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雑誌記事:東京モーターショー・デザイナーインタビュー(レクサス編)

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 先日予告しました、東京モーターショー会場での「デザイナーズ・インタビュー」を掲載します。

 まず第1回目は、レクサスLF-NXです。

 このクルマはフランクフルトショーに続いて2度目の出展となります。一部手直しをしているようですが、コンセプトカーとして基本的には同じものと言っていいと思います。

 これはスゴイな・・・と思われる方も多いと思いますが、実際デザイナー氏に聞くとフランクフルトでも評価が真っ二つに分かれたそうです。

 インタビューではあまり書きませんでしたが、「否」の方はなかなか辛辣な意見もあったそうで、デザイナー氏としてはそれも含めて反響があることはありがたい、という話でした。大変ではあったらしいですけど・・・。

 予告のとおり、ショー会場でのインタビューということで、あまり時間が割けず突っ込んだ内容にはなっていません。が、まだショーの期間中なので”新鮮さ”だけはあると思います。よろしければ下記サイトにてご笑覧ください。

(ニフティ自動車サイト)

http://carnifty2.cocolog-nifty.com/sugimoto/2013/11/lf-nx-3cad.html

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クルマ散策:東京モーターショー開催

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 東京モーターショーに行ってきました。

 今年のショーは東京ビッグサイトに移ってから2回目。いつもはインテリアショーや文具ショーなどの見本市をやっている会場にすべて収まってしまうのですから、まあ実にコンパクトなものです。

 東西のホールを結ぶ通路は若干長いにしても、サッと見るくらいなら半日もあれば十分な感じですね。これが国際ショーかと思うとウーンとなりますが、それでも前回、あるいは幕張の前々回に比べれば賑やかになったのかもしれません。

 プレスデイは雑誌で見かける評論家諸氏や、TVの経済ニュースのキャスターさんなどが来ていてそれは華やかです。僕などは普段サラリーマンやってますから、恥ずかしながらほとんど「お登さん」状態ですね。

 本来の目的は日本メーカーのデザイナー・インタビューですが、会場を歩きつつ横目で気になったのはアウディのA3(S3)セダンやVWのツインUP!などでした。

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 A3はスポーツバックもいいですけど、セダンボディはより凝縮感があってよかったです。サイズ的に日本でも結構人気が出るかも。ツインUP!はプラグインHV版のUP!で参考出品ですが、白でまとめたインテリアがよかったですね。まあ、プラグインじゃなくてふつうのHVの方がいいとは思いますけど。

 さて、デザイナー・インタビューはコンセプトカーに限定せず、新しい市販車も含めて個人的に気になったクルマを選んでみました。ただ、ショー会場という特殊な場所なので、いつものように詳細な話はできず、結構あっさりな内容になってしまいますが・・・。

 原稿は今日の今日でまだできていないのですが、またいつものニフティサイトで1台ずつ報告します。掲載されましたらその都度お知らせしますので、よろしくお願いいたします。

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クルマ散策:旧車イベントに出かける

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 3日の日曜日、雑誌『ハチマルヒーロー』が主催するイベント「ハチマル・ミーティング」に行ってきました。

 これはその名のとおり、80年代のネオ・ヒストリックカーをテーマにした旧車イベントで、今回は会場の富士スピードウェイに約500台が集結したそうです。まあ、何しろ自分自身がハチマルのオーナーですから、一度足を運んでみたいと思っていました。

 この頃の国産車の場合、一般に走り方向にモディファイされることが多く、会場もハチロクや”鉄火面”のスカイラインをはじめ、なかなか凝った改造ぶりが目立ちました。ただ、スポーティカーであっても、基本的にノーマルに近い方向でまとめるクルマが増えている印象も持ちました。

 そのフルノーマル派の自分として、今回の会場で目を引いた数台の写真を紹介します。また、そのうち2台は運よくオーナーさんに話を聞くことができましたので、それもレポートしたいと思います。

 まずは2代目のトヨタ・カムリ。「オーナーになったのは、新車で買った父親からたまたま引き継いだからなんです」という、東京の武田さんにお話を伺いました。

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 86年式のボディは年数相応の部分もありますが、それは普段の足としてすでに44万キロを越えている証拠です。驚くべきは路上で止まるようなトラブルは一度もなかったこと。「オルタネーターなど部品の交換はありますが、基本的に大きな故障はありません。バブルに差し掛かり、作りにもお金が掛かっていたんじゃないでしょうか?」

 2代目カムリは、トヨタの本格的なFFサルーンとして居住性を追求した実用車として登場しました。「正直最初はカッコ悪いと思っていましたが、後席の広さや視界の広さなど非常によくできていますし、いまではスタイルのよさもわかってきました。結局、これまで他に乗りたいと思ったクルマはなかったですね」

 ノーマルに徹しているのは、武田さんが所属する「カローラ店 80's」というサークルの方針。なるほど、当日はカローラFXやセリカなど、トヨタのきれいなノーマル車が近くに展示されていました。

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 2台目は初代ホンダ・トゥデイ。ピカピカの赤いボディはちょっと違和感を持つくらいですが、オーナーの下村さんによれば、なるほどレストア直後とのこと。

 「出身の北海道で足として3万円で購入たものですが、上京してこれからも乗ろうとレストアしました」。都内にあるトゥデイ専門のショップで塗装したボディはもちろん、素材色のバンパーも新車なみ。また、オリジナルを自分で磨いたという内装も程度がいいものです。

 すでに14万キロを越えたものの、これまた大きな故障はないそう。「それより錆がもうあちこち出てしまって大変でした。レストアもそれがメインでしたから」。たしかに、80年代前半くらいまでのホンダはボディの弱さ、脆さが有名でしたっけ。

 で、やっぱり見事なノーマル姿です。「北海道の時はシートをレカロにしたりと手を入れていたのですが、機関の細かい不具合を直している中でノーマルに近づいていました。そのうちノーマル自体が珍しくなってきたので、じゃあこのまま行こうと」。自慢は購入動機だったスタイルのよさもありますが、初代トゥデイをこうしてきれいに乗っていることの希少性自体がいちばんだそうです。

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 さて、残りは写真のみの紹介。3台目はありえないほどキレイな日産のトラッドサニー。内装もほぼパーフェクトですし、ホイールキャップにも傷ひとつありません。やはり周囲に同型サニーが並んでいたので、仲間同士での展示だったのでしょうか。

 このトラッドはヒット作でしたが、当時の日産の混迷を象徴した1台でもあります。先進的な曲面ボディが世間に受け入れられず、いわば先祖帰りで直線ボディに戻るということを繰り返していました。

 そういう意味では後ろ向きなクルマでしたが、改めていま見ると作りの丁寧さが伺え、最新の安普請なラティオなんかとは比べものにならないのが面白いところです。

 4台目はダイハツ・アプローズ。発売直後の出火事故でほぼ市場から抹殺された不幸なクルマであり、こうして状態のいい車体はほとんど見ることがありません。展示車内には当時のカタログが飾られ、相当な思い入れ度が伺えました。

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 小さくてもクオリティを高くというコンセプトは当時珍しい発想でしたが、角にRが積極的に取り入れられ過剰な装飾を廃したボディは、どこか日本車離れしています。セダンに見えて、実は5ドア風に開くハッチは相当画期的で、性格としてはやはり欧州風の合理性を感じさせるところ。

 また、クオリティの高さはボディだけでなく内装にも感じられます。質感の高いファブリックのシートもそうですが、ピアノキー風にまとめられたインパネのスイッチ類もなかなかチャレンジングです。

 最後は三菱の初代シャリオ。ボディの状態は年数相応のものでしたが、普段使いの中での大切な扱いが感じられます。車内には「初代シャリオ保存会」の名詞と、数台の同車が取り上げられた雑誌が飾られてありましたので、その筋?では有名な車体なのかもしれません。

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 このシャリオは質感云々というより、シャープなラインが80年代の元気のよさを感じさせるクルマです。合理的なパッケージングや広いグラスエリアなどは、どことなくイタリアあたりのカロッツェリアの仕事を感じさせます。フェンダーミラーの影響が大きいですが、これをドアミラーに置き換えて想像すると、その先進感がグッと上がります。

 さて、500台のエントリーがアッという間に締め切られたという人気イベントぶりですが、一方でショップなどに聞くと市場的にはなかなか不安定で、商売としては見た目ほど甘くないようです。各種のモディファイ、あるいはノーマルなど、ユーザーの志向がマチマチなのが理由のひとつなのかもしれません。

 ただ、ハチマルが人気なのは、いまの日常使いにも十分適応する走行性能や快適性能を持っているからであるのは間違いないでしょう。そこに当時ならではの豊かな個性が加われば当然魅力もアップすると。

 そうであれば、メーカーも自社の歴史を作ったクルマとして、もう少しこの市場に興味を示してもいいような気もします。安全性能などを考えればあくまでも中古車販売の一環としてになるでしょうが、メーカーによるレストア車の販売などはひとつの市場になると思えます。

 もちろん、メーカーの広報戦略にも使えると思うのですが、いかがでしょう?

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クルマ散策:和田智トークショーへ行く

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 雑誌『ENGINE』主催、「和田智・トークナイト」に行ってきました。

 これは、和田氏が手がけたイッセイ・ミヤケブランドの時計「W」シリーズの新作完成に合わせ、時計とクルマのデザインについて語るという内容。氏の希望により、代官山は蔦屋書店の「Anjin」にて行われました。

 で、メインは、「センス」をお題とした40分に渡る和田氏のプレゼンテーションです。

 アウディを離れ、日本に戻った氏がまず驚いたのは、デザインはもとより、生活の隅々にまで感じられた「品格」の欠如だそう。電車内で携帯に見入る人々、街を埋め尽くす緩い格好のミニバン群。

 日産でセフィーロなどの実績を残した彼でさえ、アウディに入社して「デザインに必要なのは、先人の仕事への敬意と継続」ということを初めて学んだと言います。それは常に新しさが評価される日本のメーカーとは真逆であり、彼の仕事のターニングポイントになったと。

 センスは両親の影響はもちろん、そうしたデザインへの姿勢から成り立つ社会からの影響も大きい。その中で品格も育まれるという話です。

 プレゼンではその品格のひとつの例として、ドイツでのアウディのTVCMが紹介されました。その企画と演出力、観る側の想像力を掻き立てる映像は圧倒的で、タレント頼みのどこかのメーカーとは比較になりません。

 とくに、もともとデザイナーの提案から開発が始まったというA7のCMは圧巻。天から舞い散る数千、数万枚のデザインスケッチが次第に折り重なり、最後にA7のボディになる演出には、大袈裟でなく目頭が熱くなりました。

 さらに、今回のWのシリーズでは日本の文化や自然の中にある「白」をテーマに、新たに「絶対的な美しさ」というキーワードを掲げたとか。そうしてこの「センス」「品格」「美しさ」を中心にプレゼンは進みました。

 で、まとめは先日行われたゴルフⅦの発表会場でのワルター・デ・シルバ、ジョルジョット・ジウジアーロ両氏の対談からです。

 当日司会を務めた和田氏は、自分がデザイナーになるきっかけとなったジウジアーロ氏に「美しさとは?」という質問をぶつけたそう。これは多くのメディアで紹介されていたのでご存知の方も多いと思いますが、「美とは日本の着物や建築、文化やライフスタイルにあふれている。だから日本人の君にそういう質問をされると困惑してしまう」という答だったそうで、これに和田氏はたとえようもなく感銘したと言います。

 さらに「単なる新しさはすぐに古くなる。しかし本当の美しさはすたれない」という言葉は、アウディで10年の間デ・シルバ氏に育てられた和田氏の信念に確信を与えたと言い、氏は彼らの正当な後継者として確かな仕事をしたいとも語りました。

 それにしても面白いのは、デザインを学び、厳しい難関をくぐり抜けて入社した日本メーカーのデザイナーであれば、そんなことは当然のこととして認識しているかと思いきや、実はそうではないという事実でしょうか。

 和田氏の言葉を借りれば「来年の黒字のためにデザインを使うような社長がいるメーカーに、A7は絶対作れない!」ということですが、現役クリエイターであるメーカーのデザイナーがそんな状況であるのは残念であり不思議でもあります。氏はとにかく一度外(海外)に出ないとダメと言いますが、それが本当ならこれはなかなか深刻です。

 そうそう、そういう残念な国の評論家やジャーナリストにセンスや品格はあるのか? ということはしっかり自問しなくちゃいけないですね。

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