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雑誌ナナメ読み:クルマの魅力はどこにある?

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「STAY HOME」での自動車雑誌ナナメ読み。緊急事態宣言の一部解除もあったし、一旦最後として今回はメチャメチャ軽いノリで。

B誌での巻末特集は「定番人気モデルの歴代BEST & WORST」。売れてる車種について、歴代の中での一番とビリを評論家が決めるというまさにお気楽企画だ。十人十色とはいえ、同じクルマ好き、クルマ関係者であればそう意見は違わないだろうと思うけれど、そうでもないところが面白い。

まずはK氏によるトヨタ・ヴィッツ。ベストが最新のヤリスというのは、WRCなどレース好きの氏を考えればまあ順当だろう。HVの好燃費もお気に入りとか。しかし、ワーストが初代っていうのがちょっと。

氏によれば、ヴィッツは過去3代とも数多く売れたけれど、クルマとしてこれといった特徴はなかったと。飛び抜けた魅力を持っていなかった歴代で、まあ初代がワーストだというわけだ。

いやいや、スターレットなど従前の中途半端なトヨタのコンパクトカー作りを一新させたのがその初代だ。欧州スタジオによるスタイルはいまでも通用する傑作だし、パッケージやインテリアも秀逸で、これがトヨタ車?と思わせたほど。そりゃあモータースポーツでの活躍はなかったけれど、だから凡庸とするその感性には驚くばかり。

お次はホンダ・フィット。まずベストが先代の3代目というのにも驚いたけど、ヴィッツ同様ワーストが初代というのに再び驚愕。先代はガソリン車の燃費のよさと、やはり1.5リッターのスポーツグレードがよかったそう。逆に、新型はスポーツグレードがないのでホンダらしくないと、先日の某氏と同じ感覚だ。

そういう意味で、とりわけ初代には何の特徴もないということかと。しかし、これまたロゴなどという貧相なモデルから、まったく次元の異なるコンパクトカーを打ち出したのが初代なんである。広大な室内空間とスマートなスタイルを両立させた発想こそホンダらしさじゃ?

R32

 

日産スカイラインを担当したのはK氏。ベストを8代目のR32型とした気持ちは分かるけれど、ワーストが11代目のV35というはいかがなものか。しかも、その理由がメカニズムを変え、丸形テールランプを止めることでスカイラインを窮地に追いやったというからスゴイ。

スカイラインを、ある種の固定概念により迷路に追い込んでどうにも身動きが取れなくなったのはR33、34であって、V35はその呪縛から解き放った「真っ当なクルマ」だった筈。丸形テールがどうのこうのなんて、時代に取り残された一部のファンみたいなことをプロが書くとは驚きだ。

最後はM氏によるスバル・フォレスター。ベストは現行の5代目で、やっぱり初代がワーストというのは先のヴィッツと似た話だ。レーサーでもあるM氏が絶対的な性能を重視するのは分かるけれど、それなら最新技術の現行モデルが常にいちばんなのは当たり前だろう。

けれども、クルマはそういう単純な性能値だけで語れないからこそ面白い存在なのでは? その意味で、レガシィ同様SUV的なパッケージと走りのよさを両立させた初代の功績は大きい筈。もちろん、シンプルなスタイルは、悪化を続けるいまのスバルデザインとは大違いでもあるし。

まあ、そもそもこの記事自体が軽口な感じなんだけど、それにしてもビックリ判定の何と多いことか。これがファン投票なら納得もするけれど、何たってプロの評論家の裁定なんである。これまた先日書いたとおり、書き手としてのアップデートが行われていないということなんだと思う。

あ、お前の判定こそおかしいだろ、という声については特段反論しないので。

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コメント

ネコさん

おっしゃる通りですね。何の世界であれ、プロというのはそうでない人の想定を上回るコトやモノを提供するものだと僕は思っています。それは表現力も然りですね。しっぺ返し。たとえばもう誰も相手にしないカーオブザイヤーとか、すでに返されていると思いますよ。

投稿: すぎもとたかよし | 2020年5月24日 (日) 14時43分

クルマは常に進歩してるわけですから、クルマの価値は「歴史的」になってしまうものですよね。歴史的評価が他の評論家や一般人と違っている理由が「他者と差異つけるため」だったら残念です。他者と歴史的評価が同じでも、新しい視点や「読ませる文章」書くことは十分できるしその努力を怠ってるようにしか思えないですね。書き手は常に読者をイメージしてる思いますけれど「これくらいお気軽な文章でないと」と思ってるなら大きなしっぺ返しうけるんじゃないかと。

投稿: ネコ | 2020年5月24日 (日) 08時50分

Perさん

ウソみたいですよね。そういうこと書いたらどんだけ呆れられるかも分からないところが驚きです。お気楽かもしれませんが、やっぱりバカにされるのは嫌ですよね。

たなかさん

おっしゃる通りで、ジャーナリスト、もしくは評論家でなく、単なるオタクなんだと思います。普通、ジャーナリストの言動には自分には届かない想定以上のものを期待するものですが、逆にここまで想定以下だと言葉を失いますね。

アクシオムさん

各々のジャーナリストなり評論家の判断基準がそれぞれであってもいいと思うのですが、それはそれとして視野は広く持った上で話をしてほしいですよね。そこしか見えない、見ない・・・というのはチョットどうかなと思います。資格はないですが、現実的に大きな媒体で仕事しているわけですし・・・。

投稿: すぎもとたかよし | 2020年5月23日 (土) 14時06分

判断基準が性能なのか、エポックメイキングなところにあるのか、その車の歴史による情緒的なのかによりますね。
V35スカイラインは、その後の日産FRの新しいフォーマットを創っただけではなく、インフィニティブランドの再構築や、FRパッケージのフォーマットを他メーカーにも影響を与えた点で評価はできますね。
しかし、実際に当時乗ったV35の質感は走りにしても、インテリアの材質にしても結構チープではありました。評価なんてそもそもあやふやで、時が経ってもう一度乗りなおすとやっぱり違うし。それでも不変なものもある。
そもそもジャーナリストに国家的な資格なんてないし、評価に確固たるものがあるわけではない。昔は、それこそ徳大寺さんなんて人がいたからそれなりに「徳さんがいうなら・・・」ってものがありましたが、現代はインターネットからSNSになって、一般人が普通に評論できちゃう世の中です。ジャーナリストは評論をする前に、持っている専門的なスキルや知識を我々にかみ砕いて説明できるかにありますね。そのうえでジャーナリストが持つセンスがどんなものなのか試されている気がしますね。

投稿: アクシオム | 2020年5月19日 (火) 21時29分

私も同じ感想で、読んでガッカリしました。特にヤリス、フィット、スカイラインの判定基準はホントひどいですよね。ジャーナリストなのに視野が狭いオタク感が残念すぎます。

投稿: たなか | 2020年5月19日 (火) 17時58分

ウソでしょ、ヴィッツの初代がワーストだなんて・・・
大阪府の吉村知事の言葉を引用すれば・・・「お気楽な立場だよ」 (自動車評論家は)

投稿: Per | 2020年5月17日 (日) 13時20分

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