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雑誌ナナメ読み:ガラ軽は不滅?

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 軽自動車税が上がることで決まったみたいだ。

 何て言うか、何十年も続いた制度が変わるにしてはあっけなく、そしてユーザーにとっては最悪のパターンになってしまったと思う。

 仮に、軽に関する「枠」の見直しが行われるとして、税金にしか手を出さなかった行政がまず恣意的だし、やはり同じく何十年も続く軽規格にまったく触れなかったのはメーカーの怠慢なんじゃないかと。

 以前から書いているとおり、僕は軽の税金が特別安いとは思っていなくて、どちらかと言えば軽が正常で小型車以上が高過ぎると思っている。今回もそういう声は一部にあったようだけど、数の論理でやりたい放題の与党の前に完全に霞んだように見える。

 で、そうして増税がどうにも避けられないのであれば、同時に排気量などの規格を改正することくらいは、やっぱり工業会として言えた筈だろうと思う。3000円は上乗せされるけれど、800~900ccのエンジンでより乗りやすく実燃費のいいクルマになるというのであれば、まだ少しは気分も紛れるし。

 けれども、メーカーにそんな声や動きはなく、それどころか意外にあっさり増税を受け入れた感すらある。それは、量的緩和による円安で劇的な収支改善を得た「恩」もあるんだろうし、もしかして2015年度適用までの「特需」も期待か?などと勘ぐってもしまう。

 一方、例によって自動車メディアは未だ無音状態のままだ。「自分らはクルマの解説が仕事であって、税金のことは関係ないですから」な感じで、こぞってS660やコペンの特集は組んでも、税金や規格のことは知りませんよと。

 COTYなど評論家、ジャーナリスト団体もとくに声明を出すような気配はない。こんなに大きな話が進行しているときに、外国車が初めて大賞をとったことがどうのこうじゃないだろう、とは思うのだけど。

 さらにJAFなど、ユーザー団体だって増税反対はほとんどポーズの域を出ていない。これはガソリン税のときもそうだったけれど、一応やってますからという言い訳程度だ。

 もっとも抵抗するべきTVや新聞が後追い報道に明け暮れ、ついにまともな反対キャンペーンを張らなかった特定秘密法案に似て、メーカー、自動車メディア、ジャーナリスト、そしてユーザー団体が実質傍観を決め込んでいる間に、不可侵領域だと信じられていた制度がアッという間に崩されてしまった。

 いや、秘密法案と軽の増税を一緒に語るのはどうかと思うけれど、口を挟むべき媒体や人間が無策のうちにスルリと通過した構図はほとんど同じだろう。そこに相応の時間をかけた議論がほとんど不在だったのがどうにも残念だ。原発ゼロや高速道路無料化の撤回がそうであるように。

 スズキの会長兼社長さんは「そのうち見返してやる」と語ったそうで、増税でもさらに軽を売ってやるということみたいだけど、それならそれでさらなる追加増税の的になるだけだと思うけれど。

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コメント

排気量や大きさがそのままなのは、ホント残念でしたね…。仰るように、こんな機会って滅多にないわけですから、「増税するなら○○させろ!」くらいのことは出来たはず。やっぱり軽メーカーは、そんな“規格の縛り”というものがないと頑張れないような“ドM”企業だったんだなと勘ぐってしまいます(笑)

投稿: としぴん | 2013年12月29日 (日) 10時10分

まず今回の軽自動車への増税は、トヨタを元締めとする自工会が取得税廃止の代替えとして落としどころとして差し出したってことでしょう。
メディアやCOTYの評論家陣がモノ申さないのも、トヨタに頼っているからでしょう。これじゃすんなり決まるわけですよ。
ますますトヨタの寡占が強くなりますね。軽の販売に唯一色気を出し始めた日産なんか国内市場の軽視する一方ですからすんなりだし、他のメーカーだって海外市場や登録車に活路が見いだせればいいんじゃないかと…
スズキの修会長が見返すとはいうのであれば、軽をベースに海外で売れるよう、規格もさることながら、商品の企画から販売をもっと国内市場より進化したカタチでやればいいんじゃないですか?スズキは庶民の味方と言いたいのでしょうが、一方でその言動がブラック企業とも取れる発言もしていると思うと、本当に庶民の味方なのかとも疑いたくなります。
でも僕は今回の増税、そんなにむちゃくちゃに上げたって印象はないし、ユーザーにとって死活問題とも思えない。それにそんなに新車へ代替えする必然性ってない気がします。軽自動車って乗用車みたいに多走行でヘビーに使うのは少々酷でしょ。
まぁ増税してホントに増収につながるかは、定かじゃないですが…

投稿: アクシオム | 2013年12月29日 (日) 21時42分

こんばんは。軽自動車がある家としては…絶妙に痛い! まあなんてゆうのか自民1強ですからね…、すんなり速やかかつ、水面下で大した議論もなく事運ぶのはわけないんでしょう。個人的には選挙で自民に投票したし、民意で選ばれた政党また政府だし民主主義は必ず選んだ国民に責任があるしツケは回ってくると…でもなぁこうも増税反対少数意見?や、これを機に軽自動車規格を見直すとゆう軽自動車メーカーの思惑は関係なく議論を適当にしてる感じがするのは…ガクッ ですね。我が国日本は選挙で選ばれた政治家や政府がやることが、全ては責任は国民に還元されるとゆう民主主義在り方そのもの、自分も含め多くの国民が適当な感じで(個人的に感じてるだけかも)、真の民主主義が成り立ってない事が問題だと思います。また自動車メーカーももっと自国の自動車の税金なんだからユーザーに負担にならないよう働きかけかけないと…国内市場はどーでもいいのが本音か? 軽自動車製造メーカーも軽自動車規格改定されるのは、コストがかかるし新規格まで売れなくなるかも?だから嫌なのか本音は? 本来なら国際競争力を持つ軽自動車規格になれる方が日本の自動車全般にいい方向になれると思うのになぁ。いろんな政治的、メーカーの御都合思想が複雑に絡まってて、もう訳わかんないですね自動車業界って。

投稿: さね | 2013年12月30日 (月) 05時17分

スズキの発言は、単に新しい規格の車を開発する体力が無いだけだと思いますが。
ただでさえ各社とも共通化、現調化を推進せざるを得ない状況なのに、ここで新しい軽規格なんぞ出されては、
業界では最弱小のスズキは潰れてしまう。

投稿: あ | 2013年12月30日 (月) 13時49分

軽規格は「幅、長さ、排気量」で規制するからダメなわけで、 「占有面積、車重、燃費」で新しい「軽規格」を作ったらいいなあといつも思っています。

◯専有面積
例えば、今の軽規格の占有面積は 「3.4m(長さ)×1.48m(幅)=約5.0㎡(占有面積)」この占有面積以内でOKにすれば、今より幅が広くて短い車とか、逆に幅が狭くて長い車が可能に。横からの衝突にも強くなるし、スタイリングに無理がなくなるはず。用途に合わせていろんな車できて夢が広がるなぁと。

◯車重
現在の軽規格では車重規制ありませんけど、車重によって道路の傷み具合違うわけだから規制する意味ありますね。軽なのに車重1000kg超とかやっぱおかしいし、軽ければそれだけ無駄な資源使わなくなるわけだし。 タント型の車重の重い軽ってやっぱ邪道だと思いますよ。

◯燃費
燃費は今みたいな実際の走行条件と乖離した基準はすぐにでも撤廃したほうがいいですよね。アメリカの燃費基準をベースに国際的基準を決めるって話もあるから意外とすぐ 実現するかもしれません。 シティ、ハイウェイモード燃費わかれば買う方も安心ですよね。

占有面積と車重を規制しておけば、いくら燃費よくてもプリウスみたいな車が「軽規格」になることもないし、ほんとに燃費のいい排気量を選択することもできる。シンプルで軽く、かつ燃費のいい国際的な価値を持つ軽が生まれると思います。自動車雑誌を眺めてみても「新しい軽規格はこれだ!」みたいな提案が一切なくて驚きますね。スポンサー関係を見回しての配慮でしょうが、ほぼ全メーカーが軽を販売している状況で気兼ねする意味ほとんどないと思うんですけどね。

本年も興味深いブログありがとうございました。

投稿: ネコ | 2013年12月31日 (火) 16時53分

としぴんさん

枠内での頑張りという面は否定しないですけど、軽規格についてはもういい加減に・・・という時期かと思いますね。

アクシオムさん

トヨタを筆頭に・・・という話なのかもしれませんね。1.5倍の増税は絶対金額にしては仰るとおり大きくないとも言えますが、一旦上げてしまえば、今後はより簡単に上乗せしやすくなったと思います。

さねさん

やっぱり日本人には「お上」意識が根付いているんですね、いまでも。自分で切り開く勇気はないんです。

あさん

小型車も作っているし、海外では800CC前後のエンジンを作っていますから、それで潰れることはないでしょう。

ネコさん

こういう具体的提案は好きです。燃費で何らかの枠を決める場合は、まず現行燃費基準そのものの改定から必要でしょうね。国際規格を打ち出すのが一番分かりやすいですが。

投稿: すぎもとたかよし | 2013年12月31日 (火) 18時35分

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