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雑誌ナナメ読み:プロと一般人

Wagonr  評論家の表現としては結構見かけるし、細かい話なんだけど、やっぱり気になるんである。

 たとえばいま売りのベストカーのワゴンR記事。乗り心地がソフトになった新型に対して有名評論家K氏曰く「個人的には先代のシャープさを好むけど、一般ユーザーなら新型を評価するだろう」

 まあ「一般」って言葉がどうなのかという問題はさておき、自分の好みは○○だけどフツーの人は××でしょうだなんて、プロの評論家としてはてんでダメでしょ。

 だって、自動車評論家というのは自分の価値観や感覚を総動員してクルマを客観的に評価するのが仕事なワケでしょ。明快な意見としてまとめて、それをユーザーに提供するのが。それが自分はこうだけど他の人は違うでしょ、なんていうのなら、この人が公共の媒体でモノを書く意味はないよね? そんなんだったら誰でも書けるし。

 評論家である自分が先代の走りを支持するのだったら、それはつまりプロが先代を評価しているということ。そうであるなら、説得力を持つ内容でその理由を示すのが仕事なんじゃないのかな? それができないのなら書くべきではないし、単純に好き嫌いだとしてもやっぱり書くべきじゃないでしょ。

 「慣れ」なんだろうなあと思う。個人的に、とか書いておけばべつに問題じゃないでしょっていう。自分と一般人の感覚は違うんだからこれでいいと。

 本当はその「差」こそがプロの証なんであって、どうユーザーを納得させるのかが腕の見せ所だと思う。小さい話のようで、結構重要なことだと思うんだけれどね。

 さて、明日から久々にちょっとしたロングツーリングに出かけてきます。

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雑誌記事:今日の取材

Img_1488  今日、青山で行われたトヨタIQの試乗会に行って来ました。

 会場はレストランを詰め所にして、隣接する大型駐車場にズラリと試乗車を並べるといった形。といっても僕は試乗じゃなく、開発者へのインタビューが目的です。

 これは、先日いすゞの記事を掲載したジェイズティーポの取材で、来月発売号へ向けたもの。話を聞いたのは40分程度でしたが、たぶん2ページくらいの記事になるのでは?と思います。

Img_1486_2  実は試乗会というのは初めてでした。今回はシティコミューター的なクルマということで都心が会場なので、まあ箱根あたりの試乗会とはだいぶ雰囲気が違うのでしょうけど、けっこうアッサリな感じで意外でしたね。なんかこう、キーの奪い合いみたいなイメージだったんですけど、来場者はパラパラ来る感じで、実に静かに時間が流れていました。

 記事の内容はそんなに意外性のあるものではありませんが、ちゃんと掲載されましたらお知らせします。

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新車心象風景:ホンダ・オデッセイ

Odyssey   たとえば、日産の初代セフィーロやスバルのアルシオーネSVX、あるいはユーノス500とか。

 先進性や新提案が理解されず、最後まで販売台数に結びつかなかった残念なクルマは結構ある。その場合はたいていフェードアウトするか、趣旨換えしてつまらないクルマになったりするのが常だ。けれども、新しいオデッセイはそうじゃなかった。

 FCXクラリティで提示された新しい顔や、最近のフィットやフリードと同様V字基調のリアまわりをしっかり採用しているけれど、シルエットとしちゃあ、まあ同じだ。だから、ホンダは低床構造を利用したこの低いボディに相当な自信を持っているんだと思う。

 つまり、先代はちょっとしたタイミングが悪かった、という判断なんじゃないかと思うんである。クルマとしてはよかったのに、この背の低さがうまく伝わらなかった。いいタイミング、うまい広報をもってすれば本当は成功する筈なんだと。

 じゃあ、どうしようか? まずは先述の新しい顔やリアの移植。そして、いまどきの抑揚のある面に、分かりやすいキャラクターラインで「同じようだけど、カッコよくなったでしょ?」というメッセージ。これで再チャレンジを敢行したんである。もちろん、昨今の状況を勘案した燃費対策や各種便利機能も忘れていない。

 で、もうひとつ奮発してジョージ・クルーニーの起用だ。「男」というベタなコピーとともに、インパクトのある広報活動で再チャレンジを支援する。これでどうだ、今度は納得したか? とユーザーに問う。

 個人的には、ショルダーラインを筆頭にスタイリングの明快さがすっかり消えてしまったのが?なんだけど、ただ、面白い提案だった先代の商業的失敗に再チャレンジした点にはとても興味がある。これが明らかに成功すれば、かなり貴重な実験結果になる筈だと思うんである。

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Drive My Car:フロントガラス交換

Img_1254   仕事で長野へ出張する途中、中央道で”とび石”に遭ってしまったんである。

 小さな石だったけど、今回は運悪く星形のヒビが目の前にできてしまった。あー、こりゃリペアだなあ、などと思い修理に持ち込むと、この手のキズは直らないとのこと。つまり、キズが気になるならガラス交換しかないと。

 そりゃあ、目の前に★なキズがあったら気になるので交換を依頼。ガラス屋さんは「在庫あるかなあ?」などと不吉な言葉を。

 で、数日後、日本中を探した結果、いすゞの青森営業所の倉庫と製造元の旭硝子の倉庫に各1枚、計2枚残ってるらしいとの回答。さらに、青森モノは倉庫の中でどんな状態になっているか分かったもんじゃないので、まあ旭硝子モノ1枚だと思ったほうがいいですね、と追い討ちの言葉。

 何と9万円という値段に一瞬絶句したものの、しかしあと1枚じゃ迷っている場合じゃないとその場で注文。幸か不幸かゴムモール類も在庫ありということで、無事キレイなガラスが戻ってきました。

 あとで聞いてみると、ガラスは新品パーツとして普通にあるとのこと。ところが、全面薄いブラウンのオリジナルに対し、新品パーツは上部から茶色がグラデーションになっている後年式用のもので、つまり、色々種類はあったけど、いすゞ的にはもうこの1種類に統合しちゃえってことらしいです。まあたしかに形は同じなんだけどさあ・・・。

   ま、そういうワケで、ジェミニはますます手放し難い存在になっています。

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新車心象風景:トヨタ・bB

Bb   まあ、あんまりムキになっても仕方ないのかもしれないけど、やっぱりどうなんだろうと思う。

 だいたい、ワルを気取って出したのに、何で「マイルド」を出すのかって話でしょ。たとえば最初から普通とワルを出すノアやヴォクシーだっていかがなものかと思うのに、マイルドなワルってもうワケ分からないし。

 一見、ダイハツ版のCOOに似てるけど同じじゃないんだよね。そうすると同じクルマで顔が3種類ってことになるでしょ。あ、もしスバルへのOEMが顔違いだと4種類になるかな。その発想の「経緯」みたいなのは理解できるんだけど、実際にやっちゃうかな?

 いや、これが業績に苦しむ下位メーカーが苦し紛れっていうならまだしも、世界一のメーカーだからね。ちゃんと調べてないけど、多分こういうのって自国だけでやってるんじゃないかな、トヨタは。だってフツーは通用しないだろうし、だいいち恥ずかしいでしょう。

 これ、結局日本のユーザーをバカにしてるんでしょ。サイオン絡みで出したものの、どうも売れないからチャカっとやっちゃえって。これで月に500台が1000台でも上乗せになれば儲けもんだって。

 こういうこと書くと、選択肢は多い方がいいっていう人が必ずいるんだけど、僕は違と思うな。やっぱりその選択肢がどうなのかっていうことを考えなくちゃ、ユーザーとしても無責任だもん。僕はどのメーカーにしたって、ちゃんとしたクルマを作って欲しいって気持ちがあるので、こういうのはホントやめて欲しいと思う。

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新車心象風景:日産・ムラーノ

Murano  たとえば、V35スカイラインのクーペとか、トヨタのヴィッツとか。非常に明快なテーマを持ち、とても息の長そうなスタイルのクルマが、モデルチェンジでその明快さを失うことが稀にある。ムラーノもそういう気がする1台なんである。

 スカイラインやヴィッツがそうであるように、部分的には新しそうなラインや抑揚を手に入れるのだけど、カチっと決まっていたテーマが薄れてしまって、何となくボンヤリしたイメージが漂う。

 新しいムラーノも、未来ちっくなフロントグリル、巨大なホイールアーチフレア、いまどきっぽいショルダーライン、デュアリスみたいなリアランプと、新しさいっぱいの要素が溢れている。けれども、全体として「こういうカタチなんだ!」という明快な意図が読めないんである。

 先代はマーチの親分のように、ボディの上下をハッキリしたラインで分けるというテーマがひと目で分かった。フロントランプもリアランプもそのラインに沿って配置されていて流れがあり、とにかく破綻や無理がなかった。で、何よりオリジナリティも。

 ま、北米はこういうのが好まれるから、と言われてしまえば「そうなんですか」としか言いようがないし、とんでもなく酷いとかって話じゃない。ただ、ゴーン改革時に一気に出た秀作達に比べると、何だか最近の日産は少々ムラがあるというか、思い切りがないというか。

 キーデザイナーの強い「想い」のようなものが感じられないのが残念なんである。

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新車心象風景:スズキ・ワゴンR

Wagonr_5  今回は静粛性がウリなんです、という営業の方の話を聞いてアクセルを踏み込むとグオーンと威勢のいい音。ん? うるさいじゃないか。しかも、走り始めはかなりトロいし。

 内装、たしかに先代よりは作りがよくなっているけど、なんか薄べったい。価格表を見比べれば上級グレードは格上のスイフトよりお高いのに、なんでこんな質感に差があるんだろう。

 街中はともかく、高速を使うようであればやっぱりターボが要りますね、と営業マン。もう走り始めから体感が違いますから。ただ、燃費は少々落ちますけど、今度はCVTですから少しはいいかと・・・。なるほど、グオーンとなったのはNAだからか。

 しっかり走るなあ、と思ったら何と我がジェミニとホイールベースは同じじゃないか。あ、タイヤも同じ14インチだ。段差も気にならないし、後席も広い。

 四角四面に定規のようなラインを入れた道具感いっぱいのボディは、ついに小型車の文法を取り入れて色気を出した。この辺はセルボで勉強したということか。けれども、ライバルのムーヴほど情感は入れないで、一応歴代の香りは残してある。

 ここんところずっと感じているけれど、小型車や普通車のモデルチェンジに比べると、軽は1世代での諸々の向上感がえらく大きい。よく、軽と小型車では設計の次元がまったく違うみたいな話を聞くけれど、それが近づいているということなんだろうと思う。

 すると、やっぱり結論はいつも排気量の話になってしまう。エンジニアさんは660で頑張っているとは思うけど、安全性能を上げたボディはどんどん重くなるというジレンマもあるし。とにかく、居住性や乗り心地がここまで来ているんだから、現実的にこれ1台ですべてまかなえるクルマにするべきでしょ。この技術は日本の誇りなんだから、妙チクリンな規格は早いところ修正しないと。

 寸法が現行とおりなら1リッターエンジンでも同じ税体系でいいじゃん。それに衝突基準と内装のチープさを見直せば、軽は世界中でヒット間違いないでしょう。 いや、そのひとつの回答がパリショーの「ALTO」だとは思うけど、何だかもったいない。個人的にはトヨタのIQなんかよりよっぽど支持されると思うけどなあ。

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新車心象風景:三菱・パジェロディーゼル

Pajero  今回はきっと色々な雑誌媒体でも指摘があるだろけれど、トッポに引き続き、そりゃあないだろう、三菱自動車と。

 何しろ日本は北米かそれ以上にディーゼル・アレルギーの国なんである。クリーン化技術を引っさげた新世代エンジンでディーゼル復活を目論むにしても、それなりにデリケートな配慮が必要なのは当然の筈。

 そういうときに新長期規制という、もうすぐ世代遅れになるハードルで売り出すってどういう了見なんだろう。日産がMT限定という条件付でも、とにかく現時点で最新規制とされるポスト新長期規制をクリアした商品を出したばかりなのに、まるでその出鼻をくじくようなやり方じゃないか。

 そりゃあ、新長期規制だっていま購入するのに何ら問題はないし、もしかしたら廃車になるまで乗ることもできるかもしれない。でも、それはいまできる最善の仕事じゃない。まあ、たぶん大丈夫でしょうという話だ。

 だから、これはボディパーツを流用しましたというのとは次元が違う。何だかエンジニアには誇りのカケラもないのかと思わせてしまうやり方だ。しかも、三菱は追ってポスト新長期に合わせたバージョンを出すとまで言っているじゃないか。だったら、それができるまで待ちなさいよ。

 買ったユーザーが当面心配要らないのは間違いないけれど、でも、同じ仕様のクルマが猶予期間を入れても2年後には発売できなくなるという事実だけで十分印象が悪い。そういうクルマを、さあこれからだぞという市場に平気で投入するのは、ホントに罪深いと僕は思う。

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