雑誌ナナメ読み:デザイン対論
ベストカーの連載「デザイン水かけ論」はメーカーのデザイナーも読んでいるそうだけど、僕も結構好きなページなんである。
初代プリメーラやN14パルサー、J30マキシマ等、自分が好きなクルマを担当していた前澤氏が書いているということもあるんだけど、清水氏との微妙な意見のズレ加減がなかなかいい感じになっているのもある。
たとえば今売り号のタントとパレットがそう。どっちも大したことないけど、クルマらしくて潔いのはパレットという清水氏の意見は、何ていうかまさにクルマ好きの王道な感覚。一方、どっちもどっちだけど、強いて言えばユーザーの好む可愛さを表現しているタントという前澤氏の意見はまさにプロだなあと感じる。
ぬいぐるみ的な可愛らしさを否定してきた前澤氏がそんなことを言うのはおかしいと清水氏は言うけれど、氏の好きなムーヴラテとはその「可愛さ」の内容や質が違うんだよね。
タントは楕円のライト類やサイドウインドウの丸みで可愛さを出しているけど、これらは全て水平基調のテーマに融合されていて破綻感がない。前澤氏は積み木と表現しているけれど、えぐられた強いキャラクターラインを中心に造形が明快でシンプル。
パレットは流行のツリ目系ライトとかスズキらしいフロントグリルとかが、いかにもいまどきのクルマっぽいけれど、それが元々無理のある背高のプロポーションに溶け込んでいるかというと、逆に無理っぽさを助長しちゃってる気がする。つまり、おかしな箱型に対して最初から開き直ったか、あくまでも従来のクルマらしさを無理やり詰め込んだかの差かな。あ、ちなみにタントはあくまでノーマルの方の話ね。
デザインにも一家言持つ清水氏は持論を一直線に通すけれど、前澤氏は冷静に製品ごとに見極める。この微妙な差が面白いなあと。いや、もしこの対論がすべて計算されているのだとしたらもっとスゴイとは思うけれど。
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