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新車心象風景:ダイハツ:エッセ・カスタム

Esse  北海道の美瑛といえばパッチワークの丘、それと「ケンとメリーの木」「マイルドセブンの木」など、TVコマーシャルで使われた美しい木で有名な町。

 この木々、元々はパッチワークの畑の中にポツンと立っていてその風情が良かったんだけど、最近になって再び訪れたら、農道は広いアスファルトになり、木の前には広い駐車場ができ、そして駐車場の横には日本の観光地特有の貧乏臭い露店風売店が建っていた。

 そりゃあ、道を舗装すればクルマのアクセスはいいし、駐車場作れば観光バスだって止まれる。でもって観光客は数倍に増える。けれども、それによって本来持っていた風情は消え失せ、それを楽しみにしていた人はもう訪れない。

話は「ガマン」だ。

 エッセは単に安い軽というだけじゃなくて、シンプルを逆手にとり、張りのあるボディとカラフルな内外装でいい意味のカジュアルさを獲得した秀作である。ダイハツは主力のムーヴやミラを高級路線にして余力でエッセを作ったんだろうけど、その肩の力の抜け具合がいい結果を生んだんじゃないかと思う。けれども、その良きカジュアル感を何と自分の手でブッ壊してしまった。カスタムの設定である。

 ま、ムーヴじゃ「裏」の方がウケがよかったのは知っているし、だからミラにまで裏表を作っちゃったんだろうけど、全く別の価値観を打ち立てたエッセにまで設定するかね、普通? そりゃあ販売数は上向くんだろうけど、何で「ガマン」できないの? 

 プレミアムだ何だって騒いでいても、一向に日本に「本物」が根付かないのは抑制、つまり「ガマン」が足りないからでしょ。目の前のカネに走っちゃって、ゆっくりいいものを育てて行こうとしないからでしょ。安藤一色だったのが、イナバウアーで荒川に、でもプロに転向したら今度はミラクル真央に、みたいなことやってるから選手が潰れたり競技自体が理解されなかったりするのと一緒。

 しかも、今度は自分で蒔いた種を自分で踏み潰してるワケでしょ。いや、黒くてエアロなエッセが欲しい人もいるんだろうけど、そんなの自分でカスタマイズさせておけばいいじゃん。

 お手軽なパーツをつけたクルマも子供っぽいけど、その考え方自体が一番子供っぽいと僕は思う。

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コメント

ダイハツの軽戦略。このごろよくある、CDやDVDの「限定版」「普通版」2種類を売る商法に似てないかな。「ここだけ」「今だけ」「限定」「選ばれたあなたのために」が好きな方向けの戦略といえる。「安く作って高く売りたい」との本音の鎧が、ダンクシュートするおばさん黒木瞳の服の下からちらっと見えたり…するわけはないか。

投稿: 憂路 | 2007年1月16日 (火) 22時08分

すぎもとさん
自ニコからきました。
なかなか納得の車評がすばらしいですね。

エッセ・カスタムは否定はしませんがエッセ自体のデザインの魅力の無さがいけません。エッセで一番気に入らないのは後席の居住性。最近のダイハツの車、「ハイ、一丁出来上がり」的なデザインが多いのですぐに新鮮味が薄れるような気がします。
個人的にほしいのはボーイズレーサーです。旧〃型のミラの標準車はいい線行ってたのにな。。。。残念!

投稿: おっりょー | 2007年1月17日 (水) 22時44分

憂路さん、こんにちは。
相変わらず上手いコメントで感心しきりです。どこかでお書きになっているんでしょうか?

おっりょーさん、はじめまして。
僕はエッセ好きですよ。ただ、機能的には単にコストダウン追求ですが、それはどうかと思ってます。
ボーイズレーサーですか。個人的にピンと来るのはマーチ12SRかな。実際に買うにはもう少しトルクが欲しいですけどね。

投稿: すぎもとたかよし | 2007年1月17日 (水) 23時59分

すぎもとさま。おほめにあずかり恐縮です。私は、ただの「文句言い」。上司に「おまえは修行僧か。文句ばかり」(修行僧は英語で「monk」だから)と言われたこともあります。修行の道は厳しい(笑)。かくのは恥だけで…。

投稿: 憂路 | 2007年1月18日 (木) 05時51分

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