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雑誌ナナメ読み:A4判冊子は意識高い系か?

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先週末はゆっくりできたので、久々に雑誌ナナメ読みを。

コンビニ感覚のB5判系冊子に比べ、A4判系は意識高い系というかエンスー度が高いイメージがあるけれど、今回読んだM誌は色々なところにツッコミどころがあって正直意外だった。そのあたりを少し。

まずは、自分の自動車ライフ振り返る巻頭特集からなかなかだ。クルマとの出会いや生活を語るこの手の特集は少なくないけれど、大抵はクルマとは別業界のひとや読者(一般のユーザー)だったりするけど、ここでは登場する10名が全員有名評論家なんである。

  いまやどの媒体を見ても同じ評論家の記事ばかりが並んでいるのに、さらにひとり4ページも使ってその思い出を書くっていかがなものか。べつに彼らの仕事を奪うということじゃなく、一般のクルマ好きの、普通の生活が見えてこそ新鮮な面白さが伝わるというものだろう。

A4判らしい「海外試乗記」ではBMWの新型4シリーズが登場。コンセプトカーから継承されたあの巨大なグリルを「メガキドニー」と呼ぶらしいけど、BMWによれば、ここ数年の自社商品のデザインは変化に乏しく、シリーズ間の違いも希薄であったことへの対応だとか。

で、何と執筆者はその意見に賛同してしまうんだけど、いやそれは違うだろうと。ここ数年のBMWデザインが恐ろしく退屈だったのは間違いないけど、じゃあレクサスよろしくグリルを巨大にすればいいってことじゃない。もっと本質的なデザイン改革に取り組むべきで、逆にそれを提案しなきゃダメでしょう。

続く中盤には、気になる日本車と輸入車との比較連載で、今回はホンダの新型フィットとルノー・トゥインゴというコンパクトカー比較。ここで執筆者は理詰めで作ったとしてフィットを左脳、感性でまとめたトゥインゴを右脳的として話を進める。遊び心に満ちた輸入車という持って行き方が、いかにもA4判的。

けれども、新しいフィットは「数字主義からの脱却」を掲げ、できるだけ感性に沿って開発を進めたのは知られた話。つまり、ここはで単純に右脳左脳などと両極に置くのではなく、感性を重視したクルマ同士の内外比較という趣旨が本来じゃなかったか?

さて、後半はここ1年で登場した輸入車から、評論家諸氏10名が一番楽しかったクルマを選ぶという特別企画。いや、ここは普通に評論家の出番です。そこではなく、結果が何とも。

まあ想像とおりとも言えるんだけど、ベスト3がアルピーヌA110S、ポルシェ911、ランボルギーニウラカンと、面白くも何ともない。もちろん本音で選んだろうけど、だからこそ余計につまらない。こんなありがちでパターン的な結果なら、わざわざ10名も集まって投票するまでもないし。

久々に読んだM誌だけど、冒頭のようにA4判冊子が意識高い系なんて、僕の勝手な思い込みだったみたいだ。クルマの紙媒体が厳しい中、編集部はいろいろと企画を錬っているんだろうけど、遠回りでも、もっと視野を広くしたほうが得策だと思う。

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コメント

アクシオムさん

個人的にはグリルが話の主役という時点でNGですね。本当にここ数年のBMWは退屈ですが、そこに部分的な手当てというのは極めて残念です。この退屈さが無難さでもあって販売は悪くないのでしょうけど・・・。

sugawaraさん

仰る通り本当に狭い中でグルグル回っている感じですね。企画が貧弱過ぎて驚きです。クルマに興味のない男女と言うのは面白いですね。単に興味がないということではなく、それ以外のことでユニークな取り組みや趣味を持っている人であれば面白い話が出てくるかもしれません。そういう外の風が欲しいですね。

ネコさん

とくに7シリーズは中国対策のようですね。輸入車が楽しいとか面白いというのは否定しませんけど、外の文化を崇拝するなら、ジャーナリストも外の声を聞いてはどうかと思いますし、仰る通りその文化的な背景も同時に描かれないと説得力がないですね。かつてのNAVIなどにはそういった風が感じられましたが、編集者の力不足なのか、単に忖度なのか?

投稿: すぎもとたかよし | 2020年7月29日 (水) 21時59分

BMWのキドニーグリルは「中国対策」だと聞きました。あれくらいアクというか、イバリがきかないと市場で受け入れられないんだと。我々はBMWはトヨタほど市場に魂を売っていないなぁと考えればいいんでしょうか。悲しいことですけれど。
日本人は経済性、信頼性、維持コスト、周囲の目等々さまざまな要素を考えながらクルマを選んでいる。そんな人に「楽しいでしょ、オシャレでしょ」と言って果たして説得力があるのか。「いや、そんなお気楽な立場じゃないんで」と言われるのが関の山じゃないのかなぁ。そういうおすすめ方法があってもいいけれど、それにはクルマそのものだけじゃない文化や歴史に対する洞察力と「読ませる」文章力が必要になってくるわけで。もしくは、日本の土地で使うクルマとして「明確な優位点」を論理性とレトリックを用いて表現できないと、読後に「何が良かったのかさっぱりわからない」ことになりかねない。出版元やスポンサーを全方位的に配慮して「毒にも薬にもならない文章だらけで、誰からも読まれなくなりました」となったら全員が不幸になるわけで。

投稿: ネコ | 2020年7月19日 (日) 17時43分

そんな内容では、
あの名優、大滝秀治さんに「お前の話はつまらん!」と一括されそうです
狭い世界でぐるぐる回っている感じです

カージャーナリストとあまりクルマに興味の無い男女との対談はどうでしょうか
プロがどれだけ刺さる話ができるか見てみたいです

投稿: sugawara | 2020年7月14日 (火) 21時02分

まぁ意識高い=かっこつけ系ということで、輸入車賛美なんでしょうが、雑誌もライターさんも輸入車メーカーが広告主ですから、書く記事はそこをそれこそ意識しているので致し方ないですね。
BMWの4シリーズで始まったメガキドニーグリルは、4シリーズだけじゃなく、iシリーズの新型にも展開して、いずれ全車展開でみな同じになるんですかね?
グリルをデカくしようが構いませんが、ホントにかっこよさを追求するのなら、グリル内にナンバープレートを配置するよりもアルファロメオみたいに左側に配置できればグリルのデカさと輪郭の綺麗さが出るんでしょうが、よく見るとバンパーにもセンサー類の配置があるので、マツダのシグネチュアグリル同様グリル内にナンバープレートを配置せざるを得ないんでしょうね。
ホントは、デザイナーが困難な要件をクリアしながら、センス良くまとめて欲しいのですが。

投稿: アクシオム | 2020年7月12日 (日) 23時43分

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