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雑誌ナナメ読み:過去は振り返りません?

190eなかなか難しいんだなあ、と思ったんである。

復刊した「モーターファン」の第2号、金子浩久氏のコラム『ニホンシャのあともうひと押し!』が興味深い。

話は、おそらくメルセデス・ベンツのヤングクラシック・リフレッシュプログラムと思われる例を出し、日本のメーカーも自社のクラシックカーを復元する部門を設けるべきだというもの。旧車イベントが全国で活況であることを受けての提案だ。

同プログラムは、劣化した愛車を持ち込めば、予算に応じてメーカー自身がレストアを行うもので、ドイツ本国に引き続き日本にも導入されている。レストア自体は珍しくないけれど、メーカー基準で行うという点が肝だ。

こうした制度は、自車オーナーを大切にする面と同時に、その姿勢自体がメーカーの評価を上げ、新車販売も含めた経営全般にいい結果をもたらす意図もあるかと。

けれども、金子氏からこの提案を聞いた国産メーカーの開発者が、想像以上に無関心、無理解であったことをこの記事では嘆いている。「1000万、2000万円も出して修復するようなクルマはそもそも売っていない」「そんなことをしたら新車が売れなくなる」といった。

数年前、実は僕も似たような提案を雑誌に書いたことがある。僕の場合は愛車の持ち込みレストアではなく、メーカーが新車同様に復元した中古車を「リフレッシュカー」として販売してはどうかというもの。とくに日常使いに苦のない80年代車以降であれば、新車と同じくらいの価格でも買う人は少なくないだろうと。

けれども、この提案に対してもメーカーの反応は先と同様「新車販売に影響がある」で、同時に中古車販売への関心がそもそも恐ろしく低く、とにかく新車しか興味がないといった感じだった。

博物館を作ったりオーナーイベントに参加したり、クルマ文化を作り出すような格好はするけれど、この手の話になると意外に関心や理解が足りないことが露呈してしまうんである。

もちろん、欧州のプレミアムメーカーに比べれば、日本車は薄利多売の傾向が強く、あまりのモデルの多さに文化も何もないような気配はある。ただ、そうであっても数十年前の旧車を大切にしているオーナーはいるし、2000万円はともかく、新車価格の150万、200万円ならレストアも十分現実的だとするオーナーも少なくないと思う。

金子氏の提案は、いまならさしずめマツダあたりが手を挙げるか?なんて感じだけど、もちろん車種数はトヨタや日産が圧倒的。「ワオ!」な新車や熱心なグローバル化もいいけれど、自社商品の歴史的価値に自ら光を当てることも忘れちゃいけない。

サラリーマンをやっていると、自分の会社の事業に対しては、かえって外部にこそ熱を持った人がいると思わされることが結構ある。まあ、会社は給料をもらえればいい、決まったことだけやっておこう的な発想は珍しくないし、逆に一生懸命に過ぎて視野が狭くなることもある。

今回の提案は、10年10万キロストーリーを書いた金子氏ならではのものだけど、だから、それを引き受けられるのは現場よりも、むしろトップの方なのかもしれない。トップがクルマ好きかどうか? いや、クルマをどれだけ幅広い視点で見ているかという点で。

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クルマ散策:四国ミニ・ツーリング

Img_2701四国への出張後、ちょっとドライブをしてきました。

出張は高松、徳島。終了後に振休をもらって高知、愛媛をミニ・ツーリングした次第です。パックで借りたレンタカーはトヨタのヴィッツ。もちろん廉価版ですが、妙にいかつい顔は最新型の証。

初日は徳島道を使って高知へ。ボディはしっかりしたヴィッツですが、走行中ゴワーンとドラム缶の中にいるような響きがあるのは、なぜか日産ノートと同じ。

驚いたのは、水たまりを走ったときの、バシャンとダイレクトに室内へ響く大きな音。何やら洗濯機の前にいるような感じ。ドンガラに響くのと、たぶん遮音材が恐ろしく少ないのかと。30年モノのジェミニでもこんな音はしないのに。

Img_2692地方ではカフェ巡りが常なわけですが、高知では中心地に近い「テルツォ テンポ」へ。結婚して東京から移ってきた若いご主人が開いた店はとても愛らしい佇まい。徳島で有名な「アアルトコーヒー」の豆を使い、夏には氷を出す店は、もう地元に根付きつつあるようでした。

翌日は四万十川沿いを走って愛媛へ。中流にある「道の駅とおわ」は、地元の特産品をオリジナルブランド商品として展開、少し前にテレビ東京の経済番組で紹介されていたところ。いまどきのお洒落なパッケージデザインを活用した商品展開は、地方活性の好例のようです。

ここにある「おちゃくりカフェ」は、四万十川を見下ろしながら珈琲をいただける気持ちのいいお店。豆は高知市の「はなればなれ珈琲焙煎所」から取り寄せ、モンブランは地元の栗を使った濃厚な味でした。

松山に着き、道後温泉でゆっくりした翌日は初めてのしまなみ海道です。絶景の橋を渡りながら訪れた3軒目のカフェは、大三島の「オミシマコーヒー焙煎所」。木造の一軒家を使った店は、瀬戸内海を一望できる夢のような場所で、じばし時間を忘れて過ごしました。

Img_2722そのまま本州に渡り、岡山駅でレンタカーを返却。徳島から700キロ程のツーリングでした。ヴィッツは安っぽい音がしつつ、しかし最新のクルマとして便利で快適には違いない相方でしたね。欲しくはないけど。

そろそろ夏休み。みなさんはクルマで出掛けられますでしょうか?

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雑誌ナナメ読み:老舗の役割って?

Cgいつからこんな具合になってしまったんだろう?

いま売りの雑誌『CG』。「本当の燃費」という特集は、三菱やスズキの不正問題を機にしたそう。いくつかのグループに分け、数台の内外現行車種の実燃費を計ってみようというものなんだけど、これが何とも中途半端なんである。

そもそも、仮にJC08モードに対する実燃費の剥離なんて視点であれば、何をいまさらという話だ。そんなものは三菱などの話がなくたって「突っ込み」が必須であるのは、CGという雑誌の性格を考えればずっと以前からの懸案だろう。

で、軽自動車3台の比較では、これまたいまさら「高速はエンジン負担が大きく走るのが苦」、背高ワゴン2台では「高速でフラフラする」などと報告している。テーマは燃費だけど、そんなクルマが最新車として売られているのなら、燃費以前の問題としてしっかり指摘しなくちゃいけない。

また、トヨタのHV車3台の比較では、クラウンやシエンタなどでクルマの出来に差があるとしても、燃費自体は納得できるだろうと結論する。たしかにHVらしく絶対値は悪くないけど、しかし、それは相変わらずモード燃費の7割程度のもの。それを簡単に「納得」などと言うなら、そもそもこの特集は何だという話だ。

さらに、後半に取り上げたのはフェラーリ、ロールスロイス、ベントレー、キャデラックと、なぜか高級車のオンパレード。しかも、燃費への言及は少なく「やっぱりこのクルマは素晴らしい」などと書いているから、もうワケがわからない。

そして、特集はこの高級車インプレッションでもってプッツリ終わる。きっかけとなった不正問題を独自に振り返ることもなく、あるいは試乗結果を分析するでもなく、だ。

最近、CG誌の特集意図が不明瞭だったり、あるいは高級スポーツカー、スーパーカー偏重になっているのは気になっていたけれど、今号のそれもかなり酷い。

僕は特段この雑誌に恨みはないけれど、こういう疑問を強く持つのは、やっぱり「自動車版の暮らしの手帖」を標榜した冊子であったからで、僕もそこに大いに賛同していたんである。

朝ドラの「とと姉ちゃん」は誇張気味としても、暮らしの手帖が高い志をもって創刊、多くの読者に支持されてきたのは事実だ。そしてCG誌もまた、クルマの情報が少ない時代に期待される客観的事実を伝えてきた。

時代が進み、情報が氾濫する現代であれば、老舗であっても扱う内容はアップデートされて当然だろう。あらゆる世界の”老舗”はこの課題にぶつかるわけだけど、成功例で共通するのは、やっぱり当初の基本理念に立ち返ることを忘れなかった場合がほとんどなんである。

逆に言えば、ブレがなければ新しいものを扱っても単なる一過性の流行に陥らないと。

単に実燃費数値を並べるのであれば、いまどきどの雑誌でもやっている。じゃあ2016年のいま、本当にユーザーの役に立つ情報とはいったい何なのか。

モード燃費と剥離する理由を整理し、所管官庁へ意見を示すのはもちろん、メーカー側の姿勢を正すくらいは当然。もし、燃費優先で他の性能が犠牲になっている例があれば、徹底的に読者へ示すのも必要だろう。

また、新しく導入される国際基準については、その正当性を検証することも特段難しくはない。同時に、欧州など自動車先進国の取り組みを紹介するのだって有意義だし、読者にとっての有益な情報を考えればやることはいくらでもある筈で。

いや、二玄社を離れたCGはかつてのCGとはまったく違う、いまや老舗という認識はなく勝手に期待されても困る、ということなら仕方がないんだけど。

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Drive My Car:朝のイベント参加

160717_085703日曜日の今日、ちょっとイベントに参加してきました。

藤沢にある蔦屋書店・湘南T-SITE内のカーライフ・ラボが、毎月第三日曜日の朝に開催している「モーニング・クルーズ」。毎回テーマを設けて参加車両を募るイベントですが、今回のテーマはズバリ「赤い車」でした。

実は少し前に「ジウジアーロ・デザインの車」というテーマがあったのですが、都合がつかず見送り。当面参加の機会はないだろうなと思っていたところ、今回愛車ジェミニにはピッタリなテーマとなった次第です。

開始の午前8時を少し過ぎて到着すると、広い駐車場はすでに赤いクルマで埋まっていました。

赤というと、まあアルファとフェラーリだよな、などと想像していたら、これが結構幅広く、BMWやアウディ、VWの外国車勢に加え、日本車はカプチーノやAZ-1といった軽自動車、そして一連の新世代マツダ車、レガシィなどなど。中には赤いヨタハチの姿もありました。

160717_085946会場には歴代スカイラインを手掛けた元日産のエンジニアである吉川氏や、地元藤沢ということでいすゞのデザイナー中尾氏の姿もあり、イベントとしてすでに根付いた様子。もちろん、参加車両のオーナー同士の交流も進んでいる感じでした。

湘南T-SITEは広大な敷地にあり、主催のカーライフ・ラボも車両や書籍類がなかなか贅沢な建物に展示されています。蔦屋書店は代官山でもクルマ関係のイベントが盛んですが、ここではまた独自の文化が育っているようです。

イベントは10時までで、9時半過ぎくらいにはポツポツと退場するクルマが見られました。なるほど、この時間に帰れば日中に別の用事を入れることもできますし、いい運営方法かもしれませんね。

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雑誌記事:不定期コラム掲載されました

Photo自動車専門サイト「クリッカー」の不定期コラムが掲載されました。

今回は、エスティマやプレミオ・アリオンのマイナーチェンジに合わせ、最近のトヨタ車の「顔」について、あらためてデザイナー氏に話を聞きました。

トヨタ・フェイスに関しては「キーンルック」あるいは「アンダープライオリティ」といったデザイン・フィロソフィがすでに有名ですけど、その内容についてもう一度詳しく聞いてみようと。

当初はエスティマのマイナーチェンジ担当デザイナー氏という予定だったのですが、取材会場には運よくコンパクト・カンパニーのデザイン部長さんがいらしたので、エスティマに限らず全体の話を聞くことができました。

あらためて聞いてみると、やはりデザイントップの福市氏の話になったのですが、有能と言われるトップが全社を見渡したとしても、日産やマツダとはまた違ったアプローチになるのは面白いところです。

それが巨大なトヨタ故なのかどうか? そこが肝かもしれませんね。

それでは、以下サイトからご笑覧ください。

http://clicccar.com/2016/07/04/383377/

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