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新車心象風景:トヨタ・オーリス

Auris  名前だけじゃなく、プラットホームもカローラと決別して独自路線を打ち出したオーリス。欧州でゴルフ達と真っ向勝負するべく3ナンバーへと拡幅し、徹底的に走り込んだとトヨタは豪語する。

 僕は欧州の合理的なクルマ作りが好きなので、オーリスの基本姿勢にも賛同するけれど、ちょっと引っ掛かるところもあったりする。それは近々登場するブレードという兄弟車の存在なんである。

 ブレードは前後ランプや内装素材の他、エンジンも2.4リットルからと、より上級指向を目指すらしいのだけど、まあ基本的に同じクルマには違いないんである。オーリスはパリショウで発表されたことからも欧州での展開を前提としている一方、上級版のブレードは日本市場をメインにするとか。ま、同じクルマの味付けを変えて市場も変えようという魂胆だ。

 けれども、そういう安易な発想は結局どっちつかずになるんじゃないかと僕には思えてしまう。つまり、オーリスは欧州で通用する性能をリーズナブルな価格で提供してくれるのだけど、ちょっと横を見れば同じカタチでより高級感のあるブレードが売っているわけで、じゃあオーリスは単なる安物じゃないかということになる。逆にブレードは「安かろう、悪かろう」を脱する本物感をコンセプトにするというけれど、これもちょっと横を見れば同じカタチをした「お買い得車」が売っているわけで、じゃあ本物って何よ、ってことになる。

 トヨタにとっては販売店対策という大きな理由があるのは想像できる。それに、兄弟車であっても出来るだけ性格を変えようという努力も理解できる。けれども、所詮別のコンセプトを同じクルマで実現するのは無理な話であって、結局は両者ともが中途半端な存在になってしまうのが常なんである。

 わざわざ土台を変えてまで欧州に打って出ようというのだから、ここはしっかり一本に絞って十分に作り込む。そうやって本当の本物を生み出す。僕はそういうやり方のほうがいいと思うのだけど。

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雑誌記事:マガジンX12月号

Mag12  マガジンX、12月号が発売されました。

 今月号は元道路公団、現在は株式会社となったネクスコ東日本への取材記事です。と言っても、取材対象は高速道路のSA・PAを運営する子会社のネクセリア東日本だったんですけど、対応は親会社にまかせろ、ということらしいです。

 事務所は公団があった同じビルをそのまま使っているんですけど、これがまあ首相官邸近くの何ともスゴイ立地で、建物そのものも立派なものでした。ま、あんなところで働いていたら利用者の声なんて届かないよなあ・・・。

 今回は再びモノクロページです。実はこの取材は結構前に行っていて、記事作成も途中まで進んでいたのでモノクロに戻ってしまったみたいです。次回からカラーページに戻れればいいんですけどね。

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クルマ散策:逃した魚は・・・

Yunos500  国産車ではジェミニに次いで好きなのがユーノス500。あのマツダ・バブル時代の中、5ナンバーサイズに抑え、奇跡的なバランスの良さで世界中のデザイナーに影響を与えた名作である。ま、結局日本では理解されることなく、商業的に失敗作だったのだけど。

 で、そんなに好きなので当然中古車を探していたんである。ただし、色はコーラルシルバーという紫の入ったシルバー、ミッションは恐らく販売の1割に満たないであろう5MT、さらにコストダウンをしたマイナーチェンジを嫌って前期型、という極めてタイトな条件。まあハッキリ言って無理な話ということ。

 と、思ったんだけど、ドンピシャリのタマが先日見つかってしまったんである。しかも、13年前なのに走行6000㎞で、かつ屋根付き車庫保管という信じられない状態なんである。もちろん、内外装とも新車状態。

 ところが、いざ見つかってしまうと、果たしていちサラリーマンがマイカー2台所有なんて可能なのか、という現実問題にぶつかってしまったんである。駐車場料金に、税金、車検、いや今後増えるだろう諸々の整備・修理代・・・。

 で、これには真剣に3日間くらい悩み抜いて、結局見送ってしまった。ま、あと2年くらいで新車を買おうかということもあったし。けれども、やっぱりこういうのって、見送った後に後悔するんだよなあ。どう考えてもあんな極上車は二度と出てこないだろうし。

あー、逃した魚はデカかったか・・・?

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Drive My Car:ヘッドカバー交換

Gemini4  最近入退院を繰り返している愛車ジェミニですが、またしても入院しました。と言っても今回は修理ではなく部品の交換です。

 交換したのはエンジンのヘッドカバー。ジェミニのそれは黒い結晶塗装が施してあるのですが、経年劣化でボロボロに剥がれ落ちていました。すでに新品部品はなく、困っていたときにオークションで中古のパーツが手に入ったのです。

 で、近所の工場で交換をしてもらいました。料金はパッキン交換込みで7,700円とリーズナブル。結果は写真のとおり、特別キレイじゃないですが、ボロボロの状態からは脱しました。これだけでも、気分的にはかなりいいですよね。

 ま、実は同時に痛んできたボンネット裏の遮熱材と、たまに消えてしまうデジタル時計も交換しようと思ったのですが、いずれも在庫なし。うーん、毎度のことながらタメ息が出ます。

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新車心象風景:メルセデスのカタチ

Glclass  もともとメルセデス・ベンツのエクステリアは特段目立つようなこともなく、どちらかと言えば地味だったけれど、地味は地味なりに、それが定番と言えるところまで到達していたと思う。けれども、ここ数年はどうにも妙な具合である。

 写真のGLクラスがGクラスの後継と言うにはあまりに平凡過ぎるように、最近のメルセデスはとにかくオリジナリティに欠けていて面白くない。たしかにラインナップを見渡せば皆同じ要素を持っているんだけど、それ自体がツマラナイんである。

 現行車種の多くに共通する特徴は、フロントのホイールアーチからいきなりキャラクターラインが始まって、それがリアまで駆け上がるという手法。これはAクラスから始まって、B、R、そして間もなく出る新しいCL、Cクラスにも採用されるみたいだ。これはいまのチーフデザイナーの好みなのかどうか分からないけど、どう見てもラインの立ち上がりが唐突過ぎて、造形的に必然性が見当たらないんである。

 で、この唐突なキャラクターラインを除いてしまうともう何の特徴も残らなくて、恐らくスリーポインテッドがなければどこのクルマが分からないかもしれない。さらに言うと、このラインを持っているとしても、それはとても定番になるような代物じゃないんである。

 メルセデスは保守的なイメージがあるけれど、実際には色々とチャレンジングで斬新な提案をするメーカーである。けれども、残念ながら現在はエクステリアの魅力の無さが足を引っ張っているような気がしてならない。少なくともライバルのBMWやアウディのような完成度には程遠い。

 いや、もしかしたら、もはやメルセデスは”定番”なんて発想をとっくに捨ててしまっているということなのか?

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新車心象風景:トヨタ・カローラ

Newcallora_1  誕生40周年を迎えて登場した新しいカローラだけど、皆さんの目にはどう映っているだろう。僕にはどうもいまひとつな感じで、それは多分コンセプト的に大きな変化がなかったからだと思う。

 たとえばバブル真っ盛りに登場した7代目はとにかく大きく豪華にだったし、ニューセンチュリーバリューを掲げた先代は欧州車的な合理主義を取り入れてみせた。その是非はともかく、どんなクルマにしたいのかが分かり易かったんである。それに比べるとこの10代目はコレという売りがどうも見えにくい。クラスを超えたとしてパーキングアシスト機能やミリ波レーダーの搭載が謳われているけれど、まあそれはクルマ自体とはちょっと違うしね。

 けれども、現行ヴィッツやベルタのそつない作りからも想像できたように、作りの良さは相当みたいだ。内外装とも「価格を超えた感」にあふれていて、まさにトヨタの面目躍如といったところなんである。

 僕はカローラに興味はないけれど、でもこのクルマに乗っていれば何の不満もないんだろうなあ、と思うことがよくある。高級感ある内外装、不足ない動力性能、静粛な室内、付いてないものがない装備類、そして恐らくは10、20万キロ乗っても壊れないだろう絶大な安心感。僕みたいに旧いクルマに乗っているとか、あるいはアルファみたいなラテン車に乗っているとか、そういうマニアは好きで乗っているといいながら、何らかの不安や不満を持っていたりするけれど、カローラにそんなものはない。つまり、カローラに乗ってしまえばどんなに楽になるだろう、と。

 そんなクルマが150万円あたりで買えるんである。そう考えると、一番合理的で賢いクルマ選びをしているのは、実は妙なマニアじゃなくて、たいしてクルマに興味なんかない、このカローラに乗り継ぐような人なんじゃないかと思ったりするんである。

 じゃあ、自分は買うのかと言えばそんなことはないのだけど、とにかくカローラにはそんなことを想像させる力がある。ああ、あっちの世界に行っちゃおうかなあ、と思わせるものがある。

 で、それはそれでひとつの実力と言えるんじゃないかとも思うんである。

 

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雑誌ナナメ読み:雑誌の品格

 今月号の月刊誌「NAVI」巻頭。編集長のコラムに飲酒運転を含めた交通事故について書かれている。原因の如何に関わらず、事故は決して他人事ではないという趣旨だ。

 三菱ふそうのリコール問題でもそうだったけれど、自動車雑誌はクルマ単体のことは書いても、なぜか車社会には無関心で、わずかな記事も書こうとしない。いまなら、連日のTVニュースで報道される原油高騰や飲酒運転についてさえロクに語らない。原油高騰については、その背景を探ろうなどという意識はなく、ガソリンが高いから省燃費グッズを試しましょう、なんて雑誌がほとんどという有り様なんである。

 だから「NAVI」がエライという話じゃない。言ってみれば、この編集長のコラムはごく当たり前の内容であり、いま語ることも必然のことなんである。僕が言いたいのは、なぜこれくらいのことが他の多くの雑誌でできないのかということだ。

 まさか、あそこは老舗出版社だから・・・なんて考えているワケじゃないだろう? いや、考えているのか? だとしたら本当に救いようがない。だって、ガソリンが高くて手に入らなくなったら新車インプレッションどころじゃないわけだし、飲酒による事故はクルマが凶器であることを毎日証明しているわけでしょ。自分達の飯の種が凶器になっている様を見て、何もしない何も言わないとは一体どういう了見か。

 べつに一冊丸ごと飲酒運転特集にしろとは言わない(して欲しいけど)。どこかに自分達編集者、あるいは評論家達はこう考えている、という意思表示、アピールがあればいい。それがたった1ページでも冊子の品格が高まるというものだろう。

 あ、もしかして、その品格も要らないってことなのか・・・?

 

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新車心象風景:三菱パジェロ

Pajero_1 前回の東京モーターショウでアイを発表、デリカ、ランサーのコンセプトも出来がいいですねと声を掛けると、デザイナーの某氏は「もう後がないですから・・・」と実に潔い返答をしてくれた。そこには、ダイムラー・クライスラーと手を切って、これからは自由にできるゾ、という意味もあったんである。そういう意味では新しいパジェロ、うーん、ちょっと中途半端かなあ。

 歴代を意識したと言うだけあって、たしかにどこから見てもパジェロそのもの。多分、先代があんまりだったので、ヒットした2代目あたりを強く意識したんだと思う。三菱自身が直線基調にしたと言っているのがその証拠だけど、そうかなあ、これ。

 いや、原点回帰で直線基調にするのは僕も賛成なんだけど、だったらもっと徹底するべきだったよね。具体的に言えば、ルーフも含めてサイドウィンドウの上下に妙な曲線を残しているし、フェンダーも変な膨らみが施されていて、何だかスッキリしない。分かりやすく言えば、2代目と先代を足して割ったような思い切りの悪さがあるんだよね。それはインテリアにも言えて、機能性よりも先代の豪華指向が強く残ってる。

 アイやデリカのコンセプトはあんなに明快なのに、何でパジェロはこうなっちゃったんだろう。多くを販売する海外市場はこういうフォルムを期待しているのか? もちろんアウディQ7みたいに高級SUVを目指しているんだったらいいんだけど、今回は歴代の踏襲が目的なんだから、ここは初代のレプリカを作るくらいの潔さが欲しかったと僕は思う。

 ま、月販700台という数字が日本市場での立場を示しているということかな?

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Drive My Car:冷却水が・・・

Gemini  先日、リザーバタンクのクーラントが妙に減る、と書きましたが、先週、コンビニの駐車場でふと愛車の下を見ると緑色の液がポタポタと・・・。

 ボンネットを開けると、ラジエターの外周から煙を上げてクーラントがしっかり漏れていました。こりゃイカンということで、すぐさま近所の工場に連絡して直行、そのまま入院となりました。

 もともとこのジェミニは中古で購入時から冷却系にいつも不安を抱えていたので、ここはしっかり「箱根を激走しても大丈夫なようにして!」とお願いをしました。

 ラジエター本体は幸運にも新品同様のリビルド品が見つかりました。何と言っても新品は約14万円というデタラメな価格。いくら20年目のクルマとはいえ、いすゞもひどいことします。が、リビルドは約3万円。実質新品ですから助かりました。

 帰ってきたジェミニはラジエター本体の他、周辺のホース、バンド類をほとんど交換。「もう大丈夫ですよ」というメカニックさんの頼もしい言葉も。いやあ、良かったよかった・・・と思ったのもつかの間、帰り道にヘッドライトの片方が切れているのを発見。そのまま引き返してハロゲンランプを左右とも交換してもらいました。ま、20年で初めて交換だと思えば仕方もないか・・・と思い直すしかありません・・・。

 さ、気を取り直して、今月は本当に箱根に行って来ようっと!

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雑誌ナナメ読み:1g=37㎏

 提灯記事というか、まあ、ほとんどの雑誌は新車インプレッションで扱うクルマを持ち上げるのが普通なんだけど、それによって実に面白いことになったりする。いま売りの「ベストカー」に載っているマツダ・ロードスターRHTがそれ。

 ロードスターは有名な貴島さんというチーフが1g単位の軽量化に挑んで完成させたクルマとして有名なんだけど、RHTにあたっては何と37㎏もの重量増になってしまったとか。そりゃあもう大変な変更なわけだけど、しかし雑誌としてここで否定はできない。で、どうなったかというと、素のロードスターとRHTを交互に乗り比べたところ、何と「違いはまったく感じられなかった」という結論なんである。

 いやあ、面白い。1gの話をしていたのに37㎏増、つまり37000倍でしょう? それが乗って分からないっていうんだからスゴイ話じゃないか。せめて重量増したなりにバランスがとれている、くらいのことにしておけばいいのに。だったら最初から軽量化の意味なんてないって話でしょ。

 あれもこれも肯定しなくちゃイケナイから仕方がないって思っているのか、これがとんでもなく滑稽な話だということすら感じなくなっているのか? どっちにしてもデタラメを通り越して、もはや笑うしかないんである。

 ちなみに、同じ号の新しいekワゴンでは、スライドドア採用で左側だけ20㎏増なってしまったものの、荷物を載せればすぐに20㎏くらいにはなってしまうから問題ないだろうという開発者の話が載っていた。いやあ面白いというか、深い話である。

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