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新車心象風景:トヨタ マークX・ジオ

Jio  ジオの眼目はトヨタの新しいデザインフィロソフィ「VIBRANT CLARITY」を具現化させたエクステリア。最近の新車もすでに「VIBRANT CLARITY」を謳っていたけれど、2年前の東京モーターショウに飾られていた「FSC」こそがその源流なんである。

 リアランプからヘッドライトを通り過ぎ、何とフロントバンパー下のフォグランプまで続くキャラクターライン、大きく膨らんだフロントフェンダー、滑らかなU字を描いて凹んでいて、水の流れのような表情を見せるボンネット。

 トヨタが訴えるように、タテとヨコのラインが交錯し、そこに「活き活き、明快」というテーマが現れているということなんだと思う。ほとんどオデッセイなんだけど、トヨタがこれまでになかった造形美と自負するのは、そのテーマ性を全開させているからなんだろう。

 ただ、レクサスのL-フィネスがそうであるように、トヨタブランドの「VIBRANT CLARITY」も結構分かりにくいのが難点だ。L-フィネスが「先鋭」とか「清妙」とか言われると、ああ何となくそうなのか、と思わせるのと一緒で、タテとヨコ、硬と軟なんていう説明があって初めて、ふうん、なるほどねえ、と思わせるような分かりにくさ。

 これは、たとえばクリス・バングルのエッジの効いたBMWとか、シングルフレームの新しいアウディなんかが、とくにアレコレ説明しなくても一貫したデザイン言語を感じさせるのと正反対の話なんである。

 トヨタの場合、新しいカローラやアリオン、ベルタ、カムリあたりが皆同じような処理をしているのを「VIBRANT CLARITY」ですと言ってくれれば分かりやすいんだけど、ジオを見る限りそういうことでもないらしいから、何だか余計にワケがわからないのが残念なんである。

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「新車心象風景」カテゴリの記事

コメント

なんか全体のフォルムは凡庸なのに、ごちゃごちゃと余計なラインが多くて、正直気持ち悪くて仕方がないのですが…。車台からしてマークXとは関係無いし、名前を借りているだけなのも、良くわかりませんね。
好き嫌いはともかく、今までトヨタは、日本で売れそうなデザインを作ってきたと思うのですが、特に最近のイストやノア/ヴォクシー、それにこれは、どうしちゃったの?って感じです。いくらトヨタでも、とても売れそうに思えません。
現行のトヨタ車(レクサス含む)で一番美しいのは、ハイエースのサイド&リヤビューですかね。

投稿: yad | 2007年10月 5日 (金) 12時35分

yadさん

こんにちは。
近くで見るとかなり有機的なラインなので、それが過剰に感じられると「気持ち悪い」と思えるのでしょうね。言い方を変えればそれだけ思い切ったとも言えるのでしょうけど。

僕もyadさんには同感で、90年代くらいまでのトヨタは憎らしいほど万人受けするデザインをしていましたよね。底力はあるのに時折大コケする日産を横目に、絶対ハズさない感じでした。国内販売の落ち込みに対して、トヨタも色々試しているのかもしれません。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年10月 5日 (金) 20時03分

「トヨタが生み出した全く新しいクラス」なんて言ってますが、僕にはメルセデスのRクラス、オデッセイ、この2車を意識しているとしか思えません。カービューの取材に対しても、オデッセイを意識したことはないと答えていますが、そんなことはあり得ないです。目の前にあるホンダの代表車種を見ないなんて!それとも、オデッセイじゃなくてRクラスを意識したとでも言いたいのでしょうか?(笑)
また、yadさんもおっしゃる通り、全く別の車体から作り出したFF車にマークXの名前を与えるなんてユーザーをバカにしています。それでも消費者はまんまとトヨタのマーケティング戦略に乗ってしまうんでしょうね。悲しい。
個人的にはこのクルマをタクシーとか社用車に使って欲しいです。

投稿: DueLancia | 2007年10月 8日 (月) 23時54分

やっぱりオデッセイ対策では? トヨタは販売店が細分化されているので、それぞれの販売店向けにいろいろ出さなければならない。大変ですね。先日初めて、MAG-Xを買うのを忘れていました。ここ10年、毎月楽しみにしていたのですがこのごろ面白くない…。

投稿: 優路 | 2007年10月10日 (水) 11時01分

>DueLanciaさん
Rクラスよりやっぱりオデッセイでしょうね。まあ、例のウィッシュの一件もあるし、口が裂けてもオデッセイとは・・・ね。
マークXの名は完全に保険ですよね。何だかんだ言ってもトヨタとしては新ジャンルなので、名前だけでも取っ付きやすくしとかないと、という。上手いと言えばうまいです。

>憂路さん
懐かしい感じですが、販売店のためのクルマ作りって、いまやトヨタくらい? 他社はどんどん販売店の統合を進めて、あまり意味のない兄弟姉妹車とか車種拡大は少なくなりましたよね。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年10月10日 (水) 20時09分

皆様もご指摘されている通り、今回の
マークX・Zioはオデッセイ対策にしか
見えないと思いました。

既にトヨタにはエスティマやイプサム
なんかがあり、下手を打てば共食いに
なりかねないのに・・・なんでこんな
もん出したんだろう?と甚だ疑問に感
ずる次第です。

改めてライバルを見渡すと・・・
ホンダのオデッセイやマツダのMPVに
はV6エンジンの搭載はなくとも、若さ
がありますよね。同じメーカーのエス
ティマに於いても、わずかながらその
匂いを感じますし。

マークXはそもそもマークⅡの後継車種
であり、それのミニヴァンってことで
今回命名されていますが、マークXを購
入する世代はミニヴァンを必要としな
い世代とほぼイコールに思えます。

それゆえ、どの世代へ売りたいのだろ
うかがハッキリ見えないのがちょっと
痛いですね。

投稿: ぽち | 2007年10月13日 (土) 11時50分

ぽちさま

あえて7人乗りとはしないで、4席プラスアルファと謳って高級感を狙ったのでしょう。そのためにマークXの名を拝借したと。さらにそこがオデッセイと違うのだ、ということで。

しかし、できあがったものがオデッセイを連想させちゃったら意味ないですよね・・・。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年10月14日 (日) 00時25分

すぎもと様初めまして。

ところでマニアや評論家の冷ややかな目を横目に10年前から消費者にミニバンが売れたのって、そのとき既に手垢がついてしまった通俗的なセダン・ハッチバックやクーペと違って、ミニバンに限らず当時のRV全体が何にも染まっていない清新で無垢なイメージがあったし、その上で初代エスティマや初代オデッセイ(あるいは初代ワゴンRなんかもか)は従来のセダンなど他のクルマと「何にも似ていない」デザインやコンセプトに「何にも似ていない」パッケージングやメカを伴っていたから広く受け入れられたのだと思います。

また、当時のRVはカローラ<コロナ<マーク2<クラウン といったようなヒエラルキーとは自由位置づけで、バブル崩壊以降の多様化の時代にクラスレス感があることにアドバンテージがあったのだと思います。走り屋なんかにはつまらなくなったと感じるでしょうが、一般消費者には新ジャンルの製品登場でクルマ選びに夢を感じられたし、みんな積極的にそれらを選んでいたんですよね。

しかし、ミニバンが当たり前になってしまった時代、ほかと似たり寄ったりの車ばっかりになってしまいましたし、小型車から上級車まで水も漏らさぬミニバンラインナップが完成する中ですっかりどれもヒエラルキーに組み込まれてしまった。そんな時代の象徴がジオなんだと思います。

このクルマ、オデッセイそっくりでFFなのにマークXの名前が冠されているのが問題だけど、これを買う人にはそのことがむしろ意味あることなんでしょう。ずっとトヨタ車を乗り継いでいるのでオデッセイなど他社に乗り換えるのは不安なのでトヨタから「オデッセイみたいなクルマ」が出来ればそれを買うのが安心できていい。マーク2クラスのクルマを乗っていた人にはマークXの派生車扱いなら従来の者と同じ車格感だとはっきりしていい。売る側も「トヨタ版オデッセイですよ」「マークXのミニバン版ですよ」とわかりやすくセリングトーク出来るほうが売りやすい。

でも、それでは買ったところでこれといった満足感が味わえずに終わるでしょうね。昔の初代エスティマ・オデッセイとかは今までのクルマにない新しい生活感を求めて積極的に選びたいと動機付けられて買ったものですが、今のジオのような車は車検も近いししょうがないから買い換えようか、広そうなミニバンが安心かな、という消極的な理由でしかありません。それでいいのかな。最近はクルマをつくる方も買うほうも意識が停滞している気がします。

投稿: 北狐 | 2007年11月11日 (日) 22時49分

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