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雑誌ナナメ読み:世間の評判はそうだけど・・・

Photo 『ENGINE』誌のDセグメントセダン比較特集、おや?と思ったんである。

 『NAVI』誌の元編集長と一部編集メンバーが移った本誌は、その名物編集長が辞めてからも、ある種の批判精神と独自性を感じる誌面となっている。とくに新車のインプレッションは他誌には見られない鋭角な内容が展開されていて、なるほどと思わせるものがある。

 なんだけど、今回のメルセデスCクラス、BMW3シリーズ,レクサスIS、日産スカイラインによるセダン比較特集の中、「カッコいいか?」というカタチに関するの選考項目で、Cクラスが断トツトップとされたのが意外だったんである。

 まあ、「カッコいい」というのは感覚であって、感じ方は人それぞれだ。けれどもこの記事では評価の一項目として点数化しているから、これはもう客観的なデザイン評論と同義と考えるべきだろう。

 いや、客観批評にしちゃあ「めちゃくちゃカッコいい!」という発言があったりするんだけど、しかし「ラインが整理されてすっきりした」という感想も含めて、それはどうかなあ?と思うんである。

 僕は新型Cクラス、デザイン評価は高くないんである。

 ヘッドランプ内のLEDがグニャっとS字を描いて気持ち悪いように、これが全体を象徴していると僕は思っている。そのヘッドランプ自体がモアッとしていて緩いし、フロントのエアインテークも締まりがなくデカい。

 とりとめのないリアランプも含め、そうやってパーツがいちいちクドい上、こいつがヌメッとしたリアクオーターやサイドボディのキャラクターラインを悪い意味で助長している。

 ミニSクラスという表現は間違いじゃないけれど、ずっと各パーツの比率が小さいSではクドさは出ていない。弟のCLAも基本造形は同じだけど、やはり若干顔が小さい分何とか助かっている。

 シンプルで分かりやすい造形テーマを持たず、ミニSクラスとしてこんな感じかな・・・という塑像的な「盛り」の造形が失敗した感じだ。逆に、それが偶然うまくいったのがインテリアで、結構クドい処理は見当たるものの、最終的に手探りな感じは残らなかった。

 そのインテリアがいいもんだから、エクステリアの点数も引っ張られているんじゃないか?というのが僕の印象だ。個人的には、かつての直線基調をうまく取り込んだ、先代の方がはるかに点数が高いと感じている。

 まあ、業界的にパーフェクトなモデルチェンジということになっているから、この記事も何となくそんなものと見てしまいそうではある。けれども、いつも一歩先を行く評論をみせてくれている同誌だけに、なんだか流れに乗ったような今回の記事は相当に意外だった。

 これは、クルマ評論におけるデザインという、いまだに主流になり得ないジャンル故のことなんだろうか?

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コメント

確かに新型Cクラスの質感においては自動車雑誌でいわれている通りですが、すぎもとさん同様、インテリアが抜きんでているだけにエクステリアの評価も質感の面で評価されてしまっているんでしょうね。
ボクもエクステリアは惜しいと思う部分があって、例えばボンネットとグリルの見切り線の処理がちぐはぐだし、特に日本仕様はすべてアバンギャルド顔?で、グリル内にデカいスリーポインテッドスターが鎮座しているからなおさらですね。
あとミニSクラスを標榜したテールはいいのですが、やっぱりCクラスのサイズになるとリアのオーバーハングが短いせいか、きれいなミニSクラスではないですね。
Cが立派になるのは構いませんが、逆にEクラスはその存在感やサイズ感がSクラスにも挟まれて結構窮屈に見えますね。
しかし、新型の発表会でCクラスを先行予約したジャーナリストや編集部車両の納車式を一緒に行うって、おかしいですね。批評する媒体が媚びすり寄ってどうするのか?

投稿: アクシオム | 2014年10月 3日 (金) 10時21分

先々代のCクラスに乗っています。このウネウネとした気持ちの悪いラインは、このセグメントでは似合わないでしょうし、歴代のモデルでは斜め後ろからの見た目はとても良かったのに、今回は最悪です。「中身が全て」な車になってしまいましたね・・・

投稿: としぴん | 2014年10月 3日 (金) 22時40分

先日カーグラフィックTVで初代Cクラス発表時、開発者にインタビューしたものを放送していました。
「我々の車は性能一つ一つを見れば世界一でないかもしれない。しかし、トータルで見た場合世界一になるよう作っている」と。
今のCクラスは「見た目」で世界一になろうとして、結局バランスを崩しているのかなと思いますね。
スタイリングについては常に抑制的であるのがメルセデスのいいところだと思っていますけど、そんな時代は20年前に終わったのでしょうか。

「変わることが必ずしも善じゃない」ということは日本のジャーナリストが日本車を批判するときさんざん言ってきたことだと思うんですけどね。
ある日本人評論家がメルセデスがスタイリング重視になってパッケージングに影響が出ている件について「(スタイリング重視は)世界の趨勢なんだよね。パッケージング云々だけを取り上げて、車の良し悪しを語ることはできない」と言っているのを聞いてがっかりした覚えがあります。

投稿: ネコ | 2014年10月 4日 (土) 06時30分

おはようございます。 新型Cクラス個人的に縁もゆかりも興味もないですが、メルセデスらしいけど普通…。 最近でた量販車てなんかこう、すっきりかつめちゃくちゃ魅力的デザインてないですよね。どこかがクドいよーな…。仮に出たばかりはカッコイイ!と思っても時間がたつと、あれなんか普通だみたいな。 なんなんでしょうね? 不思議だな。後走り自慢、または味を語る自称エンスージヤストやバイヤーズガイドのプロフェッショナル自動車評論家の人に本格的?デザイン論を求めるのは、酷でしょうねぇ… しかも格好よく感じてなかったとしても、褒めるのが仕事とゆう大変な仕事ですし。

投稿: さね | 2014年10月 4日 (土) 06時46分

アクシオムさん

そうそう、リアオーバーハングの寸足らず感ですね。しかし、納車式ってあったんですか? まあ、昔からのメルセデスユーザー代表とかならいいと思いますが、業界関係者っていうのは信じられません。まさに自殺行為。

としぴんさん

Cクラスにお乗りですか。羨ましい・・・。ウネウネが悪いというわけではないですが、最終的にまとまらないと、ですね。今回はナナメ後ろもキツイです。

ネコさん

もともとデザインには無頓着だったので、こういう場合は権威に寄ってしまうイメージですね。パッケージングは僕も同感です。CLAは戦略的にあれでいいと思いますが、Cはちょっと。その辺、何だかんだでVWはうまくやってますね。

さねさん

御用評論家は論外として、そうじゃない・・・と思っていた人たちもベタ褒めというのがどうも。

投稿: すぎもとたかよし | 2014年10月 4日 (土) 10時30分

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