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新車心象風景:スバル・インプレッサ

Imp16901s売れているんだからいいじゃないか、と言われればそれまでなんだけど。

新しいプラットホームで走りの性能を磨き込んだ新型は、好調スバルの基礎固めを目的としたんじゃないかと思わせる。目新しさのないエンジンやミッションなどは、まあ追って何とかしますということで。

けれども、佇まいの第一印象は「代わり映えしないなあ」というものだった。

北米向けに大きくなったレガシィの代わりとして投入されたレヴォーグが、果たしてインプレッサのワゴンにしか見えなかったところからオヤ?と。そうなれば、インプレッサ派生のWRXやXVもそっくりで、何だスバルは車種がいろいろあってもみな同じじゃないかと。

もともとレヴォーグとインプレッサでは車格の違いのようなものがあったけれど、モデルチェンジで高品質化を進めたら差がなくなってしまった格好だ。じゃあ、次のレヴォーグはさらに大きく豪華に、では本末転倒だろうし。

同じ中堅メーカーでは、マツダが下からデミオ、アクセラ、アテンザと整理された構成を持っているのとは対照的だ。スバルの場合、仮にエンジニアリング的にサイズを大きく変えることができないのであれば、車型自体を整理すべきかと思う。

たとえば、レヴォーグをワゴンとするなら、インプレッサはハッチバックとセダンとし、WRXとXVを統合する。ショートワゴンであるスポーツはレヴォーグと重なるので、ゴルフと真っ向勝負できるような明快なハッチを想定する。ということでWRXとXVはやめる。

それではあまりに車種が少ないよ、ということであれば、売れ線のコンパクトミニバンを作ってはどうか。フリードやシエンタのように使いやすいボディで、スバルらしいオリジナルデザインなら、3ナンバーでも結構受け入れられるんじゃないかと。

で、それぞれに個性を与えるのがデザインの仕事なんだけど、「ダイナミック&ソリッド」を標榜した新型インプレッサが、結果「代わり映えしなった」のがツライところだ。

本当は、ボディに線を入れてソリッドなんてことじゃなく、もっと全体の構成から新しいスバルデザインを練り直すべきだったと僕は思う。車台が変わる今回はとくにいいチャンスだった筈。

だいたい、「これからはデザインに力を入れる」なんてスバルは言うけれど、たとえば4代目あたりまでのレガシィや初代のインプレッサの方が、いまよりよほど優れたデザインだったじゃないか。もちろん、軽のRシリーズもしかり。

ショーカーも、一時期のスバルのワゴンコンセプトなどは、向かうところ敵ナシの圧倒的な先進性と完成度を誇っていた。それが量産に反映されないのが残念だったところ、今度はそのまま反映させますよとなったら、コンセプトカー自体が凡庸になるという珍現象だ。

だから、「従来は嫌われないデザインに止めた」とスタッフが総括してしまう感覚が僕にはわからない。よもや、外部デザイナーが関わったクルマは消し去りたいという話なのか?いずれにしても、それら歴代車の実績や可能性についての考察があまりにも欠けている。

レヴォーグ、インプレッサ、WRX、XVを整理し、それぞれにまったく新しい個性を与える作業は、やりがいのある、実に創造的な仕事だ。それだけに、そこには確固たるプロフェッショナルな人材が必要なんだと思う。

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コメント

フリードやシエンタのように使いやすいボディで
スバルらしいオリジナルデザインを目指そうとしても
トヨタから
じゃシエンタ売っとけ
って云われて終わる様な気がします

投稿: muku | 2017年1月23日 (月) 19時08分

スバルの新しいプラットフォームSGPってやつですね。これはトヨタのTNGAやマツダのスカイアクティブと違って、基本性能を上げるという意味では同じようですが、プロポーションを刷新するとか、低重心を目指したものじゃないですよね。そもそもボクサーエンジンは低重心なのに、エンジンの搭載位置はそんなに低くないんですよね。ホントに低重心を狙うならトヨタと共同開発した86/BRZを基本に新しいプラットフォームを構築するべきだったかと…そうすれば、低重心だけじゃなく、フロントのオーバーハングを短くすることもできて、相当プロポーションを刷新できたかも知れません。
車種構成は確かに一考ありですね。スバルは、インプレッサから車種を派生させるうえで、共用すべき部分と、オリジナルで行くべき部分の仕切りがうまくないですね。車種構成には、きちんとしたマトリックスが経営の面でも、ブランドの面でも必要かと・・・それにはデザインを含めたブランドを統括する役員が、日産やマツダのようにいないと駄目なのかも知れません。

投稿: アクシオム | 2017年1月23日 (月) 21時10分

インプレッサ試乗してきました。スバルにあまり興味のない私としては、外観からはインプレッサもレヴォーグも較べてみないと違いがよくわかりませんが.........。どちらもゴテゴテし過ぎているように思いますが。 以前インプレッサのCVTで-15点と書きましたが、CVTのできが良かったので5点プラスして-10点ぐらいでもいいかと思います。エンジンは(2Lを試乗しました)やはり旧態依然としており排気量程のパワーは感じられず-15点のままです。最小回転半径が5.3mと車のサイズの割には小回りがきかないこともマイナス材料です。内装も質感はまあまあですがデザインセンスはあまり好みではありませんでした。ボディは結構しっかりしていますがそれ以外は評論家の先生方の言われる程の素晴らしさは残念ながら感じることはできませんでした。

投稿: pottsy | 2017年1月28日 (土) 15時43分

mukuさん

トヨタとの関係はいまのところ悪くないと思いますが、何がユーザーのための提携なのかはしっかり考えないといけないですね。

アクシオムさん

基本的なプロポーションも、ミッションやエンジンも後回しというか、アイサイトのような短期的な購入理由にはならないという判断なのかもしれないですね。車種も名前が違えばいいんだというような。まあ、何しろ売れているので・・・。

pottsyさん

スバルにとってのCVTはやっぱり思い入れがちょっと違うんでしょうね。デザインがゴテゴテというのは余計な面構成のせいかと思います。

投稿: すぎもとたかよし | 2017年2月 4日 (土) 17時04分

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