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雑誌ナナメ読み:もう批評の時代じゃない?

Navi03  雑誌NAVIが創刊300号記念をやっている。

 今月号の特集は「NAVIっぽいってどういうコト?」。歴代編集長へのインタビューを目玉にした企画それ自体、まあ普通の自動車雑誌はやらないよなあ、とも思ったりする。じゃあいまのNAVIが文字とおりNAVIっぽいのかっていうと、個人的にはそう言い切れないんである。

 創刊以来の読者である僕にとって、NAVIをひとことで表現すればやっぱり「NAVI TALK」なんだと思う。いや、それはオリジナルの大川、徳大寺、館内3氏がいないとダメっていうことじゃなくて、あくまでも内容的な話で。

 たとえば、この特集号ではNAVIっぽいクルマとしてラテンなコンパクトカーなんかが”推薦”されていて、まあたしかにそれは間違いではないんだけど、実は別の意味で日本車もまた主役だったんじゃないか、と僕は思っている。それがNAVI TALKであり、イッキ乗りであったと。

 要するに、ちゃんと正面から国産車の批評をやっていたのが実はこの雑誌の”らしさ”のひとつだったんじゃないか。日本車はどうもイカンということを、単に欧米崇拝じゃなく、具体的に筋道立ててやっていたのがNAVI TALKで、それをコラム的に変化させたの下野氏だった。サイドインパクトビームに代表される安全装備の告発なんかは正にその延長上にあったわけで。

 もともとハード的な見方はしないという編集方針だったらしいけど、だからこそ俯瞰した見方ができたのが特徴だったと。もちろん、社会学者や作家などの執筆陣がそれを脇から支えていたのはあると思うけど。

 で、ここからは直接NAVIの話ではないんだけど、僕には最近雑誌に感じているひとつの違和感があって、それは「とにかくクルマは楽しもうよ」という妙な肯定思考というか、業界暗黙の了解みたいなヤツなんである。日本車はツマラナイとか言ってないで、そんな暇があるなら大好きなクルマに乗って楽しもうゼ、みたいな流れ。

 いやいや、もちろん僕だってクルマを楽しむことに異議はない。って言うか、十分楽しんでいるし。ただ、個人ではなくメディアがそっちのみを向いてしまうことに違和感があるということ。もう批評なんかやめようみたいな。もちろん、始めっから批評なんて関係ない雑誌もあったけれど、それがすべての雑誌メディアに拡大しているところがどうもね。

 それが国産車不況?対策としての配慮なのか、それとも批評に飽きちゃっただけなのかは分からない。けれども、ああ、この雑誌は日本車を変える力、メッセージ性を持っているなと思わせたところまでが、いま面白ければいいじゃんって感じになっているのはどうなんだろう? メディアが批評をやめちゃっていいほど、日本車はまだ大人になってないと僕は思うんだけれど。

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コメント

NAVIも1代目、2代目編集長まではかなりキャラクターがあって、彼らが築いた企画で引っ張ってきた感じはありましたが、3代目以降の編集長って、キャラクターも弱く、広告収入目当てのファッション雑誌のような企画から、いつの間にかCGのような走りの雑誌になってしまった感じがしますが…
とにかく自動車の文化論を語らなくなった気がしますね。

確かに最近の自動車雑誌には、ひひょうの目が少なくなりましたね。
むしろ経済誌の自動車記事を見ていた方が、自動車業界に対する見方が実直かもしれません。

投稿: アクシオム | 2009年2月22日 (日) 23時59分

確かに批評云々に関しては‘すぎもと’さんの言う通りだと思います。 というか、そうならざるを得ない状態に置かれていると、云った方が良いのではないでしょうか? まあ、そういうスタンスで本を作ってきた部分も有りますけど。
先ず、メーカーサイドの圧力が在るんじゃ無いですか? つい最近も某社の偉いさんが、自分と異なる意見や、不都合な記事に対して恫喝して居ました。 其れを世間一般が問題視したと云う話しも聞きませんし、国会等で話し合われたと云う話しも聞きません。 欧米なら直ぐに問題視されたり、スポイルされたりするんですが。 真の消費者保護の土壌が無いというか、犠牲を払って民主主義を獲得したのでは無いので、日本はこういった事には疎い様な気がします。 これが日本の自動車雑誌の提灯記事的な物に結び付いていると思いますし、最終的には読者が正確な情報を得られない事に繋がっていると思います。
次に雑誌の価格が相対的に安過ぎる事が在ると思います。 だから取材や調査に充分な費用が掛けられないし、部数が出ないとペイ出来ない。 必然的に広告やメーカーの広報に依存する形に成りやすいと思うのですが。

投稿: 山の熊さん | 2009年2月23日 (月) 02時28分

創刊当初は「ハードのCG、ソフトのNAVI」って触込みでしたね。初代鈴木編集長の頃はそのキャラクターが際立っていて、それなりにユニークな雑誌でした。
加藤新編集長も頑張っておられる様ですが、今は1億総自動車ライターの世(笑)、ネット上には遥かに面白い情報が溢れている訳で、既に使命は終えたって印象ですかねぇ。ま、NAVIに限らず何処の自動車誌が無くなっても不思議ではありませんし。

投稿: gop | 2009年2月23日 (月) 08時37分

確かに批評的なこと、特に新車の紹介では褒めることはあっても批判的な記事は見かけませんよね。
世の中がもはやそういう記事を求めていないことも関係あるのでしょうが、寂しいですね。良い事も悪い部分も指摘するのが評論家といわれる人の仕事だと思いますし、どちらかを無くしてしまっては、仕事の放棄と変わらない、「お好きなものをどうぞ~」では、やはりまずいです。ネットの情報量に完璧に置いてかれますよ。
業界内で馴れ合ってるうちに、日本車が得意だった見栄えは良い内装もあからさまな質の低下が、3~400万円台のクルマでも目立つようになってますよ。中身も推して知るべしでない事を祈ります。

投稿: ぷじお | 2009年2月25日 (水) 22時25分

アクシオムさん

もちろん雑誌は編集長の色が出て当たり前なのですが、それがその雑誌の特性に合っているかどうかということですよね。これは難しい話ですけど。

山の熊さん

それはいまに始まったことではないわけですよね。その中でいかに質の高い仕事をするかですね。NAVIが国産車批評をしてもOKだったのは、その批評の質が高かったからで、そういうものは周囲も認めざるを得ないですからね。

gopさん

使命は終えた・・・のでしょうか? たしかに媒体によってはそう感じるものもありますが、終える前に色々やって欲しいですね。

ぷじおさん

今回言いたかったのは、批評はもう「青臭い」という雰囲気がどうもなあということです。まだまだやることはある筈なのに・・・。

投稿: すぎもとたかよし | 2009年2月26日 (木) 17時02分

先日来たCG CLUBのニューズレターに塚原編集長が「最近読者の顔が見えない」と言う様な事を書かれていたのですが、今の時代車だけで語る事自体難しくなって来た様に思います。出版業界も未だ古い体質が残っているし、月刊発行と言う考え方も今となっては如何なものかと。日本車をここまで良くして来たのもメディアの力なんですけど、つまらなくしてしまったのもメディアなんですよね。これからはすぎもとさんの様な方に頑張って頂かないと(^^

投稿: gop | 2009年2月27日 (金) 08時35分

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