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雑誌ナナメ読み:スポーツカーだけじゃない

Img_1985 応援のようで、そうなっていないのが面白い。

 いま売りの『ベストカープラス』はホンダ特集。最近、売れているのは軽と一部のコンパクトだけ。こんな体たらくで大丈夫なのかという前提のもの。

 国内軽視の日産に比べれば1.5倍程のシェアを持つホンダだけど、それでもフルラインナップメーカーとしてトヨタの1/3以下というのは、たしかに納得の数字じゃないかもしれない。

 じゃあどうすればいい?

 「復活の狼煙」として編集や評論家諸氏が期待するのは、まず東京ショーでお披露目した新型NSX、ウワサが絶えないS2000後継車、そしてタイプRなんだそう。で、S660の絶賛でもって、すでに逆襲は始まっているとも。

 いや、まあ何とも相変わらずな感じだ。

 たしかにホンダは、F1を筆頭にスポーティ・イメージが強い会社ではあるけれど、当然のこととしてスポーティとはスポーツカーだけを表現するものじゃない。

 しかも、先のとおりいまやフルラインメーカーとなったホンダにとって、純粋なスポーツカーはある意味サイドを固める脇役であって、決して主役というわけでもない。

 もちろん、ドラマは脇役が光ることも大切だけど、それは盤石な主役が立ってこその話なのは言うまでもなくて。

 たとえば、量販価格帯の新型車であるグレイス、シャトル、ジェイドがいまひとつパッとしないのはなぜか。いくらセダン不振とはいえ、アコードやレジェンドはどうしていつまでたってもこんなに影が薄いのか?

 あるいは、トヨタ・ミライに並ぶ筈のクラリティも、東京ショーでさほど大きな注目を得られなかったのはどうしてなのか?

 もしホンダが不振だというなら、僕はこのあたりの理由を一度しっかり考えた方がいいと思う。ホンダが、自身のスポーティ・イメージをどんな風にとらえているのか、ホンダらしさとは何だと認識しているのか。

 少なくとも、ホンダの躍進にはNSXやS2000後継、タイプRこそ必要なんていう主張は、視野を一向に広げられない一部マニアの戯言だし、S660が復活の狼煙だなどとは無責任も甚だしい。タイプRを語るなら、そもそもベースのシビックはどうして日本市場から消えたのかの検証こそ肝要ということだ。

 メディアのそういう狭い視点が、応援どころか、実はホンダの足を引っ張っているんじゃないか? ホンダ自身にもあらぬ勘違いを与えているんじゃないか。

 もちろん、脇役のスポーツカーはどんなクルマであるべきか?の検討も含め、そろそろより現実的な提案を期待したいと思うんである。

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「雑誌ナナメ読み」カテゴリの記事

コメント

こういう企業分析は、もう自動車専門誌よりも経済誌のほうがいいのかもしれませんね。
ホンダは、商品力はもとより肝心のデザインは総じて悪いですから。その点で、現在発売のMagX最新号には、日産の国内不振に関する記事に、日産とホンダの国内不振の共通点としてアジア市場に向けたクルマの存在が書かれていましたね。日産でいうところのマーチとラティオ、ホンダでグレイスやジェイドのことですが・・・
まぁ日本をホントにターゲットにしたクルマは、日産でセレナ、ホンダでステップワゴンしかないですから・・・
そういった現実的なところからの視点で再考すべきでしょうね。

投稿: アクシオム | 2015年12月 3日 (木) 09時11分

すぎもと様こんにちわ。
 
いや、そうは言っても勢いづけは必要だと感じます。
S660やNSXの成功で企業内が活気づけば、
トータルにおいても、さらなる躍進に繋がるのではないか?
などと、ど素人の私は思ってしまうのですが…

投稿: とあるイラストレーター | 2015年12月 3日 (木) 13時28分

ならホンダはマツダを見習うべきかと思います。特別尖ったスポーツ性を訴求するでもないのに、車種全体としてはスポーティな印象が強いですから。もっともマツダはラインナップ数が少ないから可能といえばそれまでですが、ホンダもベースモデルを見直した方がいいでしょうね。昔は程よくまとまっていたのに残念です。

投稿: としぴぃ | 2015年12月 3日 (木) 23時00分

久しぶりに投稿させていただきます。

私もすぎもとさんと同意見で、あれだけでかい工場持っちゃった以上スポーツカー中心のホンダはありえないだろうなーと、思いますね。
もともとスポーツカーばっかりの会社ではないですからね。
MM思想、とかあるくらいですし、パタパタ以来のヘリテッジを読み解くと、基本は庶民のためのクルマをユニークに作る会社だろうという認識を僕は持ってます。

翻っていまのホンダ車の元気のないところ、私はデザインの善し悪し語れる見識はないのですが
トヨタの土俵で戦わなければならなくなった(前述の工事規模含め)わりに内部が大企業になってないんじゃないかな、という見立てです。
体格と内臓が合ってないというか。

まぁまぁ良い、なクルマが、なんとなく作り出した、妙なフルラインナップ構成を見るにつけ、らしくないなぁと思うのです。
ホンダが輝きやすい適正な企業規模にはもう戻れないのでしょうかね。

いちホンダ好きだからこそ、自分がホンダの経営者にはなりなくないなーと思いますね笑

投稿: マンハッタンルーフ | 2015年12月 3日 (木) 23時18分

自動車評論家には一つ一つの車の評価は出来ても、マーケティング、ましてや企業業績の分析なんか到底期待できないから仕方がないでしょうね。
大抵がレース上がりのお調子者ばかり(言い過ぎか)で、コーナリングだ加速だ!が好きな連中ですから。
日本市場では冴えないホンダや日産も世界的に見ると業績絶好調、この当たりから各企業の戦力をどう見るかという視点から見る大人の論評がこの業界にも欲しいものです。

投稿: フルハム | 2015年12月 4日 (金) 01時00分

初めて買った車が初代アコードでした。当時弟が初代シビックに乗っていました。車種が少なかった時代ですが、ホンダの車には何か魅力を感じました。新しい提案であったり、作り手の気持ちがわかるような車だったと思います。時代をリードするような力を感じましたが、さて今は時代に埋没しているように思います。極端に言えば初代シビックやワンダーシビックの完成度を超える車って今ホンダにあるのかなあ?と思っているのは私だけでしょうか?スポーツカーだけでなく普通の車がいい物でなければメーカーとして明日は明るくないと思いますが・・・。 

投稿: pottsy | 2015年12月 4日 (金) 22時20分

完全に同意です。

今のホンダにとって重要なのは、スポーツイメージの鼓舞よりも
度重なるリコールで失墜しかけている信頼性の回復や、煮詰めの甘いデザインの改善ではないか、と。

自動車メディアや評論家の求める車は所詮ホビーであって、生活の道具ではありません。
しかし、今やクルマは生活の道具であって、趣味性よりも優先すべき評価軸が多数あります。
例えば、信頼性、耐久性、利便性、コスパ、燃費、環境対策、静粛性、顧客対応などでしょうか。
あとは、デザイナーの自己満足でもマニア受けを狙ったものでもなく、本当に大衆に受け入れられるデザイン。
こういう事柄は自動車メディアでは軽視されがちですが、そこを御座なりにしてはマスプロダクトとしての成功はあり得ません。

今のホンダが大メーカーとして成功を収めるには、こうした基本的な事柄を真摯に見つめ直すことが必要でしょう。
そのうえで、新たなホンダのアイデンティティを、大衆ニーズにしっかりと根ざした個性を確立して欲しいですね。

投稿: 自動車好き | 2015年12月 5日 (土) 11時27分

ホンダの車って、なんかやたら直線的なんですよねえ。
どれをみても色気がないというか・・・。
これはもう確信犯的なものでしょうねえ。
Sシリーズとマツダのロードスターを比べてみると一目瞭然です。
昔の車はそうでもなかったと思うんですけど。
それに内装も、なんか野暮ったくって。
トヨタもそう良いとは思いませんが、それと比べてもハッキリ見劣りします。
いや、好き嫌いの問題かもしれませんが。
広告戦略も良くないのかもしれない。
え、そんな車あったの!? みたいな車がありますもんね。
車種が多いことは選び手にとっては有り難い事だけど、それが生かされてないみたい。
あまり立て続けに新車種を出して、丁寧に各車種を認知させることが出来なかったのかな。
どなたかがおっしゃっていたように、肥大した規模に実態がついて行ってないのかも。

投稿: ぐーたらジジ | 2015年12月 8日 (火) 14時40分

アクシオムさん

経済紙はある意味冷静な分、的確な分析が期待できますね。ただ、商品としての具体的な提案は難しいかもしれません。自動車雑誌がそこを両立するようになればいいのですが。

とあるイラストレーターさん

勢い付けはいいことだと思いますが、問題はその内容ということなんでしょうね。

としぴぃさん

マツダは好例かもしれないですね。ラインナップの数は本質的には関係がないはずです。80年代にできたことがいまできない理由はないですよね。

マンハッタンルーフさん

たとえば最近のホンダ車って似たような顔をしてますが、これが全然よくないです。なのになぜそれを続けてるのか? その発想はどこから来るのか? たしかに小回りがきかなくなってしまったんでしょうね。

フルハムさん

日産は日本軽視だ・・・的な話はありますけど、ホンダについて具体的な話はなかなか出てきませんね。言えないのか、言うことがないのか?? どうなんでしょう?

pottsyさん

そうですね。ワンダーシビックが素晴らしかったとして、どうしてその分析が社内でできないのか? グレイスのCMが同じ曲を使ったのは冗談としか思えません。

自動車好きさん

仰っている基本的なことが社内で真摯にできていない理由がわからないのです。新社長がS660ではしゃいでいたりすると愕然とします。大衆に受け入れられる普遍的な魅力を持ったクルマという発想はないのかもしれないですね。

ぐーたらジジさん

そうそう、何となくシャープで直線的で、どれもこれも同じ。ブランドイメージのつもりなのかそうでないのかもよくわかりません。エキサイティングデザイン! なんて本当に意味不明ですもん。

投稿: すぎもとたかよし | 2015年12月 8日 (火) 18時14分

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