« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »

Drive My Car:信州温泉ツーリング

Photo

 週末を利用して、長野県は野沢温泉まで1泊温泉ツーリングに行って来ました。

 野沢温泉にしたのは、温泉紹介雑誌の「1万円台温泉ランキング」で上位につける宿がずっと気になっていたため、です。

 初日は中央道・長野道で信州中野まで。アップルラインと呼ばれる国道18号線沿いのリンゴ園で、いまが旬の信濃スイート、信濃ゴールド、秋映といったりんご狩りをしてみました。あらかじめチェックしておいた有機栽培の農家はアタリで、どれもジューシーな素晴らしい味でしたね。もちろん、お土産分は大きな玉をしっかり選んできました。

Photo_2

 30分ほど走った小布施では、やはり事前に調べておいたジャズ喫茶「BUD」へ。と言っても、蔵を改装した店はだれもがゆっくり落ち着ける雰囲気で、アルテックから流れるジャズの音量はあくまで控えめです。

 到着早々、マスターから「これは珍しいクルマだね!」とお褒めの言葉がありましたが、小布施の栗を使ったモンブランと美味しい珈琲をいただいて帰ろうとすると、外テーブルに座っていたハーレーのドライバー氏からも「この赤はいいねえ」とお声をいただきました。こういう言葉はいつでも嬉しいですね。

 17時前にチェックインした宿「住吉屋」は、ガイドブックの高評価以上の感想でした。源泉温度90度以上の「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉」の掛け流し湯は体の温まりがとても早く、あっという間に全身真っ赤になります。にごり湯ではないですが、適度な硫黄の香りがいいですね。

Bud

 そして、行き届いたサービスもさることながら、圧巻は1万円台とは思えない料理でした。一見、山の料理は地味な印象ですが、一品いっぴん非常に手間隙が掛けられていて、どれも素晴らしい。2年前に諸事情で離れていた料理長さんが最近帰ってきたそうで、常連さんも大満足だそうです。家人はあまりの美味しさにレシピをもらっていました。

 翌日は温泉街をゆっくり歩いたあと、久々に長野市の善光寺へ。前回は一部改修中でしたが、今回は本殿もきれいになっていましたね。お昼は参道にある蕎麦店「大善」へ。ここはしっかりした十割蕎麦なのに、なんと「もり」が550円、大盛りでも800円という破格値。それもあってか、1日に何度となく蕎麦が「切れて」しまい、その度に打直すそうです。

Photo_3

 その後は松本まで戻って、いつもの中町通りを散策。クラフトなどを楽しみつつ、これも毎度の民芸喫茶「まるも」で珈琲タイムです。いやあ、ここは何度訪れても飽きません。夕方に高速に乗って、20時過ぎには帰京しました。

 今回のツーリングは全行程約700キロ。エアコンをほとんど使わなかったこともあり、燃費はリッター16キロを超えてくれました。ま、いまどきのコンパクトカーなら20キロは走るでしょうから、余裕で無給油でしょうけど、ジェミニはせいぜい満タンで500キロです。

 それでも、故障の気配もなく700キロを走ってくれるのですから、26歳の愛車には感謝しなくてはいけませんね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

新車心象風景:VW・UP!

Up

 UP!の登場は、日本のメディアやユーザーをそれなりに試すことになるんだと思う。

 その雑誌メディアはとりあえず絶賛モードだ。シンプルだけど新しいスタイル、丁寧に仕上げたインテリア、静かなエンジンに卓越した高速性能、手抜きのない安全装備に戦略的な価格設定。

 黒船襲来といった表現も珍しくなく、どの媒体もほとんど諸手を挙げた状態なんである。中には「何という走行性能か!」なんて感嘆を表現する評論家氏もいて、なかなかホットな状況だったりする。

 けれどもだ、ここで「らしい」のは、同時に新しいワゴンRも絶賛だし、ノートだって大評判、ミラージュもいいネ、というところなんである。それどころか、雑誌によってはこちらの方が誌面を広く割いていたりするくらいに。

 まあ、表現とおりに考えれば、本当に「黒船襲来」だったらワゴンRもノートも撃沈なわけだ。何たってクロフネだから。けれども、「UP!に比べてあまりに安っぽいノート」とか、「ワゴンRは高速性能で足下にも及ばない」なんてことはほとんど書かれない。感嘆したって書かない。

 ま、言うまでもなく、これはこれ、それはそれ、ということなんだろう。UP!は素直にすごいと書くけれど、ノートやミラージュの場合は一転日本車モードで書き、ワゴンRは軽モードで書くと。それを本気で比較したり、本気で語ることは絶対にない。あくまでも”緩く、温く”であって、結局「黒船」が来ても日本のメディアは変わらないと。

 一方、ユーザー側はどうだろう。

 先日、前澤義雄氏と連載記事の取材をしているときに、「UP!が日本で売れたら革命になる」と氏は語っていたけれど、省燃費・低価格が蔓延するこの市場で、僕ら日本のユーザーはUP!に相応の価値を見出すことはできるのだろうか?

 いや、180万円出すならアクアを選ぶことに何の不思議もない。パワーウィンドウがまとめて操作できなかったり、リアの窓が下がらなかったり、あるいは自動MTがギクシャクしたりなんてわかりやすい弱点も少なくない。

 けれども、その中のたとえば2割のユーザーがUP!に興味を持つのかどうか、だ。月に5000人のユーザーが「黒船」の存在に気づき、それがなぜクロフネなのかを理解するのか?

 ま、ポロの成功という前例があるのだから、きっとある程度の成功は見込めるんだと思う。ただ、それがこのコンパクトカー王国で大ヒットにつながるのかはまだわからない。もちろん、クロスやGTといったバリエーションが揃うことも重要な条件だろうし。

 ボディも走りも安全装備も、基本をしっかり作り磨き込んだ、少々不便なクルマ。基本や安全装備はそれなりだけど、飲み物やティッシュや買い物袋が巧いこと収まり、何でも自動で便利なクルマ。

 原発にはノーと言いつつ、次は安倍首相確定とか維新の会分裂なんてTV報道に容易に流されるデタラメな国民性だ。そうして省燃費という「風」にコロリといったユーザーに、どちらがいいクルマかなんていう選択は酷なのだろうか。

 いやいや、そもそもそんな安易な正否は語れないという独特の空気や、あるいは「選択肢は多い方がいい」というありがちな肯定論がまだあるとすれば、それこそがいちばん問題なのかもしれないとも思う。

| | コメント (17) | トラックバック (0)

雑誌記事:『XaCAR』11月号発売です

11

 『XaCAR』、11月号が発売になりました。

 前澤義雄氏との連載、今回はホンダ・CR-Zです。かつてのCR-Xの後継とも言えるこのクーペボディについて、今月もバッサリと語ってもらいました。

 ところでそのCR-Z、鳴り物入りで発売されたものの、なかなかパッとしないですね。

 ハイブリッド・スポーツという考え方は僕もいいと思うんですけど、少なくとも日本にはクーペ市場がそもそもないに等しいのが辛い。

 それに、大きさと性格が中途半端だったのはあるかもしれないですね。新時代のスポーツクーペなら、もっとダウンサイジングしてもよかったかなと。欧米市場でも、フィアット500やミニ、DS3なんかの実質2名乗り市場があるんですから、そういう小さなクーペもアリじゃないかと。

 あと、それこそ500やミニのようにプレミアムな存在にすればよかったとも思います。その点、現行車はインテリアにしても何となくいま風なだけで、所有欲に訴える付加価値が足りない気がしますね。

 ま、それはともかく、今月号の連載もよろしくお願いします。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

新車心象風景:プジョー・208

208

 1台のクルマにしてはいろいろなことを考えさせてくれるのが、今度の新しい208なんである。

 まず、ボディやエンジンのダウンサイジングは、昨今の欧州車の肥大化傾向を考えると賢明な判断だと思う。大きくなった先代207の発売後に、なんと206を一部復活販売するという掟破りに出た、その市場の反応に対応したんじゃないかと。

 もちろん、日本の5ナンバーにあたるVWポロの評判や、世界イヤーカーを受賞したUP!など、ライバルのダウンサイジング傾向が後押しになった面も十分想像できるけど。いずれにしても、高効率なパッケージングが欧州車の眼目と思っていた僕ら205な世代には、まあ納得の方向なんである。

 そして、内外装の質感の高さでは、またしてもクルマ作りの姿勢の違いを見せつけられた格好だ。とくにクラスレスな作り込みが素晴らしいインテリアは、昨今、ひたすらコスト重視で安物化に邁進する日本のコンパクトカーとはあまりに対照的で、日本て自動車新興国だったっけ?なんて思わせる。

 この辺、90年代には一時期追いつき追い越したと思わせただけに、こうした圧倒的な違いは相当残念な感じだ。歴史・文化・環境の違い、なんて話はもはや80年代に語り尽くされた。日本勢は、この2012年になっても「外国車は高価だから」という言い訳に終始するのかな?

 もうひとつ、エクステリアについては、もちろん作りそのものはいいんだけど、スタイリングそれ自体に関してはチョット?なのが208の面白いところだ。ノートのようにボールの軌跡を描いたワケじゃないだろうけど、アクセントとしておかれたボディサイドのキャラクターラインは「あ、いまやプジョーもこういう小細工やるんだ」という意外性を感じさせるんである。

 これは、ランプやグリルなどの細部にエッジをきかせる、新しいプジョーデザインの延長上に引かれたラインであることは理解できる。リアランプの凹形と、あたかも対称なイメージになっているのは偶然じゃなさそうだし。それでも、ここまでやってしまうのは「らしくない」と思わせるじゃないか。

 プジョー・シトロエン・ルノーと、フランス車を十把一絡げにするつもりはないけれど、ここ数年はどことなくとらえどころがないような気がしていた。「顔」は独自路線であっても、クルマ全体として何をしたいのかがどうもよくわからない感じ。

 それがここに来て、それぞれのメーカーが急激に仕切り直しを始めたように思える。効率的な機能を繊細でエレガントなボディで包み込む新しいプジョーの意図も、一連のコンセプトカーで十分理解はできた。最新モードを使っていながら、どこかよき時代のエッセンスを取り込んだ演出だ。パリでお披露目のGTIもその一環かと。

 けれども、コンセプトカーに比べてエレガントさがいまひとつ足りなかった508に続き、ちょっと表面に走り過ぎてしまった208と、どうもあともう一歩なところが惜しいんである。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »