« クルマの他:先週の映画、2本 | トップページ | クルマ散策:化粧直しはしたけれど »

クルマ散策:いつか来た路?

Photo

 インド市場でホンダが好調らしい。

 インドといえばご存知スズキで、もうずっとトップシェアを堅持し、いまでもそれは変わらない。進出したのが相当に早かったから、アルトなどは一定の歴史を持つようになっているうえ、その後の車種展開も豊富だ。

 そこにトヨタやホンダなどが、新興国戦略として本格的に進出してきた。後発組とはいえ、それだけ市場調査は綿密にやっているだろうし、戦略車を作る技術も熟していると。

 ホンダで好調なのはブリオのセダン版であるアメイズだそう。フィット派生とかじゃなく、新興国戦略車として専用開発されたオールニューのコンパクトだ。

 このアメイズが、単月であれスズキのスイフト・デザイアの販売を上回った。いずれもハッチバックベースのセダンだけれど、1.5リッターディーゼルを前面に出したアメイズが、インドの優遇制度を利用して流れに乗ったらしい。

 安くて燃費がよくて優遇を受けられるといった「お得感」がいちばんの理由なのは間違いないけれど、ただ、やっぱりクルマ自体の魅力もまた少なからずあるんだろうとは思う。

 実際、ブリオが発表されたとき、雑誌では「日本に持ってくれば結構売れるかも?」といった記事が散見された。そこにもまた安さという要素はあったにせよ、やっぱり他にもある種の魅力を感じてのことかと。

 じゃあ、一体それはなんだろう?

 ブリオやアメイズは思い切った弾丸フォルムに勢いのあるラインをのせていて、何とも分かりやすい元気さがある。四の五の細かいことは言わず、あまちゃん風に「カッケェー」な感じで、もうバカみたいなノリだ。

 バイク風の立体的なメーターパネルもまた「カッケェー」で、これを明るいベージュのインテリアで囲み、さらにそれらが扱いやすいコンパクトサイズに収まっている。

 ま、勢いのあるボディのバランスはいささか妙だし、内外装の質感も価格相応だ。けれども、新しい市場=ユーザーに対し、素直に「これ、いいでしょう?」という真っ直ぐな想いや提案がブリオ(アメイズ)には確実にある。

 これはたとえば80年代、ホンダのシティやマツダのフェスティバに感じたカジュアルさにも似て、特別な機能云々じゃないシンプルな成り立ちのよさもまた含まれている。

 いや、いまさら昔はよかったという話じゃないけれど、無理矢理なコンセプトやアイデンティティー、不況ムードによる剥き出しのコスト意識、エコに引っ張られた数字至上主義に振り回された、いまの国内車に欠けた何かがあるんじゃないかと。

 トヨタの戦略車であるエティオスは若干地味だけど、やっぱり同様のカジュアルさはあるし、最近イラストが先行発表された日産によるダットサンブランドのコンパクトは、ブリオを凌ぐ元気さに溢れていそうな気配だ。

 実際の価格や作りは別として、パッソやヴィッツ、マーチなんかより、こうした戦略車にある種の魅力を感じるのは、たぶんそういう欠けてしまった何かがあるからだろうし、評論家が「売れるかも?」と書いたのもまた同様の理由からかもしれない。

 もちろん、スイフトやデミオのような良品はしっかり誇りつつ、また話をコンパクトに限定せずとも、日本車の元気度底上げに効きそうな要素があるとすれば、その「気持ち」を取り戻すことは決して悪いことじゃないと思うんである。

|

« クルマの他:先週の映画、2本 | トップページ | クルマ散策:化粧直しはしたけれど »

「クルマ散策」カテゴリの記事

コメント

やっぱり”ぶっちゃけ”ることが大事なんじゃないのかな。もっと単純にカッコいいとか、面白いとか。もっとストレートにモノを作れば、買うんじゃないですか?
これだけ複雑で、求められる条件は多いけど、いまの国産メーカーはあまりにも自分たちの都合を出し過ぎている。
マーチが日本国内はもとより、新興国でも苦戦しているのは、安く提供することはいいとしても、そのために生産性とコストを意識しすぎて、デザインや品質が及ばなかった。新興国は成長している国だから新興国なのに。目だって肥えるし、この程度なら新車じゃなくていい中古車にした方がいいとなる。
このアメイズがどうなのか詳しく見れてないので言えませんが、すぎもとさんがお書きのとおりなら、今までの新興国戦略車の流れも変わりつつあるんでしょうね。

投稿: アクシオム | 2013年7月 7日 (日) 09時25分

こんにちは。物凄い暑いですねー最近… が関係あるかどうか分かりませんが、日本市場の日本車にあまり興味なくなってきてる今日この頃です(笑)ホンダ頑張ってますねー。でも新型アコードも興味ないしなぁ。メカニズムは凄いんでしょうけど。バイクなんかも新しくCBR400Rとか安くなるつもりで魅力的に作ってありますが、日本じゃ高い!本来は500ccなのに日本の変な規制でわざわざ400に…。排ガス規制、排気量税制、燃費、免許制度、道路事情などで日本仕様車ってサイズも含めほんとつまらなくなってますよねバイクも含め。役人はこれ根本的に見直して、数値燃費至上主義もやめないとインドやタイや中国にモーターリゼーション 車文化も含めいつか負けるだろうなぁ。情熱が違う感じがする… 文化で負けたらそれこそ絶望的なよーな…。チープでも乗って楽しく本当に数字だけでない環境にもいい車やバイク、免許制度や税制にしないと日本の製造業は何処へ行くんだろう。 バイクも昔3ナイ運動?とかやって悪者扱いしたら廃れてしまい、自分で自分の首閉めてるし… 免許も普通自動二輪とったら、大型二輪なんて2、3回教習すればもらえるとか(普通免許で原付乗れる方が危ない)、車もバイクも日本特有の排気量区分とかやめないと。国際情勢に合わせるとかしないと後がない。軽自動車は規格を変えるなり、国際的軽自動車2区分とかつくらないといい加減。車庫に入らない、5ナンバー3センチでも超えたら許せないとかローカルな意見も大切ですけど、やっぱり根本的に変えてかないと車文化。とゆうことでホンダはCBR500Rも出して下さい。免許制度を変える意味でも。ブリオやアメリカや欧州だけで売ってる魅力的な車種も売りましょうよ(笑) 全てのメーカーにいえますけど。じゃないと日本の車文化は軽自動車のみになるよーな気が…。頑張ってるんでしょうけど、日本のとんでもガラパゴスで日本市場はコストダウンにディーラーの働く人々を食わしていくだけ&数値低燃費至上主義かもはや。 興味なくなりますよねそりゃ…。

投稿: さね | 2013年7月 8日 (月) 14時37分

お話を読んで調べてみたら、本当なんですねぇ。 インドだけじゃなくてタイでもずいぶん元気が良いらしい。
しかし、「カッケェー」(実は、知らない)や、勢いが今の日本車に必要なのかはわからないです。昔を知っていればいるほど、確かに「素」の良さがあって、乗って楽しい・見てカッコイイ!そんな車が今は無い!とは思いますが、日本が成長したのだから仕方ないとも思います。 バブル前→バブル経験者や車好きは、より良い品質・デザインのものを買うし、バブル未経験者や車に興味がない人は、結構日本車の品質・性能がまだ世界一だと思っているので、現行日本車で満足しちゃってます。 これは「成熟してしまった」結果で、みんながある程度興味がある成長期が終わってしまった社会の姿です。 私は、以前に前澤さんが言っていたように、品質の良さや緻密さの方向で進歩して欲しかったのですが、それはドイツ車が持って行ってしまいました。自動車だけでなく日本製品全体に優位性が無くなってしまい、スキモノには「日本製」だけでは響くものがなくなってしまって悔しいです。「勢い」で売れるほど日本に若さが戻ると嬉しいですが。 震災後、あまりの社会の進歩のなさに辟易ですよ~ 生まれて初めて、日本が世界から、製品も社会システムもかなり遅れていると感じています。あと世界で優位なのは、素材と大きなプラント製造くらいか・・・うむむ。

投稿: ぷじお | 2013年7月25日 (木) 00時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/97786/52337858

この記事へのトラックバック一覧です: クルマ散策:いつか来た路?:

« クルマの他:先週の映画、2本 | トップページ | クルマ散策:化粧直しはしたけれど »