を押せる。今回は意図的に国沢氏と松下氏を対立モードにしたみたいだけど、それを差し引いても言っちゃいけないことがあるでしょう。

 ベストカーが業界最量販誌なのは、恐らくダントツに多い記事量のためだと思うけれど、こうやって賛否色々あるような記事をそのまま載せるのは決して悪くないと思う。

 

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雑誌ナナメ読み:女性の意見?

 ベストカー誌でのトヨタ、ダイハツ、富士重協力関係合意特集。いや、今回は媒体ではなく、評論家の話。あれこれ記事があって、後ろの方に自動車評論家3名の意見を聞いているページがある。

 日下部保雄氏はトヨタの資金や技術を利用できるということで肯定。渡辺陽一郎氏はOEMで不振になる軽が上級車の足も引っ張るだろうということで否定。で、岩貞るみ子氏である。氏は大きく嘆くスバリストに向かってこう言い放っている。

 「この提携がよかったのか悪かったのか判断するのは、どんな結果を出すかを見てからでしょう」

 信じられない。この人には評論家として”状況分析”とか”取材”とかという思考はないのだろうか。結果が出てからなら誰だって判断できる。それを何でわざわざいま評論家に聞いているのかと言えば、専門家として現状で考えられることを聞くためでしょ。

 「軽自動車に関しては予算がないのか人がいないのか知らないけど、とにかく後手」

 知らないんだったら聞かなきゃ。取材してないんだったらこういうこと言っちゃダメだよ。その時間もないんだったら、せめてどう「後手」なのか、どうすればいいのかくらい提案しなくちゃ、何も中身がないじゃん。

 「軽自動車はやめて、スバルならではのクルマ作りに限られた資源を集中するのは当然」

 軽自動車だって「スバルらしさ」があるでしょ。レックスだって、プレオだってRシリーズだって。その軽がOEMでどうなの? って話でしょう。

 現行軽自動車がつまずいた。上級車種も思ったほど売れない。じゃあ、不振の軽はやめて、そのお金を上級車に回そう。今後の莫大な開発資金やラインナップを考えて他社と協力関係を深めよう。

 これはスバル自身が決めて発表したこと。つまり彼らの考え。けど、この岩貞氏が言っていることは単にそれをなぞって代弁しているだけで、評論家としての自己判断や意見がどこにもない。それなのに何だか居丈高。

 まあ、とにかく何もかもイヤ、全部反対、なんていう子供っぽいスバリストに「しっかりしなさい!」と言いたい気持ちは分かる。それと、最近出てきた数人の女性評論家が従来の狭いオタク的発想に陥らないところは評価している。けど、それにしたって中身がなくちゃダメでしょ。これじゃあ仕事にはなっていないよ。

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雑誌ナナメ読み:サイオン・ハコクーペ

Saion  ベストカー最新号。デザイン評論家の千葉匠氏がこのクルマを肯定するのは理屈からみたいだ。つまり、若者のクルマ離れは彼らの感性を理解できないメディアに問題があり、これを変だというのは時代遅れなんだと。

 僕は何が気に入らないって、「個人的には好きになれないけど共感はできるし、変だと思わない」という氏のスタンス。何だいそれ。

 とりあえず無責任なんだよなあ。だって、自分は好きになれないけど、「トレンディな若者にはこれがウケる」というサイオン役員の言葉には同感だって、そりゃあないでしょ。氏は元メーカーデザイナーらしいけど、自分が好きになれないというのならそれには理由がある筈で、それはきっとデザイナーとしての感性に基づいたものでしょ。本来ならそれを説明するのが仕事なわけで、道理にかなっているから変じゃないよ、っていうのはどうなの?

 同じく元デザイナーの前澤義雄氏は「理屈だけで作った、単に変わったもの」って切り捨てているけど、こっちはちゃんと自分の仕事になってるよね。もし本当に変じゃないというのなら、どこがどうだから変じゃない、ここがこういいんだと説明しなくちゃダメでしょ。

 氏は自動車メディアの限界とか言うけど、冗談じゃないよね。いまのいままで、メディアはマーケティングに先導されたつまらないクルマをどれだけ肯定してきたことか。それともうひとつ。若者って簡単に言うけど、べつにいまの若者がみんなヒップホップ系ってわけじゃないでしょ。北米は知らないけど、若者がみんなbBな感性で生きているなんて本当に思っているの?

(写真はresponseから)

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雑誌ナナメ読み:デザイン対論

Best_car  ベストカーの連載「デザイン水かけ論」はメーカーのデザイナーも読んでいるそうだけど、僕も結構好きなページなんである。

 初代プリメーラやN14パルサー、J30マキシマ等、自分が好きなクルマを担当していた前澤氏が書いているということもあるんだけど、清水氏との微妙な意見のズレ加減がなかなかいい感じになっているのもある。

 たとえば今売り号のタントとパレットがそう。どっちも大したことないけど、クルマらしくて潔いのはパレットという清水氏の意見は、何ていうかまさにクルマ好きの王道な感覚。一方、どっちもどっちだけど、強いて言えばユーザーの好む可愛さを表現しているタントという前澤氏の意見はまさにプロだなあと感じる。

 ぬいぐるみ的な可愛らしさを否定してきた前澤氏がそんなことを言うのはおかしいと清水氏は言うけれど、氏の好きなムーヴラテとはその「可愛さ」の内容や質が違うんだよね。

 タントは楕円のライト類やサイドウインドウの丸みで可愛さを出しているけど、これらは全て水平基調のテーマに融合されていて破綻感がない。前澤氏は積み木と表現しているけれど、えぐられた強いキャラクターラインを中心に造形が明快でシンプル。

 パレットは流行のツリ目系ライトとかスズキらしいフロントグリルとかが、いかにもいまどきのクルマっぽいけれど、それが元々無理のある背高のプロポーションに溶け込んでいるかというと、逆に無理っぽさを助長しちゃってる気がする。つまり、おかしな箱型に対して最初から開き直ったか、あくまでも従来のクルマらしさを無理やり詰め込んだかの差かな。あ、ちなみにタントはあくまでノーマルの方の話ね。

 デザインにも一家言持つ清水氏は持論を一直線に通すけれど、前澤氏は冷静に製品ごとに見極める。この微妙な差が面白いなあと。いや、もしこの対論がすべて計算されているのだとしたらもっとスゴイとは思うけれど。

 

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雑誌ナナメ読み:伝統ある表現

Crown  クラウン自体のことを書こうと思ったんだけど、それよりも雑誌記事のほうが興味深かったのでそっちから。いま売りのドライバー誌、常連のM氏によるクラウン発表紹介記事だ。

 いまでこそ結構減ってきたけれど、一時新車のインプレッション記事のお約束といえば、先代を踏み台にして新型を持ち上げる、それでも言うことがなければ肯定理由を無理やり作るっていうものだった。で、まだ生きていたんである、そういうのが。

 M氏曰く、じつを言うとゼロクラウンは大きく変わったけれど、唯一インテリアの進歩がなくて、過度の木目調パネルが演歌調だった、そうだ。ゼロなのに演歌はマズイけど、ま、今回はモダンになりましたよと。

 もうひとつ、じつを言うと若返りを果たしたというゼロクラウンでもロイヤルシリーズは若返りどころか高齢化していた、らしい。でもアスリートがあるから平均年齢が引き下がったと。で、今回もアスリートはいいですよ、と。

 それにしても「じつを言うと」っていうのはスゴイ表現だよなあ。自分は立場上知っていたけど、読者の皆さんにはだまってました、隠してましたってことでしょう。バカにしていると言うか、ほとんど偽証だよね、これ。それを新型を持ち上げるためには臆面もなく平気で書いちゃうんだもんなあ。

 この他、ゼロクラウンからたった4年、しかもベースはキャリーオーバーでのモデルチェンジが必要?という疑問には、同じシャシーでマークX、レクサスISと進化したノウハウがあるというトヨタの説明に、自分だけじゃなく読者も納得だ、なんて勝手なことを書いている。無理やり肯定パターンだ。

 いやね、保守本流のクルマに対してこういう伝統的な紹介記事っていう組み合わせが面白くてね。べつに意識して書いたんじゃないだろうけど、何だかピッタリでしょう。

 あ、クラウンの話は近々書きます。

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雑誌ナナメ読み:ケンカ結構

 基本的に内輪ウケに終始することが多い自動車評論家の活動だから、誌上で衝突が展開されることなんてかなり珍しいと思う。

 「AUTOCAR」の3月号なんだけど、フィットとポロのどっちがいいかという連載での話。革新パッケージだけでもフィットを賞賛とする側と、やっぱり骨太なドイツ車とする側が対立、真面目に険悪な雰囲気になっちゃったらしくて、その様子が誌面からも生々しく伝わって来る。

 これを読んで感じたことがふたつあった。

 ひとつは評価軸。この雑誌はイギリスのものなんで、向こうらしくクルマは「乗ってナンボ」が徹底している。もう毎号比較検討記事に溢れていて、ナンバーワンはどれかみたいなことがメイン。もちろん、我が国のインプVSランエボみたいなお約束対決ばっかりじゃなくて、あらゆるセグメントでやってみせるのがウリ。フィットの理想主義擁護は個人的に理解できるけれど、それがこの雑誌の方向性と少々ズレているというか、何だかいつもと違うけどいいのかなあと。

 もうひとつはその険悪な場面をそのまま載せたのは良かったなあと。いや、大の大人がクルマの比較検討くらいで喧嘩するなよというご意見もあるでしょう。あるいは、商業雑誌として編集の段階できれいにしちゃえよとか。でも、それはちょっと違うかも。

 僕らユーザーや読者が「どうせメーカーの提灯記事だから」とか「広告もらってるんだから」なんて物分りのいいことを言うからか、自動車評論、とくにインプレッションってやつはどれもこれも似たような構成に似たような言葉で、ハッキリ言って書き物としちゃあ最低のものが横行してる。

 でも、これって考えてみれば仕事なわけで、そこで手を抜いているわけでしょ。たとえば、僕は勉強していない医者に診てもらうのはイヤだし、練習しない選手のスポーツは見たくないし、下手な役者のドラマは観たくないし、サービスの悪いホテルや旅館に泊まるのはイヤ。じゃあ実際にはどうしているかと言うと、その逆に精進して頑張っているところにお金払ってると。

 まあ、どの分野にしたって「ま、そこそこでいいじゃん」って話はあるんだろうけど、自動車評論はその幅が広いんじゃないかなあ。普通の商売だったらとっくに潰れるような中身でも、メーカーの傘の下でぬるま湯生活OKみたいな。

 そう考えると、険悪になるくらい熱く討論するのなんてきっと当たり前のことなんじゃないかな、本来。だって評論家でしょ。主張のぶつかり合いでしょ。お前、なにフザけたこと言ってんだよって世界だよね。いや、本気なら・・・。

 ま、最初は何だコレって思ったけれど、いいんじゃないかな、こういうのは。

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雑誌ナナメ読み:GT-Rをチューンする

Gtr  「ベストカー」のGT-R特集で、街のチューニングショップへのインタビューがあって、これが面白かった。

 まあ、色々な意見があるんだけど、今度のGT-Rは市販状態で絶妙のバランスが取れている、だからイジったら保証しない、触れば記録が残る、みたいなメーカーのモノ言いが気に入らん、という声を載せているんである。

 彼らの意見としては「街のショップをナメるな」ということらしい。自分達の技術はメーカーには負けん、それを最初から信用してないのはケシカラン、いまに見ておれ~、と。

 ま、実際街のショップがメーカーと同じ技術を持っているのかどうかは知らないけど、ヒョヒョイとチューンして筑波が1秒速くなっちゃうんだったら苦労ないよなあ。そういうことやったら他に影響が出て来るって話でしょ、今回は。影響ないならメーカーに雇ってもらった方がいいよね、名工として。

 そもそも、今回は800万円の高級車としてそっち系の世界から踏み出そうっていう考えでしょ。R32はほぼ全てが改造車だけど、もうそういうクルマじゃないんですよ、Mとかポルシェとかフェラーリとか、向こう側に行っちゃったんですよと。

 そのために組織壊してまで新次元のクルマを作ったんだから、それを認めるのもひとつの見識なんじゃないかなあと思う。だって他にチューニングするクルマはいくらでもあるわけで、いいじゃん、対象外のクルマが1台くらいあったって。

 それを日産はダメになっただの裏切っただの、何だかなあと思う。そんなこと言ってるからナメられるんじゃないのかなあ?

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雑誌ナナメ読み:値引き自慢

  「月刊自家用車」の”値引き自慢”投稿を久々に見たんである。

 いや、もうとっくに終わってるかなと思ったんだけど、いやはやパワーアップしているんでビックリである。読んだことがある方もいるかもしれないけど、要するに自分は新車をいかに値引いて買ったのかを投稿、自慢するコーナーで、その赤裸々? な内容がウリ。

 例によって複数のディーラーに訪れてはカマをかけまくって値引きを迫る。あっちはここまで引いたとか、こっちは下取りがいくらだったとか。セールスマンが困ったり上司に相談なんかすればもうしてやったり。いやいや、ここで引いては生温いとさらに無理難題をふっかける。

 モノを値引いて買うこと自体がいけないとは思わないけれど、デタラメを使って相手を苦しめてまでするのはいかがなものか。しかも、苦しんでいるのを楽しむなんていうのは論外でしょう。とくに今号はそれが如実に表れていて、購入店を決めた投稿者がセールスマンに電話して開口一番「喜んでください、そちらで買うことになりました!」だって。

 「喜んでください」っていうのは普通「喜んでください、お客さんの条件が通りました」っていうセールスマン側のセリフでしょう。つまりアレだ、”買ってやってる”という姿勢がそのまま出ちゃったってこと。さらに、こういう恥ずかしいことを夫婦揃って写真入で投稿しちゃう神経がスゴイ。

 いや、高額商品だから購入が厳しいこともあるんだろうけど、そしたら正直に「これしか出せないんですが相談に乗ってください」って話をすればいいんで、天秤にかけて楽しむ必要はコレっぽちもない筈。

 最近はTV番組の質の低下が著しいけど、これはもう消費者の質の低下なんである。こういうのを見ると、クルマ文化が根付かないなんて言われるのはべつにメーカーだけがいけないんじゃないとつくづく思ってしまう。クルマ好きの風上にも置けないというか。

 もちろん、こういうコーナーを開放するメディアもいただけない。仮にこれがある種の現実だとしても、それは違うんじゃないと示すのがメディアの役割、大人の良識ってもんじゃないのかなあ・・・。

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雑誌ナナメ読み:若者はFRがお好き?

 いま売りと前号の「ベストカー」に同じような記事が続いている。

 この雑誌の巻頭はたいていスクープ記事なんだけど、そこで出て来るのがFRのコンパクトスポーツ待望論なんである。話としては、いまどきの若者のクルマ離れから脱却するにはFRのコンパクトスポーツを出すしかないという論調で、早い話が”ハチロク再び”なんである。

 どうやらトヨタがハチロク後継を出すらしいなんていう予想から、トヨタ開発者に対して執拗に”今度出るコンパクトはFRなのか?”と問いただしたり、もうとり憑かれたかのようにFRの連呼状態。まあ、多分編集部内がそういうノリになっちゃってるってことなんだと思う。

 けれども、じゃあいまハチロクが復活したら若者が飛びつくのか、と考えるとかなり疑問だと僕は思う。いまどきFRじゃなきゃダメなんて言ってる若者なんて僕の周りにはいないし、そんなことメーカーのマーケティングにだって表れてないでしょう。

  これって、この前のインプレッサと同じ話なんだと思う。やれSTIだのランエボだの騒いでいるのは雑誌編集部の化石みたいな旧人で、当のスバルはもっとベーシックなモデルに注目して欲しいと。FRコンパクトも同じで、欲しいのは若者達じゃなくて自分達ってことでしょうそこのあたりがもうゴチャゴチャ。

 廉価で手頃なスポーティカーがあってもいいと思うんだけど、それをあえて若者、しかも”走り屋”入っちゃってる若者を想定して開発する必要なんてまったくないと思う。価格、スタイル、性能がバランスしたクルマを作れば大人も買うし若者も買う。たとえそれがFFだろうがFRだろうが、ね。

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雑誌ナナメ読み:実を言うと・・・?

Driver  新型を持ち上げるために旧型をケナす。以前にも書いた評論家の常套手段だけれど、何とも分かりやすい記事がある。

 それは5月20日発売のdriver誌。話題のレクサスLSハイブリッドの解説で、常連のM氏が書いているんだけど、これがスゴイ。

 「3代目までのLSは、実を言えばメルセデスSクラスやBMW7シリーズに対して半歩退いていた・・・」

 えー! って感じである。なんなんだよ「実を言えば」って。じゃあなに、これまでは実を言ってなかったってこと? つまり、読者をダマしてたってわけ?

 う~ん、何しろ常套手段だからあんまり深く考えてないんだろうけど、これはスゴイというかマズイんじゃないかなあ。だって、自分がウソついてましたなんて急に言われてもねえ。

 新型をホメたいという気持ちは分かるし、べつにそれ自体に問題はないんだけど、何て言うかもっと上手い表現は考えられないのかなあ。これってもう究極の手抜き原稿じゃない。

 ま、500円玉ひとつで買えるお手軽雑誌なんだからこんなもんでしょ、っていう意見もあるかもしれないけど、僕はやっぱりおかしいと思うなあ。結局、こういう酷い記事が平気でまかり通ってしまう環境が日本の自動車評論の質を落としているんじゃないのかなあ、と。

 

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雑誌ナナメ読み:新車不況?

 いま売りの「ベストカー」。いま、新車が売れないと言われているけれど、それはなぜなのか。その理由を、あまり新車を買わない評論家数人に聞いてみるという企画。

 いちばん多い理由は「欲しいクルマが売ってないから」なんだそうで、これには驚き。だって、評論家なんかやって色々情報発信できる立場なんだから、プロから見て「欲しいクルマ」をメーカーにドンドン提案すればいいじゃないかと思う。

 いや、個人的な趣味を、ということじゃない。国内だけでこんなに多くの車種が売られているのに、生粋のクルマ好きが欲しい商品がないっていうのはちょっと異常でしょう。つまり、いまの商品展開はどこか歪んでいるんじゃないのか、という提案ね。そういう自分の仕事を自覚していないで「欲しいものがない」なんて発言は×である。

 で、それにつながるんだけど、別の特集ではシビック・タイプR発売を記念した”走り力選手権”なる企画で、クルマの加速力、パワーやトルク力、コーナリング力、ハンドリング力、ブレーキ力などで優れたクルマをひたすら順位付けするというもの。

 あのさ、こういうコトやってるから自動車雑誌が売れなくなったり、あるいはクルマ自体が売れなくなるんじゃないの? つまり、どれだけ速いかとか、どれだけエンジンが回るかなんてクルマの評価基準としちゃあもはや化石なワケで、もう何年も前からよりソフト面が重視されているんでしょ。

 タイプRなんていう、サーキット重視のクルマが出たらもう浮き足立っちゃってこんな下らない企画を作っちゃう。フツーの人にはまったく関係のない次元のことばかり書いておいて、それで”どうしてクルマが売れないのか?”なんてよく言えるもんだよね。自分達メディアがユーザーからどんどん剥離しているのが大きな原因なんでしょ。

 評論家も無責任だけど、編集者も酷いなあと思う。

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雑誌ナナメ読み:刷り込み評論

 いま売りのベストカーで”日本車の何でも大賞”といった小特集をやっているんだけど、ああ、まだこんな人いたんだ、という記事がある。

 それは「最もカッコ悪い日本車だったで賞」での評論家K氏。何でもかつてのU13型ブルーバード・セダンがとくにヒドかったということで、その理由が「尻下がり」だったからなんだって。

 7年位前に出した本にも書いたんだけど、これって”刷り込み”なんだよね。”尻下がりのクルマはカッコ悪い”という日本車の歴史に刻み込まれた刷り込み。まあ、恐らくは410ブルーバードあたりが発端だと思うんだけど、それが完全に頭に入っちゃってる。

 その証拠にね、「最もカッコいい日本車だったで賞」で117クーペ推してるんだよね、この人。でも、117ってしっかり尻下がりでしょ。じゃあ、どうして最もカッコいいなんて言ったか? 多分”117クーペは文句なく名車である”という、これまたズバリ刷り込みなんだよね。おまけに”やっぱりハンドメイドじゃないとダメ”なんて、さらに刷り込みの二乗。

 つまり、自分の感性で物を判断できないのね、こういう人って。先のブルーバードでは「ハードトップのARXはまだしも」なんて言ってるんだけど、これも当時のHT人気の刷り込みでしょう。ARXのとんでもない中途半端さはそれこそヒドかったのにさ。要は部分じゃなくてクルマ全体でどうなのかが問題なんだけど、その判断ができない。いや、自分は判断しているつもりなんだけろうけど・・・。

 当時のレパードJ・フェリーも同じこと言われているんだけど、こういう恥ずかしい刷り込みドップリの人がまだいるなんて驚きでしょう。この情報化時代にほとんど化石人間だよね。それでもプロとしてやってるんだからスゴイよなあ・・・。

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雑誌ナナメ読み:機械至上主義

Golf  日本の自動車評論の世界は基本的にハード重視ということになっている。いや、クルマの構造を知らない人間に評論家になる資格はない、くらいのことになっている。だから、エンジンにしろシャシーにしろ、あるいはボディにしろ、構造に詳しいほどエライらしい。

 それにしてはなあ、と思う。たとえば、いま話題のゴルフTSI。ターボとスーパーチャージャーを小排気量のエンジンに組み込んで、大排気量のパワーと小排気量の燃費を両立する優れ物。各誌絶賛で、ある雑誌では「ハイブリッドだけがエコじゃない」なんてタイトルで評論家が解説している。それがまたエラそうで、あたかも自分が作ったみたいに。

 で、何が言いたいかというと、そんなにハードに詳しいならメーカーが開発する前から提言すればいいじゃないか、という話。直噴化で精緻な噴射コントロールが可能になり、かつて燃費悪化の代表だったターボが高効率エンジンの立て役者になる。ハードに明るいならそんなこと容易に想像できるワケでしょ。完成したものにだったら素人だってコメントできるわけだし。

 僕はどちらかと言うとコンセプトやデザインで評価することが多いんだけど、そんなのダメっていうのをいくつかの雑誌編集者から言われたことがあるんだよね。でもさ、できたものにしかコメントできないなら、はじめからハード至上主義なんて偉そうなこと言うべきじゃないと思うな。

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雑誌ナナメ読み:中古車って?

Carsensor  中古車雑誌を読んでいて気になるのは、やたらと現行型の紹介記事が多いことなんである。つまりは、1、2年、まあせいぜい4年落ちの現行モデルを特集なんかで取り上げることが多い。

 これが1世代前、2世代前になると「絶版車」という表現になって、何だか特別な感じで紹介されてしまう。国産車の値落ちは激しいから、そこそこのお金を用意すれば結構新しいクルマが買える。それが現行型なら何とお得なことか、という話なんだろうけど、どうもなあ・・・。

 中古車の醍醐味は、当たり前だけど「いま売ってない」クルマを手に入れること。無数の歴代モデルを眺めて「こんなのが、あんなのが」って楽しむこと・・・じゃないのかな。

 そりゃあね、免許とり立ての人が最初に適当なクルマを探そう、なんてことになったら、現行型の年式落ちなんかがピッタリっていうのも分かる。何たってハード面での心配も少ないし。けどさ、現行型だったらわざわざ中古車雑誌のページ割いて紹介することもないんじゃないの? 新車雑誌読んで、じゃあこれの初期型買おう、でいいじゃん。あとは索引に載っていれば。

 やっぱりね、中古車の専門誌なんだから、2世代、3世代くらいのモデルを中心に紹介して欲しいよね。マーチやレガシィだったら初代とか、シビックならワンダー、グランドシビックとか。だって、読者としちゃあ、そういうクルマの状況こそ分からないわけで、そこを専門誌に補ってもらいたいワケ。もちろん、メンテナンスやショップ情報も含めてね。

 R32スカイラインとか、ハチロクとか、根強い人気車はそこそこ特集されるけど、そういう常連ばっかりじゃなくて、もっと普通のクルマをもっとたくさん紹介して欲しい。そういう視点で見れば中古車の世界は恐ろしく広くて面白いと思う、けどなあ。 

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雑誌ナナメ読み:これでツッコミ?

 いま売りの「driver」。以前にも触れたことのあるK氏が、エンジンを換装した新しいフェアレディZのインプレッションを書いているのだけど、本文ではなくて囲み記事が今日の話。

 要は試乗での不満点をその場で開発者に質問するということで、かなり深く「突っ込みを入れる!」 という見出しになっているんだけど、その質問のレベルが恐ろしく低いんである。

「タイヤをもっと太くしては?」「サーキットタイムをもっと速くできないの?」「リミッターの利きが早すぎるのでは?」 

 いまどきほとんど族系の発想である。しかも、こんな質問だから開発者にも子供扱いされているんである。

「タイヤは専用設計ですしサイズも十分。これ以上だとユーザーに経済的な負担も掛かります」「リミッターはギリギリまで引っ張って突然利かせると挙動が唐突になりすぎます」「タイム計測が目的ではありませんし、このクルマとしては思ったより速すぎたくらいです」

 と、まあこんな感じ。

 この人はレーサー兼任なのでそういう発想になるんだろうけど、でも、そのクルマの開発コンセプトを理解しないで「突っ込み」なんてしてたら頭悪いと思われても仕方ないでしょう。なんだ、レーサーってこんなことしか考えられないのかってなっちゃうよね。

 まあ、実はあえて笑いを取ろうとしているんだったら結構面白いと思うけどこれが本気だったらかなり事態は深刻だよね。はて、どっちなんだろう?                                             

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雑誌ナナメ読み:お悔やみ

 イラストレーターの渡辺和博氏が亡くなった。

 「ガロ」の元編集長や、バブル期の流行語なんかで有名だけど、僕にとっては月刊誌NAVIの連載が身近なところだった。

 「エンスー」という単語を創作した連載はかなりコアな内容だったけれど、まさに彼自身がかなりのマニアックな人間であることを証明していて楽しめた。「裏NAVI TALK」では、あまりに業界乗りのテリー伊藤氏や、ちょっと成金入ったドン小西氏等に比べると、ちょっと引いたところから意外に冷静に分析している氏に好感を持っていた。

 林望センセイや松任谷正隆氏など、プロの評論家以外でクルマを語る人は結構いて、下手な評論家よりよっぽど面白い人も少なくないのだけど、その中のひとりを失ってしまったような気がする。病気のことは知っていたけど、誌面での活躍に勝手に快復したと思い込んでいた。

 謹んでお悔やみ申し上げます。

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雑誌ナナメ読み:マニアじゃなくても・・・。

 前回に続きいま売りの「NAVI」から。

 地方局のクルマ番組で有名になったベテランのM氏。今年の個人的イヤー賞をカローラとした。話としてはよくある方向で、あの値段であの内外装と信頼性に富んだ機能性は他に類を見ない、というヤツ。まあたしかにね。

 でも、「マニア以外の一般のユーザーに、あれ以上何を望むというのか」という下りはいただけない。そういう考え方がイケナイんだってば。

 つまりね、M氏は一般ユーザー、即ち大多数の国民は「こだわり」や「個性」なんか持っていないって前提なんだよね。でも、それは違うでしょ。それが可能ならば、すべての人が大いなる「こだわり」や「個性」を持つべきなんじゃないの?

 「こだわり」というは、たとえばクルマ好きならクルマにしか持たない、という発想がすでにおかしいわけ。モノやコトに「こだわる」というのは、たとえば自分の身に付けるものとか、自分の思考とか信条とか、そういうあらゆるものに気を配るってことでしょ。氏はマニアを単なる○○バカと、すごい狭義に解釈しているんだけど、それは甚だ時代錯誤だと僕は思うんだけれどね。逆に、とくにクルマ好きじゃない人がクルマなんか何でもいいと思っている、というのも大きな間違い。

 いや、現状としちゃあ、たしかにM氏の言う傾向が多いんだけど、それをそのまま肯定して「これ以上何を望む」なんて言っちゃあだめだよね。カローラ以上に望むもの、そんなものは山ほどあるワケでしょう。だったら、多くの人がトヨタの策略に乗ることなく、そういう認識を持つのがあるべき姿の筈。そうやって日本の文化度が上がっていくんじゃないの?

 だから、そんなことを理由にイヤー賞を決めてしまうのは、ちょっとどうかと思う。啓蒙もまた評論家の大切な仕事でしょう。

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雑誌ナナメ読み:技術の日産

 技術の日産。やっぱりそういうふうに望まれているんだ。

 いま売りの「NAVI」巻頭、編集長のコラム。一時期、それらしい技術の見られなかった日産だけど、今度の新しいスカイライン、そして先日発表された2010年までに実現する新技術プログラムの発表を受け、ようやく「技術の日産」が帰って来そうだという話なんである。

 自動車メーカーとして技術の進歩は歓迎されるにしても、ただ「これまでデザインばかりだったのはどうよ?」という論調には少し違和感がある。

 なぜって、日産が会社の存亡に関わる事態に陥ったのは、技術至上主義で商品性を無視した自己満足の商売をしてきたのが一因だったわけでしょう? 四角四面の棺おけみたいなボディとか、絶壁のような醜いインパネとか、「発表と同時に旧くなった」、「乗ればいいのに」なんてセリフが何度使われたことか。

 そりゃあトヨタのようにあからさまな販売至上主義もアレだけど、でも垢抜けない日産に対して「トヨタは上手いなあ」と散々言われてきたのも事実じゃないか。その日産が商品性、とりわけデザインに注視して、その大幅な質の向上に取り組んだことに、僕は大いに賛同しているんである。だいたい、会社がなくなりそうな時期に基礎研究や先行開発に遅れがあったのは仕方がないでしょう。

 技術とデザインのどちらかに大きく傾くのは決して望ましくはない。だから「技術の日産」を持ち出して、これこそ日産と言ってしまうのはどうかと思う。いま日産はそのバランスを取ろうとしているのであって、少なくとも先祖帰りを目指しているワケじゃないでしょう?

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雑誌ナナメ読み:差し引きゼロ

 雑誌の新車インプレッションでも最近は欠点を指摘するようになったけれど、それもまだまだ本格的じゃない。それに、指摘する場合にも配慮があって、クルマの本質にさほど影響のない部分だけにしておいたり、あるいは過去を否定して現在を肯定する、つまりプラスマイナス・ゼロにするのが常套だったりする。

 いま売りの「driver」でのトヨタ・ブレイドがいい例で、評論家のM氏が例によって開発コンセプトに沿った肯定的感想を見事にまとめあげている。まだ若手と言える年齢だろうに、M氏の御用ぶりときたらベテラン並みで、唯一の指摘はパーキングブレーキレバーのリリースボタンが操作しにくいという一点だけだそうだ。いやあ、1台のクルマで欠点がこれだけとはスゴイもんである。これが前者ね。

 後者は2ヶ所ある。まずマフラーの話で、先発のオーリスはフロアセンターにメインマフラーがあってこもり音がするけれど、ブレイドはリアフロアに移してこれを改善したという話。もうひとつは天井照明。先に採用したマークXは「これみよがし」で品がないけど、ブレイドはさりげなく品があるという話。

 じゃあ、オーリスやマークXはインプレッションでその点を指摘したのかといえば、もちろんそんなことはしない。書いたとしても、もっとオブラートに包んだもの言いだ。大切な新車を持ち上げるためには、すでに販売済みのクルマを踏み台にしても思いのほか影響は少ない。それによって新車のイメージが上がる方がよほどいいという判断で、これなら安心してケチを付けられるワケだ。

 あまりに使い古された手法だから、いまでもこうして使われていることに逆に驚いてしまう。しかも若手の評論家である。いや、若いからこそいまさら使うのか?

 ま、どっちにしても、こんなことを書いている方は早々に退場願いたい。

 

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雑誌ナナメ読み:意外な・・・

Holidayauto0701  たしか「ホリデーオート」っていう雑誌は、族系走り屋御用達みたいな内容だった記憶があるんだけど、いつの間にやらフツーの総合誌になっていたんである。もしかしたら「ベストカー」あたりより内容が詰まっているかも・・・と思えるくらい変わった。

 で、さらに驚いたのは、いま売りの号に「日本の論点」という企画があって、公団民営化、ディーゼル問題、ガソリン高騰、軽自動車規格、等々、いつも僕が雑誌に求める内容が取り上げられているんである。

 ま、具体的な内容はほとんど問題点の解説に留まっているんだけど、でも、まとまってこれだけの内容を持ってきたのは評価できるんじゃないかと思う。もちろん、後ろの方のモノクロページじゃなくて、冒頭のカラーページだともっといいんだけどね。あと、解説が露出度の多い有名評論家じゃないのも残念と言えば残念かな。

 ただ、ハッキリ言ってまったくノーマークの雑誌たっだので、正直驚きました。いや、それ程の記事じゃないんだけど、何たって他じゃほとんどないからね、こういうのは。同じ号には女性評論家3人によるお手軽軽自動車談義なんて記事もあって、「ええ~?」って感じなんだけど、でも、褒めるべきところは褒めないとね。余計なお世話かもしれないけど、せっかくなら雑誌の装丁をもっと質のいいものに変えればいいのに・・・なんて思います。

 さて、月曜から本業で九州に出張に行くので、しばらく更新はできません。また、週末からよろしくお願いします。 

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雑誌ナナメ読み:個性よりお金

 まあ、話としては特別珍しいわけじゃないけれど、雑誌が堂々と書くのもいかがなものかと思うことがある。いま売りの中古車雑誌「カーセンサー」にある、投機的Uカー選びっていう特集のことである。

 個人的に「あ~あ」なのは、下取りに有利なボディカラー選び。日本はずっと前から白だの黒だのという無彩色ばっかり売れるんだけど、ここでもそういう人気色、とりわけいまはシルバーが人気として、これを選んでおけば間違いなしと推薦しているんである。

 たしかにクルマはたとえ中古車と言っても高価な買い物だから、値落ちを心配するのも分かる。だから、僕はそういう意識で購入することを否定するつもりはサラサラない。実際、僕の周囲にもそういう考え方の人は結構いるしね。ただ、それを自動車雑誌が書くのはどうかと思うんである。

 だって、クルマを趣味や自己表現としてじゃなく、単に金銭の取引物として考えることを専門誌が薦めるなんてほとんど自殺行為でしょ。しかも”投機的”なんてタイトルなど神経を疑うよね。本来なら、放っておいても無趣味になりがちなクルマ選びを、いかに面白いクルマ選びにするかアドバイスするのが役目なんじゃないの?

 ま、編集の人が全員そういう考えだとは思えないけど、勢いそういう安易な特集を企画してしまうのが実に貧しい発想だし、悲しいところなんである。

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雑誌ナナメ読み:雑誌の品格

 今月号の月刊誌「NAVI」巻頭。編集長のコラムに飲酒運転を含めた交通事故について書かれている。原因の如何に関わらず、事故は決して他人事ではないという趣旨だ。

 三菱ふそうのリコール問題でもそうだったけれど、自動車雑誌はクルマ単体のことは書いても、なぜか車社会には無関心で、わずかな記事も書こうとしない。いまなら、連日のTVニュースで報道される原油高騰や飲酒運転についてさえロクに語らない。原油高騰については、その背景を探ろうなどという意識はなく、ガソリンが高いから省燃費グッズを試しましょう、なんて雑誌がほとんどという有り様なんである。

 だから「NAVI」がエライという話じゃない。言ってみれば、この編集長のコラムはごく当たり前の内容であり、いま語ることも必然のことなんである。僕が言いたいのは、なぜこれくらいのことが他の多くの雑誌でできないのかということだ。

 まさか、あそこは老舗出版社だから・・・なんて考えているワケじゃないだろう? いや、考えているのか? だとしたら本当に救いようがない。だって、ガソリンが高くて手に入らなくなったら新車インプレッションどころじゃないわけだし、飲酒による事故はクルマが凶器であることを毎日証明しているわけでしょ。自分達の飯の種が凶器になっている様を見て、何もしない何も言わないとは一体どういう了見か。

 べつに一冊丸ごと飲酒運転特集にしろとは言わない(して欲しいけど)。どこかに自分達編集者、あるいは評論家達はこう考えている、という意思表示、アピールがあればいい。それがたった1ページでも冊子の品格が高まるというものだろう。

 あ、もしかして、その品格も要らないってことなのか・・・?

 

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雑誌ナナメ読み:1g=37㎏

 提灯記事というか、まあ、ほとんどの雑誌は新車インプレッションで扱うクルマを持ち上げるのが普通なんだけど、それによって実に面白いことになったりする。いま売りの「ベストカー」に載っているマツダ・ロードスターRHTがそれ。

 ロードスターは有名な貴島さんというチーフが1g単位の軽量化に挑んで完成させたクルマとして有名なんだけど、RHTにあたっては何と37㎏もの重量増になってしまったとか。そりゃあもう大変な変更なわけだけど、しかし雑誌としてここで否定はできない。で、どうなったかというと、素のロードスターとRHTを交互に乗り比べたところ、何と「違いはまったく感じられなかった」という結論なんである。

 いやあ、面白い。1gの話をしていたのに37㎏増、つまり37000倍でしょう? それが乗って分からないっていうんだからスゴイ話じゃないか。せめて重量増したなりにバランスがとれている、くらいのことにしておけばいいのに。だったら最初から軽量化の意味なんてないって話でしょ。

 あれもこれも肯定しなくちゃイケナイから仕方がないって思っているのか、これがとんでもなく滑稽な話だということすら感じなくなっているのか? どっちにしてもデタラメを通り越して、もはや笑うしかないんである。

 ちなみに、同じ号の新しいekワゴンでは、スライドドア採用で左側だけ20㎏増なってしまったものの、荷物を載せればすぐに20㎏くらいにはなってしまうから問題ないだろうという開発者の話が載っていた。いやあ面白いというか、深い話である。

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雑誌ナナメ読み:スカイライン再び

 いやあ、面白いなあと思う。何って、ベストカーやXa CARなど、いま売られている元気系雑誌に載っているインフィニティG35、つまり新しいスカイラインの話である。

 V35なんてスカイラインじゃない! 評論家を使い、あるいは編集者の記事によって、この手の雑誌が現行スカイラインを実質否定したのはまだそれ程前のことじゃない。もともと別のコンセプトカーを急遽スカイラインと呼んだとか、カッコが違うとか、あるいは丸テールじゃないとか、まあそんなモノ言いである。

 そういう人(雑誌)は、つまりR30から34あたりこそがスカイラインなわけで、V35なんて違うクルマだと騒いだワケだ。けれども、それはそれで仕方ない。そういう見方しかできないんだからしょうがないでしょう。誰も文句言えるもんじゃないしね。

 でもさ、だったらもう黙ってればいいじゃん。

 だって、新しいG35はV35の正常進化版、M=フーガとデザインを共にするインフィニティの看板車だ。よりダイナミックな造形となったけれど、基本デザインは何も変わっちゃいない。つまりはRを愛した人たちの出番じゃないってこと。

 けれどもどうよ。どの雑誌も今度のスカイラインは日本人の心が残っているのかとか、スカイラインらしさはあるのかとか、何言ってるの? あなた方はV35を全否定しておきながら、この期に及んでまだ何か言うわけ? 和紙をイメージしたアルミ内装が日本を表現しているとか書いてるけど、そんなのRシリーズと全然関係ないじゃん。

 結局、何だかんだ言っても新しいスカイラインが出たら黙っちゃいられないんだよね。過去の自分たちの発言なんてすっかり棚上げして、どうのこうのと大騒ぎ。いやあ、面白いというか情けない。

 でも、V35にイチャモン付けた雑誌はさ、やっぱりもう黙ってるべきでしょ。僕はそう思うんだけどね。

 

 

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雑誌ナナメ読み:事故は勲章?

 いま売りのベストカーに、「私の事故体験」みたいな記事がある。評論家やレーサーに、過去の事故体験を告白してもらおうというもので、お恥ずかしいけど「笑って許してネ」という、まあよくあるノリの企画だ。

 よくある企画・・・・・なんだけど、僕はちょっと引っ掛かったところがある。

 それは有名評論家T氏の告白で、この人は随分と事故歴が多いらしく、ここでは「事故の王様」扱いなんだけど、その告白がなんとも幼稚なんである。「ドリフトしたらケツが滑った」とか「ブレーキングドリフトで横転しちゃった」とか、まあ何とも子供じみた語り口だ。

 けれども、僕がもっと気になったのは一般道での事故の話。

 数年前に、路肩の駐車車両をよけるためにセンターラインをはみ出したら、ちょうど対向車が来て当たってしまったらしい。これもまた「ばーさんが結構スピード出してたもんでねえ」といった口調なんである。おいおい、そりゃあないだろう。

 いや、僕はこの事故について個別の話をしたいんじゃなくて、こういう人がプロの評論家をやっていて、しかもこんなところで武勇伝じみた話をしていることに疑問を感じるんである。だって、自分の身の回り、つまり普通のドライバーだって事故を起こしたなんて話はめったに聞かないじゃないか。あったとしても、不注意のクルマやバイクに追突されたという程度で、自損で横転したとか、ましてや加害者になったなんてなおさら聞かない。

 評論家は運転する機会が随分と多いのは分かるけれど、でも彼らは運転のプロなのだから、機会の多さに比例して事故が多いというのは理由にならない。だいたい試乗会での運転はまさに仕事そのものであって、そこで商品を壊してしまうなど論外、プロ失格だ。ましてや一般道でも先述のような低次元の事故を招くなんて、評論家という肩書きを持つ人間の行為じゃない。さすがに編集部が「T氏はいまは安全運転を心がけてます」というコメントをつけているけれど、一般道での事故はたった5、6年前なわけで、全然安全じゃないんである。

 こういう人が現役っていうのは、一体自動車評論家ってどんな世界なんだろう? この企画自体は「笑って許して」だけど、僕はT氏を笑って許す気にはなれなかった。いや、少なくてもこの人が業界で許容されているのは異常だと思える。ハッキリ言って、いますぐ引退するべきだと僕は思う。

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