新車心象風景:VW・ポロ

Polo  新しいポロがいいなと思う理由はふたつかな。

 まず、エントリーに近いコンパクトカーなのに、技術の出し惜しみがないこと。たとえば最初に導入のコンフォートモデルでもあの7速DSGが用意されてたり。いや、べつにデュアルクラッチが万能って話じゃないけど、安くするんだから適当なヤツを・・・ってしないところがね。

 あと、来年中ごろには1.2TSIも来るそうで、小排気量直噴エンジン+ターボというVWの新提案を日本に持ち込む積極性がいいなと。実質1.6~1.8リッタークラスの高トルクと、18km/lを超える省燃費の両立は相当使い易そうだし。できれば、例のブルーモーションも入ってくれば、HV一辺倒なここ日本の雰囲気も変わるのにね。

 それと、もうひとつはスタイリング。ワルター デ・シルヴァ氏による新世代VWとして、先行したゴルフよりまとまりがいいと思わせるのは、よりコンパクトなサイズのお陰かと。プレーンな面を基本とするデザイン文法は同じなんだけど、小さい分だけ“間延び感”がなくて引き締まっているでしょ。

 それにフロント下のラジエターグリルや、ボディサイドのキャラクターライン、あるいはリアランプの処理がいずれもエッジを効かせていて、プレーンな中にも勢いを感じさせてるのがまた巧い。

 個人的にはメルセデス、BMW、アウディなど、いいものとは分かっていても関心が持てなかったドイツ勢で、かなり本気モードになった初めてのクルマかもしれないんである。イタリアンデザインのドイツ車は、考えてみればイタリアンデザインの日本車である我が愛車に近いものがあるのかな?

 あとは、明るい黄色とかグリーンとか、パッとするボディカラーと、開放感のある色調のインテリアがあれば言うことなしなんだけど、残念ながらいまのところそれはナシみたい。黄色はあるけど少々彩度が低いし、インテリアはブラックのみだもんね。

 次期マーチがコスト最優先でタイ製になり、ヴィッツ(クラス)やフィットがHV攻勢を掛けようとしている中、従来の技術の磨き込みと、美しいデザインで総合的な商品価値のアップを仕掛けてきたVW。この考え方の違いは興味深いなと思う。

 国産メーカーでも、マツダは従来技術のブラッシュアップで数年内にリッター30kmのコンパクトカーを出すとか。新型エンジンやアイドリングストップなんかね。そうなると、次期スイフトあたりには何らかの独自提案があるといいと思うな。少なくとも、HVを含めた低価格競争に走らない何かを。

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新車心象風景:ホンダ・ステップワゴン

Stepwgn  大ヒットの初代にこだわりすぎた2代目、その低迷の反動である3代目。いずれもクリーンヒットにならなかったステップワゴンが出した答えは”原点回帰”だ。

 先代に比べればスクエアなボディがそういうことなんだろうけど、でも、このボディを見て”原点回帰”と感じるより、「何だかセレナみたい」と思う人の方が多いんじゃない?

 例えばフロントマスク、とくにマイナーチェンジした後のセレナに酷似しているところなんかが皮肉な感じ。けれども、それよりはプレーンな印象を与える面構成がライバルを連想させる最大のポイントかと思う。それだけを見れば「コピー」と言ってもいいくらいだ。だって、原点回帰って言っても初代はこんな張りのある面じゃなかったもの。

 そして低いウエストライン。さすがにフロントへ向けて段をつけるところまではやってないけど、基本的には同じ発想だ。まあ、ここはリアピラーをブラックアウトした点も含めてマツダのビアンテも参考にしてるかもしれないけど。

 唯一回帰を感じるのは、リアドア用のスライドレールのくぼみをボディ周囲に連続させているところで、これは2代目の反復かと。

 3代目の失敗、そして奇襲に出た先述のビアンテの不振を横目に見て、ドップリ家族向けのミニバンはやっぱり余計なことしちゃダメなんだと思ったのかも知れない。ライバルに似てると言われようが、とにかくヒットすりゃあいいんだ結果的に、と。いや、そんなに似てるかな?と思った方は、フロントのエンブレムが日産になったのを想像してください。多分ほとんど違和感ないと思いますので。

 で、実際最初にパッと見て「あ、売れるなコレ」と僕は思った。まとまりいいじゃん、質感高いじゃんと。きっと全国の営業マン氏もそう感じた方は多いんじゃないかな。そりゃ売り上げナンバーワンのライバルに似せたんだから当たり前なんだけど、とにかくそう思わせたんなら作戦成功なわけだもんね。

 けれども、言い方を替えればほとんど新提案がないんである。東京モーターショーに向けては、ハイブリッドスポーツとかミニバンとかが次世代のホンダデザインを示すのか?って感じだけど、こっちは全然関係ありませんからっていうような。いや、燃費の向上を果たしたエンジンやミッションとか、機能の話は別にしてね。

 何たってセレナはもう4年以上前の登場だ。カタチの話にせよ、4年前のライバルに追いついただけっていうのは、ホンダっぽくないという以前の次元で何だかなあ・・・と。あ、いや、分かってます。売れればいいんですよね、売れれば。

 

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新車心象風景:ダイハツ・ミラココア(本体編)

Cocoa_2   え、コンテとか出したばっかりなのに、というような話はともかくとして。僕が思ったのは、女性にとって「ミニ」と「ラパン」そして「ココア」の間には深い溝があるのか否か、ということなんである。

 理由はハッキリ分からないけど、近頃”いいモノ”に敏感なのはどうも女性の方みたいで、ここ数年はとくにそう感じる。それはべつにお得意のファッションやグルメに限らず、映画や芝居、歌舞伎から寄席まで、「コレは」というものに出掛けると20~40代くらいの女性ばっかりなんである。日本のある種の文化はこうした女性が支えている? と言ってもいいくらいだ。

 べつにクルマのマニアじゃないんだけど、ミニやフィアット500、あるいはプジョーなんかをサクッと買っちゃうのは、もしかしてそういうアンテナが効いてるんじゃないかと。思い起こせば、小学生の頃から女の子はずっと”おませ”だったけれど、いまだに男子が「男のロマン」とか「男の夢」とか言ってマニアックな狭い趣味に興じているなら、それはいまでも変わっていないのかもしれない。

 で、ミラ・ココアだ。

 好調スズキ・ラパンに対するダイハツの回答がこれらしい。正式な前身はミラ・ジーノだけど、実質的にはムーヴ・ラテと合体させた流行の箱ワゴンは、ジーノのミニ風から一転、今後はフィアット風の顔で登場し、これでルノー風のラパンと一騎打ちなんである。

 お茶目なTVのCMとは違い、カタログのイメージは「そら・空気・水」に「シンプルな生活」を前面に出した、いかにも現代女性の一面を切り取ったもの。これはそのまま”世界で一番お洒落な軽”のラパンに通じるのだろうし、価格の違いはあれ、もしかしてその延長上にミニや500がある、のか?

 いや、僕ら男性にしてみればミニとココアを一緒にするなという話だ。かたやBMWの設計にイタルデザインのエンジニアリング云々・・・の血統書付き、こなたミラベースのお手軽軽自動車なんだぞ。”いいもの”にアンテナ張ってるならそのくらい分かれよな、なんてね。

 けれども、先日郊外タイプのスタバ駐車場で、ローズピンクメタリックのボディにホワイトルーフの新しいラパンから、女性二人が颯爽と降りてくるのを見て「あ、いいナ」と思ってしまったんである。と思ったら、一部評論家からも「これは男性も買いだ!」なんてインプレッションが散見されるじゃないか。

 実際、一部男性ユーザーから指名買いもあると聞く。しかし、間違いなく女性用に練り込んで作った筈なの一体それはどういうこと? もしかしたら彼女たちがあと100万円か150万円を追加して500だのプジョー207あたりを買うのと、このラパンを買うのは基本的に同じなんじゃないか? どっちも”いいもの”なんじゃないか、と。

 それはつまりクルマ単体ということじゃなくて、クルマの使い方を含めたライフスタイルトータルでの話ではある。いや、そんなこと言ったらパッソ・ブーンだって同じじゃんってことなんだけど、そこは理屈じゃなくてね。

 で、何だかよく分からない話になって来たけど、先輩のラパンや追随するココアを”おバカクルマ”として斬って捨てるのには、どうも何かが引っかかるということなんである。

 ただし、これはあくまでベースモデルの話。それ以外のココアについては少々?な感じで、それはまた後日書きたいと思う。

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新車心象風景:日産・リーフ(市販予定車)

Leaf  発売は来年後半ということだけど、正式にお披露目されたので、一応。

 EV=シティコミューター≒軽自動車? なんて固定概念を覆す、5ドアコンパクトカーという発想は上手い!と思う。

 ただでさえも特殊なEV。基本的に一家に1台の条件下、家族みんながフツーに乗れないクルマなんて非現実的なんである。もちろん、高価なバッテリーをリースにして、初期投資額を低減する方法も面白いし。

 けれども、新開発のリチウムバッテリーにしてMAX160kmの航続距離・・・と、この点はやっぱり厳しいなと。だって、せっかく家族5人が乗れても温泉旅行は無理でしょ。せいぜい郊外のショッピングセンターと近所の日帰り温泉施設か。リーフは、日産のハイブリッド攻勢までの「つなぎ」という話があるにせよ、ね。

 それと、その5ドアボディのカタチもどうもなあ、と。「葉」から流動体をイメージしたヌメヌメボディはある種の未来感を醸し出しているし、空力もスゴイんですよ、というメッセージもよく伝わってくる。ただ、ちょっとモーターショーのコンセプトカーっぽくないか? 奇抜で”取り合えず感”が強いっていうか。

 もし日産が5ドアコンパクトで勝負を掛けるのであれば、僕はもっと”普通”の方向で、素晴らしくスタイリッシュなデザインにするべきだったんじゃないかと思っている。妙にEVっぽさを前面に出すのではなく、動力源が何であれ「これはカッコいい!」「欲しい!」と思わせる方向ね。たとえば、よりシャープでより質感の高いティーダみたいな。

 それが航続距離の短さを補うかもしれないし、幅広い年齢層の支持が期待できるかもしれない。タイミング的に間に合うのであれば、そのボディでハイブリッドをやってしまっていいじゃないか。せっかくの専用ボディなんだし、同時に似たようなライバル2車との差別化も図れるという意味も含めてね。

 そんなことを考えるとこのボディ、ちょっとネラい過ぎたんじゃないかな。基本的な考えはすごくいいのに、何だかもったいない。

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新車心象風景:レクサスHS250h

Hs250  中型以上はディーゼルで、と言ってたホンダが「やっぱりハイブリッド」と軌道修正するくらい、もはや日本はHV一色なんである。

 こうなりゃ、泣かず飛ばずのレクサスが一番欲しいのもHVに決まってるわけで、もう待ってました!の1台がHSということか?

 では、プリウスが発売1ヶ月前で数万台の受注をしたのに比べ、発売時点で3000台の受注という、この数字はどうなんだろう。もちろん、月販目標500台を考えれば6倍なんだけど、絶対数としては違い過ぎるもんね。そりゃ200万円台と500万円の違いだよ、ということなんだろうか。いや、なんか違うんじゃないかなあ、と僕は思うんである。半分以上は。

 プリウスが成功したのは、たぶん専用車種だったことが大きいんだと思う。だから、同じく専用車種としたHSはそういう意味じゃ間違ってないんだけど、ぶっちゃけ、このスタイルのセダンである理由はどうにもこうにも理解できないんである。

 つまり、プリウスは初代の3ボックスにしても2代目以降のハッチバックにしても、そのスタイリングが”異色”だったでしょ。これ、外見も変わってるけど、中身も違いますよって。だからこそ専用車種であることに意味があったわけで。

 ところが、このHSにはそういう特別感がほとんど感じられないでしょ。せいぜい、フロントグリルがコンセプトカーっぽいくらいで。プレスリリースには明快なショルダーラインとか、レクサス言語のナローヘッドを用いたサイドグラフィックとかあるけど、それはHVとしての特別感とはまったく違う話だもんね。ひらたい話、こっちがISで、先に出たのがHSだったとしても、まあ別に問題ないでしょ。

 どうなのかな。もしかして高級車だから妙に奇をてらっちゃいけないってことだったのかな。やっぱりお高いクルマはこういうセダンが一番売れるんだよ、ってことで。

 僕はそれも違うと思う。少なくとも日本の市場は違うと。だって、そもそもレクサス自体が認知されてないんだから、そんな高級車事情も関係ないんである。いくらHV専用ボディだからって、これじゃあ遠からず「やっぱ、プリウスでいいや」になっちゃうんじゃ?

 ということで、レクサスにHV専用車種を投下するんだったら、僕はカタチから特別にするべきだった思う。いや、そう難しく考えなくても、たとえばプリウスの方向性でレクサスらしく高級に仕立ててみるだけでもよかったんじゃないかな。プレミアム・プリウス。ウッドと本革の。

 と、ここまで書いてきてなんだけど、あとはガックリ気の抜けた話だ。まず、数ヵ月後には基本同じカタチをしたトヨタブランド車が出てきちゃうって話。SAIだっけ? ウワサじゃあ60~70万円くらい安いそうだけど、もしこいつがホントに出てきたら、今朝の新聞広告にドーンと掲げた「LEXUS  for EARTH」ってコピーは一体・・・。

 それともうひとつ、なんでHS250hなの? HV専用車ならわざわざhは要らないんじゃ? まさか、これからフツーのエンジンも積みますとか。え、そもそも誰もHVしか出さないなんて言ってないって? そうなの?

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新車心象風景:マツダ・アクセラ

Accera  ブランディング、ということなんだと思う。

 スバルがレオーネをレガシィに進化させ、続いてインプレッサ、フォレスターを登場させたとき、僕は「お、スバルは日本のBMWになるかも」と思ったもんである。

 4WDに水平対向エンジンという分かりやすいハイライトがあったし、何しろスタイリングが垢抜けていた。軽のプレオでさえ、他社にはないクオリティ感を与えられていたしね。

 ところが丸目の2代目インプレッサあたりから怪しくなり、お見事なRシリーズを自己否定して迷宮入り。いまやラインナップ的に何だか脈絡のない感じになっただけじゃなく、デックスなんてお荷物を預かるまで堕ちてしまった。ま、路上で見たことないけど。

 一方、バブル期に5チャンネル化で崩壊したかに見えたマツダは、技術的にスバルみたいなハイライトが見当たらない。ロータリーエンジンは珠玉だけど、燃費やコスト面で残念ながらデミオみたいな量販車には使えないまんま。

 ところが、かつて「ときめきのデザイン」で見せたデザイン力を、初代のアテンザあたりから商品価値とマッチさせることに成功し、そこからブレのない展開を実現させているのが面白いんである。

 デミオ、アクセラ、アテンザといったラインナップがみなイメージを統一させ、しかもモデルチェンジでも先代からの”深化”に徹して激変をしないというやり方は、メイン市場の欧州をモデルにしていることはもう周知のところでしょう。

 その深化も、近年のコンセプトカーのエッセンスを市販版へ落とし込むという点でブレがない。しかも、コンセプトカーの進化とともに、市販車への応用もまたレベルアップしているのは相当な手腕だと僕は思う。最新作のアクセラはそれがより顕著だ。まるでUFOやラブホテルみたいなどこぞのコンセプトカーとはだいぶ違って、これなら「日本のBMW」じゃなくても「日本のVW」くらいにはなれるんじゃないかと。

 ブランディングっていうのは、歴史が長いとか、高価な商品とか、高機能とか、そういうことは必ずしも条件にはならない。ユニクロがいい例だけど、要はコンセプト、ターゲット、ポジショニングがいかにしっかりしてブレていないか、だ。

 マツダは高級車メーカーじゃないし、先述のとおりロータリーエンジン以外に飛び抜けた独自技術もない。何たってこのアクセラでようやくアイドリング・ストップなんて話だし。じゃあ、それだと世界で太刀打ちできないのかと言えば現実にはそんなことはなく、地に足の着いた商品展開でブランディングの構築に成功しているんじゃないか。

 ま、日本的には現行アテンザが先代比で大味な感じになっちゃったのと、ビアンテがやっぱり「やり過ぎ」という評価なのか、売れ行き不振なのは残念かな。あと、軽をOEMで売るにしても、内外装の工夫でもっと独自性を出せば結構面白いことになるのになあ、とも思うけど。

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新車心象風景:日産・NV200バネット

Nv200  商用車をオシャレに使いこなす。この辺はトヨタのタウン、ハイエースやプロボックスあたりの専売特許。

 だったんだけど、インドネシア製の新しいタウン・ライトエースが「あれ?」っていうスタイルになっちゃったところに、NV200なんである。

 ヒット中のセレナと同じデザイナーと言われるスタイリングは、そのセレナと対照的なアプローチでやって来た。即ち、端正なカタチを質感の高い面でまとめたセレナに対し、NV200はとにかくカッコよさそうな要素を何でも盛り込んじゃえ、と。

 ダイハツが勢いで作った(ような)YRVを想起させるフロントだけでも実にシャープだけど、その先鋭なヘッドランプからフロントサイドウインドウにつながるライン、さらにその下をフロントバンパーから並んでサイドウインドウに駆け上がるもう一本のライン。まとまってるのかいないのか、もうよく分からないけど、えー、ここは勢いこそが大事なんだ!と。いや、一応前下方視界を意識したウインドウ形状にせよ。

 そして、リアスライドドア・レールに合わせたラインは、上記2本のラインとは逆に下へ向けてキュっと流される。唐突だとか言わせん、とにかくこれで上下方向のバランスをとってるんだ!と。そして立体感のあるリアランプはなぜかシャープじゃなくて丸っこいんだけど、とにかくフロントやリアに負けない個性を持つ。

 上下2段構成のコクピットは、色分けされた素材の組み合わせが立体的で、思い切り手前に張り出したシフト操作部とともに、これもまた大胆。開閉式のエアベントに合わせた左右両端のドリンクホルダーも大きなポイントだし、汎用のステアリングは巧いこと先進性を感じさせる。

 これ、たぶん多くの人が先代のADバン=ウィングロードを思い出したんじゃないかな。あのマイナーチェンジ後のやつね。つまり、カッコのつけ方が超古典的でとても分かりやすい欧州風とが現代的とか、そういう気取ったやり方じゃなくて、「ロケット・新幹線=カッコいい」という20世紀ニッポンのベタなカッコよさ。

 おそらくADバンと一緒で、商用車だからこそここまでできた気がする。ま、どうせ仕事でガシガシ使われる実用車だし、大して注目もされてないんだから、あまり気を使わないでやりたいことやっちゃえって感じで。もちろん、輸出されればこの程度の個性はいい方に働くしね。エンジンも次期ティーダに使われそうな新型1.6リッターを積んじゃったりとか、積極的。

 例によってワゴンタイプが設定されているので、冒頭のようにオシャレに使う”仕事以外”のユーザーも結構買うんじゃないかと思う。写真のグリーンの他、レッドも用意されてるし。んで仕事の方も、このスタイルに負けない感じのステッカーやら塗装を施して欲しいよね。

 「子供っぽい!」という意見もあるかと思うけど、変に凝っていまのADバンみたいな悲惨なことになるんだったら、こういうカッコつけ方は「アリ」なんじゃないかな? そんでもって、評判がいいなら次期セレナの参考にしよう、なんてね。

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新車心象風景:スバル・レガシィ

Legacy  大きく舵を切ったのは、寸法を含めたスタイリングみたいで。

 数について言えば、全体の7割前後を海外で売るという現状を鑑ると、ボディ拡大は必然? ま、もうインプレッサが大きくなっちゃったしね。

 事前のスクープ写真で気になっていたのは、たぶん読者の皆さんと同じ2点で、ヘッドランプの形状とDピラーなんである。

 ヘッドランプは、なんて言うかこう、後端が「持ち上がりすぎ」な感じがするでしょう。巻き爪じゃないけど、ボンネットの中央に向かってそっくり返っちゃうような。そして、デカい。

 で、実車では微妙。写真よりは「そっくり返り感」が少ないけど、やっぱり角度によってはそう見えちゃう。真正面なんかは結構いいんだけど、斜めになると次第にグニューっとね。

 ヘッドランプの内側はボンネットと接してるんだけど、これ、微妙にウネりつつ内側に膨らんでるだよね。つまり、ボンネットラインに合わせてヘッドランプを沿わせたんじゃなくて、ランプの形状を優先してボンネット側が凹んでると。だから、余計にランプがでかく見えちゃう。

 「存在感」というテーマを反映・・・したのかもしれないけど、僕はボンネットラインをキレイに流して、そこへ自然にランプを沿わせるべきだったと思うな。それでも十分「鷹の目」になるだろうし、インプレッサより強い顔にもできたと思う。おまけに端正にも。

 そして、ついにボディ同色になったDピラー。今回は20年目のイノベーションっていうコピーだけど、まあそういうことなのかな。そろそろ大きな変化も必要だと。

 それに寸法がかなり大きくなったこともあるのかもしれないな。ここまで大きさに余裕があれば、あえてブラックアウトして後に抜かなくても十分「行ける」だろうと。そして、VWやアウディあたりと対等に渡り合おう、とか。

 僕も絶対ブラックアウトを残さなくちゃダメだとは思わない。けれども、逆に言えば、止めるんだったらそれはそれで新たな「レガシィ」らしさの創造が必要なんじゃないかと。あえてボディ同色にはしたけど、ああこれは他にない処理だなあ・・・っていうオリジナリティが。

 だって、ワゴンの場合はこのDピラーがある意味勝負どころでしょ。かつての初代インプレッサ・スポーツワゴンなんて、それこそボディ同色を逆手に取った実に個性的、かつ美しい処理だったもんね。

 けれども、残念ながら新型の処理にはそこまでの新味がない。たとえば、最近の欧州勢のようにシャープなグラフィックを真似ているわけじゃないけど、かといって新しくもない。これ、どこかで見たなあ・・・と思ったら、アルテッツァ・ジータだった。Dピラーの手前から少しキックアップするウインドウグラフィック。真っ直ぐなキャラクターラインはそのまま後へ伸びて、リアをラウンドする。他にもあるかもしれないけど、とにかく既視感があるでしょ。

 B4は写真だと何だか無国籍風だなあ、なんて思ってたけど、実車の後姿を見て瞬時に思い浮かんだのがレクサスGS。ウワ、そっくり!って。まあ、それだけ立派になったとも言えるんだけど、チョット再検討してもよかったような。

 歴代のスポーティさ、シャープさを残すためか、ウエストラインがエクシーガと違ってスパーッと一直線に流れているのはいい感じなんだけど、前後がうるさかったり甘かったりして、その良さが生きてないのが惜しい。グリルはそのままだから、前から見るとたしかにレガシィなんだけど、横から後へ移るとどこのクルマだかよく分からない・・・というのが正直な印象かな。

 いやー、こうしてみると、先代ってすごくまとまりのいいデザインだったなあ。キリリとしたヘッドランプに、明快でシンプルなウエストライン、それを受けるシャープなリアランプ。当たり前だけど、全体のテーマが明快なんだよなあ。

 もちろん、ホイールベース延長による広い室内や質感向上著しいインテリア。2.5リッターに格上げで220万円からはお得! という視点はアリなんだろうけど。新型を見ると、先代はホント小さく見えるもん。

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新車心象風景:トヨタ・プリウス

Newprius  新しいプリウス自体に何か違和感を感じるっていう話じゃない。

 なんだかんだ言って、実際の日常使いが可能なHV車を市販してすでに3世代目というのは素晴らしいし、依然技術的な優位性を保っているのも然り。ひとつの分野で最高峰のクルマを作り上げているのはトヨタ、あるいは日本の誇りだろうし。

 スタイリングも、先代を基本にシャープにまとめた欧州スタジオ案はよくまとまっていると思う。まあ、ランプはやっぱり小細工のような気がするけど。

 それより何より、事前受注で8万台、という話だ。

 2万台受注の時点で?な話をここで書いたばかりだけど、すでに4倍である。かつて、初代イストが販売後1カ月で4万台オーバーという実績を作ったけれど、こちとら販売前で2倍と、もう圧倒的なんである。

 これ、やっぱり気持ちが悪くないか?

 もともと日本人が流行に弱いことはよく承知。とりわけ近年はTV報道が臆面もなく「大衆誘導」を展開しているしね。朝青龍イジメ、ミサイル落下、小沢代表や草薙君叩き、いまはインフルエンザで校長先生攻撃、なんて。

 そもそも「エコ」自体が誘導じゃないのか? エコバッグにエコ箸、エコ家電もあればエコ出張とか。エコ冷蔵庫がデタラメだったのは、ある意味こうしたエコ商売の胡散臭さを示していた筈なのに、重く大きな電池を積んで機構を複雑にしたクルマが果たして「エコ」なのか、という視点に戻っての報道はもちろん、ない。

 もはや「低炭素のためなら死んでもいい」って世界になりつつあるけど、なんでこうも一方向に突っ走るかな。プリウスはたしかに素晴らしいけど、もう10年間もずっと売っているわけで、何でいまさら各局TVニュースが発表会を一斉に報じちゃう?

 たとえば、トヨタが筆頭株主のあいおい損保は従来から行っていた独自の割引制度で新型プリウスを最大の割引率と発表。もうイケイケ状態。けれども、それはあくまで売る側の、あっちの話。

 そりゃあ、べつに8万人の方々に話を聞いたわけじゃないけど、やっぱりこの数字は異常だ。なにせ維持費の安い軽でもなければ、人気の3列ミニバンでもないし、保守層の好むトランク付3ボックスでもない。おまけに、日本人好みの5ナンバーですらない。もっと言っちゃえば、日本人には結構アレルギーのあった筈のミドルクラスハッチバックじゃないか。

 しかも爆発的ヒットで景気回復・・・ならいいけど、一部新聞報道ではトヨタ車自身も含めた”食い合い”で、全体の販売数は変わらないとの指摘も出ている。そのくらい尋常じゃないってことなんである。

 いや、繰り返すけどトヨタはいいクルマを作ったと思う。だから、今回はあくまで僕らユーザー側の話。もちろんクルマだけの話じゃないけど、何て言うか、こう・・・自分自身の物差しでしっかり立った感じってないもんかな? 騒ぎに巻き込まれないような。ハイブリッドはいいけど、ヴィッツやフィットに載るまで待とう、とか。

 あー、ニュースでは鳩山代表になっただけで民主党支持率アップって言ってるな。こりゃあ、自分の物差しなんて無理な相談ってことか。

 

 

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新車心象風景:トヨタ・クラウンマジェスタ

Crownmajesta  好き嫌いはともかく、ゼロ・クラウンはエクステリアのまとまりがよかっただけに、現行のロイヤルシリーズのデザイナーは相当苦労したと思う。

 結局はバイブラント・クラリティ特有の表層的なラインを多用した”よく分からない”造形になってしまったんだけど、それでもメルセデスのSや一連のマツダ車が採り入れたフロントホイールのフレアからキャラクターラインをリアまで流す、なんて流行にチャレンジはしている。

 ところが、威風堂々なマジェスタではそんな試行はできなかったのか、とにかくこの新型には基本的な部分で特徴らしいものが何ひとつないんである。

 やっているのは例の表層小細工で、たとえばボンネット内側の縦のライン、ホイールアーチ、リアバンパー上面のラインなどは、どれもラインの端に向かうにつれ次第に薄くなって途中で消えてしまう。もちろん意図的なものなんだろうけど、その意味が分からない。

 先代はロイヤルと同種の明快なショルダーラインがフロントからリアまで貫かれ、それがボディ全体の流れになっていた。前後のランプもラインの”段”を受ける形になっていたし、ボンネットの大きな溝もフロントランプ上辺に合わせたものだった。つまり、何をやりたかったのかが明確なんである。

 ところが、新型はそういう薄皮のような線が出ては消えたりしているんだけど、意図が読めない。もしかしたら、ある種の繊細美を狙っているのかもしれないけど、残念ながらそれは完成していないとしか思えないし。

 それと、前後ランプの周囲は繰り返しのウネったボディパネルで囲まれているんだけど、これまた意図が不明。フロントランプ下端のフェンダーとバンパーが交差している場所などは、よーく見るとフェンダー先端が微妙に丸くしてあったりするんだけど、そこまでする意味自体がサッパリ分からない。そういうウネりに囲まれたフロントランプの形は当然不安定だし、偶然こういう形になっちゃいましたって感じだ。そもそも、この繰り返しってレクサスの技法なんじゃなかったっけ?

 で、結局それ以外には何の提案もないので、ボディはマグロのようにボテっとして緊張感がまったくない。デザインコンセプトには”堂々とした佇まいと躍動感”とあるけれど、堂々というのは単にボディがヌボーと大きいだけだし、躍動感がウネったパネルワークだとしたら中途半端以外の何ものでもない。

 BMWを去ったクリス・バングルはシリーズ全車のスタイルを一変させ、販売面では成績を残したものの、世界中に賛否両論を起こした。彼の仕事は表面だけの小手先に過ぎない、という意見もそのひとつだけど、それはどっちにしても主張が明確だからこその意見だろう。けれども、大上段に構えてフィロソフィをブチ上げたトヨタ車については、大多数のユーザーが全社的な変化にすら気がついていないんじゃないか。

 マツダなんかZOOM-ZOOMなんてフザけたコピーでやってるけど、出来上がった商品は明快なテーマがあって世界的にも評価を得ている。一方、トヨタは比較にならない程巨大なのに、いや、もしかしたら巨大だからこそなのか、変に理屈が先行したマニュアルを作ってしまい、自らその呪縛に右往左往してしまっている。

 レクサスのL-フィネスにしたって、ハリアーがあんなことになってしまってどうすんのよ、って感じだ。ここはトヨタブランドだけでも一昔前に戻って、色々自由にやった方がいいんじゃないだろうか。

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新車心象風景:トヨタ・ウィッシュ

Wish  今回はデザイン・インプレッションということで。まずはウィッシュ、そして次回はクラウンマジェスタのトヨタ2車を。

 新しいデザイン・フィロソフィを掲げてからのトヨタデザインはどうもなあ、と思っているんだけど、それは新しいウィッシュにもズバリ当てはまるんである。ここでは、フロント、サイド、リアが全部バラバラという話だ。

 まず、デカい顔。デザインコンセプトにもなっているとおり、フロントの安定感を出すためにバンパー両端が台形に広がっていて、正面から見ると四角な威張り具合がよく分かる。これ自体はいいんだけど、一方で大きくベッタリした顔を紛らわすためか、はたまたサーキットで磨いた走行性能の象徴なのか、バンパーのアンダーグリルが強烈にエグられているのが何とも唐突で浮いている。さらに、軽さを出したかったのか、バンパー上面角はウネウネと不可解な曲線でもってカットされており、実に曖昧で気持ちが悪い。

 一方、サイドは先代になかった明快なキャラクターラインが与えられてスッキリに。ま、フロントからリアに向かってサイドウインドウとの間が狭くなるのが少々小細工っぽいけど、ここに妙なウネリを入れてしまったスバルのエクシーガなんかよりはいいと思う。ただ、サイドグラフィックを伸びやかにするためブラックアウトしたというBピラーだけど、個人的には意図的に傾けた先代のボディ同色ピラーの方が前進感を演出していて悪くなかったと思う。

 リアは、サイドのスッキリラインをまったく受け止めていないのがもうイケナイ。先代はハッチ両端にごくフツーに四角形のリアランプを置いて、これがワンモーションフォルムのルーフの流れをグッと受け止めていた。ところが、横長になった新型のランプは、それ自体の形状が非常に曖昧で不安定なことも手伝って、ワンモーションの流れをまったく引き受けていない。そればかりか、まるで日産のウィングロードのようにリアスタイル自体をまったくの無個性、かつ意味不明にしてしまっているんである。

 こうしてフロント、サイド、リアがてんでばらばらなんである。

 で、このエラの張った四角いフロントが”流線な”サイドにどうにも馴染めず、つながり部分が完全に破綻しているのが最大の×だ。フロントホイールアーチがそのいい例で、後半分はフツーに円弧を描いているけれど、前側はフロントバンパーの角と融合させるために、妙に間延びしたデタラメな造形になってしまっている。いや、スポーティグレードなんかはここに普通の円弧を描いたオーバーフェンダーを貼り付けてしまっているので、さらにメチャクチャなことになってしまっている。

 かてて加えて、先ほどのウネったバンパーラインが、フロントランプを介してサイドのキャラクターラインにつながっている無理やりさは、もうほとんど理解不能な処理なんである。とにかくフロントランプ後端部分の煩雑さと来たらもう!

Newprius_2  偶然かどうか分からないけど、先代はボンネットに張り付いたようなフロントランプや、強いラインを持たないサイド面、ハッチ両端の四角いリアランプなど、現行の2代目プリウスと共通点が多かった。で、これも偶然なのか、先日プロトタイプが発表された3代目プリウスは、四角くエラの張ったフロントや一直線のサイドラインなど、これまた新型ウィッシュと類似点が多い。

 ただし、角ばったフロントバンパーからサイドへのつながりに大きな破綻がないのと、プリウスはリアランプがほとんど現行と同じで収まりがいいので、妙な不安定さがない。全体では同じようなアプローチだから、つまりはまとめ方のレベルに大きな差が出てしまっているということだ。ライバルのコピー云々は別にして、まとまりとしては先代の方がよかったと思う。 

 バイブラント・クラリティと呼ばれるデザインフィロソフィは明快・快活といった意味だそう。まあ、かなり抽象的だからどうにでも解釈ができるわけだけど、実際には多くの場合でボンネットやフロントバンパーなどに表層的なラインを何本も流したり、ヘッドランプ周りをヘンテコな形状にしたりに終始しているのが残念な感じだ。

 一昔前のトヨタデザインと言えば、決して斬新じゃないんだけど「まあ、巧いことまとめるよなあ」というソツなさがあって、逆にその点で不器用だった日産なんかに随分痛い思いをさせて来た。ま、それでも結果的に売れればいいんだろうけど、純粋にデザインレベルで語れば、いまや日産は遥か前を走っていると僕には思える。

 で、これはそのままクラウンマジェスタにも言えるんである。

 

 

 

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新車心象風景:ポルシェ・パナメーラ

Panamera  4ドアポルシェ、パナメーラの予約受付が始まったらしい。

 お披露目は来月の上海ショーだし、販売はずっと後だから、このクルマ自体の話はまた今度ということに。

 で、話はカリーナED問題なんである。

 メルセデスがCLSなんてモデルを出し、BMWはグランツーリズモ、アストンがラピードと続き、VWはパサートCCを発表。どうやらこの手の4ドア・クーペが欧州では「来てる」らしい。そこで気になるのが、最近雑誌で目にするカリーナED問題だ。

 「これはカリーナEDじゃないか」「ようやく世界がカリーナEDに追いついたか」「当時カリーナEDは批判されたけど、外車なら認めるのか」「欧州車も地に堕ちたもんだ」

 これ、そうなんですかね? 僕は違うと思うんだけど。

 なぜって、まず車格が全然違う。初代カリーナEDは当時のミドルセダンとして、全長は4.3メートル台しかなく、しかも全幅は5ナンバーサイズ。これにハードトップと称してわずか1.3メートル少々の高さしか与えなかったと。現行のワゴンRが全高1.6メートル超であることを考えると、その「窮屈さ」加減は言わずもがな。

 一方、欧州勢は比較的小型のパサートCCでも、4.8メートル以上の全長に、1.9メートル近い全幅をもつアッパーミドルサルーンである。全高だって10センチ以上高いし、ホイールベースは20センチ近く長い。

 たしかにプロポーション自体は相似形と言えるのかもしれないけど、この絶対的な数値差を無視して「同じ」などと言うのはおかしいでしょ。要するに、欧州勢はある程度以上のマスを確保した上での4ドア・クーペということで、膝が前席に当たるとか、頭が天井にぶつかるとか、パッセンジャーと肩が触れるとか、そういう空間じゃないんである。

 それと、欧州勢は基本的に”贅沢車”という点ね。厳密にはアストンとVWじゃ意味合いは若干違うだろうけど、基本的にはファーストカーとして実用的に使うんじゃなくて、まあ広いのは別に持ってるから、セカンドカーとしてこういうのもいいねと。そういう人たちが買う贅沢カー。

 なんか、そういうことを考えないで「何だ、カリーナEDじゃんか」的物言いはいかがなものかと。僕はべつに欧州崇拝者じゃないけどやっぱりどうも、ね。

 それともうひとつ。当時カリーナEDは批判された、なんて書いているけど、僕の記憶じゃEDを批判したのは良心的なごく一部の評論家だけで、他の大半の評論家は”こいつは新提案だ!”なんて肯定的だったけどな。中には「やっぱりクルマは低いのがカッコいい」なんて言い切った超有名評論家もいたし。

 ま、これをVWのジェッタやオペルのアストラがやったらダメだよ、もちろん。それと、とにかく欧州車がこんなパッケージングをすること自体ケシカラン! というのであれば話は別だけどもね。

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新車心象風景:トヨタIQとヴィッツ仕様追加

Iqcolor  トヨタのバリエーション追加がふたつ。いいなあと思ったのと、そうでないの。

 まず、よかったのがIQのカラー追加。コンパクトカー、とくにヨーロピアンなボディにはポップな色が合う例が多いけど、IQはプレミアムを指向してか、妙に渋い色ばっかりでパッとしてなかったでしょ。

 今回のイエローとブルーは、その点明るくてとても気持ちいいんである。ブルーはメタリックが入っているけど、彩度が高くていいし。4代目コルサ・カローラⅡもパステルカラーが似合っていたけど、あれを思い出すなあ。ま、もしかしたら単にデビューに間に合わなかっただけなのかもしれないけど、こっち方面でもう少しバリエーション増やしてもいいんじゃないかな。

Vitz  で、イケナイのがヴィッツの特別仕様である「シャンブル ア パリ コレクション」

 女性が憧れる”パリの小部屋”を想定し、何と1万人の女性を対象にリサーチしたっていうからスゴイ。・・・んだけれど、1万人に聞いた結果がコレとは。

 インパネのちょっとゴールドな加飾に加え、見せ場はターコイズやストライプの着せ替えシート。まあ、たしかにブルー系のコーディネイトにはなってるけど、とにかく安っぽい。なんかこう、改装したファミレスを連想させちゃう。

 そもそも着せ替えって要はシートカバーでしょ。しかも3パターンだけ。1万人にリサーチするようなことするんだったら、もう100種類くらいの生地見本を作ってオーダー制にすればいいのに。もちろん、ちゃんと張り合わせでさ。ホントはインパネや天井の色もコーディネイトしたいよね。

 ボディ色も少ないし、ホイールキャップは1種類。これって多少のセンスの違いはあるにせよ、70、80年代のelleseだのparcoだのと基本的に同じレベルの発想なのが寂しい。トヨタの女性チームはこの程度のセンスなの?

 たとえば先代キューブがコンランとのコラボをやったけど、あれなんかと比べると「デザイン」に対する意識や認識がまったく違うでしょう。いや、それ以前に内外装ともマーチのカタログカラーの方がよっぽどセンスいいもんなあ。

 前にも書いたことがあるけど、トヨタはカラー・テキスタイルのセンスがどうしても弱いんだよなあ。日産があそこまでできるのに、一体何でなんだろう?

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新車心象風景:ホンダ・インサイト

Insight  インサイトが示したのは、一口にハイブリッドと言っても、作り方には結構幅があるんだよということだと思う。比較的小さなエンジンを中心にすれば、180万円台も可能だと。

 このスタイルをプリウスのコピーと見るかCR-Xの子孫と見るかはともかく、僕はインサイト、いいんじゃないかと思う。いや、ひょろ長いボディとか、後席頭上に厳しいパッケージングとかじゃなく、存在として。

 それよりも、このインサイトでもって、何となく世の中がやっぱりこれからはハイブリッド、もしくはEVだよねー、という風潮になっているのがどうも気になるんである。ま、TVのニュースを疑わない視聴者はともかく、自動車雑誌までというのがどうもね。

 分かりやすいところではクリーンディーゼル。ホンダは当面市場導入見合わせだし、トヨタはいすゞとの開発を凍結したみたいだし。欧州でも軽油高騰で販売比率が下がっているみたいだけど、新車へのバリエーションは減らしてないよね。メルセデスは引き続き日本導入に注力するらしいし。でも、もうディーゼルの負けって話でしょ、雑誌では。

 ディーゼルは燃費のよさとそれに伴うCO2の少なさだけじゃなくて、高トルクのドライバビリティが魅力でしょう。ガソリン車との価格差がどうのこうのって記事が多いけど、そういうことじゃなくて。もちろん、ディーゼル・ハイブリッドの可能性もあるしね。

 あと、既存技術でのリッター30キロって可能性はどうなってるのかなと。たとえば、仮に軽自動車に900~1000㏄のエンジンを載せてそういう数字が出る可能性があるなら、規格がどうのこうの言ってる場合じゃないでしょ。もしホントに国やメーカーがエコだ環境だと本気でやってるなら。

 EVは、北米ショーで新興会社が色々出して結構TVでも取り上げられたけど、僕はちょっと懐疑的かな。もちろん、走行距離やインフラ面での実用性もあるけれど、ゼロ・エミッションという次元の話になるのなら、やっぱり電力供給の話に突っ込まなくちゃと思うので。

 だって、CMではデン子ちゃんが「電気を大切に」って言ってるけど、電気自動車が街中で走るためにはそういうわけに行かないでしょ。もう原発バンバン推進するのか、あるいは太陽光発電とかに真面目に予算出すとか、その辺ハッキリさせないとね。

 しっかり現実的な価格で登場したインサイトは面白いと思うし、是非売れればいいと思うけど、だからもうこれからはハイブリッドとEVしかない! という流れはイヤだなあと僕は思う。

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新車心象風景:トヨタ・パッソセッテ

Passo  「ハツラツと行動するママの応援」

 これはパッソセッテの開発コンセプト。いや、冗談じゃなくて。

  「ママの応援」でクルマ1台作っちゃうのってすごい話だけど、百歩譲ってそれがアリでも、じゃあママってどこの誰よってことがまずひとつ。

 女性にうれしいとされるのは、簡単シートアレンジに豊富な収納、赤外線カットガラスに花粉除去エアコン。バックモニターや連動のドアミラーなんだそう。でも、この手の装備は従来のミニバンでもほとんど網羅してるし、女性に・・・ということで性差を設けるなら、こういう内容でホントいいのと思う? こういうことで喜んじゃうわけ、いまどきの女性は?

 あと5ナンバーサイズのワンモーションフォルムだ! というエクステリアだけど、それって初代ウィッシュと何か違うのかな。それに、くどいようだけどママはこういうカタチが好きなの? 僕は、怪しい中国メーカーが作った下手な日本車のコピー商品かと思った。インテリアも含めて、なんて言うか、創造性を放棄してるでしょ、これ。

 まあね、大成功のパッソ(ブーン)に乗っていた独身女性が結婚したらそのままこちらへどうゾ、という気持ちは分かる。名前も引き継いでるし、何だかつかみどころがないけど嫌味もない内外装もそっくりだし。だけど、ホントに作っちゃうかなあ、そういう次元で。

 僕は男だから関係ないのかもしれないけど、こんなので「はい、ママさんどうぞ」「はい、女性にやさしいでしょ」なーんてこと言われて当の女性はいいのかねえ? 何だかバカにされてると思わないのかな。私たちはこんな趣味してないわヨ、適当なこと言わないでヨって。 あーいや、トマトの絵が付いたパッソでOKだからいいってことか・・・。

 「未曾有」「100年に一度」という経済恐慌とは別に、国内販売の不振もある。その打開策のひとつとウワサされた富士重とのスポーツカー開発は凍結したけれど、そこに出てきたのは既存車をベースにした何と140万円台の3列シートミニバンだ。そりゃあ、秋にはもう出来てましたからってことなんだろうけど、こういうクルマが国内販売復活の使者になるってことなのか?

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新車心象風景:スズキ・ラパン

Lapin  「お前は悪いことばっかり書いているが、それはどうなのか?」というご意見・ご指摘を頂くことがあります。なので、今回は半分はいいことで・・・。

 ラパンです。いや、昔のイギリスやフランス車あたりから拝借しちゃった企画自体には?なんですけど、注目点は「こだわり」ということです。

 とくにインテリア。ベージュやブラウンカラーを施したインパネ、アクセントの色調を合わせたオーディオ周りとフォトフレーム、インサイドドアの大胆な布張り、ツートンのシート生地配色などなど。

 あっちこっちにいるウサギはやり過ぎだろうという声もあるけれど、とにかくこういう細かいとこまでの「こだわり」が独特の質感を創っているのは間違いないんじゃないかなと。決して高級とかじゃないけど、抑え目の車両価格の中、安価な素材でも工夫すれば結構面白くできますよという提案。

 いや、これが完璧だとかそういう話じゃなくて、こうやって色々とこだわれば他の車種だってもっと面白くなるんじゃないかなと。たとえば新しいワゴンRの内装、とくに空調周りなんて悲惨なことになってるでしょ。なんだか9,800円のラジカセみたいな。格上のスイフトだって素材自体は悪くないんだろうけど、なんて言うか退屈でしょう。

 ワゴンRやスイフトはより広い層に向けた商品なので、ラパンみたいなチャラチャラ系は違うだろうけど、ただそれならもっと別方向で「こだわり」が可能だったんじゃないかな。素材や色の組み合わせで、もっと個性や質感が出せたんじゃないかなと思うんである。

 ラパンは、まあ何ていうか「色モノ」企画なので、そのあたりの迷いがなくやりたい放題やっちゃった感じだよね。その伸び伸び姿勢がよかったんじゃないかなと。これ、男子でも欲しい人いるんじゃないかなあ?

 ただ、もう半分はダメ出し。ここまでパーっとやっているのに、何でターボ車の内装は黒系だけになっちゃうんだろうね? ワゴンRもターボはスティングレーになっちゃうし、このターボ=走り系=黒系っていう固定概念はそろそろどうにかならないのかなあ? ほら、カラーにこだわったあの日産マーチだって、12SRにするといきなり室内真っ暗だし、ボディカラーも暗いのしかなくなっちゃうよね。

 身内でもパレットなんかは普通の内装色が用意されてるのは、恐らく家族向け限定車種ということなんだろうけど、それはもうホントに古い考えだと思うなあ。とくにメーターにまでウサギちゃん付けちゃったラパンなんだから、もっと頑張って欲しかった。

 

 さて、ここ数年京都での年越しにハマってますが、今回も明日から2日まで行って来ます。今年もこのブログをお読みいただきまして誠にありがとうございました。来年以降もライターとしては細々な感じだとは思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。

 皆さまもよいお年を。

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新車心象風景:日産・キューブ

Cube  あのV字回復を牽引した一連のデザイン改革車達が、そろそろモデルチェンジの時期を迎えている。

 ティアナは中国やロシアでの高級車としての役割と、日本でのモダンリビング戦略に巧いこと折り合いをつけてみせた。まあ、いい意味での軽さは薄れたけど、逆に言えば重厚感が増した。

 で、キューブ。先代はいわゆるクルマらしさと逆方向を向いていながら、そのクルマらしさの発信元である欧州で評価が高かった。これはもちろんデザインセンスが本物だったからで、ロンドンという最先端デザインの中心地からラブコールがあったのはその証だろう。

 「純化」というコンセプトが曲面に結び付く理由がいまひとつピンと来ないからか、僕は正方形に近いヘッドランプや、フロントサイドウインドウのフチがそのままフェンダーまで伸びていた先代の方が安定感があったし、まとまりも高かったと思う。その点、サイドウインドウを独立させた新型は少々不安定な感じがするんである。でも、パッと見ほとんど同じとした全体の判断は間違いじゃなかったろう。

 波紋や波形を繰り返した内装はやり過ぎという話もあるけど、問題はデザインコンセプトから外れていないかどうかで、僕はキューブらしいチャレンジだと感じた。少なくともエクステリアよりいい具合に変わったんじゃないかな。もちろん、例によってカラーセンスも一歩先を行っているし。

 僕はこういう日産のデザイン展開はもっと評価されていいと思っている。遊びのクルマをやろうとするとWiLLシリーズやルミオンになっちゃうライバルとは次元が違うワケで、この新型が外に出て行くのは、だからかなり意味深いとも思う。日本発の文化がアニメだマンガだなどというお寒い認識に対してもなかなかいい提案になると思うし。

 さて、残るマーチ、フェアレディZ、そしてラフェスタあたりはどうなるのかな?

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新車心象風景:トヨタIQ

Iq  エポックメイキングというより、理想主義なのかな。僕はその理想主義というやつが基本的には好きなんだけど、IQはどうも違うんである。

 J's Tipoの記事にも書いたけど、僕はIQを見てすぐにエスティマを連想した。エンジンを大きく傾けて車体中央の床下に追いやった、まさに理想主義的ミニバン。でも、エスティマがIQと違うのは、理想主義機構と斬新なスタイルだけでなく、3列シートのファミリーカーとして普通に実用性も備えていたことだろう。

 IQは4人乗りであることが肝だけど、同時に4人乗りだと思うことが足かせにもなってしまう残念な立場にいるんじゃないか。たしかに助手席を前にスライドすれば178cmの僕も後に座れるけど、座面は膝までの半分しかないうえ、背面は薄焼き煎餅みたいに固い。おまけに頭はバックドアに触れそう・・・と言うかヘッドレストがもう触れている。これは座っているというより”入り込んでいる”が実際。

 つまり、IQは「4人乗り」じゃなくて「4人乗ることができる」クルマなんだと思う。だから、パッケージング改革と言われてそのつもりになると無理ばかりが目立ってしまう。一方、後席は荷物置きと割り切って2名乗りだと思えばスカッと来る。これで1.5リッターでも乗れば楽しそうだゾ、とか。

 トヨタ的にはパッケージ改革としてエスティマと同じように理想を追求したんだろうとは思う。何せ開発スタッフの集合写真はエンジニアのチーフが真ん中にいるようなクルマだ。なので、理想主義プロダクトとして拝む対象としては素晴らしいけれど、購入対象にはなり難い。150万円もハッキリ言って破格だと思うけど、それはIQだけを見たときの話だし。

 もちろん、欧州はスマートが売れるような市場だからIQもアリだろう。カローラなんかよりずっと質感の高い内装も評判になるんじゃないか。僕的にもどっちかというと外国車みたいな存在だもんね。

 いや、トヨタ渾身の理想主義を”善し”として買える人はそれでいいと思う。セカンドカーとすれば面白いのは間違いないし。あとそうだな、ショーカーのときのスタイリングのままだったら、それだけでも購入動機になったのに、とも思う。量産型の顔はチョットねえ。

 そうそう、これも記事に書いたけど、この技術を次のヴィッツに丸ごと持ち込んだら、フィットなんて吹き飛ぶような、とんでもないコンパクトカーになるでしょ。そしたら今度こそスゴイ改革になると思うな。

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新車心象風景:スバル・デックス

Dex  業界は色々複雑なんだとは思うけど、やっぱり越えてはならない一線ってある気がする。

 ダイハツのクーだとかトヨタのラクティスだとか、まあ色んな話は聞こえてはいたけど、何だかんだ言っても最終的には思い止まるだろうなあ、なんて僕は思っていたんである。あるいは、今度出るっていうパッソベースのコンパクトミニバンを充てるのかな、とか。

 いつだったか、スバルのディーラーに取材したことがあったんだけど、営業マン氏はそもそもOEM自体が受け入れられないと言い、よもやbBベース車なんか考えられないとこぼしていたのを思い出した。いやあ、しかしホントに出しちゃったんだね。スゴイな。こいつがスバルのディーラーに並ぶんだ・・・。

 まあ、日産ではスズキや三菱の軽が売ってるし、マツダもそうだ。商用車の世界でもOEMはある。でもそれは何ていうか、あくまでも「お手伝い」的なレベルの話で、それによって日産やマツダのイメージにおかしな影響があるかと言えばそんなことはない。逆に日産の軽なんかうまいことやってるって感じだ。

 けれども、スバルの場合はマイナス感が大きくないか? 商売として月販500台がどのくらい彼らに有用なのか分からないけれど、こんな妙なクルマを売ってる負のイメージの方が勝るんじゃないのかな。 少なくとも、販売現場の士気低下はバカにならないだろうし。

 たとえば、中身はパッソ・ブーンそのものだけど、せめて殻だけ別物を被せるくらいのことをしてもいいんじゃないかと思う。少しでもスバル・ディーラーで売られる必然性が感じられるなら、それで発売が1年遅くなってもいいじゃないか。 どうしてそこまで待てないんだろう?

 クルマが売れない、若者が興味を示さないなんて色々不安な声が聞かれるけど、本気でそう思ってるならこうことはしないでしょ。液晶TVのパネルじゃあるまいし、あっちこっちでこんな使い回しなんかしてたら、クルマなんてドンドン趣味性を失うに決まってるじゃん。

 ま、エビちゃん効果でたくさん買ってくれるっていうならいいんだろうけど・・・。

 

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新車心象風景:スバル・インプレッサアネシス

Impressa_2  先行したハッチバックにトランクを付け足すやり方は、日産ティーダ、ホンダフィット、少し前だとトヨタのプラッツあたりが思い浮かぶ。

 共通して言われることは後付け感だ。取って付けた感じでカッコ悪い、と。以前、ある雑誌のデザイン対談に立ち会ったとき、有名評論家数人が寄ってたかってプラッツをこき下ろしていたっけ。

 僕はと言うと、実はティーダ・ラティオもプラッツもそんなに酷いとは思っていない。何て言うか、あの凝縮感がコンパクトセダンとしての実用性を感じさせて結構面白いと思っている。ま、もう少し言うと、フィットアリアはバランス的にどうにも不安定でいかがなものかと思う。つまりはモノによると。

 で、そういう見方をするとこのアネシスは違和感が少ない。インプレッサ特有の強いキャラクターラインがリアランプまで一気に伸びて一体感を演出している。トランクの長さも絶妙な感じだ。その大きなリアランプはぶ厚いトランクをうまく引き締めているし。

 なんだけど、皮肉なことにそれ故個性が感じられないことになっているんである。トランク部分があんまりにもスッと溶け込んでしまって心に引っ掛からない。つまり印象が薄い。ハッチバックに変身したインプレッサの独自性がどっかに行ってしまった。ま、もともとのフロントフェイスの弱さがここでも影響してしまった感じもする。

 この辺の塩梅は相当難しいんだと思う。巧いまとまりと没個性は結構近いところにあるのかもしれないとさえ思える。じゃあ、コンパクトセダンなんか無理なのか?というとそんなこともない。たとえばトヨタのベルタ。ヴィッツの要素を多く採りこんだこの小さなセダンはほとんど表舞台に出てこないけれど、実はトヨタでいちばん美しく完成度の高いセダンだと僕は思っている。いやいや、その前に初代のセダンは非常にまとまりもよかったし個性もあったじゃないか。あのセンスはどうしちゃったのか?

 ま、アネシスはインプレッサシリーズの販売台数を安定させるため、月に500台も売れればいいみたいだ。だから、スバルとしてはそんな心配も要らないんだろうけど。

 

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新車心象風景:スズキ:スプラッシュ

Splash   もうひと工夫あればなあ、と思う。

 欧州に軸足をおいたスズキの小型車戦略は絶好調らしい。日本ではSX4が苦戦中だけど、コンパクトSUV流行の彼の地では、フィアット版と合わせて生産が追いつかないという話も聞く。で、スプラッシュだ。

 こっちは「軸足」というより向こうで生産した輸入車そのものなんである。だから、TVCMでも欧州の街を走らせて「こいつは向こう生まれだぜ」と主張する。けれども、何かひとつもの足りない。

 すでにスイフトとSX4があるのに、そこへまたしてもコンパクトカーだ。ちょっと背高だと言ってもそんなに大きな違いは感じない。オペルに供給したワゴンRソリオの後継を意識したであろうボディは、どうにもズングリしてピンと来ない。だから何かこう、もっと欧州生まれということを端的に表す何かが欲しいじゃないか。

 たとえばボディカラー。CMの青、緑、赤はカラフルだけど、他の3色は無彩色に近い。ドイツでは4色多い10色もあって、そのうち6色はカラフルな有彩色だ。これを持って来るだけでも違うけど、ホントなら日本用に追加したっていいくらいだと思う。黄色やピンクなどのパステルカラーなんか似合うだろうし。

 インテリアも3パターンとは言え、大雑把には青っぽいか黒かのどっちか。どうせいくつかのパターンを設けるならもっと違う色があってもいいと思う。いや、もちろんカラーじゃなくてもいいんだけど、要はこいつ面白いゾ、違うゾという「何か」を与えたいんである。

 まあ、日本で大ヒットしなくてもスズキ的にはそんなに困った話じゃないのかとは思うけれど、どうせ売るならやることやった方がいいでしょ。SX4もそうだけど、少ないラインナップの中に売れないクルマがあるというのは、イメージとしてもあんまりよくないしね。

 

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新車心象風景:ホンダ・オデッセイ

Odyssey   たとえば、日産の初代セフィーロやスバルのアルシオーネSVX、あるいはユーノス500とか。

 先進性や新提案が理解されず、最後まで販売台数に結びつかなかった残念なクルマは結構ある。その場合はたいていフェードアウトするか、趣旨換えしてつまらないクルマになったりするのが常だ。けれども、新しいオデッセイはそうじゃなかった。

 FCXクラリティで提示された新しい顔や、最近のフィットやフリードと同様V字基調のリアまわりをしっかり採用しているけれど、シルエットとしちゃあ、まあ同じだ。だから、ホンダは低床構造を利用したこの低いボディに相当な自信を持っているんだと思う。

 つまり、先代はちょっとしたタイミングが悪かった、という判断なんじゃないかと思うんである。クルマとしてはよかったのに、この背の低さがうまく伝わらなかった。いいタイミング、うまい広報をもってすれば本当は成功する筈なんだと。

 じゃあ、どうしようか? まずは先述の新しい顔やリアの移植。そして、いまどきの抑揚のある面に、分かりやすいキャラクターラインで「同じようだけど、カッコよくなったでしょ?」というメッセージ。これで再チャレンジを敢行したんである。もちろん、昨今の状況を勘案した燃費対策や各種便利機能も忘れていない。

 で、もうひとつ奮発してジョージ・クルーニーの起用だ。「男」というベタなコピーとともに、インパクトのある広報活動で再チャレンジを支援する。これでどうだ、今度は納得したか? とユーザーに問う。

 個人的には、ショルダーラインを筆頭にスタイリングの明快さがすっかり消えてしまったのが?なんだけど、ただ、面白い提案だった先代の商業的失敗に再チャレンジした点にはとても興味がある。これが明らかに成功すれば、かなり貴重な実験結果になる筈だと思うんである。

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新車心象風景:トヨタ・bB

Bb   まあ、あんまりムキになっても仕方ないのかもしれないけど、やっぱりどうなんだろうと思う。

 だいたい、ワルを気取って出したのに、何で「マイルド」を出すのかって話でしょ。たとえば最初から普通とワルを出すノアやヴォクシーだっていかがなものかと思うのに、マイルドなワルってもうワケ分からないし。

 一見、ダイハツ版のCOOに似てるけど同じじゃないんだよね。そうすると同じクルマで顔が3種類ってことになるでしょ。あ、もしスバルへのOEMが顔違いだと4種類になるかな。その発想の「経緯」みたいなのは理解できるんだけど、実際にやっちゃうかな?

 いや、これが業績に苦しむ下位メーカーが苦し紛れっていうならまだしも、世界一のメーカーだからね。ちゃんと調べてないけど、多分こういうのって自国だけでやってるんじゃないかな、トヨタは。だってフツーは通用しないだろうし、だいいち恥ずかしいでしょう。

 これ、結局日本のユーザーをバカにしてるんでしょ。サイオン絡みで出したものの、どうも売れないからチャカっとやっちゃえって。これで月に500台が1000台でも上乗せになれば儲けもんだって。

 こういうこと書くと、選択肢は多い方がいいっていう人が必ずいるんだけど、僕は違と思うな。やっぱりその選択肢がどうなのかっていうことを考えなくちゃ、ユーザーとしても無責任だもん。僕はどのメーカーにしたって、ちゃんとしたクルマを作って欲しいって気持ちがあるので、こういうのはホントやめて欲しいと思う。

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新車心象風景:日産・ムラーノ

Murano  たとえば、V35スカイラインのクーペとか、トヨタのヴィッツとか。非常に明快なテーマを持ち、とても息の長そうなスタイルのクルマが、モデルチェンジでその明快さを失うことが稀にある。ムラーノもそういう気がする1台なんである。

 スカイラインやヴィッツがそうであるように、部分的には新しそうなラインや抑揚を手に入れるのだけど、カチっと決まっていたテーマが薄れてしまって、何となくボンヤリしたイメージが漂う。

 新しいムラーノも、未来ちっくなフロントグリル、巨大なホイールアーチフレア、いまどきっぽいショルダーライン、デュアリスみたいなリアランプと、新しさいっぱいの要素が溢れている。けれども、全体として「こういうカタチなんだ!」という明快な意図が読めないんである。

 先代はマーチの親分のように、ボディの上下をハッキリしたラインで分けるというテーマがひと目で分かった。フロントランプもリアランプもそのラインに沿って配置されていて流れがあり、とにかく破綻や無理がなかった。で、何よりオリジナリティも。

 ま、北米はこういうのが好まれるから、と言われてしまえば「そうなんですか」としか言いようがないし、とんでもなく酷いとかって話じゃない。ただ、ゴーン改革時に一気に出た秀作達に比べると、何だか最近の日産は少々ムラがあるというか、思い切りがないというか。

 キーデザイナーの強い「想い」のようなものが感じられないのが残念なんである。

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新車心象風景:スズキ・ワゴンR

Wagonr_5  今回は静粛性がウリなんです、という営業の方の話を聞いてアクセルを踏み込むとグオーンと威勢のいい音。ん? うるさいじゃないか。しかも、走り始めはかなりトロいし。

 内装、たしかに先代よりは作りがよくなっているけど、なんか薄べったい。価格表を見比べれば上級グレードは格上のスイフトよりお高いのに、なんでこんな質感に差があるんだろう。

 街中はともかく、高速を使うようであればやっぱりターボが要りますね、と営業マン。もう走り始めから体感が違いますから。ただ、燃費は少々落ちますけど、今度はCVTですから少しはいいかと・・・。なるほど、グオーンとなったのはNAだからか。

 しっかり走るなあ、と思ったら何と我がジェミニとホイールベースは同じじゃないか。あ、タイヤも同じ14インチだ。段差も気にならないし、後席も広い。

 四角四面に定規のようなラインを入れた道具感いっぱいのボディは、ついに小型車の文法を取り入れて色気を出した。この辺はセルボで勉強したということか。けれども、ライバルのムーヴほど情感は入れないで、一応歴代の香りは残してある。

 ここんところずっと感じているけれど、小型車や普通車のモデルチェンジに比べると、軽は1世代での諸々の向上感がえらく大きい。よく、軽と小型車では設計の次元がまったく違うみたいな話を聞くけれど、それが近づいているということなんだろうと思う。

 すると、やっぱり結論はいつも排気量の話になってしまう。エンジニアさんは660で頑張っているとは思うけど、安全性能を上げたボディはどんどん重くなるというジレンマもあるし。とにかく、居住性や乗り心地がここまで来ているんだから、現実的にこれ1台ですべてまかなえるクルマにするべきでしょ。この技術は日本の誇りなんだから、妙チクリンな規格は早いところ修正しないと。

 寸法が現行とおりなら1リッターエンジンでも同じ税体系でいいじゃん。それに衝突基準と内装のチープさを見直せば、軽は世界中でヒット間違いないでしょう。 いや、そのひとつの回答がパリショーの「ALTO」だとは思うけど、何だかもったいない。個人的にはトヨタのIQなんかよりよっぽど支持されると思うけどなあ。

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新車心象風景:三菱・パジェロディーゼル

Pajero  今回はきっと色々な雑誌媒体でも指摘があるだろけれど、トッポに引き続き、そりゃあないだろう、三菱自動車と。

 何しろ日本は北米かそれ以上にディーゼル・アレルギーの国なんである。クリーン化技術を引っさげた新世代エンジンでディーゼル復活を目論むにしても、それなりにデリケートな配慮が必要なのは当然の筈。

 そういうときに新長期規制という、もうすぐ世代遅れになるハードルで売り出すってどういう了見なんだろう。日産がMT限定という条件付でも、とにかく現時点で最新規制とされるポスト新長期規制をクリアした商品を出したばかりなのに、まるでその出鼻をくじくようなやり方じゃないか。

 そりゃあ、新長期規制だっていま購入するのに何ら問題はないし、もしかしたら廃車になるまで乗ることもできるかもしれない。でも、それはいまできる最善の仕事じゃない。まあ、たぶん大丈夫でしょうという話だ。

 だから、これはボディパーツを流用しましたというのとは次元が違う。何だかエンジニアには誇りのカケラもないのかと思わせてしまうやり方だ。しかも、三菱は追ってポスト新長期に合わせたバージョンを出すとまで言っているじゃないか。だったら、それができるまで待ちなさいよ。

 買ったユーザーが当面心配要らないのは間違いないけれど、でも、同じ仕様のクルマが猶予期間を入れても2年後には発売できなくなるという事実だけで十分印象が悪い。そういうクルマを、さあこれからだぞという市場に平気で投入するのは、ホントに罪深いと僕は思う。

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新車心象風景:三菱・トッポ

Topo   パジェロやekワゴンのモデルチェンジでも結構なパーツ流用があったけど一度生産を止めたボディを、もう一度引っ張り出して来るってスゴイ。

 一部手は入っているけれど、基本的なボディは4年前のトッポBJで、妙にゆるんだAピラーのあたりに旧さが漂う。迫力あるブリスターフェンダー・・・なんてプレスにあるけど、それだって基本流用だし。

 いやあ、これに加えて宮崎あおいなんであるどういう理由を付けるのかわからないけれど、発表会場ではこの4年前のボディの横に国民的ヒットドラマの主役を並べてみせた。

 こりゃあ、いくらなんでもお手軽過ぎないか?

 ま、彼女はトッポの、というより今後の三菱車のメッセンジャーなんだそうだけど、それにしても焼き直しでイッチョ上がりのクルマに「篤姫」持って来ちゃうってどうよ? いまの宮崎あおいならトヨタ・IQクラスの話題車がピッタリな感じだけど、まあとにかくトッポだ。

 もちろん、逆の見方をすれは超コストパフォーマンスな組み合わせなわけだけど、そういうこと実際やっちゃうかって感じ。

 いや、単に弱小企業があの手この手で頑張ってるって話ならともかく、三菱が傾きかけたのは自分たちの不始末が元だからねえ。彼女の横でニヤけている社長さんを見てると、何か違うんじゃないかなあと思うんである。

 

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新車心象風景:日産エクストレイル・ディーゼル

Xtrail  新車じゃないけど、大物グレード追加ってことで。エクストレイル、ディーゼルです。

 ポスト新長期をクリアするのはもう少々掛かると思っていたので正直驚きでしたね。もちろんMTとかの制限はあるけど、とにかく出したと。すでに3000台売れたというメルセデスEクラスだってまだ新長期対応だし。

 興味の的はどうやって売り込むのかなあと。CO2排出量が少ないとか、燃費がいいとか、あるいは軽油が安いとか。取りあえずクルマが世の中の悪者になりつつある現在はそういうアプローチが先なんだろうけど。

 面白いのは、いま売りのベストカーもそうだけど、こういう少燃費カーとなると、いきなりお金の計算始めちゃうこと。対応するガソリン車より高い分は燃費と燃料費の差から、えーと15年乗れば元がとれる、みたいな。でも、たとえばプリウスを買う人ってみんなそういう計算しているのかな? ウィッシュとは燃費が何キロ違うから、価格差を考えて十何年で元が取れる、よーし、じゃあ買って十何年乗るぞって・・・。うーん、僕は違うと思うんだけど。

 たいていの場合は、買ってから毎日の負担、つまりランニングコストを考えるんじゃないかなあ? 買うときの何十万円じゃなくて、その後の毎回のガソリン代とか。もちろん、それだけ燃費がいいクルマが欲しいとは思うわけだけど、じゃあ↑みたいに仮想計算して比べてるのかっていうと、どうもね。

 ということで、たとえば高トルクによる走行性能の高さなんかもアピールして欲しい。以前、僕もいまと同年式のジェミニ・ターボディーゼルに乗っていたけれど、MTの3速に入れておけばどこでも走れちゃう粘り強さと、たとえば中央道の急勾配を楽々駆け上がる仕事ぶりは魅力だったし。ま、当時は振動と騒音もスゴかったけど、いまの新世代ディーゼルはそのネガもほとんどないしね。

 そういえばフランスやイタリアの高速をレンタカーで走ったときも、追い越し車線をカッ飛ばしていたのはほとんどディーゼルだったっけ。決してCO2だけで選んでいるわけじゃないんでしょ、向こうも。排ガス、燃費、燃料費、そして動力性能。いくつもある魅力について、どちらかに偏ることなくユーザーに伝わればいいなと。

 あ、それとこれを機に排ガス規制についてもちゃんと周知したらどうかな。新長期とかポストとか、何だかややこしくてよく分かっていない人も多いんじゃないかと。こういうのがハッキリすれば安心して選択もできるでしょう。たとえば、この秋三菱もパジェロでディーゼル出すらしいけど、どうやら新長期対応って話でしょ。あー、日産とは違うワケねって理解できた方がいいもんね。

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新車心象風景:ダイハツ・ムーヴ・コンテ

Conte_2  うーん、何て言うのか、いいのかなあこれでと思うんである。

 ムーヴが流麗になったら地方での売れ行きが落ちて、やっぱりもうチョット四角い方がいいだろうと。タントもあるけど、ま、もう少し背は低い方がいいかな、なんて感じ?

 温暖化に加えて原油高騰。新興国の需要に押されて原材料も高騰。何せ京都の件があるから国をあげて低炭素方向に持って行かなくちゃいけないとか、ガソリンが値上がりしてクルマ離れ加速とか、材料高騰で部品会社が青息吐息とか。

 まあ、そうやってクルマを取り巻く環境がロクなことになっていないわけだけど、そんなときにこういう商品見ちゃうと「何だかなあ」と思うんである。いや、国内需要が落ちているとか、ライバルメーカー撃墜までもう一歩とか、何だかんだと理由はあるんだろうけど。

 すき間を見つけてはニッチ製品を作るのが親分であるトヨタの得意分野。「えーっ、ムーヴとタントにすき間なんてあるの? 地方対策のムーヴ? 何だそれ」などという僕の認識などフッ飛ばして新型車イッチョ上がりなんである。

 けれども、イッチョ上がりなクルマだって普通にエネルギーも材料も使うし、工場から排出ガスも出す。そりゃあ製造業なんだから必要な分は仕方ないんだけど、何だか地球の代弁をするかのように”エコだエコだ”って騒いでいるのは何なのよ、って気がどうもね。

 ま、周辺環境云々がなくたって「コンテ、こりゃいかがなものか」と僕は思う。だから、どう考えてもこのクルマを作るための諸々のモノやコトは”無駄遣い”にしか思えない。少なくとも僕には。エコだ何だって声高にするなら、もっと他にやることがあるんじゃないのかなあ?

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新車心象風景:マツダ・ビアンテ

Viante  5月の末に発売前のビアンテをここで取り上げましたが、そろそろ振り返ってみる時期かと思います。

 エクステリアデザインについては10名の方からコメントをいただきました。是非で分けると以下のような感じです(お名前は控えます)。

 ○=トヨタや日産と違う勝負をしている ○=トヨタを追っても仕方がない。大胆でいい ○=否定はしないが騒ぐほどのものじゃない ○=テールランプが主張していていい。すぐ慣れるカタチ ○=ちゃんと”デザイン”されている ○=志はいい。ライバルと一緒ではダメ △=なんとも言いようがない ×=基礎力のあるマツダらしくない ×=リアがきらい。ドンくさい ×=小手先のカタチ。もっと飽きないものを・・・・・・ということで肯定6、否定3、その他1、ということでした。

 で、雑誌での評価ですが、今回はいままでとチョット違う展開になってますね。ベストカーなどでは、編集部員の大半が「これはちょっと・・・」という記事がありましたが、その他については明確な拒否反応があまり見当たらない。じゃ、皆がこのスタイルを受け入れているのかというと、どうやらそうじゃないみたい。

 ビアンテの新車紹介記事がいままでと違うのは、多くの場合でチーフデザイナーが何らかの形で露出していたこと。あんまりないでしょ、そういうクルマ。これは想像ですけど、たぶんマツダはこの特徴あるデザインに相当の戸惑い(あるいは反発)があるのを想定して、最初からチーフデザイナーに多くを語らせたんじゃないかな。コンセプトはこう、ここはこういう意図で、ここがこう新しい、とか。ま、自信のあらわれでもあるかもしれないけど。

 そういうことをメーカーにされたら、たいていの雑誌は「そうですね、アクティブですね、斬新ですね、これもアリですね」と書くわけですよ。それに逆らってまでダメ出しなんてとてもできないと。僕が各誌の記事を読んで感じたのはそういうことでした。皆さんはどう感じられたでしょうか?

 で、僕はビアンテ基本的にいいと思います。コメントにもいただきましたが、ライバルと同じことをやっても勝負にならないし、意味もない。だったら近年のマツダデザインをそのまま箱形ミニバンに盛り込んじゃえ、というのは間違いじゃないと。例の三角窓へ続く部分は完全にギミックだと思いますが、そのギミックの処理が結構上手かったとも思います。ただ、受け入れられないことが2点あるので条件付です。

 まず、前後のブリスター処理はどう考えてもうるさくて余計。これはそれこそ前澤氏と同じ意見で、あえてこれを取ってみれば相当スッキリすると思います。それからCSという廉価グレードあるんですけど、これが酷い。たとえば上級グレードに施されているグリルの横バーや、各部に用いられてアクセントになっているメッキ枠が省略されていて、結果、本来のデザイン意図が完全に消えてしまっている。

 デザインで勝負さ! という姿勢でやっておいて、いくら廉価版とはいえこういう手抜きモデルを平然と作ってしまうのはまったくイケナイですよ。コスト云々を言うんだったら、最初からエラそうなことを言ってはダメ。それこそデザイン軽視もはなはだしいもの。この2点がクリアすればねえ・・・。

                     

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新車心象風景:ギャランフォルティス・ラリーアート

Galan  惜しいなあ、これ。

 ランエボじゃちょっとねえ、というお父さん向けに、ターボパワーとツインクラッチMTを奢った元気なフォルティス。その考え方はいいと思う。でもねえ。

 まずボンネットが惜しい。ランエボじゃちょっとねというヒトは、元気な走りは欲しいけどいわゆる「走り屋ルック」は御免という考えなわけでしょ。けどね、このタイプのエアアウトレットこそが何と言っても「走り屋」を演出するんであって、それ持って来たらダメでしょう。レガシィあたりのエアインテークとは全然イメージが違うからね。これだったら、ノーマルボンネットに小さなリアスポイラーの組み合わせの方がよかったんじゃない?

 あとラリーアートっていう名前ね。アテンザの”マツダスピード”もそうなんだけど、なんでこんな特殊な名前にするかな? 何て言うか、やっぱり改造系連想しちゃうでしょ。フォルティス・ターボじゃダメなのかね。

 たぶん企画としちゃあBMWのMとか、アウディのRSとか メルセデスのAMGとか、その辺のイメージなんだろうけど、だったら見た目も名前もしっかり参考にすればいいのにと思う。

 この子供っぽさが、惜しい。

 

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新車心象風景:日産・ティアナ

Tiana_2   「落としどころ」 最初のイメージはそういう感じだったかな。

 東京モーターショー出品の「インティマ」のハイライトは何と言っても弓形のキャラクターライン。まあ、遠慮なく伸ばされた全長だからこそのインパクトはあったにせよ、とにかく狙いがハッキリしていた。

 量産型である新型ティアナも、基本的には同じテーマ。わりとイメージを残したなと関心したくらいに。けれども、思い切りのよさはかなり薄まってしまったんである。

 後ろへ下がるラインは、日産のトラウマである尻下がりに直結する可能性があるからか、リアランプに近づくにつれスーっと消えて行く感じ。壇れい様が着物姿で座っているTVCFや雑誌広告は照明の効果で結構陰影がしっかりしているけれど、実車を見れば意外なほどラインは甘い。

 おまけに、先代のイメージも残すためかトランクはしっかりウェッジしているから、なおさら下に向かうラインはあやふやになる。ちょっと離れれば、先代の印象が勝ってくるんである。

 だから、ここが「落としどころ」だったと。オヤ、と思うフロントのボリュームの大きさも含め、中国やロシアでの高級車としての要求が見え隠れすると。

 僕は、ルーフラインがキレイな弧を描く最近の日産セダン群に好印象を持っている。少なくともトヨタなんかよりはずっと磨かれたスタイルだと思うし。けれども、そういう日産でも思い切れない部分があるというのは面白いし、スタイリングの難しさを感じるんである。

 

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新車心象風景:ホンダ・フリード

Freed   ある意味、当面のホンダを占うクルマなのかなと思う。

 何で路面電車? という疑問はありつつ、たしかにルーミーな提案が面白かったモビリオの後継。でも、売れなかったんだからと修正した軌道はドップリなミニバン方向だった。

 インスパイアみないなフロントに、フィットで採用した流行のキャラクターラインをより強くしたボディサイド。いまどきのホンダっぽさを散りばめてはいるけれど、基本的には「絵に描いたような」ミニバンスタイルなんである。バックドアの曲面処理なんかを考慮しても、まあ何て退屈。

 けれども、モビリオの失敗やオデッセイの低迷で学んだのがこのコテコテ路線だというのは理解できる。ビックリ箱(by三本和彦)を続けていたら、いつの間にやらミニバンメーカーになっちゃったホンダが、これでまたコケるわけにはいかないんである。

 当面のホンダを占うというのはそこのところだ。つまり、このフィット以上、ステップワゴン以下の5ナンバーミニバンがヒットすれば、もうこれからのホンダはこっち路線まっしぐらになるのが濃厚。そりゃ、会社的には儲かっていいだろうけど、何ともつまらない展開だし、もう先がドン詰まりになる気がする。

 で、これがパッとしなかったらどうだろう。いや、僕はホンダの人たちはかなり深刻に考えると思う。どーすりゃいいのよ、って。

 どーすりゃいいんでしょう? それ、いま考えればいいんじゃないでしょうか。ホンダのセダン群が全滅なのはべつにセダン不振だけが原因じゃないし、ワゴンやミニバンに当たりハズレがあるのはユーザーの気まぐれだけが理由じゃない、と僕は思う。

 そうやってホンダらしさをもう一度考えるいい機会のような気がする。まあ、フリードが売れればOKだし、あとは北米だの中国で伸びればいいじゃん、ということなら仕方がないんだけど。

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新車心象風景:トヨタ・アルファード・ヴェルファイア

Alphard   女性の品格っていう本がベストセラーになったけれど、誰かクルマの品格って本出してくれないかなあ、と思う。

 そもそも、ライバルをパクッた時点で品格のなさを示したわけだけど、それをまんま進化させたクルマもまた同じこと。さらにノア、ボクシーにならって兄弟車まで作っちゃうところも何と言うか。

 それにしても開発コンセプトなんである。「本当の贅沢を知ったのはこのクルマに出会ったから」「ゲストの驚きと感動の言葉に、オーナーに確かな誇りをもたらす」「オーナーが皆に胸を張れる、所有する歓びと誇り」

 300万円からでも結構豪華だね、なんて話はあるかもしれないけど、これが「本当の贅沢」ってスゴイこと言うよなあ。だいたい何に対して「本当」なんだか分からないし、一体どういう生活しているとこれが「本当」なんてことを人様に言えるんだろう。

 おまけに、このクルマ買って「誇り」感じちゃうってどんな人よ。 何で胸を張れるわけ? デカイから? 顔が目立つから? この時代錯誤な男根思想は一体どういうこと

 いやー、環境問題に加え、このロハスな時代にこんなクルマ乗っちゃってお恥ずかしい、ってな姿勢がいまどきかと思うんだけどねえ。まあ、先代も売れたし、利益幅もあって美味しい商品なんだろうから作るのは分かるんだけど、もちょっと謙虚な感じでもいいんじゃないのかなあ?

 でも、マーケティングに長けたトヨタのこと、本当に最近のユーザーはこんなんで「本物」とか「誇り」とか感じちゃったりして。たぶんその実態は「ちょっと豪華」や「自慢」なんだろうけど、巧みに誘導されちゃうと。

 あ、でも、最後の方に「先代比20%の燃費向上でオーナー自身にも深い喜びを」っていう、実に庶民なフレーズがいきなり出て来るのが結構おかしいよね。ここにはもう「誇り」はないみたいで。

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新車心象風景:プジョー308

Pg308  ジリジリと国内販売台数を減らしつつあるプジョー。何か失礼なモノ言いだけど、飽きちゃったんじゃないだろうか、と思う。

 206のスマッシュヒットは、コンパクトながら伸びやかで、かつ愛らしい独創的なスタイル、豊富なカラー、MTの積極的導入、そして手頃な価格が揃ったからだろうと思う。そこにフツーの女性が振り向いたのも大きかったし。

 206は世界的ヒットだったから、その栄華をそのまま継続させたいのが人情。そこで端正な306がツリ目の307になり、207がさらにツリ目をきつくしたのも仕方がない。けれども、308がよりツリ目を長くしただけで出てきたのはちょっとどうかなと。

 口が大きくなったり、ボンネットのVラインが強調されたり、エンブレムが巨大になったり、部分を見ればそこそこ変えてはいるんだけど、全体としてはほぼ同じ。とくにウインドウグラフィックをはじめとしたサイドは全く変わってないように思えてしまうくらい印象が同じ。

 一貫性を持たせるのは悪いことじゃないけど、その中で確実に変わったと思わせるか、全然変わってないと思わせるかは結構微妙な味付けなんだと思う。一貫性重視のBMWやアウディはそのさじ加減が絶妙なんである。しかも、プジョーは高級車のように指名買いを続けるクラスのクルマじゃないのも痛い。

 かつてのプジョーはピニンファリーナが顧問となっていたけれど、206の成功で社内デザインに大きく舵を切ったんだと思う。けれども、その206から脱却をするだけの新提案がないまま3台のモデルチェンジが続いてしまった気がする。

 プジョーは最近、何と22年ぶりにチーフデザイナーが交代されたらしい。その一番の理由は分からないけれど、この交代劇において308は過渡期の作品に違いないと思う。だから勝負は次なんだろう、きっと。

 それまではやっぱり販売台数が微減して行く気がするんだけど、206がそうであったように、確実に「いいもの」ができればちゃんと市場は反応してくれると思う。妙な小細工じゃなくて、骨太な新提案を新しいチーフデザイナーが提示できるかどうか、なんである。

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新車心象風景:メルセデスベンツ・Cクラス

Cclass_2  今回ワゴンが加わった新生Cクラス、なかなか難しいところに来たなあと思う。

 新しいCは先行したSに沿って”よき時代のメルセデス”を目指したように見える。曲線を抑え、比較的ボクシーなスタイルがそれを表現している。でも、よき時代、具体的にはW124のEクラスや祖先の190Eのような「名車」に戻ったかと言うと、そこんところが難しいなと。

 たぶん、BMWやらアウディというライバルが独自の高級感を確立したことがあるんだと思う。しかも、その間に当の自分はアメリカ資本と組んでコスト削減に邁進していたことも結構響いてたり。つまり、同じような値札で圧倒的なクオリティを感じさせることはもうできないし、じゃあ100万か200万円上乗せの高級化でライバルと渡り合えるかというと、そうもいかない。

 取ってつけたかのようなサイドラインがありきたりであるように、つまりメルセデスはもう普通のクルマにしかなり得ないのだと思う。採算度外視だとか、オーバークオリティだとか、そういうよき時代の逸話は手に入れられないんじゃないかと。

 当面、この原点回帰っぽいボディで以前のオーラを取り戻したかのような作戦で行くんだろうけど、「やっぱりメルセデスは違う」の声を獲得するためには、何か新しい価値観を探してくるしかないような気がする。いや、それが何なのか僕も分かっちゃいないんだけど、少々ごっつい形とか、そこそこ質感に気を使ったインテリアとか、あるいはアジリティとか、そういうのじゃないことは確かなんだよなあ、とは思うんである。

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新車心象風景:フィアット500

Fiat500   手本にしたのかは分からないけれど、新しいミニと同様、単なるノスタルジックカーにせず、きちんと手を掛けて作ったのがよかったんだと思う。まあ、1.2リッターのベーシックモデルで225万円はどうかと思うけれど。

 結局量産車と同じことなんだけど、いざ日本が”面白クルマ”をやるとこうはならない。かつての日産Be-1やパオのパイクカー、トヨタのWillシリーズなんかがそうで、単に思いつきの一過性商品になってしまうのが常だ。

 けれども、こうやっていいお手本が2台もできたんだから、次は日本車もなんとか上手くやってみて欲しいなあと思う。

 で、そうやって考えると、日本車が復刻するならどのクルマになるんだろう? ミニや500みたいに世界中に愛されたようなクルマはないけど、名車と呼ばれるクルマならある。

 たとえば、スバル360。これはある時期の東京モーターショーに復刻っぽいショーカーが出たけれど、結局Rシリーズに姿を変えてしまった格好だ。こいつは軽自動車枠にとらわれなければ結構面白そうな気がする。

 たとえば、いすゞ117クーペ。妙にスポーティや豪華路線にするのではなく、エレガントさを徹底すれば、あのジウジアーロボディはいい素材になると思う。あ、トヨタ2000GTも同じかな。

 衝突安全に優れたボディ、エアバッグ類など充実した安全装備、電子制御された現代的な走行性能など、ミニや500同様、高付加価値商品として念入りに仕上げるのがミソ。それを日本の高精度な技術でやれば随分なことができそうじゃないか。

 それで一定の成果を得られれば、もしかしたらそういうクルマ作りが量産車へも反映されるかも知れない。ちゃんと作ればそれ相応の値札を付けても売れるという良循環だ。本当はそういうクルマが世界にも出て行くといいんだけど、国内だけのストーリーしか持っていないとチョット厳しいんだろうな。

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新車心象風景:トヨタ・クラウン

Crown   とにかく慎重によく計算されているなあというのが感想なんである。お得意様に対し、先代より明らかに進んでいて、でも決して行過ぎたと思わせないのはどの辺か、という微妙なライン。

 たとえばサイドライン。2代前までほぼ水平ラインだったのが先代でほんの少し前傾し、新型ではもうちょっと角度をつけた。1代飛ばしちゃうと結構変化が大きいんだろうけど、順を追って乗り換えれば違和感は少ない。

 厚いボディもそう。ハードトップ時代からキャビンもボディも薄く見せていたのが、先代からはボディの厚みを増し、今回はまさに時流にのった厚いボディと薄いキャビンを取り入れている。この辺はレクサスと同じだけど、LSほど大胆じゃない。

 しっかり四角形だったライトは先代から曲面を使った台形になり、今回はやっぱり流行のL字タイプになった。でもライバルのフーガほど極端じゃない。あと、マツダを筆頭にメルセデスなど、これまた世界中に拡散しているフロントフェンダーの膨らみ。大径タイヤを強調して走りのイメージを増大する方法もしっかり取り込んだ。

 こうして完成した新型が、何となくコンパクトに見えたり、あるいは従来の威厳感をあまり感じないのは、先代のような強い段をつけずそのままストンと流しているボディサイドと、L字になったライトとともに薄くなったフロントグリル面からだと思う。

 トヨタはバイブラント・クラリティというデザインフィロソフィーを展開しているけれど、凝ったライト形状やボディに流れる幾筋ものプレスラインはその証で、すでに適用済みのカローラやプレミオ・アリオンなどと一緒だ。とくに凹面の多用が独特の「薄さ」を醸し出すけれど、それでもしっかりクラウンになっているのは冒頭のとおりスゴイと思う。あとはお得意様にこれがどう映るか?

 近所のトヨタディーラーでは何と新旧2台を並べて展示していた。モデルチェンジ時の大幅値引きを狙って旧型を購入するユーザーが結構いるらしい。で、やっぱりどっしり骨太なイメージの旧型に、繊細な新しさをもった新型という印象だった。この微妙な差は4年半という短いモデルチェンジ期間の影響も大で、だから400万円出して旧型を買っちゃうユーザーもいるんだろうなと思う。

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新車心象風景:スズキ・パレット

Paletto_3  話としちゃあライバル会社のパクリだということなんだけど、それを言うならワゴンRをパクッたのはどこよ、ということだろう。

 だから、そういうどっちもどっちの結果はさておき、個人的な興味の先はその経緯なんである。

 何しろタントのヒットは当のダイハツすら予想もしないことで、スズキにとっちゃあ完全にやられた感じだ。ええい、ここでワゴンRの仇をとってやろうかいと普通は思うわけである。

 けれども、当然社内じゃあ「そういうことはヤメとこうよ」という良識派もいるだろうから、ここで「そんなキレイごとを言ってる場合じゃねぇ!」という現実派と衝突するわけだ。こういう場合ってどうやって話をまとめるのか、何がどうしてGOサインが出たんだろう、と。

 つまり、商品は出たわけだから「これ」という理由があるわけで、その「これ」が知りたい。企画会議でパレット案を通した”建前”って一体?

 両側スライドドアっていう特徴があるからとか、のほほん系じゃなくてシャキっとキリリ系の顔だからとか、そういう方向の話で解決したのか。もうどうにもこうにも、同じコンセプトならこっちの方がすごいゼ、という開き直り方向なのか。

 自動車会社みたいな巨大企業でそういう意見がどう飛び交ったのか、実に興味深いんである。

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新車心象風景:マツダ・アテンザ

Atenza   巨匠ジウジアーロも絶賛し、欧米メーカーのスタジオに見本として並べられたというユーノス500は、少なくとも日本市場には早すぎた登場たっだけれど、ここに来て色々なタイミングが合い始めている気がするんである。

 たとえば五角形のグリルや切れ長のライト、張り出したホイールアーチなど、造形上の統一イメージをことさら声高にアナウンスすることなく各車に取り入れ、しかも各車それぞれの特徴を出している点は素直に見事かと思う。それで退屈だったら意味ないけど、どれもスタイリッシュなんだからなおさらに。

 それで考えるのはまずレクサス。L-フィネスなんてフィロソフィを高くたかく掲げて、その高尚なコンセプトの実現に躍起になって試行錯誤しているけど、そんな大騒ぎなしでやっているマツダの方がよっぽど結果を出しているのが皮肉な感じ。造形上のテーマは必要なんだろうけど、言葉が先に行っちゃうのはチョットね。

 あとスバル。少ない車種で特徴を出して行こうという点では共通のメーカーだと思うんだけど、何だか展開は両極端になっちゃったなあと。プレオや初代のインプレッサ、レガシィの頃は、個人的にスバルが日本のBMW(スタイリングの話)になるんだろうなあと思っていたんだけど、まさかこんなに迷走するとはね。もちろん外野の声に惑わされたこともあるけれど。

 造形上のテーマがブレず、先代のイメージを素直に引き継いでブラッシュアップし、中身は日進月歩の技術的向上を取り込むモデルチェンジは欧州メーカーの手法。その欧州を主戦場とするマツダがこれを実現しているのはたぶん偶然じゃないと思う。

 まあ、日本じゃマツダ地獄とか、値引きのマツダとか、新古車がどうのこうのとか、商品とは別のところで色々言われちゃうマツダだけど、欧州カーオブザイヤー2位の実力が正当に認められる時期なんじゃないかなあ、と思う。

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新車心象風景:スバル・フォレスター

Forester  独特のクロスカントリー風スタイルからいまどきのSUVっぽくなっちゃったなあ、という感想はさておき、気になるのはこの顔なんである。

 Rシリーズやまだ来ぬトライベッカで展開されたスプレッドウィングは失敗の烙印を押されたとして大幅修正され、先代インプレッサの最終モデルから適用された新しい「鷹の目」版がフォレスターにも採用された。

 始めに言ってしまうと、僕は当初のSWグリルは結構好きだった。「アルファみたい」と陰口を叩かれたけど、全車統一グリルをやるんだったら悪い素材とは思わなかった。

 Rシリーズはクルマ自体がアルファみたいで、それだけでも保守的日本人は引いたところに、あの新しい提案で過剰反応だったんだろうと思う。それに、バンパーを含めたフロントが煩雑過ぎたのは確かだし。トライベッカについてはどこがいけないのかいまだに分からないけれど。

 鷹の目版はその目尻までを含めて「翼」なのはよく分かるけれど、じゃあ今後これでずっとやるの? と考えるといささか造形上のテーマが弱いんじゃないかと思う。それは新しいインプレッサみたいにフロント全体が負けちゃってるという意味もあるし、継続性という点からもそうで、いつまでも目の下を湾曲させた「鷹」じゃ持たないんじゃないかと。

 これだったら僕は当初のグリルを磨いた方がいいと思う。要はまとめ方である。中央の丸いグリルと両端の羽グリルで3つの穴が開くわけだから、その他のフロント部分はシンプルにした方がいいだろうし、軽とレガシィでは展開を変えるような配慮は要るだろうけれど。

 少し前に雑誌NAVIで、元オペルデザイナーの児玉氏が同じような話をコラムに書いていて、恐らく数分でサクっと描いただろう「提案」が素晴らしくよかったのを思い出す。当初SWを元に、ヘッドライトをシャープにしたそれは日本車離れした雰囲気を醸し出していて、まあ結局は”展開力”なんだなあということを改めて知らされたんである。

  

 

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新車心象風景:ホンダ・インスパイア

Inspire  何だか北米用セダンとワケが分からない感じになっているけれど、今度もまたあちらのアコードがベースなんだそう。

 それにしてもインスパイア。この名前が悪い冗談としか思えないほど影の薄い存在なんである。たしかに初代がアコードから分身した頃は、そのアコードに結構存在感があったから、その高級版たる同車もそれ相応の存在感や威厳があった。でも、いまやその両車ともが共倒れ状態なんである。

 北米はいざ知らず、日本じゃあクラウンやフーガなんて強豪がいる。「面白創造会社」のホンダがそこで大きなセダンを売るなら、やっぱり飛び道具は必須だろう。それはちょっとインテリジェントなドライブ支援装置や、片側休止のV型エンジンなんて程度じゃもうお話にならない程の。

 それがないなら、ビュンとすっ飛んだスタイリングくらい用意しないといけない。基本形は平凡なクセに、ディテールをちょっと角張らせてみたり、サイドに切り込み線を入れたくらいじゃもうお話にならない程の。

 それもないなら、ホンダが大きなセダンを売ったって誰も振り向かないし、買わない。買う理由がない。

 それにしても、どうしたんだホンダ・デザイン。一時的に迷路に入り込むのはどこのメーカーにもあるけど、ちょっとトンネルが長過ぎやしないか。フィット程度で全力投球じゃ悲しいじゃないか

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新車心象風景:ダイハツ・タント

Tanto  日本的なクルマって何? っていう疑問を投げかけるんである。  

 そもそも軽というのが日本オリジナルだし、子供が歩いたまま通り抜けられる程高くて広い室内は、およそ「自動車」のカタチを放棄した、いかにも日本的な箱のスタイルによる。

 ああ、これはクルマのユニクロかと思う。安いし、機能的だし、手軽。こんなにいいものないじゃん。

 けれども、モデルになっている有名俳優はきっと普段は着てないんじゃないか。何で? いや、やっぱりお出掛けするときはチョットねってことで。

 タントを日本的なクルマ、日本人に向けたクルマと言うことは簡単で、半分はそのとおりだと思う。でも、じゃあこれこそが日本車のあり方かと突きつけられると、うーん、それは何だかイヤだなあ、違うんじゃないかなあと。

 レクサスやらスカイラインやら、欧米に顔を向けたクルマばっかりなのはけしからん、もっと国内に目を向けよとの評論家諸氏の意見が多いけれど、じゃあ日本人のためのクルマってどんなの、と考えてみる。それはこういうユニクロ方向ってことなの?

 GT-Rとかランエボとか、過激路線の他はその対極、つまり安楽でルーズな感じっていうおかしなことになっていないだろうか。 いや、おかしくはないのか? 安くて気楽で便利なものは悪い筈がない、のかなあ?

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新車心象風景:日産・ムラーノ

Murano 発売してないけど、ちょっと先取りということで。

 LAショーに出品というかたちで 発表された新型ムラーノ。パッと見て、ああ、ムラーノまでこうなっちゃったか、というのが第一印象なんである。

 何がこうなっちゃったかというと、デザインテーマの喪失、あるいは希薄化ということだど思う。デザインをシフトした現行は、寸法はだいぶ違うけどマーチとの近似性を感じさせる上下二分のテーマがハッキリしていた。ヘッドライトから明確なショルダーラインをつけ、リアランプからバンパーに落ちてゆく下モノと、そこに載った優雅な上モノ。全体の造形が明快で分かり易く、かつアメリカンサイズのSUVには極めて新鮮な印象を与えた力作なんである。

 新型はたとえばヘッドライト周りやボンネット、リアランプ周辺なんかに凝った細工がしてあるんだけど、全体はヌボーっとしてつかみどころがない。つまり造形上のテーマが見えない。リアあたりはデュアリスとの共通性を持たせているみたいだけど、カタチとして必然性が見当たらないし。

 ああ、と思ったのは、これって今度のスカイライン・クーペも同じことになっているんだよね。ウソかホントかポルシェデザイン社が絡んだという先代は、明快な弾丸シェイプの大きな塊にアーチを載せて見事にまとまっていた。一方、新型はウネウネと抑揚は強くなったけれど、溶けたチーズみたいで造形の収束感がまったくなくなってしまった。

 実はこの手のモデルチェンジはトヨタのハリアーやエスティマも同じで、手元のチマチマした小細工に執心して全体のまとまりを失くすという、何ともありがちな発想だ。一見新しく未来的になったイメージは与えるものの、テーマ性がないから後に印象を残せないスタイルである。

 ま、ありがちとは言え、何たってムラーノはデザインをシフトしなくちゃいけないわけだから、これはちょっと見過ごせないなと。でも、ポンポンと優れたデザインが出た後にどうしてこういうことが起きるんだろう?

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新車心象風景:ホンダ・フィット

Fit キープコンセプトっていうのは必ずしも似たようなカタチである必要はないので、こういうのはキープスタイリングってことでしょうかね。

 オデッセイやステップワゴンの2代目がキープスタイリングで大コケしたけれど、ヒット作のモデルチェンジに失敗するのはいまやホンダの専売特許。歴史的大ヒットのフィットについちゃあ、こりゃあ空前の大失敗をやらかすんじゃないか、というのが僕の周囲の意見だったんである。

 でも、ホンダもさすがに今回は学習をしたみたいで、なかなか巧いモデルチェンジをしたなあと僕は思っている。

 エクストレイルのところでも書いたけれど、モデルチェンジでほとんどカタチを変えない場合でも、そのクルマ特有のツボを外すともうまったく別のクルマになってしまうというのが僕の考え。初代と2代目プリメーラみたいにね。その点、フィットは基本的なイメージをほぼ踏襲しながら、適度なシャープさを与えたことで新しさも確実に表現したところが巧いなと。サイズアップはしたけれど、初代の弾丸シェイプを残して無用な肥満感を与えないんである。これなら、ごく単純に「良くなったなあ」という印象を与えることができるし、マイナス点があまり見つからない。

 ただ、個人的にはインテリアの質感が残念だ。造形は凝っているけれど、複雑な成型をした樹脂が使い捨ての安っぽいラジカセみたいなんである。こういうのは軽によくあるけれど、フィットクラスではどうかなと思う。いや、単にソフトパッドを使っているとかいないとかということじゃなくて、何だか黒くて殺伐としたインパネなんである。こりゃあ、写真のほうがずっとよく見えるよね。

 で、売れ行きはどうなのかな?

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新車心象風景:トヨタ・カローラルミオン

Lmion  2代目bBと同じ、北米のサイオンブランドをそのまんま持ってきて売っちゃえ、の第2弾。

 北米の若者の趣味がこういうものなのかどうか僕は知らないけれど、威圧的というか品がないというか、ちょっとあんまりなスタイルである。こんなクルマを日本に持ってきてどうするんだと思うし、そいつにカローラの名前を冠するなんてさらに信じ難い。

 まあ何ていうか、bBの兄貴を持ってきてどうしようかと考えるワケである。bBよりデカいからミニバンとして売ったらどうか。ああ、それならスパシオの後釜の席が空いているぞ、そうかそうか、カローラのサブネームを付ければ結構勢いで買っちゃう人間もいるんじゃないの?

 商売だから、営利目的企業だから、だからトヨタはおかしくないよと意見も多いでしょう。でもねえ、そういう話もそろそろ聞き飽きたよね、いい加減。お付き合いがあるとか広告収入がどうとか、評論化筋も相変わらずスルーパスなんだけど、でもそれだって限度があるでしょう。

 それに何度も言うようだけど、北米との商品共有化でスカイラインなんかを叩いていた人たちって、こういうのはいいワケ? ”バカにするんじゃないよ”度はこっちの方が遥かに高い気がするんだけど、僕は。

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新車心象風景:日産・スカイラインクーペ

Skyline   こんなのスカイラインじゃないという罵声を押しのけ、V36に進化したセダンはスカイライン久々のヒット作(いまどきのセダンにしては)になった。それじゃあ、このままクーペも行っちゃえ、なノリの新型である。

 ポルシェデザイン社が関与したという先代クーペのエクステリアはかなりの評判だったけど、基本は変えずセダンの躍動感を引き継いだ新型もギリギリ「大丈夫」だったみたいだ。とくに実車を見るとそう思う。まあ、インテリアの質感向上も随分貢献しているとは思うけれど。

 V36はインフィニティとしてやっぱり北米メインに変わりはないのだけれど、渡辺謙とイチローを投入して、ちゃんとスカイラインに収まったのは何だかんだで大したもんだと思う。見回せばこんなアグレッシブで、しかも大人が乗れるセダンやクーペなんかどこにもないし。内外装や価格のバランスがしっかりしていれば、いまでもちょっとした市場はあるという見本なんである。

 それに、このクーペの月間目標台数は何たって200台である。スカイラインだからとか、根性入れて作ったからとか、そういう曖昧な根拠に寄りかからず現実を見つめた生産計画もまた実に興味深い。

 マツダ・アテンザがマツダ6として欧州で人気があるように、いまや多くの国産車が海外でも売られているけれど、そういうクルマが国内では伝統あるブランドとして売られているのは結構珍しいし、なかなか面白いと思う。

 

 

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新車心象風景:三菱・ランサーエボリューションX

Evox  問題はふたつ。まずは、やっぱりあまりに「ギャラン・フォルティス」そのまんまのエクステリア。

 先代ランサーが泣かず飛ばずだったのは、もちろんベース車があまりに無個性だったことが大きいけれど、そこに来てメディアがエボばっかり取り上げる現実があったから。それは多分今回も同じで、まあフォルティスもデビューからこっち結構取り上げてもらえたけど、エボが出ちゃった今後は厳しいんじゃないか。ま、名前変えればいいってもんじゃないし。

 もうひとつはスポーツセダンの可能性。エボに関しては高出力エンジンの他、「Twin Clutch SST」なる自動マニュアルシフトとか、「S-AWC」なる統合制御装置とか、かなり力の入った新技術が採用されているけれど、これがエボだけっていうのが何とも惜しい。

 たとえばBMWのMとかアウディのRSとかが分かりやすいけど、ラリー出身の汗臭いエボとかじゃなくて、あくまでも高級スポーツ仕様として、つまり”フォルティス・スポーツ”の可能性をミスミス逃しているんじゃないか、という話。

 エボが注目されるとは言っても、所詮それはごく一部のマニアだけのこと。ベース車にそれなりの魅力があるなら、走り屋じゃない普通の大人が乗れるクルマの方が圧倒的に市場が広い筈。だったらフォルティスのスポーツ仕様として先のような新技術を盛り込めば、三菱のMやRSができたでしょう。

 いや、実はエボもその辺を考えていて、しっかり高級仕様なんかも設定したりしているんだけど、まあ何て言うかランエボはランエボなんだよね、世の中的に。あんなトランクに羽の生えたようなクルマ・・・っていう既成概念はなかなか手強いんじゃないか?

 エボは三菱にとって大切な商品だけど、だから使い方は要注意なんである。

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新車心象風景:トヨタ マークX・ジオ

Jio  ジオの眼目はトヨタの新しいデザインフィロソフィ「VIBRANT CLARITY」を具現化させたエクステリア。最近の新車もすでに「VIBRANT CLARITY」を謳っていたけれど、2年前の東京モーターショウに飾られていた「FSC」こそがその源流なんである。

 リアランプからヘッドライトを通り過ぎ、何とフロントバンパー下のフォグランプまで続くキャラクターライン、大きく膨らんだフロントフェンダー、滑らかなU字を描いて凹んでいて、水の流れのような表情を見せるボンネット。

 トヨタが訴えるように、タテとヨコのラインが交錯し、そこに「活き活き、明快」というテーマが現れているということなんだと思う。ほとんどオデッセイなんだけど、トヨタがこれまでになかった造形美と自負するのは、そのテーマ性を全開させているからなんだろう。

 ただ、レクサスのL-フィネスがそうであるように、トヨタブランドの「VIBRANT CLARITY」も結構分かりにくいのが難点だ。L-フィネスが「先鋭」とか「清妙」とか言われると、ああ何となくそうなのか、と思わせるのと一緒で、タテとヨコ、硬と軟なんていう説明があって初めて、ふうん、なるほどねえ、と思わせるような分かりにくさ。

 これは、たとえばクリス・バングルのエッジの効いたBMWとか、シングルフレームの新しいアウディなんかが、とくにアレコレ説明しなくても一貫したデザイン言語を感じさせるのと正反対の話なんである。

 トヨタの場合、新しいカローラやアリオン、ベルタ、カムリあたりが皆同じような処理をしているのを「VIBRANT CLARITY」ですと言ってくれれば分かりやすいんだけど、ジオを見る限りそういうことでもないらしいから、何だか余計にワケがわからないのが残念なんである。

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新車心象風景:三菱・ギャラン・フォルティス

Galan 前回の東京モーターショウでステージに並んだコンセプトカー3台では最後発のデビューなんである。

 D5はデリカになって結構アレレなカッコになってしまったけれど、アイとこのフォルティスは再現度がかなり高いと思う。特徴のある台形グリルと、シャープなヘッドライトをほぼそのままにしたのが大きかったんじゃないかな。

 それと、フロントのホイールアーチから始まる流行のキャラクターラインは、途切れることなくリアランプまでつながっていて、最近のメルセデスみたいな取って付けた感があんまりないのもいいかもしれない。DC撤退後の三菱デザインチームは仕切り直しということで結構士気が上がっているそうで、そういう勢いが出ているんじゃないかな。実はフォルティスも初期イメージはヨーロッパスタジオ案みたいだけど、ま、それはいいとしてね。

 売れるかどうかは?だけど、これもインプレッサと同じだよね。つまり、これから出るランエボも同じクルマなワケで、メディアがそっちにピンスポットを当ててばかりいるとフツーのフォルティスの影が薄くなっちゃうと。まあ、それは同じクルマに違う名前を付けるっていう三菱の勝手で強引な戦略も原因なんだけれども・・・。それに、この辺のセダンは5ナンバーにこだわるプレミオやシルフィが健闘しているのも不安要素かな。

 アイは軽にしちゃあ売れてないし、デリカもヒットじゃあない。これでフォルティスが3ケタグループに入っちゃうと、前回モーターショウのコンセプト・トリオは少なくとも販売上は残念な感じになってしまう。ま、それだけ個性的なカッコで勝負したとも言えるんだけど、やっぱ日本の市場って難しいなあと思う。きっと三菱はアイもフォルティスも欧米で回収するつもりなんだろうな。

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新車心象風景:日産・エクストレイル

Xtrail 新しいエクストレイルの最大の話題と言えば、新開発4×4の高性能ぶりでも、あるいはデュアリスに続いて採用されたザックス製ダンパーによる良好な乗り心地でもなく、カタチなんである。超キープコンセプトのエクステリアデザインはどうなのよ、という話だ。

 ヒット作のモデルチェンジが難しいことはメーカーとて重々承知のこと。とくに歴史のないモデルの場合はなおさらそう。

 僕は新しいエクストレイルはいいと思った。いや、こういう四駆モデルには興味ないんだけれど、モデルチェンジとしてはいいなあと。たしかにどこが変わったの? というくらいキープなスタイルだけど、そのキープさの思い切りがいいんである。

 キープなスタイリングといっても実はピンキリだ。たとえば同じ日産でも、ヒットした初代プリメーラに対して2代目はかなりのキープさだったものの、これは見事に失敗だった。何でかって言うと、ほとんど同じシルエットなんだけど、初代のシャープさが見事に消えてしまったからだ。つまり、パッと見は似ているんだけど「肝」がなくなってしまったんである。

 エクストレイルは、たとえばヘッドランプやサイドウインドウの形状が少々変わっているけれど、初代の持っていた道具感や軽快感がそのまま残っている。それを感じさせる部分を中途半端に変えなかったわけだ。肝は変えずに最低限のブラッシュアップをしている。だから同じだけど新しい。新しいけど同じ。

 プリメーラは3代目で劇的に変えてさらに売れなくなってしまい、いまやその名前も残っていない。エクストレイルはその轍を踏まないよう、実はかなりしっかり考えられたスタイルなんだと思う。

 

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新車心象風景:トヨタ・ブレイドマスター

Blade  デビューのときにも書いたけれど、オーリスというベース車に厚化粧しただけで”大人らしくない大人”なんて、実にデタラメなクルマなんである。それが、3.5リッターエンジンを積んだら「マスター」だって言うんだから何ともはや。

 仮想敵はゴルフのR32あたりだそうで、あちらより大きな排気量なのがまず最初の自慢だ。17インチタイヤや専用サスチューンもまたご自慢。

 なんだけど、何たって最大の自慢は上級版で320万円という価格でしょう。だって、仮想敵比で100万円も安いときてる。エンジン大きいのに。

 じゃああれだ、トヨタが言う”大人しくない大人”って、そうやって100万円安く済ませたい人なワケなんだね。ちょいワルだけど財布は固いみたいな。そのかわり、サイドブレーキやシフトゲートあたりは”金属調”のメッキで我慢しますと。

 何だかよく分からないけど、まあゴルフをライバルにしておきながら国内専用車っていうのがそもそも摩訶不思議だよね。お客さん、あんなバカ高いドイツ車買うくらいなら、同じスペックでこっちは100万安いですよ。こっちは壊れませんよ。なーんてことを国内、というかトヨタのお店内で済ましちゃえって感じかな。外に目を向けさせない作戦。

 しかしなあ、考えてみたらあのレクサスLSだって、結局はライバルよりリーズナブルっていうのが武器なんだよねえ。トヨタブランドの”プレミアム”がやっぱり価格で勝負しているのも仕方ないってことかな。

 いまのトレンドは、多少高くてもいいものなら売れるってことらしいけど、国産車にはこういのは絶対当てはまらないのかな?

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新車心象風景:トヨタ・イスト

Ist ヴィッツをベースにした初代は、コンパクトなサイズに少し大き目のタイヤを履かせて、何となくアウトドアなイメージを与えた不思議なクルマだった。

 トヨタが主張する”プレミアム”は相当無理があったけれど、ブラックアウトさせたCピラーをはじめ、なかなかの凝縮感はあったように思う。

 それがまあ、新型は何て緊張感のないことか。フロントはムダに膨らんでいるし、上記のCピラー周りはダランとまとまりがない。そういう残念さがまずひとつ。

 もうひとつは大型化。北米のサイオンブランドに初代がどれだけ関わっていたか僕はよく知らないのだけど、今度はまずサイオンありきらしい。それが3ナンバーサイズの事情ということなんである。あ、もちろんこのワルなイメージも同じく。

 ハッキリ言って個人的にイストがどういうサイズになってもいいんだけど、でもこれで思い出されるのがスカイラインとかの話だよね。ほら、最近の日産は北米市場ばっかり見て国内を疎かにしている、っていう評論家やメディアの論調ね。

 そしたらイストもまんま同じ話なんだけど、どうもそういう意見はいまのところ出て来ないよねえ。雑誌誌面なんかじゃ”これがサイオンブランドで売られる”と解説はしているけれど、それがケシカランという話はない。何でなんだろう?

 そういえば、もう少しするとスパシオ後継車が出るらしいけど、それもどうやら同じ話らしくて、誌面じゃデカbBなんて書かれているんである。ってことは、そいつが出てからまとめてガツンと叩くつもりなのかな、評論家は。まさか日産はケシカランけど、トヨタはいいなんてことはないよね?

 ま、とにかくその疑問がもうひとつで、都合ふたつの違和感が新型イストには感じられるんである。

 

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新車心象風景:スズキSX4・セダン

Sx4_1   イタルデザインの国産コンパクトセダンというと、我が愛車FFジェミニとバッチリ重なってしまうけれど、実はこのSX4セダンはあんまりコンパクトじゃなくて、3サイズともカローラより一回り大きいんである。

 ま、これが欧州ではコンパクトということになるんだろう。先に出た5ドアは全長約4.1メートルそこそこだしね。

 その5ドアにトランクをつけてセダンに、という手法はフィット・アリアや、ティーダなんかと一緒だけど、後発故か、一番違和感がない。Aピラー根元からのキャラクターラインをそのままリアライトまでスパッと伸ばした処理が巧いみたいだ。

 ヨーロピアンな外観に合理的パッケージ。ちょっとデカいかなと思うけれど、こういうクリーンなセダンはありそうでない。ティーダ・ラティオも悪くはないけれど、洒落っ気が段違いだし。いい意味で肩の力が抜けたこういうクルマは結構好きだ。

  ただ、それだけにボディカラーや内装色の選択肢が少ないのがもったいない。これはスイフトにも言えることだけど、基本的な内装が黒なんていうのはどうかなと思うし、ボディはもっとポップな配色でもいいじゃないかと思う。

 その点も含めてこのSX4、共同開発したフィアット版である”セディチ”の方が断然カッコいいのが残念なんである。基本的にはフロントグリルの違いだけなんだけど、もう全然イメージが違う。スズキ版は、かつてのカルタス・クレセントあたりからまったく変わらない、超フツーなグリル。ま、無難とも言えるんだけど。

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新車心象風景:メルセデスベンツ・Cクラス

Cclass_1  Sクラスから始まった新世代メルセデスは、タイミングの都合上、Eを飛び越してCクラスで反映された。

 クライスラーから戻ったティーダー・ツッチェ社長は、かつての古き良き時代のメルセデスを再現したいらしい。旧来のファンが泣いて喜ぶ「最善か無か」である。

 けれども、色々な意味で平滑化が進んだ現在に「最善か無か」が成立するかと言えば、僕は無理だと思う。そんな理想主義が可能なら、もうとっくにライバルがやっている筈でしょう。もちろん、メルセデスがライバルより倍の値札を付けるというなら別だけど。

 じゃあ、新社長が何をやっているかと言えば、「最善か無か”感”」の創造じゃないかと僕には感じられる。現実にはコスト的な妥協を行いながら、それをほとんど感じさせない演出法の確立なんである。Sクラスでそれをある程度成功させ、今度はCでさらに演出力を高めたのだと。

 もちろん、190シリーズまでのイメージを復活させたスタイリングも大きな役目を負っているのは間違いない。このエッジの効いたエクステリアだけで「メルセデスが帰って来た」と思う人は決して少なくない筈。で、この演出法が確立すれば、次のEクラスもバッチリということなんである。

 いやあ、それにしても新型Cクラス、日本で売れそうだなあ・・・。

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新車心象風景:マツダ・デミオ

Demio  マツダの命運を賭けた、と社長さん自ら語った新型である。

 サイズ縮小自体は、実は日産マーチが2代続けてチャレンジしているし、そもそも先代デミオはライバルよりも大きかったので個人的にはあまり?だった。ただ、軽量化は素直に感心。

 ま、とにかくスタイルなんである。アテンザ、アクセラと、元々欧州で強いマツダがさらに評判を良くした2車に続くには、もうワゴンタイプはいかんということらしい。で、やるならトコトンやっちゃえというエクステリアはRX-8のデザイナーが担当したと。

 大きな弧を描いたフロントフェンダーと、明快なキャラクターラインはその証。ただ、ラインが上に向かって駆け上がるのはデミオの特徴で、この小さなボディに動きを与えるためにはこのくらいやらないとダメだったんだろう。個人的には現代メルセデス・ベンツの”いきなり”なラインなんかよりは自然だと思う。

 ユーノス500やランティスなど、もともとマツダには優秀なデザイナーがいたんだけれど、時代やら技術やらでなかなか噛み合わなかった歯車が、どうやらここにきてピタリと合い始めている。こうなりゃデザイナーは楽しいんだろうな。

 ところで、先述のとおりこのデミオは欧州指向。けれども「最近の日本車は外国ばかりに目が行っておる!」とお嘆きの評論化諸氏にも何だか評判がよろしい。それが単に5ナンバーに収まっているからなのかどうか知らないけれど、いい気なモンである。要はサイズじゃなくて本物志向かどうかという話なんだけどね。

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新車心象風景:トヨタ・ノア/ボクシー

Noa_1  なんとか表情を変えようと努力した兄弟車、という点で先のプレミオ・アリオンと同じなんだと思う。

 なんとなくセレナを連想させる無難なノアと、bBの醜悪さを継承したボクシーでGTOなお父さんを狙った超広範囲戦略。あ、これもプレミオ・アリオンと一緒か。ああ、5ナンバーサイズの国内専用車っていうのも同じだ。

 まあ、世界の人たちの目に晒させるわけじゃないし、日本のユーザーなんてこんなモノで、あとは人気俳優にCMやってもらえばイチコロじゃん。予定の月販1万台なんて軽いかるい。

 もちろん新開発エンジンの投入とか、CVTの全車採用とか、そういう努力もあるんだけど、それはカタログを賑わせるためのコンテンツにしか過ぎないのかと。

 日本のために作ったんだから、もちろん日本で使いやすいんだろう。けれども”無個性版”にしろ”個性版”にしろ、こんなお手軽でステレオタイプな発想を押し付けられて、何だかバカにされてるなあと思わないのかな、ユーザーは。

 あ、そういうことを感じないユーザーについてマーケティング済みなのか、トヨタは。

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新車心象風景:日産・マーチ

Marchi  マイナーチェンジですが、日産マーチで。

 今回は新色追加の他、フロントグリルのモール装飾、バンパー変更、ヘッドライト変更、そして内装色の追加など。

 少し前も内装の変更や新色追加があったけれど、こういう細かい積み重ねは、マーチというクルマが10年サイクルでモデルチェンジをすることになっているからだと思う。基本は変えずに、逐次改良を続けるという姿勢ね。

 僕は10年サイクルに賛成だ。ま、8年でもいいんだけど、要はそのくらいの長い月日に耐え得るデザインなり設計を考えることが大切だから。4年経ったら自然に旧く見える、なんて姑息な手法と対照的という意味で賛成なんである。

 ただ、なんでマーチだけ? という疑問は拭えない。単に初代か2代目のチームがそうしたから継続している、というんじゃあ会社としての一貫性に欠けるし。実際、もし8年を想定したら、ノートやウィングロードあたりはもっと違うカッコになったんじゃないかと。

 マーチはデザイン・アワードでボディカラーの賞を連続して受賞している。明るい水色と、プラスコンランのシックな茶色でもって。で、今回も”サクラ”なんて面白い色を持ってきた。こういうことだって、べつにマーチだけじゃなくていいでしょ。どの車種でも、こんなにカラフルなボディが用意されたらどんなに楽しいことか。

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新車心象風景:トヨタ・プレミオ/アリオン

Arion  マークXとともに、日本独自のセダンはどうあるべきか、のトヨタ的回答なんだと思う。

 面白いのは、日産のシルフィがモダンリビングをテーマに女性をターゲットにした”お洒落感覚”で路線変更したのに対し、プレミオ・アリオンはあくまでも団塊世代前後の男性、つまりこれまでと全く同じ層を狙ったことなんである。

 それが如実に表れているのがインテリア。う~ん、まだやるかコレと思わせる内装は、同じ木目調パネルを多用しながら、シルフィと真逆のコテコテ演歌路線。小洒落たことなんか言いません、やっぱり日本のオトーサンはこれでしょう? の直球勝負。

 さらにスゴイのは、それでもプレミオはチョットという気持ちの若いオトーサン用に、少しだけダークな色味を与えたアリオンを用意していること。ま、素材を変えただけなんだけど、この微妙な差で十分な効果を得られることをトヨタは知っているんである。

 エクステリアも超無難なクラウン風プレミオに、ちょっと冒険のカローラ風アリオン。とくにアリオンはヘッドライトのエグれ具合がカローラと一緒で、デザイナーも同じかと思わせるくらいそっくり。ま、何でエグッたのか分からないのもまた同じなんだけど。

 最近日本に目を向けたクルマが少ない、ケシカランという評論家が多いんだけど、それってこういうクルマがいいってことなのかなあ? 同じ5ナンバーサイズながら似て非なるシルフィとプレミオ・アリオン。市場はどっちを選ぶんだろう? あ、僕は少しでも新しいものを追求したシルフィに一票です。

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新車心象風景:スバル・インプレッサ

Impressa  デザインが賛否両論のときは、非常に先進的な場合か、あるいはどう見ても問題がある場合、そのどちらかなんである。で、新しいインプレッサは後者かなと。

 ま、フロントフェイスなんだと思う。鷹の目を意識したというこのライトは先代の後期と同じ処理だけど、緊張感が欠けていてどこを取っても曖昧なんである。何だかボヨーンとしている。

 グリルとライトが一体化した処理は、たとえば日産ムラーノや三菱デリカなどと同じで、ちょっとした流行なんだけど、これがまた全体的にフニャけていて捉えどころがない。ところが、サイドはビシっとつまみ上げたような強いラインが走っているし、リアランプは非常に立体的かつエッジが効いているので、どうにもバランスがとれないんである。どうしてこれで完成にしちゃったのかなあ、と思う。

 ところで、新しいインプレッサは幅広い層への浸透を狙っていて、WRXの名前すら捨ててしまったらしい。とくに女性を意識しているというから、具体的には1.5リッター版をメインにしているんだろうと思う。そこで面白いのは雑誌との剥離である。

 通常、たいていの雑誌は新車を持ち上げるわけだけど、このクルマの場合は多くの雑誌が”STI VS ランエボ”の構図ばっかり扱うので、肝心のベースモデルの存在が薄くなってしまっているのである。つまり、メーカーの邪魔をしているわけで、実に皮肉な状況なんである。

 僕もインプレッサの真髄は初代から1.5リッター版にあると思っているので、今回はその点で成功すればいいなあと祈っているんである。

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新車心象風景:日産・デュアリス

Duaris  日産続きだけど、デュアリス。

 プチ・ムラーノなんて言われているけど、ムラーノが北米メイン、デュアリスは欧州メインで、後から日本に持ってきたのも同じ。

 一説には最終型プリメーラのデザイナーが手掛けたと言われるエクステリアは不思議感覚。大きな顔にクーペみたいなサイドグラフィック、マーチやムラーノ風のリアと、結構色々な要素が入っているし、大きく見えて、実はカローラより短い全長がまた不思議な感覚を与えるみたい。

 これはクロス・ポロとかSX4とか、欧州で人気のコンパクトSUV市場とともに、ゴルフなんかも仮想敵にしているからだそうで、3ヶ月で6万台の受注はズバリそこにハマッたんでしょう。じゃあ、それが日本で売れるのか、とは思ったけれど、何と200万円を切った価格設定は戦略的以外の何ものでもないよね。だって、マイクラ(マーチ)C+Cより50万円も安いなんて!

 個人的に気になっているのはザックス製のダンパーのこと。有名なK氏という評論家は「とにかくクルマはダンパーだ」と言い切っているけど、氏もデュアリスの走行性能は絶賛で、その理由がザックスの採用。そりゃあ、ダンパーは重要なパーツだけど、それだけでクルマの走りって決まっちゃうの?

 近々機会があったら、そのあたりをハッキリさせたいなあと思っているんである。

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新車心象風景:日産・ラフェスタ

Lafesta  新車じゃなくてマイナーチェンジですが、日産ラフェスタです。

 キューブのデザイナーが関わっていたというウワサがあるエクステリアは、従来の何の工夫もないミニバンとは違って個人的には好きだったのだけど、コンパクトカーはともかく、ミニバンではちょっと早かったみたい。

 売れなきゃしょうがないでしょ、ということでのビッグマイナーチェンジは、ウィングロードとプレサージュに続く第3段。ともにフロントマスクの大幅変更で一発逆転を狙ったものだけど、プレサージュは”逆転”までは回復しなかったので1勝1敗かな。

 で、ラフェスタはどうかというと、ちょっと厳しいかなあという感じ。たしかに変えたことは変えたんだけど、変え方が中途半端じゃないかと。この辺のミニバンはトヨタのウイッシュとかホンダのストリームとか、とにかく分かりやすい”カッコ良さ”で勝負して成功しているわけだけど、どうもそこまでは行ってないんじゃないかと。

 たとえばヘッドライトが一番変わったとことだけど、従来の四角っぽさがなくなったとはいえ、まだおとなしいでしょ。グリルも光りモノを付けたけれど、どうにも個性に欠けるし。

 デザイン的にはサイド、リアがキュービックなイメージのままだから、フロントだけ思い切ったこともできないのは分かるけれど、もうちょっと切れ長のシャープな感じが欲しかったと思う。それと、できればリアランプも動きのあるデザインに変えれば相当イメージが違ったんじゃないかなあ。

 ま、今回は評判の悪かったシートも変更しているから、そっちとの相乗効果はあるかもしれないけれどね。

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新車心象風景:マイクラC+C

Cc  7月販売予定のマイクラC+Cの予約が始まった。

 英国工場からの逆輸入といえばプリメーラの5ドアを思い出すけど、あれは初代も2代目も販売的には失敗だった。まあ、もともと5ドアって日本じゃダメってこともあったけど、あまり特別感がなかったのも原因のような気がする。僕は好きだったけれどね、5ドア。

 それに比べるとマイクラは結構いいんじゃないかな。まずもってCC自体が特別感に溢れているし、内装も差別化されてるみたいだし。加えて日本にはない1.6リッターエンジンを積んでいるうえ、何と5MTが用意されるっていうからビックリ。

 まあ、CC特有の尻長感が残ってしまっているのと、ボディカラーがちょっと物足りないなのが残念かな。淡いグリーンやイエロー系なんかがあればもっとよかったのにね。あとは約250万円という、日本じゃティアナが買えちゃう価格がどう受け取られるか?

 同時期にはコンパクトSUVのデュアリスもやって来る。キャッシュカイと名乗る欧州版はとんでもない勢いで売れているらしいけど、ミニ・ムラーノ風のボディは日本でも売れそうな気がする。こっちは戦略的価格だっていう話だしね。

 日産は日本での新車がないから苦し紛れの策だ、なんて話もあるけど、ユーザーとしちゃあ面白いクルマがやって来るなら大歓迎でしょう。マイクラは1500台限定だから希少価値も出るだろうしね。

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新車心象風景:トヨタ・プリウス

Prius_2  新車じゃなくて特別仕様車だけど、プリウス10thアニバーサリーモデル。

 10年前、世界をアッと言わせてデビューした初代。買ったら何の世話もなく普通に使えるハイブリッドカー。そんな夢みたいなクルマが10年も前に登場するなんて、多分誰も予想してなかったんじゃないか。

 それが2代目になってシステムはグッと進化。大型化で世界進出し、いまやハリウッドスターも愛用するエコなクルマの代名詞なんである。

 で、デビュー10周年を記念したのがこの特別仕様車なんだけど、これがどうにもイケナイ。なんで画期的ハイブリッドカーの10周年記念装備が”ディスチャージランプ”とか”本革巻ステアリング”とか”HDDナビ”なわけ? これじゃあ、普通のクルマと何にも変わらないじゃん。

 いまだ独走状態の実用ハイブリッドなんだから、特別にするんだったらより高性能の専用バッテリーとか、高効率の回生システムとか、あるいは燃費を向上させた改良型エンジンとか、とにかくもっと本質的な部分に手を入れるべきなんじゃないの? それがハイブリッドカーの”特別”ってもんじゃないのかな。

 それで何十万円か値上がりしたって、それこそ特別な存在なんだからいいじゃない。逆に、ありきたりの特別装備で単なるお買得商品に仕立てるなんて、メーカー自らこのクルマの先進性を放棄しているようなものでしょ。

 せっかく手塚キャラ総主演のTVコマーシャルまで作ったのに、何だかもったいないことするなあ、トヨタ。

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新車心象風景:ホンダ・シビックtypeR

Civictyper  月販400台だから、そもそもホンダ自身もこれで儲けようなどとは考えてないんだろうけど、うん、僕もこれは売れないと思う。

 それは近年のスポーツカー、スポーティカー受難傾向ということもあるけれど、やっぱり一番の理由はベースカーの魅力欠如でしょう。

 で、そんなことはもうみんな気付いているだろうに、何でまたこのつまらないシビックセダンで出すかね、ホンダ。

 いや、だって巷では「欧州仕様入れてくれ!」ということになっているワケでしょ。でもって実際日本版セダンは発表早々からもう不人気車の仲間入りしているし。年々つまらなくなるシビックとインテグラでタイプRを設定して失敗しているのに、さらにトドメを刺すようなことをどうしてするかな。ああ、そう言えばメチャクチャ高性能なのにクルマがつまらないから売れないというのは、S2000も基本的に同じ理由だよね。

 タイプRがホンダにとって本当に大切な存在なら、もう少しちゃんと考えた方がいいなじゃないかな。不人気セダンでも、まあ赤いエンブレム付ければ大丈夫、なんて判断してるんだったら甘過ぎるよ。どうせ儲け商品じゃないなら、多少労力は割いても欧州版タイプR持って来るくらいのことをしても問題ないでしょう。スペシャルなクルマなんだから、そのくらいのことしなくちゃ。

 早くちゃんとしないと、タイプRの神通力も完全になくなっちゃうよ。

 

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新車心象風景:プジョー207

207  大ヒットモデルの後継にふさわしく、キープコンセプト戦略である。

 日本での206のヒットは、もちろん魅力的なスタイルがあってこそなんだろうけど、他にも廉価なベーシックグレードの導入や、フツーの5ドアのにもMTを設定するなどの細かい配慮も効いた筈だ。

 今回はBMWと共同開発の新エンジンにターボを付けたGTを当初から設定するなど、相変わらず積極的な商品展開だけど、気になることもなくはない。

 まず、そのベースグレードが240万円近くもする。もちろん、ボディが大きく立派になったのは分かるけれど、やっぱりこれは高いんじゃないか。先代の1.4クラスは200万円以下の設定があったしね。

 それと、GT以外はATのみっていうのもちょっと。たしかに販売はAT主流だけど、立ち上がりのスタートダッシュにはクルマ好きの心も掴んでおいた方がいいんじゃないかなと。それに、このATの影響なのか、燃費がよくないのも気になるところ。だってMTであるGTの方がスペック上はいいことになっているし。それと、GTが3ドアだけっていうのも考え方が旧いかな。

 まさかプジョーまでプレミアムは語らないだろうけど、何だか随分高級になっちゃったなあ、という気はする。素のモデルで150~170万円、初期だけでもMT設定、5ドアにもターボ。そんな感じの展開があっても良かったんじゃないかと思う。

 いや、基本的に好感は持ちますけどね、207。

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新車心象風景:ホンダ・クロスロード

Crossroad  三本和彦氏言うところの「ホンダのビックリ箱」的商品なんだと思う。でも、あんまりビックリしないよなあ。

 そもそも、ニッチの中のニッチで、発表後に瞬間的に売れただけのHR-Vの後継を作ること自体いかがなものかと思う。しかも、売れないと困るからドアは4枚、シートは3列、そして全高も上げたりしたからアレほどの個性もなくなっちゃったし。

 スクエアが自慢のボディは彫刻的と自画自賛するけれど、僕にはスクープ対策にメーカーが分厚いパネルをテープでボディに貼り付けているあの姿にしか見えない。そして例の2段顔や後付け感タップリのオーバーフェンダーがそれをより強調している。全長の短さを特徴としながら、3列シートのアレンジを妙に自慢するのも何だか矛盾してる。インテリアは一転してスポーティカーみたいなのも違和感たっぷりだし。

 アクティブライフがどうの、枠にはまらないジャンルがどうのこうの言うけど、それって新型ストリームの狙いとどこが違うんだろう。ストリームだってスポーティな操縦性がアクティブだし、まさにフュージョンな存在なわけでしょ。いや、クロスロードはもっとアウトドア的な、みたいな話だけど、オフロードに対応する4駆の基本性能もストリームと一緒でしょ。カタログじゃ最低地上高まで同じだって言うし。

 ホイールベースやトレッドは若干違うけれど、要はストリームの着せ替えっていうのが正体なんでしょう。その着替えにあれこれ理由を付けるから無理があると。スミマセン、ストリーム使ってもう一台売れそうなヤツ作っちゃいました、って言った方がよっぽどすっきりするよね。でもなあ、何て言うか、こういうお手軽商品はいい加減にしたらどうなんだろう。

 どこかの評論家が、比較的コンパクトなこのクロスロードを「日本を向いて作ったのが良心的」なんて書いていたけど、本当に国内専用に作ったのなら、ホンダは日本のユーザーを相当バカにしてるんじゃないかな。

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新車心象風景:スズキ・ワゴンR・スティングレー

Wagonr_1  あー、やっちゃったか、スズキ。

 まあ、生産キャパは決まっているわけだから、06年度のダイハツ軽ナンバーワン奪取は決定なんだろうけど、ここで少しでも差を縮めておこうかということか?

 それにしても、商品企画までダイハツ化しなくてもと思う。だって、これってダイハツ車一連のカスタムシリーズってことでしょ。ワゴンRにもRRシリーズがあるけれど、あれはカスタムとか「裏」ってことじゃないしね。それにこのクールフェイス顔はダイハツCOOそのもの。いや、スズキ版bBか?

 スイフト、エスクード、SX4、そしてセルボと、このところのスズキは”どうしちゃったの?”と思うくらいデザインに力が入ってたのに、ちょっとこれは参ったよねえ。フロントグリルは二重構造の凝ったスケルトンだなんて話だけど、んなアホな説明してる場合じゃないでしょ。

 ま、既存車のちょっとした遊びでしょ。なんて意見もあると思うけど、こういう小さな愚行が、結構ボディブローのように全体に効いてくると僕は思うけどなあ。

 

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新車心象風景:三菱デリカ D:5

Derka   何しろ先代はパジェロのシャシーにボディを載せていたもんだから、乗り降りにはステップが必要なくらい背高で、こんなクルマに次はないだろうと思っていたら、しっかりモデルチェンジである。

 引き続き悪路走破性を信条とするけれど、今度はさすがにパジェロじゃなくてアウトランダーがベース。この辺の判断はきっと賢明で、試乗会で横倒し続出なんてことはないんだろう。さらに、技術主義の三菱らしく、ボディは環状骨格を採用したそうで、これも大きなウリなんである。

 まあ、いまどき悪路を突っ走る人も少ないだろうから、そういう性能はあまり関係なく、とにかく3列シートのミニバンが欲しいユーザーの選択肢に入ることになるんだろうと思う。その時にこの地上高が不便と思うか否かで決まると。

 僕はミニバンに興味はないものの、実は前回の東京モーターショウでのコンセプトカーには惹かれるものがあった。スクエアなイメージをモール等で強調する手法はすでにホンダがステップワゴンで実践済みだけど、その表現がさらに踏み込んでいて、ヘッドライトからボディ後端までしっかり作り込んであったからである。

 けれども、そのスクエアイメージを特徴と言いながら、実際にはかなりコンセプトカーのイメージから離れてしまったのが惜しい。たしかにシルエットはあまり変わってないけれど、ヘッドライトの形状や角度、ボディを包んでいたモール状の装飾がほとんど消えて、何て言うか、随分とフツーになってしまった。アイや新しいランサーがほとんどそのまま市販化されたから、尚のこともったいないと思う。あのまま出れば、それだけで意味があったんじゃないかと・・・。月販2300台と結構強気だけど、大丈夫なのか?

 それにしても、アイ、ekワゴン、パジェロと新型を次々に送り出す三菱だけど、例の不祥事がウソのよう。相変わらず雑誌記事は「頑張れ三菱」調だし、もう禊ぎは済んだ、社会的責任は十分負ったっていうことなのかな。裁判沙汰のふそうは別会社だしね。

 個人的にはとてもそうは思えないんだけど、世の中的にはもうオッケーなのかな?

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新車心象風景:ダイハツ:エッセ・カスタム

Esse  北海道の美瑛といえばパッチワークの丘、それと「ケンとメリーの木」「マイルドセブンの木」など、TVコマーシャルで使われた美しい木で有名な町。

 この木々、元々はパッチワークの畑の中にポツンと立っていてその風情が良かったんだけど、最近になって再び訪れたら、農道は広いアスファルトになり、木の前には広い駐車場ができ、そして駐車場の横には日本の観光地特有の貧乏臭い露店風売店が建っていた。

 そりゃあ、道を舗装すればクルマのアクセスはいいし、駐車場作れば観光バスだって止まれる。でもって観光客は数倍に増える。けれども、それによって本来持っていた風情は消え失せ、それを楽しみにしていた人はもう訪れない。

話は「ガマン」だ。

 エッセは単に安い軽というだけじゃなくて、シンプルを逆手にとり、張りのあるボディとカラフルな内外装でいい意味のカジュアルさを獲得した秀作である。ダイハツは主力のムーヴやミラを高級路線にして余力でエッセを作ったんだろうけど、その肩の力の抜け具合がいい結果を生んだんじゃないかと思う。けれども、その良きカジュアル感を何と自分の手でブッ壊してしまった。カスタムの設定である。

 ま、ムーヴじゃ「裏」の方がウケがよかったのは知っているし、だからミラにまで裏表を作っちゃったんだろうけど、全く別の価値観を打ち立てたエッセにまで設定するかね、普通? そりゃあ販売数は上向くんだろうけど、何で「ガマン」できないの? 

 プレミアムだ何だって騒いでいても、一向に日本に「本物」が根付かないのは抑制、つまり「ガマン」が足りないからでしょ。目の前のカネに走っちゃって、ゆっくりいいものを育てて行こうとしないからでしょ。安藤一色だったのが、イナバウアーで荒川に、でもプロに転向したら今度はミラクル真央に、みたいなことやってるから選手が潰れたり競技自体が理解されなかったりするのと一緒。

 しかも、今度は自分で蒔いた種を自分で踏み潰してるワケでしょ。いや、黒くてエアロなエッセが欲しい人もいるんだろうけど、そんなの自分でカスタマイズさせておけばいいじゃん。

 お手軽なパーツをつけたクルマも子供っぽいけど、その考え方自体が一番子供っぽいと僕は思う。

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新車心象風景:ホンダ・エリシオン

Elysion  不人気車がビッグマイナーチェンジで顔を大きく変えることは珍しくなくなった。中には先代の日産・ウィングロードみたいな大成功例もあるので、今後もこの手はアリなんだろう。

 けれども、ウィングロードがまるで商用車みたいな酷い顔から非常に分かりやすいハンサムボーイになったのに対し、このエリシオン、とりわけプレステージは逆の印象なんである。

 図体自体はトヨタ・アルファードや日産・エルグランドなどのライバルと同じバカでかさを持っていながら、ボディ面を艶やかに仕上げ、かつフロントを絞り込むことで、細く切れ長のヘッドライトが似合う繊細顔だったのに、それじゃあ押し出しが足りないとばかりにアルファードそのものの顔を持ち込んでしまった。これで文句あるか、と叫んでいる。

 ハッキリ言ってカッコ悪い。というか趣味が悪い。けれども売れなきゃしょうがないということで、きっとデザイナーはヤケクソでやったんだろう。

 だから、このクルマはユーザーの審美眼を問うことになるわけだ。これで販売が上向いたら、それだけ日本のユーザーの美意識が低いというリトマス試験紙なんである。いや、美意識なんて次元の話にもならない造形である。

 ただ、同じ強面でも、それなりにデザインテーマが一貫しているエルグランドより、どう見てもボディが折れ曲がって見えるメチャクチャなカタチのアルファードが倍以上売れている市場だ。今度のエリシオンが売れてもとくに不思議はないか・・・。

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新車心象風景:マツダCX-7

Cx7_1  スポーツクロスオーバーという新しいジャンルを開拓した、みたいな話になっているけれど、いやいや、これはどう見てもインフィニティFXシリーズに端を発しているのは歴然。トヨタもホンダも追随しているけれど、だからコンセプトにオリジナリティがあるとは僕は思っていないんである。ただ感心していることはあって、それは、このCX-7でマツダのクルマ作りがさらに明瞭になったこと。

 アテンザ以降の新世代マツダは、アクセラ、RX-8、ロードスター、MPV、プレマシーと、どこから見てもマツダですというクルマが続いている。もちろんターボやロータリーエンジンなど、ズームズームな走りの面もそうなんだけど、車種構成やエクステリアデザインにそれを強く感じるんである。

 早い話、一貫性のあるデザインコンセプトと少数精鋭構成。同じクラスに何台も展開することなく、それぞれのクラスに最適な商品を1台ずつ揃えるって方法。ま、旧世代のデミオとベリーサはドップリ重なっているけれど、これも次期型は変えてくるらしいし。で、そのデザインコンセプトが悪くないと来ている。

 これ、元々はスバルが上手いことやっていたんだけど、現行インプレッサあたりからどうも雲行きが怪しくなって、まあ現状は皆さん知ってのとおり。そこをマツダがお株を奪った感じかな。しかも、より車種が多いにも関わらず全車うまくまとめ上げているのは大したものだと思う。商品企画とデザインがうまくかみ合っているんじゃないかと。

 ま、トヨタやダイハツみたいに何でもアリっていうやり方もひとつの方法かと思うけど、僕はマツダのやり方の方が好きだし、何て言うか賢くて大人な感じがする。商品自体はダイナミックだけど、その展開には抑制が効いている。親会社のフォードが参考にしたいという気持ちも分かるよね。ま、ロータリーという心配の種もあるけれど、あまり無理をせず、ちょうどいいサイズの会社を維持して欲しいなと思う。

 

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新車心象風景:ダイハツ・ミラ

Mira  そりゃあ、トヨタグループになったことで軽に専念できるのは分かるけど、何でもかんでも数作りゃあいいってもんじゃないでしょう。

 コペン、ジーノ、ラテ、タント、エッセ、ソニカ、ミラ、ムーヴ。乗用車タイプだけでもパッと全車思い出せる人はそんなに多くないでしょ。日本は小型車や普通車だって車種が多いけど、それでもサイズは色々だからね。でも、軽はみんな同じ大きさ。さらに1社でこの数はいかがなものかと思うなあ。コペン以外は4シーターということでも一緒だし。

 さらに、ソニカ以降は怒濤の高品質化戦略で一気に評論家の絶賛を受けているのだけど、ソニカ、ムーヴ、ミラと「ほら、こんな高性能、高品質ですゼ」みたいに畳み掛けられると、逆に同じようなモンばっかり立て続けに出すなよ、と思えてしまう。

 実際、ソニカがスペシャリティとか言っても全高は1470㎜もあるんだよね。で、ミラが1530㎜、ムーヴが1630㎜。5㎝や10㎝の差で3台も作るなよ、と思う。しかも、ミラとムーヴには例によって裏と表の2種類があるし、さらには同じ時期にエッセなんて全然別種のクルマも作ってる。もうなんだかなあ、と。

 おもちゃ箱ひっくり返したような商品展開がトヨタのやり方っていうのは十分わかっているけど、僕はそれを認めるつもりは毛頭ない。だから、ダイハツがグループとして同じことをやっているのも反対だ。

 技術があるのはもう分かった。あとは薄利多売じゃなくて、1台に本当に時間と手間を掛けた逸品揃え的商売をして欲しいと僕は思う。それは、軽という枠を超えた存在になっている自前のコペンがいい見本になっているじゃないか。いつも同じことを言うようだけど、もっと大人の商売、商品が見たい。

 

 

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新車心象風景:日産・スカイライン

Skyline  V35でとやかく言っていた雑誌や評論家がV36を語るなんて恥知らず、みたいな話は前に書いたので今日は書かない。

 けど、この期に及んで”V36は僕らの期待するスカイラインになっているか”などという論調ばかりの雑誌記事を見ていると、別の危惧を抱いてしまう。

 北米版G35は、インフィニティ一番の稼ぎ頭としてメルセデスCクラス、BMW3シリーズあたりをライバルに善戦、新型はその地位をより確かなものにするべくデザインも走りも磨き込んで来たんである。もちろん価格面も含めてだけど、今回もいい勝負をするのは間違いないんじゃないかと思う。

 一方、日本にも同じライバル達は売られているんだけど、雑誌や評論家の”スカイラインになっているか”だの”今度は期待通りか”なんていう、要はRシリーズをいまだに引きずった子供っぽい言動が、本来のライバルとの勝負を思い切り邪魔するんじゃないかという危惧があるんである。

 とにもかくにもVシリーズは日本から外に飛び出したんである。だからスポーティセダンといってもRシリーズの再来とかじゃなくて、欧米の歴史あるライバルと勝負することが役目なんだろうし、実際北米ではその足がかりを掴んだわけだ。そういう可能性のあるクルマを、母国のメディアが一番理解のない報道をしてどうする?

 丸目4灯がどうしただの、もう内輪向けの話はいい加減にやめて、新しいスカイラインが世界を相手にしていることをしっかり踏まえた記事を書いて欲しい。

 

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新車心象風景:スズキ・セルボ

Cervo_2 雑誌のスクープでもノーマークだったから、結構意外なデビューだったんじゃないか。

 それにこのスタイル。僕はスバルのRシリーズが好きだけど、こっちは何て言うか、もっと直球勝負な感じ。スイフトやSX4がイタリアンデザインで成功し、それをそのまま軽でやってみました、というところか。

 デザインは社内らしいけど、実際前出2台の経験がよく生きている。Aピラー根元からヘッドライト、フロントグリルを結ぶ円弧、ルーフラインからリアガラスへ連続するライン、ボディサイドからリアランプへ伸びる鋭いライン。どれもがこのクルマの塊感に寄与していて、ライバルのソニカが妙に間延びして見えるんである。

 それと、大きなグリルを持つこの顔は、パリサロンに出展したスプラッシュとほぼ同じ処理。だとすると、今後のスズキ車のアイコンになるのか、単にデザイナーが同じなのか、その辺も気になるクルマだ。

 残念なのがインテリア。こんなイタリアンで陽気な外観なのに、色のテーマがなぜか「夜景」だそうで、室内は真っ黒しかないんである。実際に座ってみたけど、なんとも窮屈で暗い。ボディ色で室内をコーディネイトしても似合うようなクルマなだけに惜しい。

 いやあ、それにしてもこれにリッターカークラスのエンジンが載っていれば世界に自慢できるのにね・・・。

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新車心象風景:ダイハツ・ムーヴ

Move_3  高品質がウケている新しいムーヴ。とくにインテリアはリッターカークラスに追いついたと絶賛の嵐。

 僕もよくなったなあとは思うけど、絶賛はしない。だって、軽を越えたと言っても、たとえばヴィッツやスイフトを凌いでいるという程じゃないから。

 けど、いまや価格は完全にオーバーラップしていて、一部のターボ車なんか上回っていたりする。だったら同じレベルなのが当たり前なのであって、つまり、これまでメーカーが「軽」という枠に甘えて一方的に手を抜いてきただけの話なんである。

 あと、ダイハツにはエッセという、ある意味ムーヴとは逆の質感を求めたクルマがあるでしょ。僕は中途半端な高級感を目指すくらいなら、シンプルでも貧乏くさくないエッセの方向が普通の軽には合っているんじゃないかと思う。だいたい、同じメーカーがわずかな価格差で全く違う方向性のクルマを作るなんて節操ないし。

 軽で「高級」をやりたいのなら、本物の高級車を作ればいいんじゃないか。高質な素材をふんだんに使って、もう麻布ヒルズあたりのミセスがセカンドカーに買っちゃいそうな、たとえばランチア・イプシロンみたいなクルマ。で、200万円でも250万円ででも値札を付ければいい。そういう新しい軽の可能性を示すのならエッセと並存したっておかしくないでしょ。

 そうじゃなくて、何となくリッターカーに追いつきました、なんてレベルで大きな顔しないでよと言いたい。同じお金払ってるんだしさ。                                  

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新車心象風景:トヨタ・オーリス

Auris  名前だけじゃなく、プラットホームもカローラと決別して独自路線を打ち出したオーリス。欧州でゴルフ達と真っ向勝負するべく3ナンバーへと拡幅し、徹底的に走り込んだとトヨタは豪語する。

 僕は欧州の合理的なクルマ作りが好きなので、オーリスの基本姿勢にも賛同するけれど、ちょっと引っ掛かるところもあったりする。それは近々登場するブレードという兄弟車の存在なんである。

 ブレードは前後ランプや内装素材の他、エンジンも2.4リットルからと、より上級指向を目指すらしいのだけど、まあ基本的に同じクルマには違いないんである。オーリスはパリショウで発表されたことからも欧州での展開を前提としている一方、上級版のブレードは日本市場をメインにするとか。ま、同じクルマの味付けを変えて市場も変えようという魂胆だ。

 けれども、そういう安易な発想は結局どっちつかずになるんじゃないかと僕には思えてしまう。つまり、オーリスは欧州で通用する性能をリーズナブルな価格で提供してくれるのだけど、ちょっと横を見れば同じカタチでより高級感のあるブレードが売っているわけで、じゃあオーリスは単なる安物じゃないかということになる。逆にブレードは「安かろう、悪かろう」を脱する本物感をコンセプトにするというけれど、これもちょっと横を見れば同じカタチをした「お買い得車」が売っているわけで、じゃあ本物って何よ、ってことになる。

 トヨタにとっては販売店対策という大きな理由があるのは想像できる。それに、兄弟車であっても出来るだけ性格を変えようという努力も理解できる。けれども、所詮別のコンセプトを同じクルマで実現するのは無理な話であって、結局は両者ともが中途半端な存在になってしまうのが常なんである。

 わざわざ土台を変えてまで欧州に打って出ようというのだから、ここはしっかり一本に絞って十分に作り込む。そうやって本当の本物を生み出す。僕はそういうやり方のほうがいいと思うのだけど。

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新車心象風景:メルセデスのカタチ

Glclass  もともとメルセデス・ベンツのエクステリアは特段目立つようなこともなく、どちらかと言えば地味だったけれど、地味は地味なりに、それが定番と言えるところまで到達していたと思う。けれども、ここ数年はどうにも妙な具合である。

 写真のGLクラスがGクラスの後継と言うにはあまりに平凡過ぎるように、最近のメルセデスはとにかくオリジナリティに欠けていて面白くない。たしかにラインナップを見渡せば皆同じ要素を持っているんだけど、それ自体がツマラナイんである。

 現行車種の多くに共通する特徴は、フロントのホイールアーチからいきなりキャラクターラインが始まって、それがリアまで駆け上がるという手法。これはAクラスから始まって、B、R、そして間もなく出る新しいCL、Cクラスにも採用されるみたいだ。これはいまのチーフデザイナーの好みなのかどうか分からないけど、どう見てもラインの立ち上がりが唐突過ぎて、造形的に必然性が見当たらないんである。

 で、この唐突なキャラクターラインを除いてしまうともう何の特徴も残らなくて、恐らくスリーポインテッドがなければどこのクルマが分からないかもしれない。さらに言うと、このラインを持っているとしても、それはとても定番になるような代物じゃないんである。

 メルセデスは保守的なイメージがあるけれど、実際には色々とチャレンジングで斬新な提案をするメーカーである。けれども、残念ながら現在はエクステリアの魅力の無さが足を引っ張っているような気がしてならない。少なくともライバルのBMWやアウディのような完成度には程遠い。

 いや、もしかしたら、もはやメルセデスは”定番”なんて発想をとっくに捨ててしまっているということなのか?

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新車心象風景:トヨタ・カローラ

Newcallora_1  誕生40周年を迎えて登場した新しいカローラだけど、皆さんの目にはどう映っているだろう。僕にはどうもいまひとつな感じで、それは多分コンセプト的に大きな変化がなかったからだと思う。

 たとえばバブル真っ盛りに登場した7代目はとにかく大きく豪華にだったし、ニューセンチュリーバリューを掲げた先代は欧州車的な合理主義を取り入れてみせた。その是非はともかく、どんなクルマにしたいのかが分かり易かったんである。それに比べるとこの10代目はコレという売りがどうも見えにくい。クラスを超えたとしてパーキングアシスト機能やミリ波レーダーの搭載が謳われているけれど、まあそれはクルマ自体とはちょっと違うしね。

 けれども、現行ヴィッツやベルタのそつない作りからも想像できたように、作りの良さは相当みたいだ。内外装とも「価格を超えた感」にあふれていて、まさにトヨタの面目躍如といったところなんである。

 僕はカローラに興味はないけれど、でもこのクルマに乗っていれば何の不満もないんだろうなあ、と思うことがよくある。高級感ある内外装、不足ない動力性能、静粛な室内、付いてないものがない装備類、そして恐らくは10、20万キロ乗っても壊れないだろう絶大な安心感。僕みたいに旧いクルマに乗っているとか、あるいはアルファみたいなラテン車に乗っているとか、そういうマニアは好きで乗っているといいながら、何らかの不安や不満を持っていたりするけれど、カローラにそんなものはない。つまり、カローラに乗ってしまえばどんなに楽になるだろう、と。

 そんなクルマが150万円あたりで買えるんである。そう考えると、一番合理的で賢いクルマ選びをしているのは、実は妙なマニアじゃなくて、たいしてクルマに興味なんかない、このカローラに乗り継ぐような人なんじゃないかと思ったりするんである。

 じゃあ、自分は買うのかと言えばそんなことはないのだけど、とにかくカローラにはそんなことを想像させる力がある。ああ、あっちの世界に行っちゃおうかなあ、と思わせるものがある。

 で、それはそれでひとつの実力と言えるんじゃないかとも思うんである。

 

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新車心象風景:三菱パジェロ

Pajero_1 前回の東京モーターショウでアイを発表、デリカ、ランサーのコンセプトも出来がいいですねと声を掛けると、デザイナーの某氏は「もう後がないですから・・・」と実に潔い返答をしてくれた。そこには、ダイムラー・クライスラーと手を切って、これからは自由にできるゾ、という意味もあったんである。そういう意味では新しいパジェロ、うーん、ちょっと中途半端かなあ。

 歴代を意識したと言うだけあって、たしかにどこから見てもパジェロそのもの。多分、先代があんまりだったので、ヒットした2代目あたりを強く意識したんだと思う。三菱自身が直線基調にしたと言っているのがその証拠だけど、そうかなあ、これ。

 いや、原点回帰で直線基調にするのは僕も賛成なんだけど、だったらもっと徹底するべきだったよね。具体的に言えば、ルーフも含めてサイドウィンドウの上下に妙な曲線を残しているし、フェンダーも変な膨らみが施されていて、何だかスッキリしない。分かりやすく言えば、2代目と先代を足して割ったような思い切りの悪さがあるんだよね。それはインテリアにも言えて、機能性よりも先代の豪華指向が強く残ってる。

 アイやデリカのコンセプトはあんなに明快なのに、何でパジェロはこうなっちゃったんだろう。多くを販売する海外市場はこういうフォルムを期待しているのか? もちろんアウディQ7みたいに高級SUVを目指しているんだったらいいんだけど、今回は歴代の踏襲が目的なんだから、ここは初代のレプリカを作るくらいの潔さが欲しかったと僕は思う。

 ま、月販700台という数字が日本市場での立場を示しているということかな?

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新車心象風景:レクサスLS460

Ls460 なるほどLSはレクサスの主役なんだと思った。

 L-フィネスのキーワードのもと、アローヘッドと呼ばれる矢をイメージした造形は、先行の2台よりもこのLSがより明快に体現しているし、そこには結構なオリジナリティがあると思う。だから、今度のLSを単体で見れば、オールニューのエンジン・シャシーに恐ろしいほどの作りこみを施したボディをわずか700万円台から提供していることも含め、とにかく大したもんである。

 ただ、レクサスの是非みたいな話が加わると、今後最低でも数年の展開を見ないことには何も判断できないし、そこに不安がないわけじゃない。

 まず、今後追加されるであろうコンパクトクラスやSUVも同様の基本デザインで破綻なくファミリーが形成できるのかということもあるし、次のモデルに移行するときもこのコンセプトを守れるのかとも思う。つまりレクサスがプレミアムブランドとして“伝統”を築くときに、そのアイコンが今後も「先駆」と「精妙」で大丈夫なのか。ぶっちゃけ、アローヘッドの完成版であるLSに次の一手はあるのかということなんである。

 LSはよく分からなかったレクサスのコンセプトを最も上手く表現しているけれど、一方でそういう不安も感じさせるんである。ま、初代LSと新しいLSにほとんど共通性がないように、次の世代のレクサスはまた全然違うコンセプトになります、なんてことなら話は別なんだけど。

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新車心象風景:ルノー・ルーテシア

Lutecia  正確に言うと新車じゃなくて特別仕様車。ルーテシアに設定された「オータム・イエロー・リミテッド」である。

 このルーテシアは元々カタログに13色という本国同等のボディカラーを設定していて随分力が入っているとは思っていたんだけど、特別仕様としてさらに別の色を次々と打ち出しているのは大したもんである。

 クルマは服と同じく、自分の嗜好を身にまとうものだと僕は思っているので、当然ボディカラーは大変重要な要素なんである。実際、好きなクルマでも好みの色が設定されていなければ購入対象にはならない。最近は国産車でも色数が増えてきているけど、実は白やグレーで数種類設定したりと、本当にカラフルなのはほんの一部だったりする。

 これが輸入車となれば、数々の手続きから自ずと選べる色が少ないというのが常識になっていた。もちろん高額車であれば受注生産という形で、納期さえ問わなければ幅広い選択が可能だけど、小型車クラスだとそれも難しいというのがこれまでの常識だった。

 実は206でシェアを大きく伸ばしたプジョーは、当初かなりの色数を設定していて感心したのだけど、数年経ってみれば結局売れ線の3、4色に限定されてしまった。そこに出たのがこの新しいルーテシアだ。

 ま、芸術の国フランスのクルマだから、なんてベタなことは言わないけれど、せっかく作っているんだったらそのまま持ってくるのが本来の姿でしょう。だって色も含めてそのクルマの性格を示しているワケだからね。ルーテシアはその点インポーターに恵まれているなあと思う。なにしろ欧州大ヒットのグランデプントなどは本国に12色もあるのに、今回輸入されたのはたったの3色! そんなインポーターも一方じゃあ存在するんである。

 あとはユーザーがこういう心意気にどれだけ応えられるか、かな。

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新車心象風景:ホンダ・ストリーム

Stream_4060713a 結局、売る方も買う方も「プライド」なんて全然持ってなかったらしく、勝負は後出しのウィッシュ圧勝になってしまった。

 が、発表会で社長自ら「今度は真似させないゾ!」なんて発言してしまった新型のウリは、 近頃ホンダお得意の低床化による、1545ミリの低いボディだそうだ。これなら立体駐車場も大丈夫ということらしい。

 それはどうかなあ、と思う。いや、そもそも真似されることをすでに想定していること自体異常な状況なんだけど、これで「真似できまい!」というのは結構甘いかもしれない。たしかにホンダの低床化技術は本物なんだけど、トヨタって会社はとにかく「見せかけ上手」だから、仮にこの新しいストリームが当たれば、「じゃあ、とにかく全高下げればいいんでしょ」ということで、大した技術も使わず、手持ちの工夫で辻褄合わせをするに決まってるんである。で、ユーザーはその辺の差なんて分からないからコロッとだまされるわけだ。

 じゃあ、結局どうやってもトヨタには勝てないのか? というと、そんなことはなくて、ホンダにはカローラを抜いたフィットがあるじゃないか。パッと見は分からないけど、実はライバルより全長が大きくて、その分室内を広くし、加えて少なくとも数字上は圧倒的な低燃費を誇る。これをやればよかったんじゃないか?

 まあ、このストリームがヒットするかどうか、それを真似するかどうかも分からないし、おまけに個人的には5ナンバーの3列ミニバンなんて興味もない。けれども、僕としては、あそこまで恥知らずなトヨタの開発陣に、強烈な鉄槌を喰らわして欲しいというのが本音なんである。

 

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新車心象風景:スズキ・SX4

Sx4 「あれ、スズキってこんなクルマ作れるんだ」シリーズの第3弾。雑誌ではWRC参戦云々で騒いでいるけど、そんなこと関係なく興味深いクルマだと思う。

 とにかく、そのポジショニングが巧い。トヨタのRAV4とかがどんどん大型化している中で、4.1メートル少々の乗用車タイプ4駆は結構貴重なんである。

 それにイタルデザインとの共作というエクステリアはヘッドライト形状やAピラー回りの”段”が前進姿勢を強調して疾走感がある。スイフトもイタリアのカロッツェリアに協力を仰いだ成果が出ているけど、このクルマもいい意味で日本車離れしているんじゃないかと思う。

 惜しいのは、欧州仕様に比べてバンパー下のアンダーガードや、特徴的な太いサイドモールなどがなぜか外されてしまって、随分おとなしいイメージになってしまったこと。日本ではこういうアッサリ系じゃないと売れないという判断なのか?

 そういう意味ではフィアット版のセディチの方が個性的なフロントグリルやツートンの色鮮やかなボディーを持っていて、このスタイルを上手く表現していると思う。どうせエンジニアリングはスズキなのだから、もし輸入されるようなことがあれば”安心なイタ車”を買うチャンスかもしれない。フィアット自慢のディーゼル、しかもSX4にはないMTなんかが入ってきたら、僕は断然そっちがいいと思うな。

 もちろん、そういう比較をしなければSX4は十分面白い存在だと思う。

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新車心象風景:日産+コンラン

Conran_bc01  異業種とのコラボレーションは随分前から色々とあった。だから、マーチやキューブがインテリアブランドのコンランと手を組んだこと自体は特段珍しいことじゃあない。

 けれども、このコラボが従来と異なるのは、コーディネイトのレベルが圧倒的に高いことだろうと僕は思っている。つまり、従来のコラボはそのブランドのちょっとした「気配」を適当に取って付けただけだったけれど、これはチョット違うぞ、ということ。

 ま、たとえばスポーツウェアのellesseとのコラボではシートにロゴの刺繍をしてみただけだったし、ハローキティ・ヴァージョンなんて、メーターパネルにキティちゃんの顔があったりするという、それは恐ろしいものだった。

 これに対して日産の場合は、クルマのデザインとコンランデザインを完璧に融合させるところまでやっている。つまり、特別仕様車を作るため単に名前を借りてきただけじゃなくて、クルマのインテリアデザイン(ボディカラーも)を向上させるために、やはりデザインを重要視する異業種に目をつけたというわけで、これは前例がないんじゃないかと思う。

 「最近の日産はインテリアのイメージチェンジでお茶を濁している」なんてことを言う著名評論家がいるけれど、アホかと思う。問題はインテリアだけかどうかじゃなくて、その中身がどうかが肝心なワケでしょう?

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新車心象風景:スバル・ステラ

Stella  そういうことにはなっていないけれど、たとえば全てのピラーをブラックアウトさせてワゴン風にするなど、これは実質プレオの後継なんだと思う。R2の販売不振で急遽作り上げた箱型ワゴン、まあ、このクルマ自体にあえて言うことはないでしょ。

 言いたいのはやはりR2の不振の方なんである。人気の箱型じゃないからということもあるんだろうけど、同時にそのモノフォルムなスタイルがちょっと、というのが不振の原因と言われている。ちょっと・・・というのは、つまり異端に過ぎるということだろう。しかし、それもなんだかなあと思う。

 たとえばトヨタの初代カムリ、日産マキシマ、ユーノス500、いすゞピアッツァなど、そのコンセプトやエクステリアデザインが先進的であるが故、「時代が早すぎた」という言われ方がこれまでいくつかあったけれど、それはやっぱりそう思わせる時代、時期があったんだろうと僕は思っていた。けれども現代は手の付けようがないくらいの情報化時代、まさに多様化の風が吹き荒れている時代なんである。そんなときに、まさか「時代が早すぎた」なんてことはあり得ないと思うじゃないか。

 けれども、R2はそういうことなんだよねえ。いまどきこの程度のエクステリアに拒絶反応が起こり得てしまうのが現実なんだよねえ。僕はそれが何とも情けない。

 最近別のコラムにも書いたんだけれど、あるクルマが売れないとき、その原因は作ったメーカーだけにあるんじゃなくて、僕らユーザー側に大きな問題があるんじゃないかと思うんである。つまり「見る目がない」ってこと。それが70、80年代とかまでならまだ理解できるんだけど、この21世紀ともなるとそりゃあどうなの?と思ってしまうわけだ。

 で、その結果としてステラなんかが出てきてしまうんである。そんなクルマまじめに評論なんかできないし、するべきじゃない。やっぱりステラを作らせてしまった僕らユーザーを語らないとダメでしょう。

 いや、ホントの話、自動車大国の国民として、もっと僕らはちゃんとした目を持とうよ。

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新車心象風景:スバル・レガシィ

Legacyb4_f  たしかにスバルはもともとマニアックなメーカーだったけれど、こういうマイナーチェンジは本当に大したもんだと思う。

 とくに感心することはふたつあって、ひとつはメカニズムの見直し。エンジンの改良はターボチャージャーの形状からカムのプロファイルに至るという本格派だし、ボディの補強など剛性のアップもかなりと聞く。そして目玉のSI-DRIVEは全くの新機構ときている。
 何がスゴイかって、モデル途中でこういう技術を惜しまず投入するという発想なんである。だって、日本車の場合はたいていフルモデルチェンジまでとっておくでしょ、こういうことは。

 それからもうひとつはエクステリアの見直し。
 ビッグマイナーなんて言葉があるように、最近はわりと大幅な造形の変更は珍しくなくなった。最近では日産のプレサージュがエラいことになっているし。
 で、レガシィの何に感心するかっていうと、実際はAピラーから前が全て新形状になって相応に印象を変えているのに、全体的には従来のイメージがちゃんと残っていることで、このバランス感覚が実に巧い。それこそプレサージュが変化のための変更なら、レガシィは熟成のための変更というべきか。ま、インプレッサという悪い見本が身内にあったりもするんだけどね・・・。

 こうした内容の濃い、いわば欧州車的な変更は大いに、そして素直に歓迎したいと思う。ただし、一番大切なことは、スバルがいたずらにモデル数を増やさず、少数精鋭の商品構成を行っているからこそこうした質の高い変更が可能だということで、そこを評価しなくちゃいけないと僕は思う。

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新車心象風景:ホンダ・ゼスト

Zest  ホンダというメーカーはとにかく尖っているのが身上の筈だと思っていた。それはシビックのように徹底した合理的実用車だったり、あるいはNSXみたいなスーパーカーだったり、とにかく普通じゃないんですよ、ウチは、というメーカーだったのだと。

 いまや右も左もミニバンだらけだけど、その火付け役になったオデッセイが出現したときには、ああこれもまたホンダのサプライズなんだなあ、と素直に思えたんである。

 でもねえ、いつの頃からかその尖がりに?マークが付くようになってきたんだよなあ。何でだろう? そのオデッセイやステップワゴンみたいな爆発的ヒット作で、数を売ることに目が向いちゃったってことなのかなあ? 

 それが巷でささやかれる「ホンダのトヨタ化」ってやつだと思うんだけど、まさにこのゼストがそうなんだよね。つまり、ライフっていう軽としては随分と評価の高いクルマがあって、それはそれで結構売れているんだけど、どうもそれじゃあ気が済まなくてカッコ違いの着せ替え兄弟車を作っちゃう。これってトヨタのやり方そのものじゃないか。そうそう、ザッツなんていうのもあるしね。

 だいたいライフが女性向き、なんていう発想が信じられないくらい低次元だし、このちょっとワルの入ったゼストは男性向き、っていうのも悲しいくらい恥ずかしい神経だと思う。日産ならマーチが女性向けでノートは男性向けっていうのと同じ話だよね。いや、黒いランドセルは男の子、赤いのは女の子、と同じでしょ。もう21世紀だっていうのに、いつまでこんな感覚で商売してるんだろう。

 トヨタのbBにも通じる、このカスタム入った超ステレオタイプの男の向け商品が、あのホンダのクルマかと思うと情けないと僕は思う。宗一郎さんが泣いているかどうかはわからないけど、僕は泣きたいくらい下らない商品だと思う。ま、あとは「意外と見切りが良くて年配者にもいい」とか、「ライフはちょっと、という男性にうってつけ」なんていうインプレッションが、プロの評論家の口から出ないことを祈るばかり、かな。

 

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