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新車心象風景:マツダ・アテンザ

Atenza   巨匠ジウジアーロも絶賛し、欧米メーカーのスタジオに見本として並べられたというユーノス500は、少なくとも日本市場には早すぎた登場たっだけれど、ここに来て色々なタイミングが合い始めている気がするんである。

 たとえば五角形のグリルや切れ長のライト、張り出したホイールアーチなど、造形上の統一イメージをことさら声高にアナウンスすることなく各車に取り入れ、しかも各車それぞれの特徴を出している点は素直に見事かと思う。それで退屈だったら意味ないけど、どれもスタイリッシュなんだからなおさらに。

 それで考えるのはまずレクサス。L-フィネスなんてフィロソフィを高くたかく掲げて、その高尚なコンセプトの実現に躍起になって試行錯誤しているけど、そんな大騒ぎなしでやっているマツダの方がよっぽど結果を出しているのが皮肉な感じ。造形上のテーマは必要なんだろうけど、言葉が先に行っちゃうのはチョットね。

 あとスバル。少ない車種で特徴を出して行こうという点では共通のメーカーだと思うんだけど、何だか展開は両極端になっちゃったなあと。プレオや初代のインプレッサ、レガシィの頃は、個人的にスバルが日本のBMW(スタイリングの話)になるんだろうなあと思っていたんだけど、まさかこんなに迷走するとはね。もちろん外野の声に惑わされたこともあるけれど。

 造形上のテーマがブレず、先代のイメージを素直に引き継いでブラッシュアップし、中身は日進月歩の技術的向上を取り込むモデルチェンジは欧州メーカーの手法。その欧州を主戦場とするマツダがこれを実現しているのはたぶん偶然じゃないと思う。

 まあ、日本じゃマツダ地獄とか、値引きのマツダとか、新古車がどうのこうのとか、商品とは別のところで色々言われちゃうマツダだけど、欧州カーオブザイヤー2位の実力が正当に認められる時期なんじゃないかなあ、と思う。

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雑誌ナナメ読み:ケンカ結構

 基本的に内輪ウケに終始することが多い自動車評論家の活動だから、誌上で衝突が展開されることなんてかなり珍しいと思う。

 「AUTOCAR」の3月号なんだけど、フィットとポロのどっちがいいかという連載での話。革新パッケージだけでもフィットを賞賛とする側と、やっぱり骨太なドイツ車とする側が対立、真面目に険悪な雰囲気になっちゃったらしくて、その様子が誌面からも生々しく伝わって来る。

 これを読んで感じたことがふたつあった。

 ひとつは評価軸。この雑誌はイギリスのものなんで、向こうらしくクルマは「乗ってナンボ」が徹底している。もう毎号比較検討記事に溢れていて、ナンバーワンはどれかみたいなことがメイン。もちろん、我が国のインプVSランエボみたいなお約束対決ばっかりじゃなくて、あらゆるセグメントでやってみせるのがウリ。フィットの理想主義擁護は個人的に理解できるけれど、それがこの雑誌の方向性と少々ズレているというか、何だかいつもと違うけどいいのかなあと。

 もうひとつはその険悪な場面をそのまま載せたのは良かったなあと。いや、大の大人がクルマの比較検討くらいで喧嘩するなよというご意見もあるでしょう。あるいは、商業雑誌として編集の段階できれいにしちゃえよとか。でも、それはちょっと違うかも。

 僕らユーザーや読者が「どうせメーカーの提灯記事だから」とか「広告もらってるんだから」なんて物分りのいいことを言うからか、自動車評論、とくにインプレッションってやつはどれもこれも似たような構成に似たような言葉で、ハッキリ言って書き物としちゃあ最低のものが横行してる。

 でも、これって考えてみれば仕事なわけで、そこで手を抜いているわけでしょ。たとえば、僕は勉強していない医者に診てもらうのはイヤだし、練習しない選手のスポーツは見たくないし、下手な役者のドラマは観たくないし、サービスの悪いホテルや旅館に泊まるのはイヤ。じゃあ実際にはどうしているかと言うと、その逆に精進して頑張っているところにお金払ってると。

 まあ、どの分野にしたって「ま、そこそこでいいじゃん」って話はあるんだろうけど、自動車評論はその幅が広いんじゃないかなあ。普通の商売だったらとっくに潰れるような中身でも、メーカーの傘の下でぬるま湯生活OKみたいな。

 そう考えると、険悪になるくらい熱く討論するのなんてきっと当たり前のことなんじゃないかな、本来。だって評論家でしょ。主張のぶつかり合いでしょ。お前、なにフザけたこと言ってんだよって世界だよね。いや、本気なら・・・。

 ま、最初は何だコレって思ったけれど、いいんじゃないかな、こういうのは。

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クルマ散策:女性による女性のクルマ

I  前にも書いたことがあるけれど、女性向けグレード、女性仕様車っていうのはこういうのでいいのかなあ? と思う。

 ピンクのボディに日焼け防止ガラス、バニティミラーにカラフルなインテリア素材、なぜか親水機能付きドアミラー。三菱アイのブルーム・エディションは女性チームが考えた真の女性仕様車らしい。

 むかーしの女性仕様車は「こりゃ男が考えたな」っていう赤いボディにピンクのシート、なんて世界だったけれど、何てことはない、いまどきの女性チームが考えた自分達仕様も基本的に同じなんである。アロマ機能とか。

 いいのかなあ、と思う。これを女性と言うのなら、結局自分達は可愛い色とお洒落な素材、それにお肌に優しければOKってことでしょう。あー、そういうので満足しちゃうんだあ、って男に思われちゃってもいいのかなあ?

 いや、たとえば絶対的に体格に差があることが多いんだから、よりアシストの大きいステアリングとか、ブレーキサーボとか。シート調整幅の拡大とか、軽いテンパータイヤの開発とか、そういう方向は必要ないのかな。

 あと、毎日のように女性が狙われるこの物騒な世の中で、犯罪防止用の緊急連絡システムとか警報ブザーとか、そういうのは要らないのかなあ?

 たとえば室内真っ黒にして”男性仕様”みたいな風潮に僕は大反対なんだけど、こういうステレオタイプな発想を女性自身がやっちゃうのはどうなの、と思う。

 

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新車心象風景:スバル・フォレスター

Forester  独特のクロスカントリー風スタイルからいまどきのSUVっぽくなっちゃったなあ、という感想はさておき、気になるのはこの顔なんである。

 Rシリーズやまだ来ぬトライベッカで展開されたスプレッドウィングは失敗の烙印を押されたとして大幅修正され、先代インプレッサの最終モデルから適用された新しい「鷹の目」版がフォレスターにも採用された。

 始めに言ってしまうと、僕は当初のSWグリルは結構好きだった。「アルファみたい」と陰口を叩かれたけど、全車統一グリルをやるんだったら悪い素材とは思わなかった。

 Rシリーズはクルマ自体がアルファみたいで、それだけでも保守的日本人は引いたところに、あの新しい提案で過剰反応だったんだろうと思う。それに、バンパーを含めたフロントが煩雑過ぎたのは確かだし。トライベッカについてはどこがいけないのかいまだに分からないけれど。

 鷹の目版はその目尻までを含めて「翼」なのはよく分かるけれど、じゃあ今後これでずっとやるの? と考えるといささか造形上のテーマが弱いんじゃないかと思う。それは新しいインプレッサみたいにフロント全体が負けちゃってるという意味もあるし、継続性という点からもそうで、いつまでも目の下を湾曲させた「鷹」じゃ持たないんじゃないかと。

 これだったら僕は当初のグリルを磨いた方がいいと思う。要はまとめ方である。中央の丸いグリルと両端の羽グリルで3つの穴が開くわけだから、その他のフロント部分はシンプルにした方がいいだろうし、軽とレガシィでは展開を変えるような配慮は要るだろうけれど。

 少し前に雑誌NAVIで、元オペルデザイナーの児玉氏が同じような話をコラムに書いていて、恐らく数分でサクっと描いただろう「提案」が素晴らしくよかったのを思い出す。当初SWを元に、ヘッドライトをシャープにしたそれは日本車離れした雰囲気を醸し出していて、まあ結局は”展開力”なんだなあということを改めて知らされたんである。

  

 

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雑誌ナナメ読み:GT-Rをチューンする

Gtr  「ベストカー」のGT-R特集で、街のチューニングショップへのインタビューがあって、これが面白かった。

 まあ、色々な意見があるんだけど、今度のGT-Rは市販状態で絶妙のバランスが取れている、だからイジったら保証しない、触れば記録が残る、みたいなメーカーのモノ言いが気に入らん、という声を載せているんである。

 彼らの意見としては「街のショップをナメるな」ということらしい。自分達の技術はメーカーには負けん、それを最初から信用してないのはケシカラン、いまに見ておれ~、と。

 ま、実際街のショップがメーカーと同じ技術を持っているのかどうかは知らないけど、ヒョヒョイとチューンして筑波が1秒速くなっちゃうんだったら苦労ないよなあ。そういうことやったら他に影響が出て来るって話でしょ、今回は。影響ないならメーカーに雇ってもらった方がいいよね、名工として。

 そもそも、今回は800万円の高級車としてそっち系の世界から踏み出そうっていう考えでしょ。R32はほぼ全てが改造車だけど、もうそういうクルマじゃないんですよ、Mとかポルシェとかフェラーリとか、向こう側に行っちゃったんですよと。

 そのために組織壊してまで新次元のクルマを作ったんだから、それを認めるのもひとつの見識なんじゃないかなあと思う。だって他にチューニングするクルマはいくらでもあるわけで、いいじゃん、対象外のクルマが1台くらいあったって。

 それを日産はダメになっただの裏切っただの、何だかなあと思う。そんなこと言ってるからナメられるんじゃないのかなあ?

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クルマ散策:草思社倒産?

 「間違えだらけ」の出版で知られる草思社が、再生法申請との新聞記事が出た。

 連載していたマガジンXで、06年の春頃、巨匠へ取材をしたことを思い出したんである。その頃に「間違えだらけ」の最終版が出るという話があって、じゃあ、その終刊について話を聞きに行こうとなったわけである。

 ところが取材開始早々「止めたんじゃなくて出版社を変えるだけだ」という回答があって、もう頭が真っ白に。だって、その時点で取材の意味がほとんどなくなってしまったわけだもんね。いやあ、あの日はキツかったなあ・・・。

 同社が負債を抱えたのは、この本が終わったからというより、流行の新書を設けないなど経営方針に無理が生じたらしい。だいたい、僕が最後に出版した7年前にはすでに出版不況なんて言われていて、純文学なんかだと超有名な作家でも初版数千部、しかも返品率が平気で30~40%だっていうから大変なんである。

 こんなんだから文学賞を若くて可愛い娘へあげちゃったりとか、誰でも飛びつきそうな自己分析本とか出しちゃうし、ついには実話と偽ったデタラメなケータイ小説なんてものまでが本になっちゃう。

 自動車雑誌も厳しいのは同じで、そろそろ勝ち組と負け組が明らかになりそう。もちろん、雑誌数が増え過ぎたのもあるけど、やっぱり中身なのかなあ。売れなくなるとモディファイや改造みたいな安易な方向へ逃げちゃう。

 で、新しい「間違えだらけ」は一体どうなるのかな?

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クルマ散策:メルマガコラム

 結構前からですが、「自動車ニュース&コラム」という毎日配信のメルマガでスポット的にコラムを書いています。

 当初は本を出版したときに連載のお話をいただいて何本か書いたのですが、その後は上記のとおりスポットで書かせていただいています。ここではそれについて案内してこなかったのですが、せっかく書いているのでご案内しようかと思います。

 下記URLで掲載号を閲覧できますので、末尾のコラムをご笑覧いただければと思います。また、大変有用なメルマガですので、よろしければ登録してください。

「自動車ニュース&コラム」 1月7日号

http://blog.mag2.com/m/log/0000000772/109322585.html

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クルマ散策:スバル産トヨタ車

  一度ここで書いたけど、トヨタ・スバルのスポーツカー開発が本決まりになったらしい。うーん、個人的にはどうなかあ、と思う。

 トヨタはパッソ・ブーンなんかをすでにダイハツに委託して作ってもらっているけれど、今回は少々話が違うんじゃないかなと。AWDはまだ分からないけれど、水平対向エンジンを持ち出しちゃって、しかもトヨタブランドだけで売るって話だもんね。

 で、その見返りがダイハツ主導開発車のOEMだっていうから、それこそパッソ・ブーンとか、ヘタしたらbBとかをスバルディーラーに並べるって話でしょ。いやー、それもまた厳しい話だよなあ。

 これって、たとえばだけどマツダにロータリースポーツ委託してトヨタブランドで売るような話でしょう? ま、マツダは自前でやるからそういうのはないだろうけどさ。端的に行って、小さなメーカーが自社のシンボル的技術をよそにあげちゃったら命取りなんじゃないのかな?

 もしかしたらトヨタでドカーンと売ることによる水平対向の宣伝とか、あるいはエンジンの量産効果とか、そういうの期待しているのかもしれないけど、200万円以下の若者向けFRスポーツなんていうピンポイント車じゃあ、ちょっとね。

 僕としては、今回の業務提携は合理的な生産技術とか、ミッションとかの開発技術とか、あるいはある種のマーケティングのノウハウとか、そういうレベルがいいなあと思っていた。お金に困っている分はカムリみたいな生産委託とか、あるいはダイハツみたいにトヨタ企画車の開発・生産委託とか。そうやってスバルが独自に歩むための基盤を作り込むと。それも無理なら、せめてそれこそパッソ・ブーンみたいなOEMにするとか。結果的にトヨタの方が売れたとしても、やっぱ自社ブランドで持ってないといくらなんでもさあ。

 まあ、トヨタがハチロクみたいなクルマで若者を振り向かせたいみたいな話は前々からあったけど、まさかこんなカタチでまとまるとはねえ。自分で作れないんだったらヤマハに頼めばよかったのに。

 あ、それからメディア、評論家的にはこの話ってどう扱われるんだろう? ちょっと注意してみようかな。

 

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