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雑誌ナナメ読み:「クルマ好き」ってどんな人?



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「STAY HOME WEEK」ということで、自動車雑誌を数冊買い込んでナナメ読みをしてみる。考えてみれば、何とも贅沢な時間だ。

で、久々にじっくり記事を読んでいると面白い内容に出くわす。いま、各雑誌では「トヨタ・ヤリス VS ホンダ・フィット」的な特集が展開されている。発表時期が重なった同クラスのクルマであり、性格付けが異なる2台ということもあって、特集としてはうってつけだ。

話としては、おおよそオールマイティなフィットに対し、走りに振ったヤリスということになっているんだけど、某B誌でのふたりの評論家による比較記事に「おや?」という内容が見つかった。

M氏とN氏による比較試乗。M氏は先のような比較的真っ当な結論に落ち着いているんだけど、N氏は走りの楽しいヤリスを推し、逆方向のフィットに渋い評価を下した。べつにそれ自体はいいんだけど、そのNG点がすごい。

・スタイリングは好みの問題だが自分は嫌い。実用的フォルムはクルマ好きに響かない
・タイプRの話がないのはダメ
・スマホ的なインパネや2本スポークのステアリング、女性仕様のような内装などは、F1をやっているメーカーとは思えない
・女性や初心者に優しいアクセルレスポンスはクルマ好きにピンと来ない

実に分かりやすいというか、ある意味とても正直だ。それだけに読んでいて辛いなあ、と。

スタイリングについては、もちろん「好き嫌い」の前にまずデザインとしての質、クオリティの問題がある。だから、ユーザーが好き嫌いを語るのはいいけれど、プロがそれじゃダメだ。しかも「クルマ好きに響かない」って、一体どこの誰を指しているんだろう。

タイプR云々は、そういう「ホンダ=スポーティ」という短絡的な発想や発言が、ここ数年のホンダをいかに混迷させたかを自覚するべきかと。これまた走り大好きのユーザーはともかく、評論家が書いてしまうのはどうなんだろう。

さらに、新型フィットのインテリアが「女性仕様車」みたいという発想は、どうにも時代錯誤的というか、自分の感性が小学校の3年生くらで止まってしまったと告白しているようなものだ。男子はカッチョイイのが好き、みたいな。

ステアリングについては、実は少し前に別の有名評論家も「新型フィットは売れない。なぜならステアリングが2本スポークだから」と信じられないことを書いていた。ま、ある世代以上にとっては安物の象徴だというのは分かるけど、肝心なのはインテリア全体の出来であって、2本か否かが問題じゃない。

この件、先日フィットの取材の際にたまたまデザイナー氏と話題になったのだけど、彼は失笑を隠せない様子だった。実は2本の方が日常使いやすい場面もあるという点はともかく、いまどきそんなことを言う人がいるんですね、と。

ジェントルでスムーズなアクセルレスポンスにピンとこない「クルマ好き」というのもスゴイ。これまた一体どこの誰のことなのか? 先のスタイルの件も含め、クルマ好きの定義の狭さが尋常じゃない。

要は、評論家としての能力がアップデートされていないと。クルマの進化は要求するのに、自分自身が更新されていない。「いつまでもクルマ好きの少年の心を」と言えば聞こえはいいけれど、作り手から失笑を買うようなことではダメなんである。 

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コメント

ジェイさん

無料購読できるんですね。ホンダがスポーティと思っているのはおっしゃる通り年配層か、もしくはマニアックな若者くらいでしょうか。それもユーザーならべつに構わないのですが、評論家はチョットどうなのかなと思いますね。たしかにクルマ雑誌の内容は慣用句的というか、決まったフレーズが多いですね。何とか自分の言葉を探して・・・というのはごく一部の方だけです。「リニアな反応」とかどこにでも書いてありますね(笑)

通りすがりさん

そうですね。自転車にエンジンを付ければ庶民は楽になる・・・という出発点ですからね。まさに創意工夫ですね。もちろんスポーティな面を否定はしませんが、それはあくまでも一面なんだと思います。フィットの内装については、何しろ記事にして公に出してしまうんですから本当にそう思っているということですね。残念です。

投稿: すぎもとたかよし | 2020年5月 9日 (土) 16時54分

ホンダ=スポーティ、スポーティーじゃない車はホンダっぽくない、という風潮には強い違和感があります。確かにF1やタイプRもホンダらしさの一面ではありますが、どちらかというと創意工夫を盛り込んだ愛嬌ある実用車作りこそホンダの根幹にあるような気がしているので、今回のフィット4はすごくホンダっぽい車だなと思っていました。少なくともフィット3よりは余程ホンダらしさを感じます。
それにしてもあのインテリアを見て「女性仕様のような内装」って言っちゃう感性は相当やばいですね。自動車評論家うんぬんを差し置いて、人間としての価値観がアップデートされていないのではと感じてしまいます...。

投稿: 通りすがり | 2020年5月 5日 (火) 08時48分

ホンダ=スポーティだと思っている人は多分40代以上じゃないでしょうか(笑)それより下だと家にあったオデッセイやステップワゴン、もっと下だとN-BOXで軽自動車メーカーのイメージが強いですよね、おそらく。
自動車専門誌、kindleで無料購読できるんですが、もうほとんど狭い業界内の内輪ウケみたいな内容になっていて一回ざっと読んだらもういいや、みたいなものばっかりに感じます。「乗り心地が硬い」というなら、なぜ固いのか、タイヤなのかサスペンションのセッティングなのか、あるいはそもそも容量が足りないのをごまかしているだけなのか、専門家ならそこまで分析してほしい、と思います。でもたいていのインプレは「硬い、スポーティ」で思考停止してしまっているんですよね・・・某氏のようになんでもかんでもダンパー、ダンパーというのは論外ですが。
唯一、「モーターファンイラストレイテッド」ぐらいでしょうか、毎回読み応えがあるのは。

投稿: ジェイ | 2020年5月 4日 (月) 09時29分

アクシオムさん

K沢さんって、そんなにマツダに辛いのですか? F木さんはコロナ前の試乗会ではしばしば見かけましたね。交通と言えば、以前取材した楠田悦子さんという女性がMaaSなど次世代の移動手段について活躍していますね。ハードが好きなら、せめて次世代超小型車の取材くらいしてもよさそうです。でも、このコロナによるメーカーの減益によって提灯度合いが加速するのは間違いないですね。

投稿: すぎもとたかよし | 2020年5月 2日 (土) 23時26分

もう自動車専門雑誌の「評論家」と称しておられる方々は、めちゃクチャですね。
特に高齢の方々の場合、老害を通り越して暴走。K沢さんのマツダ副社長に対するブラックサタン呼ばわりは、マツダへの批判を通り越して̪私怨を感じますね。
自動車に乗ることに長けていても、自動車そのものを観る目がそもそも偏っているんでしょうね。
最近では、自動車雑誌の凋落だけではなく、経済誌で自動車の特集を組んでも部数が稼げないようですね。
自動車専門メディアが他の産業、アイテムと比べて、メーカーとの付き合いで特異過ぎるんですよね。
例のF木さんのメルマガも、メーカー攻撃系のメルマガに変貌して、過去の自分の経歴自賛とK沢さん以上の私怨に満ちたものになり下がっています。
せっかく物流関係で生計を立てているのであれば、物流と自動車とのあり方をレポートでもすれば、実体験としてすごく有意義なものになるのに。
いつまでも自動車というハードばかりに捉われず、もう少し交通とか物流に視野を広げてモノを見ないとジャーナリストとして存在する意義がないでしょう。

投稿: アクシオム | 2020年5月 2日 (土) 23時03分

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