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モーターショー、日本車イッキ評(その1)

20180306_01_01_s年明け以降ポンポンと続いたモーターショー。出品車のデザインについて雑感を、と思っていたらすっかり遅くなってしまった。例によって、写真を見てのものだけど。

まず、今回はジュネーヴショー。

トヨタの「GR Supra Racing Concept」は、雑誌のスクープ記事で、BMWのZ4とのあまりの違いに「まさかね」などと思っていたところだけに、ちょっと驚きだ。

無理矢理なフォーミュラ顔に、リアに向けてグニャリと盛り上がるサイドラインの気持ち悪さは、レーシングパーツをまとっても隠せなかった。何ともテーマが見えにくいスタイルは、鳴り物入りで登場したハチロクの残念さを再びといった感じだ。それにしても、何でトヨタはスポーツカーの開発や生産を他社に任せるんだろう?

500_2019toyotaaurishybrid01「オーリス」は、これはもういまのトヨタのデザイン体制は本当にダメなんだな、という確信を持たせるスタイル。「顔ばっかり凝る」キーンルックは、異様に引き延ばしたランプと、上から下から交差する鬱陶しいグリルがいつものとおりで、これ以外に引き出しはないのかと。

 一方でキャビンには何の特徴もなく、思い付きのようなキャラクターラインもまたボンヤリ。ツートンのカラーリングも、ボディの退屈さをごまかすための後追い処理としか思えないんである。

20180227_02_01_s人気の小型SUVに送り込む「レクサスUX」は、なかなかに理解が難しい。LSなど、巨大なスピンドルグリルとボディの組み合わせ方がようやく見えて来たかと思えた昨今。その後の加速を期待したものの、このUXにそういう進化は感じられない。

 極めて常識的なシルエットのボディに、妙な線や面を盛り込むだけの繰り返しで、たとえばドアミラー下から前にのびるラインと、リアクオーターからダラリと引かれるラインの関係がサッパリ見えないものその例だ。ひし形をこねくり回したかのようなフロントランプは相変わらずのディテール重視だけど、そんなんでいいのかなあ?

18030602_inline01シリーズものとされる日産の「IMx KURO」は、たしかに一連の流れを感じる佇まいや細部を持っているし、自慢のVモーションをはじめ、面の磨き込みにも進化を感じる。さらに、前後ランプやピラーには、現在の同社のデザインモチーフが織り込まれているのも見て取れる。

 けれども、この1台にEVや自動運転技術、最新のデザイン、人気のクロスオーバースタイル、加えて日本の和を意識したなどと言われても、だから何なんだ、となってしまう。この集約具合がいまの日産らしいけれど、もっとリアルな次元での魅力的な提案がほしいと思う。

Ml01801010これもシリーズものの、スバル「VIZIV TOURER CONCEPT」。スバルのコンセプトカー、とりわけワゴンタイプはずっと以前から魅力的なものが多く、国内メーカーの中でも群を抜いていた。その点、このツアラーコンセプトもその流れにはあると思うけれど、例の「DAINAMIC×SOLID」が邪魔をしている。

そんなお題目を唱えなくても、スバルのコンセプトカーはダイナミックかつソリッドだったわけで、余計な力が入っている分、たとえばフロントの猛烈な煩雑さや、過度にウネったサイド面などの弊害が出てしまった。ここはもっと素直に取り組めばなあ、と思うんである。

では、次回はデトロイトショーについて。

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コメント

Z4はスポーツカー路線に振り切った分ボディ剛性に余裕が有るのならオープントップで良くね
と云う発想だと思いますが
そのバランス感覚は素晴らしいですね

投稿: muku | 2018年4月16日 (月) 06時14分

今年は行けなくなったジュネーブショウ。話題は多かったものの、インフィニティ、DSなんかが欠場したので行かなくて良かったのが実感でしょうか。
スープラは、レーシングモデルから出してしまうのはいかがなものか?正直、これならコンセプトカーか、開発モデルのカモフラージュ仕様の方がいいと思います。なんだかよくわからないデザインなのに、市販されるまでにデザインが見慣れていて飽きちゃいそうですね。
オーリスは、仰る通り鬱陶しいデザインですが、質感はそこそこ感じます。でもそれならもっとシンプルにしたほうが質感に説得力がありますね。
レクサスUXは、CTを止めてコンパクトカーをUXに移行させるんでしょうか?ヘッドランプの構成がLSや新型ESと違いますね。上級セグメントとヘッドランプのデザインを違えるんでしょうか?
日産IMx KUROは、がっかりの何物でもないですね。将来の日産クロスオーバーを予告するクルマなんですが、ツインモーターでAWDという高性能EVの割に、デザインにそれが表れていないのが残念ですね。そこへ来てKURO仕様って・・・次期ジュークを出してこなかったことが疑問ですね。
VIZIV TOURER CONCEPTは、デザインフィロソフィーであるダイナミック&ソリッドのソリッドという部分が、相変わらずソリッドじゃないんですよね。
スバル本社のギャラリーで開催されていたデザイン展に行きましたが、あれはどーみてもデザイン本部長の実績お披露目展ですよね。

投稿: アクシオム | 2018年4月21日 (土) 23時10分

mukuさん

BMWデザインは次のジェネレーションに入りつつありますね。しばらく保守な姿勢にあったので今後が楽しみです。

アクシオムさん

スープラは仰る通りよくわからない。というか、モータースポーツ好きの社長さんの意向なのかもしれないですが、もっと全体を見て考えた方がいいでうね。日産はコンセプトカー自体もそうなんですけど、妙なカッコつけと、そのわりに1台で済ませようというこれまた妙なコスト意識みたいのが気になります。スバルのイベント、まったくその通りです。トークショウもなかなか残念でした。

投稿: すぎもとたかよし | 2018年4月25日 (水) 07時34分

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