« 雑誌記事:マガジンX3月号発売 | トップページ | 新車心象風景:スズキ・MRワゴン »

新車心象風景:レクサス・CT200h

Ct200h

 新しいレクサスの心象は、ふたつだ。

 まずひとつは、スタイリングを含めたパッケージ。これ、パッと見て結構多くの人が「あ、レクサスのBMW1シリーズね」なんて感じるんじゃないだろうか。で、ほとんど同時に感じるのは、それが”想定内”ってことじゃないかと。

 つまり、ISの下にHSを置いて、じゃあ今度はプレミアムコンパクトという時に、まあレクサスならきっと小さなISみたいな感じなんだろうな、そもそもISが3シリーズっぽいんだから、当然今度は1なんだろうなという。

 けれども、たとえばメルセデスがワンモーションのAクラス、アウディがFFハッチバック王道のA3を、あるいはBMWがミニでロングキャビンのクロスオーバーをと、一口にプレミアムコンパクトと言っても展開はいろいろなんである。

 だから、レクサスがFFでCTを作るのに、何もBMW風のFRちっくなスタイルやパッケージにこだわる必要はないし、しかもその名前がクリエイティブ・ツーリングの略だっていうんだから、なおさら新しい展開を考えてもよかったんじゃないかな。

 まあ、HSも随分ぼんやりとして面白味がなかったけれど、HV専用とするならプリウスの高級版方向とか、FFならかつてのオーパのような超合理的方面とか、あるいはシトロエンのGSシリーズのようなオシャレ・アヴァンギャルド系とかね。

 そうは言っても、例の「L-フィネス」なんてフィロソフィもあるし、そこから外れたいきなりな展開は厳しんだ、ということなのかもしれない。けれども、それにしたってここまで予定調和的なまとめ方は、プレミアム後発組としてちょっと工夫がないし、もったいないなと思うんである。

 もうひとつはHVシステムについて。

 HSもそうであったように、CTもまた基本的にはプリウスと同等のシステムを使っている。で、このシステム自体の性能に不足があるのか否かはともかく、どうしてそこにはプレミアムな性能が付加されないんだろう、と思うんである。

 いや、アプローチはいろいろあって、たとえば単純に高額車っぽく大きなエンジンと高出力のモーターに換装するのもアリだろうし、そうじゃなくて、より高性能バッテリーへの変更や効率の見直しによって、出力、燃費とも劇的に向上させるのも面白い。

 だって、同じシステムを使って、車両形状やら重量などの影響でリッター4キロほど燃費が落ちているものを、しかし「このプレミアムコンパクトクラスではダントツの燃費性能」なんて宣伝するのはちょっと寂しいというか、ズルいというか。

 あ、パワーモードなどの制御設定やエンジンマウントを変更していたりするというけれど、そういうのじゃなくて、高級車のアイコンとしてもっと分かりやすい差異ね。

 レクサスとしてはいちばん安いとは言っても、何せベース車で350万円と絶対的には随分な値札を付けているんだから、やっぱり肝心の心臓は別物を持たせたい。プリウスに100万、150万円も上乗せなんだから、じゃあここはリッター50キロねっていう企画開発があってもいいじゃないか。

 もちろん、拡大傾向の新興国はともかく、自国だけじゃなくて、イマイチ評価の定まらない欧州なんかを意識すれば、コンサバ路線でもいいから、とにかく早いところラインナップを完成させてしまいたいという気持ちがあるのかもしれない。

 けれども僕は、逆にクルマ自体の発想を広げて、新しい時代のプレミアムカーを示した方が活路が見えてくると思う。トヨタがプレミアム後発組で、かつ実用HV車の先駆者であるなら、その点で幅広い、攻めの提案があって欲しいと思うんである。

|

« 雑誌記事:マガジンX3月号発売 | トップページ | 新車心象風景:スズキ・MRワゴン »

「新車心象風景」カテゴリの記事

コメント

何を作りどう売るかなんかに文句を云う気は無いが、
こんな車350万も出して買う奴の顔を見てみたいものだ。

しかし
面白くもネェ車を作るのはトヨタの十八番だから、
仕方ないって言えばその通りなんだが。

投稿: 佐衛門 | 2011年1月29日 (土) 10時45分

画像観ただけですが、自分ならこの車よりゴルフのが欲しいです。

お金持ちのご近所買い物用にエコカーならリーフ辺りのが良い様な気もしますし。

投稿: B.Y | 2011年1月29日 (土) 12時41分

「MRワゴン」の新企画拝見しました! あれは、いいですね。デザインの意図を生の声でって。なかなか現状ではコマーシャル・コマーシャルしたデザインの話が多いので、淡々と聞くのは貴重だと思います。

私は、今度の「MRワゴン」は、先代がありえなかっただけに好きですよ。 「フランフラン」の小物みたいで、イヤではないデザインですね。

そして、「CT200h」。これだけ、ユーザーの設定がわからないクルマもまた、トヨタらしい。 惰性で、なんとなく作った感ありありで、「クルマ好き」・「小さいけど、贅沢なもの好き」・「メカ、スペックオタク」・「デザイン最優先」…と、どれにも当てはまらないですよね。
「シグネット」じゃないけど、「レクサスオーナーのセカンドカーで、ハイブリッドに騙される人」という、ニッチ過ぎるところ狙いですか(笑)bleah

特に顔のデザインは、「カースタイリング」の別冊で、きっとこれはさらに手が入って市販されるだろうって言われてましたが、ほぼそのままで出てきた!

こんな気持ち悪いデザインのクルマ本当に売らないでもらいたいです。
デザイナーいないんでしょ、ホントはsmile

投稿: ぷじお | 2011年1月29日 (土) 14時36分

写真で見るとレクサスが解釈したBMW1シリーズなんですが、実車はさにあらず。写真と違ってそれほどBMWの1風じゃない。
とにかくずんぐりむっくり。プレミアムコンパクトハッチバックじゃなくて、ショートワゴンですね。初代インプレッサがハッチバックと言いたくなくて、スポーツワゴンと言っちゃったのとは逆ですね。
せっかくふんわりした触感のパンをつかったサンドイッチが、上から押しつぶされちゃった感じですね。もうちょっとスケッチ通り仕上げればよかったのに。
インテリアに目を向けると、インパネはそれとなくBMW1レイアウトですが、意外とドアトリムの質感が妙に低く感じましたね。ベースとなったオーリスの方がシンプルな分いいかもしれないと思う出来です。
Lフィネスを貫徹するには、もうちょっとデザイン自体をシンプルにして勝負をした方がいいかもしれません。
アウディのA1も拝見、試乗しましたが、見た目の出来、質感はよかったけど、走りは単に大人しいアウディ版ポロ。そんなに質の高い走りじゃないし、乗り心地や静粛性は平均的で、エンジンが妙に大人しかった。
話題のプレミアムコンパクト2台にちょっと肩すかし気味だったかもしれません。

投稿: アクシオム | 2011年1月29日 (土) 22時53分

レクサスには興味が無かったので、このクルマがHVだったことも知りませんでした。
とにかく「クシャっと」した顔つきは生理的に受け付けないですね。
350万円も出すんだったら・・・プジョーのRCZですかね。

投稿: アレスタ | 2011年1月31日 (月) 20時13分

お久しぶりです。

プリウスに高そうなガワ被せて350万円も驚きですが
フロアマットだけで8万4千円もするんですよ、これ。
もうお笑いの域に達してますね。

うっかり乗ろうものなら土足でマットを踏むなと言われそうです。
それとも、これだけの値打ちなんですから
空でも飛んでくれるんでしょうか?(苦笑)

しっかし、ボロい商売ですねぇ。
どこまでもユーザーを小馬鹿にしたいようで。

投稿: なおすけ | 2011年2月 1日 (火) 17時55分

佐衛門さん

トヨタは面白くない。一体いつになったら、こう言われなくなるんでしょうね?

BYさん

ゴルフはプレミアムじゃないんですけど、そう思われちゃうのが悲しいとこ
ろですね・・・。

ぷじおさん

デザイナーインタビュー。今回は最初ということで結構薄い感じですが、今後
は少しずつ突っ込んで行きたいと思ってます。ト
ヨタデザイン、この前部長さん自身が見直しみたいなこと言ってましたよね。

アクシオムさん

CTもそうでなんですが、最近トヨタブランドのフィロソフィとレクサスのF-フィネス
が混ざってきているというか、ゴッチャになっている気がします。いずれも理屈
先行なのが理由なのかな、なんて。

アレスタさん

たしかに、つぶれている感はありますね。自国のプレミアムブランドに興味のな
い方が多いって、結構不幸なことですよね。

なおすけさん

フロアマットで・・・・・そうなんですか。まあ、こういうクルマは高いことが存在理
由ですからね。ただ、CTでは安さも強調している点が本末転倒な気がしますね。


投稿: すぎもとたかよし | 2011年2月 2日 (水) 12時53分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/97786/38646558

この記事へのトラックバック一覧です: 新車心象風景:レクサス・CT200h:

« 雑誌記事:マガジンX3月号発売 | トップページ | 新車心象風景:スズキ・MRワゴン »