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クルマの他:高畑勲氏を偲ぶ会に行く

Photo何年ぶりかの「クルマの他」です。クルマの話じゃないので、興味のない方は飛ばしてください。

アニメーション監督、高畑勲氏を偲ぶ会に行ってきました。といっても、宮崎駿氏が挨拶をしていたジブリ主催の”正規版”ではなく、現場の仲間たちが開催した、いわば手作りの会です。

出掛けたのは、もちろん氏のファンだったから。小学生の頃、映画「太陽の王子ホルスの冒険」に感銘、第一シリーズの「ルパン三世」にも同じ空気を感じ、そのまま「アルプスの少女ハイジ」のクオリティに驚き。どうも一連の質の高い作品には、高畑とか宮崎なんてクレジットがいつも入る。その勘は「母を訪ねて三千里」で確定的となり、「赤毛のアン」ではすっかり知識として踏まえた上で観ていました。

森やすじ氏以降の愛らしいキャラクターを使いながら、しかし大人の都合や社会の現実を隠すことなく描く作品群は、同じ制作会社でも別スタッフによる”甘い”番組と明らかに一線を画すものでした。宮崎氏のように、アニメーターからの演出組ではなく、東大卒業後に当初から演出志望で業界に入った氏の構成・表現力は、自身で絵を描かないからこその漫画映画然としていないところが魅力。

会は、懐かしい作品や当時の貴重な記録映像とともに、現場をともにしたアニメーターの才田俊次氏、小田部羊一氏、昨年「この世界の片隅に」がヒットした片渕須直氏らがゲストトークを。東映、Aプロ、OHプロ、日本アニメーションなど、制作会社名とともにクレジットされた作画陣の生の声を、40~45年を跳び越えていま目や耳にするというのは、実に不思議な感覚でした。

出演者は仕事としての当時を語りますが、僕はいち視聴者として当時の記憶を思い起こすことになります。それは単なる映画やTV番組ではありますが、自分自身の相当な部分、大げさに言えば「価値観」を形成したとも言えます。会に参加して、いま一度それを認識したというか、当時の感覚を改めて肯定することができました。まあ、最近仕事に疲れていたこともありますが、実に貴重な時間を過ごしたのは間違いないようです。

ジブリ以降、氏の作品はある種の思想が強く反映され、あるいは相当に実験的なアプローチをとりました。僕には敷居の高かったそれらの作品が、フランスをはじめとした諸外国で評価されたのは興味深いところです。

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雑誌記事:旧車コラムの掲載です

Photoネオクラシックのデザインコラムが掲載になりました。

資料が手元に届くまで時間を要してしまい、すっかり掲載が遅くなってしまいましたが、35回目の今回は初代のマツダ・デミオです。

ときめきのデザインの後にしては実に堅実なスタイルで、どこか初代のフェスティバに通じるなあと思っていたけれど、やっぱり当時のスタッフは「フェスティバ再び」という考えでまとまっていたようですね。多チャンネル化失敗の立て直しに当たっては、なるほどこういう思考になるのかと納得です。

意外といえば、チーフを務めたのが現デザイン本部長の前田育男氏だったということでしょうか。ズームズームな3代目を手掛けたとは聞いていたのですが、初代もとは。まあ、その時々の状況に応じて何でもできるからこそチーフなんでしょうけど。

こうして初代を振り返ると、いまのマツダがこうしたカジュアルなクルマを作ったらどうなるか、というのがチョット興味のあるところですね。べつに安普請ということじゃなくて、方向として道具的な表現をいまの力量でやったらどうなるか?

そんなことを考えつつ、よろしければ下記のサイトにてご覧ください。

(クリッカーサイト)

https://clicccar.com/2018/05/21/591555/

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新車心象風景:VW・ポロ

Img本当に、モデルチェンジは難しいものだと思うんである。

新しいポロのモデルチェンジに、何か間違いがあるわけじゃない。昨今の流れに沿って「長く、広く、低く」な変更もきっと正解なんだろう。さらに、プラットホームはVWの最新版となったそうで、まさに盤石の進化なんである。

けれども、日本市場ではどうしても5ナンバーの話は出るわけで、メディアでは、新型の情報が入ると「いまのうちに現行車を買っておいた方が」「駆け込み需要がおこっているらしい」なんて記事があちこちで見られたんである。

で、僕も先代に好印象を持っていた一方、新しいポロにピンと来るものはない。ただ、それは単に3ナンバーになってしまった、幅が1700ミリを越えてしまったということじゃあない。それを含めて、全体の佇まいが変わってしまったからだ。

先代は、5ナンバーサイズの中で、コンパクトさに加え、合理的なパッケージングと堅実さを追求したスタイリングだった。だから、過度にワイド感を演出するようなこともなく、端正なフロントランプや正方形に近いリアランプは適度な縦横感を生んでいた。

クルマには、そうした3サイズの絶妙なバランスによって生まれるクオリティ感があると僕は思っている。質感を感じる佇まいと言ってもいい。豪華さ云々とは異なる、もっと本質的な質感だ。先代にはそれが確実にあった。前方から走って来ると「お、あれは?」と思わせる独自のシルエットが。

新型にはそれがない。変更されたサイズどおり、低くワイド感を強調したボディにポロとしての個性はなく、単にひとまわり小さいゴルフになってしまった。意図不明の波形のアクセントが入ったフロントランプはトロンとしていて、ボディ全体をよりボンヤリさせる。

もちろん、高いプレス技術を訴えるキャラクターラインをはじめとした作りの良さは一目瞭然。カラーパネルを使ったインテリアも含めて、もはや「大衆車」の次元じゃない。コンパクトクラスでも手を抜かない姿勢に、いまのVWの勢いを感じる。

けれども、それは先のようにクルマ全体の佇まいを左右させるものじゃあない。小さなゴルフ感こそ増すけれど、個性を磨いたりはしない。

豪華にはなったけれど「らしさ」が消えたというモデルチェンジは少なくない。その「らしさ」の内容は様々だろうけど、ポロについては、3サイズが醸し出すコンパクトカーの質感と佇まいだった。だから、やっぱりモデルチェンジは難しいんである。

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新車心象風景:ボルボ・XC40

Photo_2XC40は、久々に感心してしまったスタイルなんである。

コンセプトカーとして「40.1」と「40.2」が発表されたときに、このブログで「これは期待できる」と書いた記憶があるけれど、ほぼそのままの姿で出てきたわけだから、感心するのは当然ということかと。

ボルボスタイルを統括する新しいデザイントップが元VWグループ、とりわけシュコダで腕を振るっていたと聞けば、なるほど新90シリーズ以降のシンプル路線も腑に落ちる。もともと堅実なデザインを貫いていたボルボだけど、そこに磨きをかけ、さらにVWとは異なる種類の上質感を与えたのが上手い。

勘違いをして欲しくないのは、XC40が昨今珍しい、懐かしの直線基調だからいい、という話じゃないことだ。直線、曲線の話じゃなく、あくまでもまとまりの問題なんである。デザインのテーマが全身に行き渡っていて、破綻がないのはもちろん、表現したかったであろう意図が瞬時に理解できる。そのアプローチには無駄がない。

先のコラムで、新しいトヨタのRAV4やスバルのフォレスターのことを散々に書いたけれど、あれもこれもと盛ったり、おかしなラインを引いてテーマがボケまくっているところで、「これが当社のデザインフィロソフィだ」と声高にアピールすることが、いかに稚拙かということがよく分かるだろう。

さらに上手いのが、90、60、40と、単に大きさだけを変えるのではなく、それぞれに違ったテーマを持ち、その上で共通のイメージを持たせているところだろう。カジュアルなスニーカーをイメージするXC40は軽やかだけど、トータルなシルエットはXC60に極めて近い。近いけれど別の個性がある。

その点では、たとえばドイツプレミアムやフランス勢も、しっかり丁寧に作り込んではいるものの、いまひとつ明快な個性が打ち出せていない中、XC40のインパクトは大きかったと思う。だから、欧州イヤーカー受賞も順当なところだ。

個人的には、「40.2」ことS40(仮)により興味がある。流行のコンパクトSUVが各メーカーで個性を競い合っている中、いまセダンには新しい提案はほとんど見られない。そこにXC40級の風が吹くとしたら、間違いなく面白い展開になるだろうから。

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雑誌記事:アクアの女性仕様車について聞く

Photo自動車サイト「クリッカー」での記事が掲載になりました。

今回は、先日発売されたトヨタ・アクアのコンプリートカー「リルヴィー」について、開発スタッフへのインタビューです。

このクルマはトヨタ系列のモデリスタによる企画で、20代後半から30代前半の女性をターゲットにした特別仕様車です。何でこのクルマについて取材をしたかというと、個人的に女性仕様車に興味があるからです。

といっても、単にそういうクルマが好きということではなく、メーカーが女性に対してどのような視点を持っているかに興味があるということでしょうか。昔はピンクのボディカラーとかテニス用品のブランドロゴがシートに入ったものとか、いわゆる男目線での一方的な女性仕様が大半だったものが、どうやら最近は「ちゃんと」しているらしい。

じゃあ、そのちゃんと具合はどんなものなのか?ということですね。まあ、本文のとおり今回は「大人の女性」を意識したということで、彼女たちのリアルなファッション感覚に迫ったということのようです。それは大よそ的を外していないようですが、しかし、そもそも女性向けってファッション云々ということでいいのか?

そんな気持ちで取材をしました。お時間がありましたら下記サイトにて。

(クリッカーサイト

https://clicccar.com/2018/05/02/585061/

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