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雑誌ナナメ読み:差し引きゼロ

 雑誌の新車インプレッションでも最近は欠点を指摘するようになったけれど、それもまだまだ本格的じゃない。それに、指摘する場合にも配慮があって、クルマの本質にさほど影響のない部分だけにしておいたり、あるいは過去を否定して現在を肯定する、つまりプラスマイナス・ゼロにするのが常套だったりする。

 いま売りの「driver」でのトヨタ・ブレイドがいい例で、評論家のM氏が例によって開発コンセプトに沿った肯定的感想を見事にまとめあげている。まだ若手と言える年齢だろうに、M氏の御用ぶりときたらベテラン並みで、唯一の指摘はパーキングブレーキレバーのリリースボタンが操作しにくいという一点だけだそうだ。いやあ、1台のクルマで欠点がこれだけとはスゴイもんである。これが前者ね。

 後者は2ヶ所ある。まずマフラーの話で、先発のオーリスはフロアセンターにメインマフラーがあってこもり音がするけれど、ブレイドはリアフロアに移してこれを改善したという話。もうひとつは天井照明。先に採用したマークXは「これみよがし」で品がないけど、ブレイドはさりげなく品があるという話。

 じゃあ、オーリスやマークXはインプレッションでその点を指摘したのかといえば、もちろんそんなことはしない。書いたとしても、もっとオブラートに包んだもの言いだ。大切な新車を持ち上げるためには、すでに販売済みのクルマを踏み台にしても思いのほか影響は少ない。それによって新車のイメージが上がる方がよほどいいという判断で、これなら安心してケチを付けられるワケだ。

 あまりに使い古された手法だから、いまでもこうして使われていることに逆に驚いてしまう。しかも若手の評論家である。いや、若いからこそいまさら使うのか?

 ま、どっちにしても、こんなことを書いている方は早々に退場願いたい。

 

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「雑誌ナナメ読み」カテゴリの記事

コメント

確かに、その通りです。
自分は、河口学氏のブログに、ブレイドの記事で書き方がおかしいので、「あなたはトヨタの広報ですか?」「詭弁を改善してほしい」と一般非公開になるようにコメントしましたが、果たして、聞いてもらったでしょうか?(笑)

詭弁やウソ、提灯だけでポルシェに乗れるわけですから、正直申し上げて虚業といっても差し支えないかもしれません。

投稿: クルマ変態 | 2007年1月 8日 (月) 10時27分

こんにちは。

そういうブログがあるのですか。自分のブログですからちゃんと見ているのではないでしょうか。

オーリスとブレイドのようなクルマは、評論する人の良心が分かりやすいですね。と言っても「ブレイドおかしいよ」と書いている人はまだ見ていませんが・・・。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年1月 9日 (火) 00時24分

自動車評論家は本当の意味でのジャーナリストか、と言う点を考えてみると
1広報車を無料で借りてインプレッションを書く
2海外の試乗会に「あご足付き」で出かける
もうこの2点でのみでも、ふつうの人なら悪口は書きにくいと思われます。
ライターの皆さん、思った通り書いているのかと言われると、そうではないと心の中では答えるでしょう。恒産なくして恒心なし。まっとうなインプレッションのためには、編集部で新車を1台買うぐらいのことをしなければ。記事書いたのちは、すぐに売ればいいので、新車購入費-その車の売却代金=おそらく数十万円の持ち出しですが、それで読者の信用が得られるなら安いものだと思いますけど。
会社にお披露目に来ていた高価なブレイドを見て私は、「あ、CX-7か」と割と大きな声で言ってしまいました。無礼度(ブレイド)高かった、か。

投稿: 憂路 | 2007年1月 9日 (火) 11時22分

こんにちは。

実際にクルマを買って、試乗後に売るというのはナイス・アイディアですね。そういう雑誌が出てくれば結構売れるかもしれません。あとは広告収入ですか・・・。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年1月 9日 (火) 22時16分

はじめまして。

こういうことを考えているライターさんがいる、ということが嬉しいです。

メーカーに嫌われないように、売り上げを減らさないように。今の自動車誌は(他の雑誌もですけど)この2点だけしか考えてないですよね。

ほんの些細な欠点なんかじゃなく、コンセプト云々や社会的意味まで問うMAG-Xのような雑誌こそ健全な雑誌だと思います。

これからも斬り続けてください!

投稿: LANDY | 2007年1月10日 (水) 00時03分

LANDYさん、はじめまして。

ブログ拝見しました。自分と同じ活動をされている方がいるなんて嬉しい限りです。僕はライターと言っても雑誌は現在1本だけで、あとはメールマガジンくらしかやっていません。

LANDYさんも是非一度雑誌などにも寄稿してみてください。やはりネットとは違った面白さがありますよ。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年1月10日 (水) 20時40分

お返事ありがとうございます。

嬉しいと思ってくださったことが嬉しいです。

雑誌への寄稿、やってみたいと思います。

投稿: LANDY | 2007年1月11日 (木) 23時39分

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