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雑誌ナナメ読み:日産は本当に動き出したのか?

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最近、とりわけB5判系の自動車雑誌を中心に日産の特集ページがよく見られる。とくに「ジューク」の後継として「キックス」が輸入されるという話が出てからは、秋にモデルチェンジ予定の新型「ノート」と合わせ、今年の日産は注目!なんて記事だ。

まあ、これまで日本市場を軽視した日産へは、珍しく否定的な記事を書いてきた自動車媒体だけど、ゴーン氏の一件(事件)に加え、今回のコロナ禍という非常事態ともなれば、もうそろそろ応援方向へ舵を切ろうかという機運なのかと。

そこに来て、5月28日に行われたオンラインでの決算会見では、「NISSAN NEXT」と称する当面4カ年の計画の発表に合わせ、スクリーンに新型車と思われるシルエット群が映し出された。そこに「フェアレディZ」らしきクルマがあったものだから、メディアはもちろんネットでも騒然となったんである。

で、こいつを記事にしなければ!ということで日産特集は勢いを増し、ある雑誌では「動き出した日産」なんて見出しで巻頭特集を組んだ。もちろん、そこには「これが次期Zだ!」という期待たっぷりの予想イラストが描かれていたわけだけど、しかし、その他にはこれといったニュースが見当たらない。

そこでもう一度先のシルエット群を見てみれば、キックスとZの他にはキャッシュカイ、ローグ、パスファインダーにフロンティアといった、ミドルからラージクラスのSUVばかりで、趣が違うのはノートとEVのアリアくらいと、かなり偏ったラインアップなんである。

 

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当の会見では、これを「選択と集中」と表現したらしい。もっともらしい言い方だけど、この流行り言葉はすでに「金がないので商品と人をカットする」場合に経営者が使う体のいい常套句と認識されており、オイオイ、いまそれを言うかと。

ゴーン氏の事件があったとき、自動車媒体の多くでは「これで日本人がトップに就けば、日産は国内向けに魅力的な商品を出すだろう」という趣旨の記事が踊っていた。外国人経営者が去れば「往年の日産」が帰ってくるなど、ずいぶんお気楽なことを書くなあと思っていたけれど、やはり案の定である。

ズラッと並んだシルエットにZらしきクルマがあったからといって、だから自動車メディアが書くべきは「僕らのZが帰ってくる!」「次期Zは原点回帰か?」なんてことじゃなく、この期に及んで日本には4年落ちの新興国向けSUVの導入か?というツッコミの筈。

なぜって、お金がない状況はいまと同じでも、件のゴーン氏によるV字回復時には「往年の日産」などではなく、3代目マーチや2代目キューブ、ティーダ、シルフィにティアナ、フーガに33型Zなど、優れたセンスと知恵でまったく新しい時代を感じさせるラインナップを展開したじゃないか。

一連の商品は決して内向きの商品ではなく、国内はもとより海外での評判も上々だった。「選択と集中」は容易で分かりやすいけれど、もう少し頑張って魅力あるクルマの可能性を考えてもいいんじゃないかと思うんである。

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コメント

アクシオムさん

いま売りの自動車雑誌でも「日産の反撃の狼煙が」なんて特集が組まれていますね。あれだけスカスカのラインナップを見せられて何をはしゃいでいるのやら。ある意味どん底に落ちたわけですから、それこそゴーン氏のV字回復を上回る計画を打ち出すべきだったのに、結局は選択と集中という負の積み上げを見せられただけですから。2021年3月期も6000億程度の負債という数字が上がっていましたけど、どうして肝心の商品に対する目利きが出て来ないのでしょう?

投稿: すぎもとたかよし | 2020年7月29日 (水) 21時42分

ゴーンさんってぱっと目先を変える機敏さはあったし、それなりにZやGT-Rなどの車両に対する敬意やそれを活かしたブランディングさせる目はあったけど、やっぱり海外のプロ経営者なのかトヨタやマツダのようにしつこい継続性がなく、短期的な結果に終始した経営者でしたね。その割に会社にトップとして君臨しすぎましたが・・・
NISSAN NEXTで発表されたA to Zの中には、すでに海外で実際に市販されたものもあったので、察しがつき過ぎているし、最後のZも噂通りでさして驚きはなかったですね。
2018年から日産、インフィニティブランドで発表してきたコンセプトカーでまだ具現化されていないクルマもあるので、それがどうなるのか?日産のIMsや、インフィニティのQインスピレーションやQ'sインスピレーションなんかは、次世代のセダンとして、どのように電動化させていくのか興味があったのに・・・
電動化を打ち出してきた割に、量産が期待できるクロスオーバーとZだけ見せられても、日産の未来を見せられていませんね。そこに目のいかない自動車媒体は結構終わったものがありますね。まだ経済誌の方が、日産に関する記事としては興味が沸きます。

投稿: アクシオム | 2020年6月23日 (火) 10時48分

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