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雑誌記事:マガジンX6月号発売

Magx06

 もう一昨日ですが、ニューモデル・マガジンXの6月号が発売になりました。

 今回はいつもの連載ではなく、巻頭の震災特集の中で2点の記事を書いています。

 ひとつは震災直後の外国車インポーターの対応と、もうひとつは今後のガソリン価格の動向予測です。

 ガソリン価格については、やはり震災よりも北アフリカ諸国の情勢が高騰の引き金で、今後中東も不安定になればさらに・・・というとことでしたね。

 面白いのは、業界団体もそうなんですけど、元売り会社が価格について一切口にしないことです。もちろん、価格を最終的に決めるのは販売会社ですが、それにしても異様なガードの固さ。

 やっぱりこういう巨大産業は、なんて言うか、気持ち悪いですよ。

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クルマ散策:モーターショー目白押し(その2)

Impressa

  残念な流れではあるけど、インプレッサもまた海外ショーでの発表となった。

 それこそまだ日本仕様が発表になったワケじゃないから詳細は後日にするとして、しかしここで想うのは、コンセプトカーの「味」を市販版でどこまで再現できるか、なんである。

 もともとスバルはコンセプトカーと市販車は「別モノ」という傾向があるけれど、それだけコンセプトカーにはかなり刺激的で面白い提案が多いとも言える。

 最近では「これをレガシィにすればよかったのに」の、ハイブリッドツアラー・コンセプトがそうだけど、例によって「これはとくにレガシィを意識したものじゃありません」とお決まりのコメントだったし。

 それでも昨年末来のインプレッサ・コンセプトは、珍しく具体的な車名を使いつつ、そのハイブリットツアラー・コンセプトの勢いを、そこそこ引き継いだ装いで出て来たんである。 じゃあ、あとは巧いこと市販版に落とし込むだけだと思ったら、あれ、こんなんだったっけ・・・と。

 「あれ?」の理由は、シャープさの劣化だ。現行レガシィにぴったり沿うフロント回りと前後ホイールアーチ、そのフロントを反復する新提案のリア。こういう各要素はそのままなんだけど、それらをまとめて全体を引き締めていた、ボディサイドのショルダーラインがキレを失ってしまった。

 だから、たしかにコンセプトカーにそっくりなんだけど、同時にどこにでもあるような凡庸さを感じてしまう。もともと強めのショルダーラインと、同じような円弧のルーフラインを持っている現行と代わり映えしないじゃないか、となるくらい。

 従来は「コンセプトカーは派手に、市販車は想定内に」というお約束があって、それ相応のパワーダウンは仕方ない感じだった。けれども、たとえば日産のジュークやボルボのS60など、最近は市販車こそチャレンジングに、が珍しくなくなりつつある。

 つまり、いまは意外とそういう挑戦を受け入れる土壌ができているわけで、だから、せっかく面白いコンセプトカーを出したのなら、もう少し攻めの姿勢でまとめて欲しかったなと僕は思うんである。

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クルマ散策:モーターショー目白押し(その1)

Lfgh

 モーターショー目白押しということで、今回もサクサクと。

 あちこち初出展だらけで目移りしてしまうけど、コメントにもいただいた、ニューヨークでのレクサスLFーGhがまずスゴイことになっている。

 「Lーフィネス」もネタが尽き、もしかして新しい方向性? なんて思ってたけど、意外にもさらなる進化を遂げるんだそう。

 そこに持ち込んだ新しいアイテムが「スピンドルグリル」だそうで、すごいことになっている原因もこれなんである。

 フロントグリルを中心にXの字を描くのは、身内のマークXジオとかだけじゃなく、たとえば最近のメルセデスなど、このところ他社でも見られるやり方で、ちょっとした流行なのかもしれない。

 だからこそなのか、ウチはそういうのとはひと味違いますぜと、欧州トレンドの大型グリルと紡錘形を合体し、巨大なダースベイダーの口みたいなことになってしまった。

 まあ、ワールドプレミアの中で埋没しないようにとか、しかもコンセプトカーだしってことなんだろうけど、それにしても品がない。

 で、このグリルが酷いのもあるんだけど、逆にそれ以外はわりと凡庸で、ほとんど特徴らしきものがないのがさらに残念だ。一応、これはGSのコンセプトと言われているけれど、もはやアリスト伝統のダイナミックなプロポーションもないし。

 試しに、グリルを隠してみるとあまりの特徴のなさにビックリするので、ちょっとやってみてください。

Photo

 もちろん、異様に磨き込まれたような面質や、パーツメーカー泣かせ?の超細密グラフィックのランプあたりも進化版Lーフィネスだと言いたいんだろうけど、それだけじゃあ、あまりに弱い。

 面白いのは、上海で登場した何の関係もないプジョーのSUVコンセプト「SXC」の方が、「先鋭・清妙」というL-フィネスをよっぽど巧く取り込み、かつまとめているように見えることなんである。

 プジョーは、508で従来の大顔からより繊細なイメージに方向転換をしたけれど、フィロソフィがどうのこうのと能書きを言わず、実車としてサラッとその繊細さを表現するのがいい。こういうのを見て、トヨタのデザイナーはどう思うんだろう?

 まさか「ウチのまねしやがって!」とは思わないだろうけど。

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新車心象風景:BMW X3

X3

 またしてもカタチの話で申し訳ないんだけど、あれ、こういう方向性なの? というのが第1印象なんである。

 強いエッジに凹面を組み合わせたクリス・バングルのデザインを引き継いだエイドリアン・ファン・ホーイドンクは、その方向性として、たとえば現行5シリーズのように、バングルデザインのソフト化路線を目指しているように見えた。

 そのバングルデザインは、意外にもプロポーションそのもを崩していたわけじゃないから、「ありゃチョットやり過ぎでしょう」という線や面の処理を、より万人向けに直すという方向かと。

 ところが、北米スタジオがキースケッチを描いたという新しいX3は、バングルの修正がどうのこうのじゃなく、何やらまったく別方向で、どうにも落ち着きのない造形やら意図不明のラインがテンコ盛りだ。

 フロントフェイスは、キドニーグリルの大型化こそ氏のテーマとしても、上下にLの字を組み合わせたような不安定極まりないヘッドランプは一体どうしたことか。中国の新興メーカーを想起させる、このいまさらな処理は結構な驚きだ。

 サイドのキャラクターラインもいけない。何でこんなにザックリ深くえぐるのかという疑問もあるけれど、それ以前に何ら新鮮味がない。メルセデスあたりが始めていくつものフォロアーを生んだこの方法をなぜいま?

 さらに、フロント、リアのホイールアーチにかかる中途半端なラインはもっといけない。プレスリリースには「前後ホイールの踏ん張り感を強調」とあるけど、先の深いラインに対してあまりに弱く、しかも妙な位置に引かれているので、そんな効果はどこにも感じない。

 ボンネットも含め、この意味不明な多くの中途半端なラインは、最近のトヨタ車によく似ているんである。L字を意識したという複雑なリアランプも含め、だから一体何をやりたいのかサッパリわからない。

 ただ、そういう疑問の大部分を打ち消してくれているのが、作り込みのよさだ。繊細なエッジをも表現するプレスの精度などは、まあずいぶんなコストを掛けているんだろうなと思わせるけど、その圧倒的な品質感による「ちゃんと作ってます」感が七難を隠す。これは、もちろんメルセデスやVW,そしてアウディなんかも同じなんだろうけど。

 実際、単純に造形だけだったら、個人的にはスバルのフォレスターの方がよっぽどまとまりがいいと思う。若干残念なホイールアーチの処理を見直して、それこそBMW基準で組み立てたら相当いい感じになるんじゃないかな。 

 一部、文化系評論家には拝欧主義が根強いなんて言われる。僕自身はそうじゃないと自覚しているつもりだけど、まあ結果的に日本車の批評が多かったりするのは事実だ。

 ただ、それにはそれ相応の批評理由があるし、先の「作りのよさ」が底上げをしていた部分もあったかとは思う。けれども、そうは言ってもやっぱりダメなものはダメという、今回はとても単純な話なんである。

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クルマ散策:F1も応援?

Redbull

 「がんばれ日本」のステッカーをマシンに貼り、特別な支援セレモニーまで行われて開幕したF1。一部でなく、すべてのチームが応援を口にするのは、いかにも世界的なスポーツである証なんである。

 なのに、その日本人ドライバーがいるチームを平気で失格させるのもまたF1だ。躍進する中団チームを叩いて口答えさせないのも、またいつものこと。今回はメルセデスやウィリアムスが自滅しての7、8位なんだし、放っておいてくれればいいのに。

 そんなデタラメな行為がまかりとおるほど、F1という興業は巨大で揺るぎないものなんだろうけど、この不条理にも「やるべきことを続けるだけ」と前向きなカムイ選手のことを考えれば、せめて日本のF1ジャーナリストには、この不条理の仕組みだけでもしっかり伝えてほしいとは思う。

 不条理、理不尽といえば、避難先で亡くなる方も多いというのに、高血圧とめまいでトップが入院しちゃった東電もかなりのものだ。このまま役員も退いてトンヅラか?

 そもそも、40年も50年も掛けて原発をここまで推進し、加えて、さまざまな指摘を無視して「絶対安全」を謳う東電に認可を与えてきた前政権が、総理の初動云々と批判するのも理不尽な感じだ。

 F1と同じく、メディアはこの辺に突っ込まない。原発だけじゃなく、高速道路料金だって暫定税率だって、元はと言えば自分らが蒔いた種なのに、他人事のように批判する神経は叩かれて然るべきだけど、そこは言わない、書かない。だいたい、入閣はともかく、協力体制を約束した野党っていま何やってんだ?

 まあ、民主も基本原発推進だったのは残念な感じで、”新成長戦略”として、当初から新エネルギー政策をしっかり打ち出しておけば世間の目も違ったのに。

 そうそう、今週末はもうシンガポールGP。逆境の中、ここで腐らずいい走りを見せたら、カムイはさらに世界中から評価されるんだろうな。

 やっぱり真摯で、かつシンプルなのが一番強いのかも。

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クルマ散策:デザインの本

9784620320441

 出版不況のなかでも、クルマの本はとくに売れない。企画段階で「クルマの・・・」と言った瞬間NGなんていうのもオーバーじゃなくて、実は僕自身も味わったりしている。

 さらに、クルマ業界の中でも語られることが少ないデザインについてはなおさらなんである。そういう意味でも、中村史郎氏による『ニホンのクルマのカタチの話』は、かなり稀少な例だと思う。

 ただ、デザインの専門書的なものを期待するとちょっと違って、かなり噛み砕いた表現でまとめている。とくに前半は、氏の目指している考えを実際の日産車を例に語るので、少々商品紹介っぽくもあり「おやおや?」となったりする。

 それでも、後半は「チーフ・クリエイティブ・オフィサー」という難しい肩書きの意味と役割を語るべく、デザイン論的な話が出てきて興味深い。

 いちばん面白いのは、日産就任当時から、すでに自身ではスケッチを描くことをやめていたことかと思う。

 ご存じのとおり、デザイン部長なりチーフデザイナーというのは、自分のテイストをその会社の商品に投影することがほとんどで、その独自な力を見込まれて責任者に就くのが一般的でしょう。

 だからクリス・バングルみたいに賛否両論な改革が起きたりするんだけど、中村氏は最初から「まとめ役」に徹したのが面白いし、さらに、そうしたひとりのデザイナーによる”特徴付け”をきっぱり否定しているのが目新しい。

 そして、デザイン業務そのものについては、たとえばインフィニティの概念を「あでやか」としたのが面白いな、と。

 いや、トヨタが「バイブラント・クラリティ」とか「Lフィネス」とかいう理屈っぽい概念で、結果的に袋小路に迷い込んでいるのに対し、より解釈の幅を広くできる概念で自由な発想をしているのが巧い。

 逆に、日産ほどの規模で、決まったファミリーフェイスや定型の素材を持たせず、しかしどのクルマを見ても日産車に見え、かつ質が高い、というディレクションは相当難しいと思う。だから、実際「あれ?」っていうのも散見されるワケだけど。

 まあ、デザインに精通している人にとっては、かなり入門書的な軽い読み物だけど、日本のメーカーの現役デザイナー(役員)がこうした本を出すこと自体は、やっぱりとても意義深いと思う。

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